JPS6346130Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ロータリ・アトマイザを使用した携
帯可能な薬液噴霧装置に関する。本考案に係る薬
液噴霧装置は、農業用、とくに、雑草を駆除する
除草剤を含んだ液を散布するのに適しているが、
樹木に付着している害虫類を駆除する殺虫剤、殺
菌剤等を散布するためにも使用することができ
る。

本考案の薬液噴霧装置は、バーハンドルと該バ
ーハンドルの先端に枢動可能に取付けたロータ
リ・アトマイザと該バーハンドルの後端に取付け
られ該ロータリ・アトマイザに対し釣合錘りとし
て機能する電源と装置の釣合いの中心点に調節自
在に取り付けられる肩つりひもと薬液ビンとより
構成され、該薬液ビンを該バーハンドルの前部で
該ロータリ・アトマイザの近くに脱着可能に装着
したことを特徴とするものである。

本考案の目的は、どのような性状、例えば粘度
の高い薬液でも効果的に斑なく散布でき、作業中
の使用者に噴霧液がかゝらず又使用者にとつて軽
快に操作できる薬液噴霧装置を提供することであ
る。

以下本考案の薬液噴霧装置の一実施例を図面に
基づいて説明する。

２はバーハンドルであつて、全体をほぼ中間で
への字型に曲げ、さらに前半部を全体の折り曲げ
方向とは反対方向にへの字型に曲げてあり、その
先端に、向きを調節することができるように、枢
軸６を介してロータリ・アトマイザ１を枢動可能
に取付けてある。

薬液ビン５は該バーハンドル２にその前部でロ
ータリ・アトマイザ１の近くに、ビン５がバーハ
ンドル２の上部に位置するように、ネジ込式ホル
ダー１２を介して取付けてある。１３は薬液が流
出するのに対応して空気をビン中に導入する空気
抜き管である。重力によつて流出する薬液がアト
マイザ１の薬液噴出ノズルまで導かれるように、
該ホルダー１２とアトマイザ１を可撓性の管１４
で連結してある。薬液ビン５を保持する装置は、
図示のホルダーに限られず、ビンを容易に着脱で
きかつビンをしつかりと保持できるものであれば
どんなものでもよい。又薬液ビンを取付ける位置
はバーハンドルの前部でアトマイザの近くであれ
ばどこでもよいが、特に図示の実施例の如くハン
ドルの２つの折り曲げ部より前方でハンドルの上
側に位置するように取付けるのがより好適であ
る。薬液ビンをハンドルの前部特にその上部に取
りつけることによつて、薬液ビン中の薬液の量が
作業中でも使用者によく判るし、液のアトマイザ
への流出の落差が大きくなつて粘度の高い薬液で
もアトマイザへの流出量に斑が少なくなり好適な
薬液噴霧ができる。又薬液の一ぱい入つたビンは
かなりの重量があるので、このようにハンドルの
前部に薬液ビンを装着することによつて、ハンド
ルの後部に薬液ビンを取付けた装置に比べては勿
論のこと、ロータリ・アトマイザに薬液ビンを取
りつけた場合に比べても、作業時に装置がぐらつ
かないで安定がよく、非常に操作しやすくなる。
したがつて、地表面での薬液散布のみならず、比
較的高い木の枝に薬液を散布するときでも安定し
た作業を行うことができる。

７は、肩つりひもをバーハンドル２上に移動可
能に取り付けるための金具であつて、該金具７を
ハンドル２上に移動させて、装置全体の釣り合い
点がハンドル上に求まつたとき、止めねじ８を締
め付けることにより固定することができる。９，
９′は、ハンドル２上に嵌着されたグリツプであ
つて、作業者（図示せず）は、肩つりひも４を一
方の肩にかけながら、左右の手をグリツプ９，
９′にあてがつて本噴霧装置を操作することがで
きる。

ハンドル２は、中央に設けられた蝶番１０を介
して２つ割になつており、該蝶番１０に縦方向に
差し込まれた枢軸１１を中心として折りたたむこ
とができるようになつている。したがつて、装置
全体を図示の半分の長さに縮めて携行しあるいは
保管することができる。

本考案の噴霧装置の枢要部をなすロータリ・ア
トマイザ１を補足的に説明する。蓄電池３を電源
として回転駆動されるモーター２２が、ケーシン
グ・デイスク２３に固定されている。ローター２
４は、シヤフト２５を介してモーター２２により
高速度で回転駆動され、一方、噴霧される薬液
は、ビン５から可撓性の管１４と噴出ノズル（図
示せず）をへてローター２４上に滴下される。ロ
ーター２４上に滴下された薬液は、ローターの回
転に伴なう遠心力の作用をうけてローターの内面
をつたつて外に向かつて移動し、ローターの周縁
より球面状に噴霧される。ローター２４の外周エ
ツジは、薄くかつ鋭角にとがつて作られているう
え、周囲に多数のぎざぎざ（図示せず）が設けら
れているので、薬液は、フイルム状ではなく、非
常に細かい液滴状に噴霧されることとなる。

従来、この種のロータリ・アトマイザは、4500
から10000rpmの非常な高速度で回転され、その
結果、薬液は、100ミクロンより細かい液滴とし
て噴霧されていたが、薬液粒子が細かすぎるた
め、薬液が処理すべき雑草に付着する効率が低
く、地表散布効率を高めるため、ローターの回転
数を1700から3000rpmの範囲にさげることが効果
的であることが判明した。これにより0.75から１
メートルの散布直径範囲と100から400ミクロンの
液滴サイズ範囲を得ることができ、もつて、散布
効果が大幅に向上した。

噴霧液が作業者の手または足に付着することを
避けるため、アトマイザ１とグリツプ９との間に
少なくとも0.75メートルの距離が保たれるようハ
ンドルの前部の長さが設定されている。

上述の実施例では、釣り合いおもりと電源の機
能を兼ね備えた蓄電池が使用されているが、蓄電
池の代りに、たとえば電燈線のような他の電源を
使用してさしつかえないことはいうまでもない。
この場合は、適当な重錘を図示の蓄電池の位置に
取り付けなければならない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係わる薬液噴霧装置の部分略
側面図である。 １……ロータリ・アトマイザ、２……バーハン
ドル、３……電源、４……肩つりひも、５……薬
液ビン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ほぼ中間でへの字型に曲げたバーハンドル、 該バーハンドルの先端に枢動可能に取りつけた
   ロータリ・アトマイザ、 該バーハンドルの後端に取りつけられ該ロータ
   リ・アトマイザに対し釣合錘りとして機能する電
   源と 装置の釣合いの中心点に調節自在に取りつけら
   れる肩つりひも、 薬液ビン、 とよりなる薬液噴霧装置において、 該バーハンドルの前半部をさらに全体の折り曲
   げ方向とは反対方向にへの字型に曲げ、 該薬液ビンを該バーハンドルの２つの折り曲げ
   部より前方で且つ上側に着脱自在に装着したこと
   を特徴とする前記薬液噴霧装置。