JPS6341981Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、書画、代表的には写真を展示するた
めの額縁に関し、特に写真の押えとして、鉄板に
吸磁気的に吸着するゴムマグネツト付化粧枠を利
用した額縁に関する。

従来最も一般的に考えられているこの種の額縁
は、表面に薄鉄板を付けたパネルと、中央部に窓
をもち、裏面にゴムマグネツトを有する化粧枠と
からなつていて、パネルの薄鉄板上に写真を載
せ、その上から化粧枠を当ててこれをゴムマグネ
ツトで薄鉄板に吸着させ、写真の周縁部を化粧枠
で押え、写真を化粧枠の窓を通して見えるように
している。この構成において最も問題となるの
は、写真の位置決めと化粧枠のパネルに対する位
置決めである。薄鉄板は一般的にはパネルの表面
全体に付けられているから、化粧枠はいたるとこ
ろでパネルに付くため、これをパネル上の特定な
位置にたえずきちんと付けることは大変むずかし
いし、位置ずれがあれば化粧枠を付けなおさなけ
ればならず面倒である。写真についても同様であ
つて、パネルの特定な位置、特に化粧枠できちん
と周縁部が押えられるような位置に配することは
パネルに目印がない限り不可能に近い。更に従来
の額縁では、写真がその上から化粧枠で直接押え
られる構造であるため、写真は剥ぎ出しの形で展
示されることになり、写真に傷や汚れが付き易
く、又押え跡が写真の周囲に残るという欠点もあ
つた。

本考案は写真および化粧枠の位置決めの失敗も
なく、ワンタツチでこれらをパネル上の所定位置
に正確に配置することができ、しかも写真の展示
中これを傷や汚れから保護し、化粧枠による押え
跡を写真に全く生じさせない額縁を提供すること
を目的とするものである。

本考案によれば、この額縁は、周囲が突縁で縁
取りされたパネルの表面に、中央部に好ましくは
長方形の開口部をもつ薄鉄板を接着してこの開口
部で前記パネルの表面を底とした凹部を形成し、
この凹部内に写真を上から押えて保護する透明な
合成樹脂シートを配し、前記凹部よりも寸法形状
の小さい窓をもち、前記パネルの突縁内に納まる
大きさの化粧枠をその裏面に取付けたゴムマグネ
ツトで前記鉄板上に吸着させて透明な合成樹脂シ
ートの周縁部を化粧枠で押えるようにしたことを
特徴としている。

今本考案による額縁の一例を添附図面を参照し
て詳細に説明する。本考案による額縁１は全体的
に形状が長方形であつて、周囲が突縁２で縁取り
されたパネル３を有している。本例では、突縁２
はパネル３と別体でこれに接着された外枠４によ
つて構成されているが、突縁２はパネル３と一体
に形成されていても良い。外枠４およびパネル３
は木、木質加工材、プラスチツク、発泡樹脂等任
意所望な材料で作ることができる。パネル３の表
面には、中央部に長方形の開口部５を有する薄鉄
板６が接着してあり、パネル３の表面を底とした
凹部７がこの開口部５によつてパネルの中央部に
形成される。例えば塩化ビニールシートのような
合成樹脂の透明シート８が凹部７の中に置かれる
写真９を上から押えてこれを保護するために凹部
７の中に略一杯に納められている。この合成樹脂
の透明シート８は凹部７の中に単に置かれるよう
にしても良いが、好ましくは、めくり上げ可能に
上縁部がヒンジ止めされる。このヒンジ止めは、
第２図に示すように、開口部５の上縁に隣接し
て、パネル３と薄鉄板６との間に挟み込まれて接
着固定されたヒンジシート１０に透明な合成樹脂
シート８の上縁部を接着することによつて達成さ
れる。

化粧枠１１は可撓性の不透明な合成樹脂材料で
作られていて、パネル３の突縁２の内側にちよう
ど納まるような寸法形状を有し、かつ中央部に凹
部７よりも寸法形状の小さい窓１２を有してい
る。化粧枠１１の表面には帯状のゴムマグネツト
１３が化粧枠１１に沿つて接着してあつて、パネ
ル３の鉄板６に吸着するようになつている。本例
では、ゴムマグネツト１３は４つの分割片として
配設してあるが、枠全体に延びる一体のものであ
つても良い。

使用に当り、化粧枠１１をパネル３から外した
状態で、合成樹脂の透明シート８をめくり上げ
て、展示すべき写真９を凹部７内に納め、上から
シート８を当てる。而して写真はシートとパネル
３の表面との間に挟み込まれ、凹部７によつて必
然的に位置決めされることになる。次に、化粧枠
１１をパネル３の突縁２の内側に嵌め込んでゴム
マグネツト１３で薄鉄板６に吸着させる。しかる
ときには、化粧枠１１の内周部が合成樹脂の透明
シート８の周縁部を上から押えるから写真９はシ
ート８を介してパネル上にしつかりと保持され、
窓１２を通して見ることができる。尚光沢のある
プリントを展示する場合、合成樹脂の透明シート
でプリントをカバーすると、プリントの光沢が半
減してしまうことがある。従つて光沢面を生かそ
うとするのであれば、プリントをシート８上に載
せてプリントを化粧枠１１で直接押えれば良い。
この場合でも本考案によれば、写真が凹部内に納
められ出張り量が極く僅かであるから、化粧枠に
よる押えはソフトなタツチで行われ、従つて写真
に化粧枠による押え跡を作ることがない。

このように本考案によれば、パネルがその表面
に取付けた薄鉄板の中央開口部によつて作られた
凹部を有しているため、写真の位置が、これを凹
部に入れるだけで必然的に決まるから、位置決め
の修正は全く不要であるし、又化粧枠で押える過
程において写真の位置ずれが全く起らない。更に
パネルが突縁で縁取りされているため、ゴムマグ
ネツトで鉄板に付く化粧枠の位置がこの突縁によ
つて規制され、従つて化粧枠をたえず正しい位置
乃至向きでパネル上の鉄板に当てることがことが
できる。更に又、本考案によれば、写真が合成樹
脂の透明シートでカバーされているため、写真を
傷や汚れから護ることができ、しかも化粧枠によ
る写真の押えがこのシートを介して行われるた
め、写真に押え跡が付く危険性もない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による額縁の分解斜視図、第２
図は額縁の縦断面図である。 １……額縁、２……突縁、３……パネル、５…
…開口部、６……薄鉄板、７……凹部、８……透
明な合成樹脂シート、９……写真、１１……化粧
枠、１２……窓、１３……ゴムマグネツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 外周に突縁を有するパネルの表面に、中央部
   に長方形の開口部をもつ薄鉄板を接着してこの
   開口部で、パネルの表面を底とした凹部を形成
   し、この凹部内に写真を上から押えてこれを保
   護する合成樹脂の透明シートを配し、前記パネ
   ルの突縁内に納まる大きさを有し、かつ前記凹
   部よりも寸法形状の小さい窓をもつ化粧枠を、
   その裏面に取付けたゴムマツトで前記鉄板上に
   吸着させて前記透明シートの周縁部を化粧枠で
   押えるようにしたことを特徴とする額縁。 (2) 透明シートはその上縁が凹部内においてめく
   り上げ可能にヒンジ止めされている、実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の額縁。