JPS637330Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、大きな石と、小さな石および土とを
選別する砂利選別装置に関するものである。

（従来の技術） 従来の砂利選別装置は、網目状であつて片側の
みに傾斜する片流れ型の金網スクリーンで砂利を
選別するか、または実公昭55−47664号公報に示
されるように、溝状または孔状の分粒通隙を多数
開設してなる分粒面部を、収粒室の上側に両屋根
状に傾斜させて設け、この分粒面部に供給された
土砂を斜面で滑降させつつ、比較的小さな石およ
び土を分粒通隙を経て落下させ、比較的大きな分
粒面部の下端まで滑降させることで、土砂の選別
を行うものである。

（考案が解決しようとする問題点） 上記金網スクリーンを用いるものは、石をスク
リーン面で転がしながら網目より大きな石と、小
さな石および土とをふるい分けるようにしている
ため、大きな石がスクリーンの網目に詰まりやす
い。さらに作業量増加のため、装置を大型化しよ
うとすると、片側に設けられたホツパも大型化す
る必要があり、この砂利選別装置を移動車輌上に
設置した場合、車輌バランスがくずれるおそれが
あり、大型化が困難である。

また上記両屋根状の分粒面部を有するものは、
分粒通隙と同程度の大きさの石が、分粒通隙に詰
るおそれが多く、この詰つた石が他の土砂の流れ
を止め、さらに多くの目詰りが生じ、そしてこれ
らの石は固く分粒通隙に嵌合されるので、掘削機
等でこれらの石を除去する必要がある。

本考案の目的は、大きな石と小さな石および土
とを弾石作用によつて高速で選別できるようにす
るとともに、選別する部材の間に石が詰まるおそ
れを少なくし、同時にこの部材の真上にホツパを
配置し得る構造にして、大量の砂利を扱つても重
量バランスが良好に保たれるようにし、これによ
り、移動車輌上に大型の砂利選別装置を載架でき
るようにし、作業量の増加を図るものである。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本考案の砂利選別装置は、支持部材３によつて
上端部にホツパ５を支持し、このホツパ５の落し
口８の下部に、比較的大きな石を弾くための弾石
用丸型部材９，１０，１１，１２，１３を複数本
平行に横設し、この各弾石用丸型部材の配置は、
ホツパ５の落し口８の中央部に対応する位置に最
上部の弾石用丸型部材９を水平に横設し、この最
上部の弾石用丸型部材９を頂点とする山形状とな
るように順次下側に下部の弾石用丸型部材１０，
１１または１２，１３を、比較的小さな石および
土を素通りさせるための通土間隔１４を介して平
行に横設してなり、最下部の弾石用丸型部材１
１，１３の外側部に比較的大きな石を取出すため
の取出口１６，１７を設けるとともに、ホツパ５
の落し口８に対応する弾石用丸型部材の下方に、
比較的小さな石および土を外部に送出するための
送土体２２を設けたことを特徴とするものであ
る。

（作 用） 本考案は、上記弾石用丸型部材９〜１３によつ
て、落下する石を弾きながら、大きな石と小さな
石および土とを選別する。この各弾石用丸型部材
９〜１３は山形に配置されているから、例えば部
材９，１０間の水平間隔１４ｂが石の径より小さ
いときは、その石を必ず弾き飛ばすことができ、
またこのような場合でも上記部材９，１０間の傾
斜間隔１４ａは充分大きいので、万一、上記石が
部材９，１０間で極端に減速された場合でも、こ
の部材９，１０間に引掛つていることがなく、部
材９，１０間を素通りして落下する。

（実施例） 以下、本考案を図面に示す実施例を参照して詳
細に説明する。

第１図に示すように、クローラダンプ１の架台
２に支持部材としての４本の支柱３を立設し、第
２図に示すように、左右の支柱３の上部間に前後
部で凹形のホツパ支持フレーム４を固定し、この
前後部のホツパ支持フレーム４によつてホツパ５
を固定支持する。

またこの第２図に示すように、左右の支柱３の
下部と上記ホツパ支持フレーム４の中央部との間
に前後部で逆Ｙ形の丸型部材支持フレーム６を固
定し、この前後部の丸型部材支持フレーム６とホ
ツパ支持フレーム４の下部との間に案内板７を固
定するとともに、上記前後部の丸型部材支持フレ
ーム６の間に、上記ホツパ５の落し口８の下部に
位置して落し口８から落下した比較的大きな石を
弾く５本の弾石用丸型部材９，１０，１１，１
２，１３を相互に平行に架渡す。

この各弾石用丸型部材９，１０，１１，１２，
１３は、硬度の高い鋼材を使用し、丸型部材の径
を太くし、その配置は、第２図に示すように、ホ
ツパ５の落し口８の中央部に対応する位置に最上
部の弾石用丸型部材９を水平に横設し、この弾石
用丸型部材９に比較的大きな石が当つて弾かれる
ようにし、またこの最上部の弾石用丸型部材９を
頂点とする山形状となるように順次下側に下部の
弾石用丸型部材１０，１１，１２，１３を、比較
的小さな石および土を素通りさせるための通土間
隔１４を介して平行に横設してなる。

第２図に示すように、この通土間隔１４のうち
傾斜間隔１４ａは、選別する比較的大きな石の径
よりも大きく設定しておくが、垂直に落下する石
が素通りできる水平間隔１４ｂは小さく、したが
つて、比較的大きな石は、必ず弾石用丸型部材
９，１０，１１，１２，１３に当つて弾かれると
ともに、そのほとんどが傾斜間隔１４ａよりは小
さいため、丸型部材９，１０，１１，１２，１３
間に詰まることは少ない。なお各丸型部材９，１
０，１１，１２，１３間の水平間隔１４ｂは等し
いが、丸型部材９と丸型部材１０，１２との間の
垂直間隔は丸型部材１０，１１間または丸型部材
１２，１３間の垂直間隔よりもやや大きく設定す
る。

また第２図に示すように、最下部の弾石用丸型
部材１１，１３の外側部に比較的大きな石を取出
すための取出口１６，１７を設ける。右方の取出
口１６は、支柱３間に設けたシユート１８によつ
て外部まで案内し、また左方の取出口１７は、支
柱３間に設けた衝突板１９によつて下方に案内
し、この取出口１７の下方から右側部にわたつて
ベルトコンベヤ２０を設け、このベルトコンベヤ
２０の右端部で支柱３間に設けたシユート２１に
よつて外部まで案内する。

また第３図に示すように、ホツパ５の落し口８
に対応する弾石用丸型部材の下方に、比較的小さ
な石および土を外部に送出するための送土体とし
てのベルトコンベヤ２２を設け、このベルトコン
ベヤ２２の後端部はクローラダンプ１の後方に突
出させる。なお前記ベルトコンベヤ２０，２２の
機枠は支柱３によつて支持し、その駆動ローラは
油圧モータによつて駆動する。

次にこの実施例の作用を説明する。

たとえば、カドミウムによつて汚染された水田
の表土をその下層の土砂と交換するときなどに、
この下層の土砂に含まれている石を取除く必要が
あるので、その土砂をバツクホーにより掘削して
ホツパ５に投入すると、その土砂は、落し口８か
ら弾石用丸型部材上に落下する。

その中の比較的大きな石は、最上部の丸型部材
９によつて第２図の左右いずれかの方向に弾き飛
ばされ、中段の丸型部材１０，１２のいずれかに
当り、同様に丸型部材１１，１３のいずれかに当
り、そのうち左方に弾かれた石は、衝突板１９に
当つて下側のベルトコンベヤ２０上に落ち、この
コンベア２０で第図中右側に移送されたシユート
２１上をすべつて地上に落され、また右方に弾か
れた石は、シユート１８上をすべつて地上に落さ
れる。

また比較的小さな石および土は、各弾石用丸型
部材の間の通土間隔１４を素通りして上側のベル
トコンベヤ２２上に落ち、このコンベヤ２２によ
つてクローラダンプ１の後方に移送されて地上に
落される。

このようにして、第３図に示すように、ホツパ
５に投入された土砂のうち比較的大きな石は車輌
の左側に、比較的小さな石および土は車輌の後方
に選別される。

なお送土体としては、ベルトコンベヤ２２の代
りにシユートを用いてもよく、また弾石用丸型部
材９，１０，１１，１２，１３間の間隔１４を調
整できるようにしてもよく、その場合は、石の選
別サイズを選択でき、汎用性がでる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、ホツパの落し口の下部に、複
数本の弾石用丸型部材を、水平に設けられた最上
部の弾石用丸型部材を頂点とする山形状となるよ
うに通土間隔を介して平行に横設し、ホツパから
落下した比較的大きな石をこの各丸型部材により
弾くようにしたから、比較的大きな石および通土
間隔と同程度の大きさの石は、山形状に横設され
た弾石用丸型部材で弾き飛ばされながら落下する
ため、通土間隔に詰まることがなく、さらに弾石
用部材が丸型であるため、その上にこれらの石が
載ることもない。さらに、これらの石は大きな落
下速度を維持できるため、選別時間も短くなり、
選別作業能力の向上が図れる。また上記弾石用丸
型部材間の通土間隔において、その傾斜間隔を比
較的大きな石よりもさらに大きく設定しても、通
土間隔における水平間隔は小さくなり、したがつ
てこの水平間隔で砂利の選別が可能であるととも
に、このように丸型部材間の傾斜間隔を大きく設
定できるため石が丸型部材間に詰まるおそれが少
ないし、小規模の装置で大きな作業能力が得られ
る。またホツパを弾石用丸型部材の真上に配置し
たから、重量バランスをくずさずに装置の大型化
が可能であり、作業量の増加が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の砂利選別装置の一実施例を示
す正面図、第２図はその断面図、第３図はその平
面図である。 ３……支持部材としての支柱、５……ホツパ、
８……落し口、９，１０，１１，１２，１３……
弾石用丸型部材、１４……通土間隔、１６，１７
……取出口、２２……送土体としてのベルトコン
ベヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 支持部材によつて上端部にホツパを支持し、こ
   のホツパの落し口の下部に、比較的大きな石を弾
   くための弾石用丸型部材を複数本平行に横設し、
   この各弾石用丸型部材の配置は、ホツパの落し口
   の中央部に対応する位置に最上部の弾石用丸型部
   材を水平に横設し、この最上部の弾石用丸型部材
   を頂点とする山形状となるように順次下側に下部
   の弾石用丸型部材を、比較的小さな石および土を
   素通りさせるための通土間隔を介して平行に横設
   してなり、最下部の弾石用丸型部材の外側部に比
   較的大きな石を取出すための取出口を設けるとと
   もに、ホツパの落し口に対応する弾石用丸型部材
   の下方に、比較的小さな石および土を外部に送出
   するための送土体を設けたことを特徴とする砂利
   選別装置。