JPS6363030B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ 流体処理装置であつて、 ａ 所要の分離を行なうに十分な速度で回転軸線
を中心として回転し得るローターを有する遠心
器と、 ｂ 上記ローターに取付けられ少なくとも１個の
可撓性バツグを支持するための形状とした１組
の対向配置した支持部材を有する処理室と、 ｃ 上記支持部材内に保持した可撓性処理バツグ
と、 ｄ 上記ローターの回転中心と支持部材との間に
上記支持部材に接して取付けた板とを備え、上
記板はローターの回転間処理バツグ内の流体に
よつて生じバツグ面に作用する半径方向内方の
力に少なくとも等しい半径方向外方の力を支持
部材に対して生ずる質量を有することを特徴と
する流体処理装置。

２ 請求の範囲第１項記載の装置において、前記
支持部材が曲面の発泡ポリウレタンのシユーから
成る流体処理装置。

３ 請求の範囲第１項記載の装置において、前記
流体は血液である流体処理装置。

４ 請求の範囲第１項記載の装置において、前記
可撓性バツグに接した排出流体バツグを含む流体
処理装置。

５ 流体を処理して別個の成分とする方法であつ
て、 ａ 処理すべき流体を収容した第１の可撓性のバ
ツグを２個の対向配置した支持部材の曲面壁内
に置き、 ｂ 上記支持部材を遠心ローターに取付け、 ｃ 支持部材に接触してローターの回転中心と支
持部材の内方壁との間で支持部材に対向させた
圧力板を置き、上記板の質量を回転間バツグ内
に生じた内方向きの力を上記質量の外方向きの
力でつり合わせるのに必要とする質量に少なく
とも等しくし、 ｄ 上記ローターを回転させる、ことを特徴とす
る流体処理方法。

６ 請求の範囲第５項記載の方法において、 ｅ 収集容器を回転中心に取付け、 ｆ 処理バツグを可撓管によつて収集バツグに結
合し、 ｇ 第２の可撓性バツグを第１の可撓性バツグに
接して配置し、第２の可撓性バツグ内に排出流
体を収容し、 ｈ 第２の可撓性バツグ内の排出流体を増加して
上記バツグを膨張させて上記ローターの回転間
に第１の可撓性バツグから血液成分を排出する
流体処理方法。

７ 請求の範囲第５項記載の方法において、流体
は血液である流体処理方法。

８ 請求の範囲第７項記載の方法において、両部
材をローター周辺部に取付け、血液を複数成分に
分離する流体処理方法。

技術分野 本発明は血液処理分野に関し、特に全血を含む
血液を２以上の成分に分離することに関する。

背景技術 特許出願公表昭55−501133号公報（米国特許第
4285464号および第4303193号明細書）は血液の１
種以上の成分を正確な分別ごとに分離するための
遠心装置を記述している。

上記ラタム氏の遠心装置においては、可撓性の
廃棄可能の血液処理バツグを遠心ローター内の２
個の支持シユーから成る曲面の処理室内に取付け
る。曲面の室の設計によれば、血液バツグをある
位置に支持し、分離された血液成分は分離過程内
で短かい距離だけ動く。可撓性ダイアフラム即ち
排出バツグをローターの血液処理室内に取付け、
可撓性の廃棄可能の血液バツグに対して相補関係
とする。可撓性ダイアフラムは遠心ローターの回
転又は静止間に排出流体の導入排出に応答して動
き、廃棄可能血液バツグに圧力を作用させ得る。
更に、血液を可撓性廃棄可能血液処理バツグに圧
入することによつて排出流体は排出し得る。

支持シユーは支持シユーホルダーによつて閉位
置に保持される。支持シユーホルダーは、シユー
の両側縁を囲んで延伸しかつシユー相互間を固定
の並列関係に保つ曲面のリツプを有する２個の側
壁を有する。

実用上、ラタム氏の遠心装置に示された型式の
ホルダーは、遠心装置の回転による血液処理間に
生ずる大きな圧力に耐えるためには、極めて大型
でしかも高価な材料で製造する必要があることが
判明した。

例えば、前述した通り、ある場合には、血液バ
ツグから分離血液成分の一方を中央位置に収集室
に圧送することが望ましい。この操作を行なうに
必要な圧力は、血液バツグから収集室までの管の
長さと遠心力との積である。即ち、ローター半径
約138mm、遠心回転速度2000r.p.m.とすれば、血
液処理バツグ内に約2.94Kg／cm²の圧力が生ずる。

この圧力は約254mm×254mmのバツグに対して約
1810Kgの力となつて２個のシユーを分離する方向
に作用する。

この問題に対するある解決法は、剛性のアング
ルとした鋼ブラケツトを支持シユーに接してロー
ター壁に取付けることである。アングルの鋼ブラ
ケツトとシユーとの間の間隙に長いくさびを打込
む。この解決法は、血液処理バツグと排出バツグ
との分離室シユー間への取付を極めて複雑にす
る。更に、定常分離手順間の支持シユーのストロ
ボスコープによる観察では、両くさび間の中間点
で両シユーが約6.4mm開いていることを示した。

それ故、遠心装置の分離室支持シユーを取付け
る安価な装置と方法とに対する要望があり、この
装置は取付簡単で支持シユーに対する応力を最小
とすることが望ましい。

発明の開示 本発明は遠心装置内で血液を複数成分に分離す
る装置と方法とに関する。２個の処理バツグの一
方は処理すべき全血を収容し、他方は排出流体を
収容して２個の支持シユーの曲面内に接触関係で
配置する。

支持シユーは遠心ローター内でローターの円筒
外壁に接した直立位置とする。圧力板は支持シユ
ーのローターの回転軸線に近い内方壁に接した位
置とする。

この圧力板の質量が重要である。この質量は処
理バツグの生じた内圧に少なくともつり合うよう
に選択する。血液処理バツグ内の血液によつて生
じた半径方向内方向きの力はローター速度の二乗
に比例し、圧力板によつて生じた半径方向外向き
の力も回転速度の二乗に比例するため、圧力板の
質量をローターのある回転数（r.p.m.）について
血液バツグの内圧に少なくともつり合うように正
しく選択すれば、全ローター速度について少なく
とも釣合う。本発明の実施において、圧力板の質
量は血液バツグの圧力に正確につり合うに必要と
する質量よりは僅かに大きく（例えば２％大き
く）して使用する。これによつて、各部の実施上
の諸変化があつてもシユーの閉鎖を保障する。

圧力板の質量が遠心力の作用下で血液バツグの
生ずる内圧につり合うに必要とする質量よりも著
しく大きければ、通常は半剛性合成樹脂製、例え
ば発泡ポリウレタン等のシユーは重量が引起す過
大圧力下でつぶれることがある。

反対に、圧力板の質量が不十分であれば両シユ
ーは開き、バツグに生ずる応力を支持しなくな
り、バツグは破損することがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による遠心装置の平面図、 第２図は第１図の遠心ローターの一部を除去し
た側面図である。

発明実施のための最良の態様 本発明に関する血液遠心分離装置の一般的説明
は上述の特許出願公表昭55−501133号公報に記載
されている。図に示す装置は同様の部分を同じ表
現によつて示す。しかし、本発明装置は上述の特
許出願公表公報記載の装置にのみ適用するもので
はなく、同種の装置に広く適用可能である。

第１，２図に示す通り、血液処理バツグ１５０
と可撓性排出袋１５４とは２個の支持シユー１５
２，１５６間に形成された曲面の処理室内で相補
関係に保持される。

支持シユー１５２，１５６は発泡ポリウレタン
等の重合体製とすることができる。場合によつ
て、支持シユーが透明であることが望ましい時
は、透明重合体例えばポリメチル・メタクリレー
ト製とすることができる。勿論、支持シユーを形
成するために他の各種材料を使用することができ
る。

流体排出袋１５４はシユー１５６に取付け、袋
１５４の外周面の係合孔に図示しないペグを挿入
する。処理バツグ１５０は同様にシユー１５６の
ペグに取付ける。シユー１５６，１５２を閉鎖す
れば、ペグはシユー１５２の縁部の係合孔内に入
る。シユーの閉鎖位置においては、シユー１５
６，１５２は血液処理バツグ１５０、流体排出袋
１５４を収容した閉鎖した曲面の処理室を形成
し、バツグ１５０と袋１５４との互に接触する平
らなパネルが相補関係となる。バツグ１５０は曲
面のシユー１５２によつて支持され、バツグ１５
０の内面が上部において下部よりは僅に大きな傾
斜となる。傾斜を大にすることは作動間の有効な
排出を行なう。排出袋１５４は支持シユー１５６
によつて相補形にされる。

バツグ１５０の頂部の導管１５８はバツグ１５
０をレシーバー容器６１に接続する。支持シユー
１５６，１５２間に形成された曲面の処理室内で
血液処理バツグ１５０と可撓性袋１５４とが相補
関係にある時に、袋１５４は流体作動ダイアフラ
ムを有する排出室の役割となる。排出流体を導管
１３４を経て袋１５４内に導入すれば、流体は袋
を膨張させて血液又は血液成分を処理バツグ１５
０から押し出す。同様にして、抗凝固性とした全
血液を加圧下で血液処理バツグ１５０に送れば、
同量の排出流体が可撓性排出袋１５４から押出さ
れる。

圧力板９０はシユー１５２に接して図示しない
ブラケツトに取付ける。圧力板９０は、第２図の
矢印１２として示す外向きの力を発生し得る所要
質量とし、この力はバツグ１５０と板９０が同じ
速度で回転する時にバツグ１５０内の液によつて
生ずる第２図の矢印１０として示す内向きの力に
等しいか又は僅に大となるように定める。

板９０の質量はある回転速度で正確に定めれ
ば、すべての速度においてバツグからの圧力につ
り合う。これは次の解析によつて導かれる。

板９０によつて遠心力の作用で半径方向外方に
作用する力Fpが、導管１５８を経てローターの
回転中心に連通しバツグ１５０内の液即ち血液柱
によつてシユー１５２に半径方向内向きの力を作
用する場合の内側シユー１５２に作用する内向き
の力Fsにつり合わねばならない。即ち、つり合
いを保つためにはFpはFsに等しくなる。

Fp＝Fs ……式 回転流体（血液）からのバツグ１５０内圧力Ｐ
は次の式で定められる。

Ｐ＝1/2ρw²rb² ……式 こゝに、 ρは流体（血液）の密度 rbは外側半径、即ち回転中心からのバツグの半
径 ｗは毎秒あたりの回転速度 バツグによつてシユーに作用する力Fsは： Fs＝PA＝1/2・ρw²rb²A ……式 こゝに、Ａは血液バツグの表面積、 板が生ずるシユーに作用する力Fpは板の質量
Ｍと加速度（w²r_M）、の積であり、r_Mは回転中心
からの板の半径である。即ち、 Fp＝Mw²r_M ……式 式のFp、Fsに式、を代入すれば、 Mw²r＝1/2・ρw²rb²A Ｍ＝１／２・ρrb²A／r_M ……式 式によつて明らかな通り、質量Ｍは遠心ロー
ターの回転速度に無関係である。ρ、rb、r_M、Ａ
の値が定まれば、板の質量Ｍは直ちに計算でき
る。

装置の作動は次の通りである。

第１図に示す遠心装置モータ１０２を作動して
遠心ローター９４を回転させ、処理バツグ１５０
内の全血液を血漿に富む成分と、血漿の少ない成
分とに分離し得る速度とする。標準ローター速度
は例えば約4800r.p.m.とする。

遠心ローター９４が回転すれば、血漿の少ない
成分、この場合は主として赤血球、白血球、血小
板から成る成分は、廃棄可能血液処理バツグ１５
０の半径方向外方面に向つて動く。これによつて
血漿に富む成分は半径方向内方面に近接し、遠心
ローター９４の回転間に排出流体を排出袋１５４
内に導入して血液処理バツグ１５０に圧力を作用
すれば、血漿に富む成分は廃棄可能血液処理バツ
グ１５０から排出される。血漿に富む成分は可撓
性血液処理バツグ１５０の導管１５８を経て押出
され、ローター９４が回転を続け、分離が続く間
にレシーバー容器６１内に送られる。

この過程間、血液処理バツグ１５０内の液が半
径方向内方に作用する力は圧力板９０の外向きの
力によつて均圧される。板９０は図示しない案内
レール上をシユー１５２に対して滑動可能とす
る。

直ちに判る通り、圧力板は滑動させてシユーか
ら直ちに取外すことができ、次にシユーと処理バ
ツグとを容易に外し、交換することができ、繁雑
な工具の使用は必要がない。かくして、問題点に
対する経済的で信頼性のある解決法が提供され、
全範囲のローター速度について所要の機能を有
し、大型の支持装置は必要とせず、ローター速度
に無関係の機能を有する。

上述の実施例について当業者は各種の変型を想
到し得る。これらの変型も本発明の一部であり、
請求の範囲に包含される。