JPS638478Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、汚泥の減圧脱水床（又は天日乾燥
床）を備えた汚泥処理装置の改良、詳しくは処理
後のケーキを前記減圧脱水床から掻き取る装置の
改良に関するものである。

従来、浄水場汚泥などの各種汚泥を処理するた
めの装置としていわゆる減圧脱水床又は天日乾燥
床を備えたものが使用されている。これらは減圧
脱水床又は天日乾燥床に汚泥を供給し、減圧脱水
又は重力脱水とこれに続く天日乾燥により処理す
るものであつて、大量の汚泥を省エネルギー的に
処理できる長所がある。

しかしながら、従来装置では処理後のケーキを
掻き取るための汚泥バケツトは円筒状であるため
減圧脱水又は天日乾燥床（以下総称して減圧脱水
乾燥床と記す）の側壁近辺のケーキを充分掻き取
ることができないため掻き残しが出てしまう問題
がある。すなわち、第１図のように汚泥バケツト
１は回転円筒状であつて外側にスクレーパ２を、
内側に掻き取つたケーキを掬い上げる回転可能な
羽根車３などを設けたものであるが、側壁４近辺
にケーキ５が残されたままとなる。このような掻
き残しが出た場合、次の新しい汚泥を流入供給し
て減圧脱水したときに、脱水作用が殆どこの掻き
残されクラツクの入つたケーキ部分に集中するた
め、減圧脱水床の全面に亘つての均等な脱水処理
が不可能となり、したがつて減圧脱水の効果が失
われてしまうばかりでなく、後続する天日乾燥に
も障害が生じるなどの問題点があつた。

本考案は上記従来装置の問題点を解消し、もつ
て減圧脱水乾燥床の持つ効果・利点を充分生かせ
る汚泥掻取装置を提供することを目的とするもの
であり、天泥の天日乾燥床又は減圧脱水床の側壁
１２上に走行可能なガーダ１３を架設し、該ガー
ダ１３上に走行及び旋回可能な本体１４を設置
し、この本体１４の揺動アーム１５，１６を枢支
すると共に、揺動アーム１５に円筒状の汚泥バケ
ツト１７を揺動アーム１６に掻き出し用のブレー
ド１８をそれぞれ連設してなる汚泥掻取装置であ
る。

なお本考案は、減圧脱水床と天日乾燥床を兼ね
た減圧脱水乾燥床は勿論のこと、減圧脱水床を単
独に、または天日乾燥床を単独に備えた汚泥処理
装置にも適用できることは云うまでもない。

本考案の実施例を図面に基づいて説明すると、
第２図のように、天日乾燥床を兼ねた細長い矩形
状の減圧脱水床１１の側壁１２，１２にガーダ１
３が紙面と垂直方向に往復動可能に設けられ、該
ガーダ１３にその長手方向（図面矢印方向）に走
行可能に汚泥掻取機本体１４が設けられている。

この本体１４には２本の揺動アーム１５，１６
が枢支され揺動アーム１５に従来装置と類似構造
の汚泥バケツト１７（角筒状のものとしてもよ
い）が、揺動アーム１６に掻出し用のブレード１
８が中間アーム１９を介してそれぞれ連設され、
側壁１２近辺のケーキ２０を前記ブレード１８に
より減圧脱水床１１の中央部に掻き出して排出で
きるように構成されている。第２図中２１はカウ
ンターウエイト（バランスウエイト）、２２はス
クレーパ、２３はスクレーパ２２による掻取りケ
ーキを掬い上げるための回転可能な羽根車であ
る。

これを第３図及び第４図により更に詳細に説明
すると、前記減圧脱水床１１は上層に砂層１１
ａ、下層に砂利層１１ｂを重層して形成され、前
記ガーダ１３は互いに平行に２本設けられ、その
一方にその長手方向に沿つて汚泥散布管２４が配
設されている。

前記汚泥バケツト１７は昇降機構２５により上
下の微調整が、旋回機構２６により360゜旋回が、
さらに回転機構２７により回転がそれぞれ可能と
なつている。

第３図及び第４図中３１，３１……は流量調節
機構を備えた分岐管、３２は汚泥供給口、３３は
ガーダ駆動機、３４は本体１４の走行駆動機、３
５は羽根車２３の回転駆動機、３６は車輪、３７
はサドル、３８はレールである。

前記揺動アーム１５，１６はいずれも２本一組
のものとなつていて、本体１４にその走行方向に
ついて互いに反対側を向くように、かつ互いに所
定の角度をもつて枢支され、揺動アーム１６，１
６は揺動アーム１５，１５の上昇、降下及び旋回
によりそれぞれ降下、上昇及び旋回が可能となつ
ている。この揺動アーム１５，１５の先端間に前
記汚泥バケツト１７が、揺動アーム１６，１６の
先端間に前記カウンターウエイト２１がそれぞれ
保持され、さらに該揺動アーム１６，１６の各先
端部に枢支連結した２本の前記中間アーム１９，
１９の先端間に細長の前記ブレード１８が減圧脱
水床１１に対し所定の角度をもつてセツトされる
ように連結されている。そしてこのブレード１８
は揺動アーム１６，１６と共に第３図２点鎖線で
示すように揺動し、汚泥バケツト１７の旋回に伴
つて旋回することもでき、したがつて、減圧脱水
床１１の四方の側壁近辺のケーキを的確に掻き出
すことが可能である。なお、第３図中１１ｃはケ
ーキ層であり、汚泥バケツト１７は最下点位置に
ある。

しかして流動性のある汚泥は汚泥散布管２４の
分岐管３１，３１……から減圧脱水床１１上に散
布されたのち図示されない減圧装置により減圧脱
水処理され、次いで天日乾燥処理により更に脱水
される。かくて得られたケーキ層は汚泥バケツト
１７により殆ど掻き取られ、掻き残した部分のケ
ーキはブレード１８により減圧脱水床１１中央部
に掻き出され、再び汚泥バケツト１７により掬い
上げられ系外に排出される。

以上述べたように本考案によれば、脱水・乾燥
処理したケーキを簡便な操作により的確に掻取
り、排出することが可能となり、汚泥の減圧脱水
処理を減圧脱水床全面に亘つて均等に行うことが
でき、したがつて減圧脱水速度も増大すると共に
ケーキ含水率もより低下し、減圧脱水床の利点を
充分に発揮させることができ、後続する天日乾燥
処理も効果的に行え、減圧脱水床全面を有効に処
理床として生かすことができるなどの実益があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の主要部の説明図、第２図乃
至第４図は本考案の実施例を示し、第２図は概略
正面図、第３図は周辺装置との関連を詳細に併記
した正面図、第４図はその平面図である。 １１……減圧脱水床、１２……側壁、１３……
ガーダ、１４……本体、１５，１６……揺動アー
ム、１７……汚泥バケツト、１８……ブレード、
１９……中間アーム、２１……カウンターウエイ
ト、２２……スクレーパ、２３……羽根車、２４
……汚泥散布管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 汚泥の天日乾燥床又は減圧脱水床の側壁１２上
   に走行可能なガーダ１３を架設し、該ガーダ１３
   上に走行及び旋回可能な本体１４を設置し、この
   本体１４に揺動アーム１５，１６を枢支すると共
   に、揺動アーム１５に円筒状の汚泥バケツト１７
   を揺動アーム１６に掻き出し用のブレード１８を
   それぞれ連設してなる汚泥掻取装置。