JPS634819A - 磁気分離フイルター材料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、磁性微粒子を含む流体から、磁性微粒子を除
去あるいは回収するための磁気フィルター装置にマトリ
ックスとして用いられる磁気分離フィルター材料に関す
るものである。

−（従来の技術） 強磁性体の繊維を磁界中に充填することによって繊維の
表面に大きな磁界勾配を形成させ、流体中の磁性粒子を
吸引捕獲する方法は原理的には古くから知られている（
例えば解説トランスアクションズオンマグネティフクス
（Ｔｒａｎｓａｃｔｉｏｎｓｏｎ　　Ｍａｇｎｅｔｉｃ
ｓ）　　ｖｏｗ、　　ＭＡＧ−１０，ｔｌｈ２．　　Ｊ
ｕｎｅ＋　　１９７４ｐ２２３参照）。

マトリックス材に用いられる繊維としてはフェライト系
ステンレス鋼繊維が主流で、最近非晶質繊維も用いられ
るようになってきた。マトリックス材として要求される
金属繊維の特性は、飽和磁化が大きく、透磁率が大きく
、残留磁化、保磁力が小さいことである。さらに高耐食
性も要求される。また大きな磁界勾配を形成するために
、繊維は細い方が有利である。球状のマトリックス材を
用いる方法も開示されているが、この場合回収すべき磁
性粒子の大きさや磁化の大きさに合わせて適当な直径の
マトリックス材が選択される。

磁気フィルター装置が用いられる流体には水、油、水に
油を懸濁したクーラント（圧延や切削加工に用いられる
）、電解液など多様である。浄化すべき流体により腐食
性も多様である。水、油、クーラントでは一般に中性で
あるからマトリックス材に対してそれほど強い腐食環境
とはならない。

−方、電解液中で用いる場合、事態はきわめて厳しくな
る。例えば、金属に電気亜鉛メツキを施す場合、メツキ
液はｐＨ＝１にも及ぶ強酸であり、これまで用いられた
マトリックス材では、長期の使用に耐えなかった。非晶
質合金は一般的に結晶質の合金に比し耐食性にすぐれて
いることが特徴とされるが、耐食性に重点をおいて成分
を選ぶと磁化が低下し、磁気フィルターとしての性能が
大幅に劣化した。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明は、磁気分離フィルターのマトリックス材として
強酸、強アルカリ性の流体中で長期間に亘り、性能を保
持する新しい磁気フィルターのマトリックス材を提供し
ようとするものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、強磁性体からなる母材に耐食性の優れた有機
高分子化合物を被覆したことを特徴とする磁気分離フィ
ルター材料を要旨とするものである。すなわち本発明は
従来から用いられている強磁性合金に有機高分子化合物
を薄く被覆した合金繊維乃至球体である。

強磁性合金からなる母材はそれ自身耐食性を有すること
が好ましいが、それにこだわらない。また合金は非晶質
でも結晶質であってもよい。

具体的に合金の例を挙げるならば非晶質合金の場合化学
式で次のように表示されるものが用いられる。

Ｆｅ、　　Ｍｂ　　Ｍｌｃ ここでＭは金属元素でＮｉ＋　Ｃｏ、　Ｃｒ、　Ｍｏ＋
　Ｌ　Ｔｔ＋Ｔａ、　Ｚｒ、　Ｗ、　Ｃｕ、　Ｎｂ、　
Ａｊ！の１種以上を含み、その含有ｉｂはＮｉ、　Ｃｏ
の場合、合計で４０ａｔ％以下、その他の金属の場合１
０ａｔ％以下とする。その理由はＮｌ＋　Ｃｏの場合強
磁性金属のため含有量が多くても飽和磁化をそれほど低
下させないが、Ｃｒ以下の耐食性を付与する元素は添加
量とともに飽和磁化を著しく低下させるので上限を１０
ａｔ％とした。

またＭＩｌはメタロイド元素を示す。具体的にはＢ。

Ｃ，Ｓｉ、　Ｐ、　Ｇｅで、非晶質化を容易にする元素
である。含有量は合金の飽和磁化を考慮して１０〜２５
ａｔ％の範囲に制限するのがよい。

−般の結晶質材料を母材として用いる場合もある程度耐
食性を有するものが好ましい。この目的でフェライト系
のステンレス鋼を用いるのが磁性の観点からも好ましい
。

本発明のマトリックス母材として耐食性を要求したが、
理由はポリマーや樹脂で金属を１００％完全かつ均一に
被覆することが困難なためである。

被覆が厚くなるほど磁性粒子の捕獲性能が低下すること
が実験的に確められているが、薄くしすぎるとピンホー
ルや被覆むらなどによる金属部の露出部ができることが
あり、耐食性に問題が生じる。

このため、捕獲性能の劣化を最少比に抑え、かつ耐食性
機能を保持させるためには、被覆の厚みの範囲を０．０
５〜５μｍとすることが望ましい。

次に被覆する有機高分子化合物について述べる。

被覆材に要求される特性として、母材とのぬれ性がよく
、均一に薄くぬれること、乾燥後の密着性、伸縮性がよ
いことが望ましい。

本発明者らは市販のポリマー、合成高分子樹脂の上記性
能を実験調査し、次の物質で目的を達成できることを確
めた。その物質名を例示すると、メラミン系、アクリル
系、エポキシ系、ポリアミド系、ビニル系、ウレタン系
などの合成高分子化合物および、ゴム質、デンプン質、
タンニン物質などの天然有機高分子化合物などであるが
、本発明の目的に合致するならば、個々の物質に限定さ
れるものではなく共重合体、複合体も含まれる。

被覆の方法は、浸漬塗布、スプレー塗布、静電塗布など
従来から知られている被覆手段が利用できるが、さらに
、被膜の乾燥硬化においても、自然乾燥、加温乾燥、赤
外線、紫外線などの光硬化方法も被覆物質の種類に応じ
て自由に選択することができる。

〔実施例〕

次に実施例をあげて説明する。

実施例 化学組成がＦｅｙｓＣｒＪ＋ｚＣ４（８１％）で表示さ
れる単ロール法で作製された非晶質繊維（幅Ｑ、　４　
鶴。

厚さ１０〜１５μｍ）を第１表に示す各種の被覆処理を
したのち体積比５％で充填した磁気フィルター装置に油
分２％を？Ａ濁した１４０ｐｐｍの鉄粉を含む冷延油を
一定流量５００７！／ｍｉｎで流し、鉄分の回収率を測
定するとともに、各種の酸、アルカリ性溶液中に浸漬し
て耐食性を調べる試験をした。なお被覆厚みは浸漬法で
は液の濃度、スプレー法では液濃度および時間で制御し
た。

第　　　　１　　　　表 ここで耐食性試験はｐＨ２の１ＩＺｓＯ４，ＩＩＣ（１
、Ｎａ０１１および人工海水（いずれも室温）中に７２
時間浸漬し錆の発生状況で判断した。目視で錆発生を認
めたものは×、発生のないものをＯと“した。

（発明の効果） 以上説明したように本発明材料は、磁気フィルター装置
にマトリックスとして用いられるフィルター材料として
卓越した特性をもつのみならず、強酸性あるいは強アル
カリ性の流体中で使用しても腐食を生じることなく長期
間にわたり使用することができ、しかも簡易かつ安価に
製造で°きる等その効果は極めて大きい。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. （１）強磁性体からなる母材に耐食性の優れた有機高分
   子化合物を被覆したことを特徴とする磁気分離フィルタ
   ー材料。
2. （２）被覆される母材が非晶質合金であることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載の磁気分離フィルター材
   料。
3. （３）被覆される母材が結晶質の鉄基合金であることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載の磁気分離フィル
   ター材料。
4. （４）被覆される母材が鉄基非晶質合金で、その化学組
   成がＦｅ＿ａ−Ｍ＿ｂ−Ｍｌ＿ｃであることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載の磁気分離フィルター材料
   。ここでＭはＮｉ、Ｃｏ、Ｍｏ、Ｗ、Ｖ、Ｔａ、Ｚｒ、
   Ｔｉ、Ｃｕ、Ｎｂ、Ａｌの１種以上、ＭｌはＢ、Ｃ、Ｐ
   、Ｓｉの１種以上、ｂはＮｉ、Ｃｏは合計で４０ａｔ％
   以下、その他の金属の場合は１０ａｔ％以下、ｃは１０
   〜２５ａｔ％、ａ＋ｂ＋ｃ＝１００である。
5. （５）被覆する有機高分子化合物の被覆の厚みが０．０
   ５〜５μｍであることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項記載の磁気分離フィルター材料。