JPS6348640Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は装飾品または展示物等一定の荷重を有
する種種物品を、吊紐の長さを機体より自由に繰
り出し収納して任意の高さに懸吊することができ
るとともに、形状の暫新な吊下具に関するもので
ある。

すなわち、本考案の吊下具は筒状本体の後端方
向に弾性付勢され、かつ上記本体の他端に向つて
摺動自在になる複数の可動滑車を枢設するととも
に、他端にもまた可動滑車の数に見合う複数個の
固定滑車を枢設し、内端部を可動滑車群または固
定滑車群側に結索した吊紐を上記可動滑車と固定
滑車に交互に捲回した後、本体端部に開設した紐
口から吊紐を挿出してなるもので、吊紐を引き出
す時上記各滑車の回動抵抗により所定の引つ張り
抗力を有するようになるものである。

以下本考案吊下具の一実施例を第１図および第
２図にしたがつて説明すると、１は金属または合
成樹脂等からなる適宜長さの円筒または角筒状の
本体であり、該本体１の下端に嵌着した端部材２
には吊紐３を貫通する紐口４を開設してなる。一
方本体１の上端に嵌着した尾栓５には上端面にフ
ツク部材６を突設するとともに、内端面には他端
が上記端部材２の近傍まで挿入される支承ガイド
板７の一端を固着してなり、該支承ガイド板７の
先端に複数個の固定部材である固定滑車８ａ，８
ｂ，８ｃをピン軸９，９，９を介して回動自在に
枢設してなる。また上記支承ガイド板７には摺動
自在になる摺動部材１０を外挿し、該摺動部材１
０に複数の可動部材である可動滑車１１ａ，１１
ｂ，１１ｃをピン軸１２，１２，１２を介して回
動自在に枢設するとともに、該摺動部材１０と尾
栓５間に介挿したコイルスプリング１３等の引つ
張り弾性部材により、摺動部材１０を常時尾栓５
方向に弾性付勢してなる。吊紐３は内端を摺動部
材１０の下端と結索し、第１図に示すごとく固定
滑車８ａ、可動滑車１１ａ、固定滑車８ｂ、可動
滑車１１ｂ、固定滑車８ｃ、可動滑車１１ｃの順
に捲回した後、端部材２の紐口４から導出するも
ので、外端にはフツク部材１４等の吊部材を設け
てなる。

なお、上記固定滑車８ａ，８ｂ，８ｃと可動滑
車１１ａ，１１ｂ，１１ｃはピン軸９，１２に対
して一定の摺動抵抗を持つて回動するものである
ことが好ましい。

上記構成になる吊下具は、たとえば第３図に示
すように尾栓５側のフツク部材６を利用して天井
下面に取り付け、吊紐３のフツク部材１４に花鉢
等の被懸吊体ａを吊り下げて使用するもので、吊
紐３に所定の引つ張り荷重を掛けて所望の長さに
引き出し、懸吊高さを調節することができるもの
である。

すなわち、吊紐３を引つ張ると該吊紐３が捲回
した固定滑車８ａ，８ｂ，８ｃと可動滑車１１
ａ，１１ｂ，１１ｃが回転すると同時にコイルス
プリング１３の引つ張り弾性力に抗して摺動部材
１０が支承ガイド板７に沿つて固定滑車方向に摺
動し、吊紐３が繰り出しせしめられるが、該繰り
出しに際し各滑車８ａ，８ｂ，８ｃ，１１ａ，１
１ｂ，１１ｃがピン軸９，１２と一定の摺動抵抗
を持つて回動するように構成されているため、一
定の引き出し荷重を持つて引き出された吊紐３は
コイルスプリング１３による滑車機構を介して得
られる弾性力を越え、また上記引き出し荷重より
小さい荷重範囲において引き出し位置に安定停止
するようになり、その荷重範囲に含まれる被懸吊
体ａを任意の高さに安定懸吊することが可能にな
る。

また第４図は上記本体１を壁面ｂに対して斜向
保持するための斜向支承板１５を示すもので、一
端に脚部１６を構成するとともに、頂部に本体１
が挿通する支持孔１７を穿設してなり、第５図に
示すごとく本体１の適宜位置に外挿して壁面ｂと
吊紐３の間隔を拡げるように本体１を傾斜支持す
るようになるものである。

つぎに第６図および第７図は荷重調節機構１８
を付加した構造を示すものである。当該荷重調節
機構１８は端部材２ａ，２ｂの内腔部１９に構成
されるもので、固定滑車８ｃ近傍に位置するガイ
ドピン２０に近接して突設した第一固定ピン２１
と、紐口４近傍に突設した第二固定ピン２２およ
び両固定ピン２１，２２間に位置するとともに、
一方の端部材２ａに対して枢設した回動調節子２
３と他方の端部材２ｂに対して軸設した軸部材２
４間に架設した２本の可動ピン２５，２６からな
る。当該軸部材２４は円柱状になり、端部材２ｂ
の軸孔に対して回動自在に軸設される一方、回動
調節子２３の内端は円柱状になり、端部材２ａの
軸孔に対して回動自在になるとともに、外端部に
は放射方向に突出した係合小突起２７，２７…が
等配突設され、該小突起２７は端部材２ａの軸孔
外端面に形成した係合凹部２８，２８…に嵌入係
合する。また回動調節子２３と端部材２ａ間に介
装したコイルスプリング２９の弾性に抗して軸部
材２４を矢印Ａ方向に押し出すと係合小突起２７
が係合凹部２８から抜け出し、自由回動するよう
になり、回動調節子２３を回動して前記可動ピン
２５，２６の固定ピン２１，２２に対する相対位
置を変えることができるもので、回動調節子２３
の端面には指標３０が形成され、端部材２ａの指
示位置には荷重目盛を刻設してなる。

上記荷重調節機構１８に対して最後の可動滑車
１１ｃから導かれた吊紐３はまずガイドピン２
０、第一固定ピン２１を経由した後、第６図に示
すごとく可動ピン２５，２６に迂回経由せしめ、
さらに第二固定ピン２２を経た後、紐口４から導
出されるものである。

上記荷重調節機構１８を付加した吊下具は吊紐
３に懸吊する被懸吊体ａの荷重に合わせて回動調
節子２３を回転し、適合する安定位置を選択する
ことができるもので、回動調節子２３を回動変位
すると第一固定ピン２１と第二固定ピン２２およ
び可動ピン２５，２６の位置関係が変り、吊紐３
の捲回経由角度を変えてその摩擦摺動面積の量的
差異によつて吊紐３に掛る荷重に抗する抵抗力を
変化することができるようになる。また当該荷重
調節機構１８は吊紐３に掛る荷重が解除された場
合は各ピン２０，２２，２５，２６と吊紐３の摩
擦抵抗力が無くなるため、コイルスプリング１３
の弾性復帰により、可動滑車１１ａ，１１ｂ，１
１ｃが後退し、吊紐３は紐口４に引き込まれ収容
される。

つぎに第８図は本考案の他の実施例を示すもの
である。本実施例では機構を簡単にしたものであ
り、支承ガイド板７の先端に設けた固定滑車８
ａ，８ｂ，８ｃと摺動部材１０に設けた可動滑車
１１ａ，１１ｂ，１１ｃに代えてそれぞれ固定摺
動ピン８′ａ，８′ｂ，８′ｃと可動摺動ピン１
１′ａ，１１′ｂ，１１′ｃを固定部材、可動部材
として、該各摺動ピンに対して滑車の場合と同様
に吊紐３を捲回した構成になるものである。

この構成の場合吊紐３に掛る荷重に対する抗力
は各摺動ピン８′ａ，８′ｂ，８′ｃ、１１′ａ，１
１′ｂ，１１′ｃと吊紐３との直接の摺動摩擦力に
よつて得られる。

以上述べたように本考案の吊下具は所定荷重の
被懸吊体を任意の高さに懸吊することができるも
のであるため、高さを変えて様相を変える物品の
展示や、水やり時に低くすることが好ましい植木
鉢等の懸吊に有用である。また、本考案では回動
調節子を設けて吊紐に対する摺動抵抗の大きさを
変化させることができるので、幅広い重さの植木
鉢等を安定して吊すことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案吊下具の実施例を示すもので、第
１図は第一の実施例を示す吊下具の本体前面を破
断した正面図、第２図は第１図における−線
断面図、第３図は同使用状態を示す正面図、第４
図は斜向支承板の斜視図、第５図は同使用状態を
示す側面図、第６図は荷重調節機構を備えた吊下
具の要部正断面図、第７図は第６図における−
線断面図、第８図は他の実施例を示す要部正面
図である。 １……本体、２……端部材、３……吊紐、５…
…尾栓、７……支承ガイド板、８ａ，８ｂ，８ｃ
……固定滑車、８′ａ，８′ｂ，８′ｃ……固定摺
動ピン、１０……摺動部材、１１ａ，１１ｂ，１
１ｃ……可動滑車、１１′ａ，１１′ｂ，１１′ｃ
……可動摺動ピン、１３……コイルスプリング、
１５……斜向支承板、１８……荷重調節機構、２
１，２２……固定ピン、２３……回動調節子、２
５，２６……可動ピン、２７……小突起、２８…
…係合凹部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 筒状本体と、 該筒状本体の内側に配置され、該筒状本体の軸
   方向に延びる支承ガイド板と、 複数の可動部材を有し、前記支承ガイド板に摺
   動自在に取付けられ、かつ上方に弾性付勢された
   摺動部材と、 該摺動部材の下方に配置された複数の固定部材
   と、 前記筒状本体の下側に設けられ、２本の可動ピ
   ンを有し、回動可能であるとともに適宜回動位置
   で固定可能である回動調節子と、 前記固定部材と前記可動部材に交互に巻付けら
   れ、２本の前記可動ピンの間を経由して前記筒状
   本体の外側に延びる吊紐とからなることを特徴と
   する吊下具。