JPS633900Y2

JPS633900Y2 -

Info

Publication number: JPS633900Y2
Application number: JP1135482U
Authority: JP
Priority date: 1982-01-29
Filing date: 1982-01-29
Publication date: 1988-01-30
Also published as: JPS58113592U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、フル・トレーラ・トラクタに関す
る。

一般に、この種のトラクタは、車体の後方側に
牽引装置を備え、その牽引装置を介してフル・ト
レーラを牽引し得るように構成されてきている。

しかし、そのフル・トレーラがそのトラクタの
後方に連結され、連結車両として走行する場合、
特に、後退走行する場合において、そのような連
結車両を適正に後退させるためには、かなり高度
な技術と熟練が要求される。

すなわち、そのトレーラがそのトラクタに対し
てほぼ直線状に配置されているか、若しくは、僅
かな角度をもつて折れ曲つて配置されている場合
には、そのトラクタにおいて回転半径を極端に小
さくするようなハンドル操作を行なわない限り、
連結車両としての後退は可能であるが、そのよう
な極端なハンドル操作により、そのトレーラがそ
のトラクタに対して大きく折れ曲つて配置されて
いる場合には、そのトラクタの後退に従つて、そ
のような折れ曲りの角度が次第に大きくなり、最
終的には、連結車両としての後退が下可能にな
る。

従つて、連結車両としての後退を適正に行なう
ためには、上述したような折れ曲り、換言するな
らば、そのトレーラの後退方向を適正な方向に戻
すように、逆方向のハンドル操作を行ないなが
ら、連結車両全体を運転者の意図する方向へ運転
しなければならず、そのような運転には、かなり
高度な技術と熟練が要求される。

この考案の目的は、フル・トレーラの後退を極
めて容易にし、特に、そのフル・トレーラがダン
プ荷台を備えている場合に、そのフル・トレーラ
を荷卸し場の適正な位置に誘導し、荷台の傾斜状
態を容易に確認しながら、荷卸し作業を安全に行
うフル，トレーラ・トラクタの提供にある。

それらの課題のために、この考案のフル・トレ
ーラ・トラクタは、フル・トレーラを牽引し得る
ように、車体の後方側に設けられた牽引装置と、
トラクタ側流体圧系統をフル・トレーラ側流体圧
系統に連結し得るように、その車体の後方側に設
けられた後方側流体圧カツプリングと、そのフ
ル・トレーラを前方に連結し得るように、その車
体の前方側に設けられた連結装置と、そのトラク
タ側流体圧系統をそのフル・トレーラ側流体圧系
統に連結し得るように、その車体の前方側に設け
られた前方側流体圧カツプリングとを備えてい
る。

以下、この考案に係るフル・トレーラ・トラク
タの望ましい具体例について、図面を参照して説
明する。

第１図および第２図は、この考案のフル・トレ
ーラ・トラクタの具体例１０を示している。

そのフル・トレーラ・トラクタ１０は、キヤブ
２０の後方にダンプ荷台２１が配置されたもの
で、車体１１の後方にダンプ荷台４０付きフル・
トレーラ３８を連結して、そのフル・トレーラ３
８を前進させ、また、その車体１１の前方にその
フル・トレーラ３８を連結して、そのフル・トレ
ーラ３８を後退させ得るように構成されている。

すなわち、そのフル・トレーラ・トラクタ１０
は、そのフル・トレーラ３８は牽引し得るよう
に、車体１１の後方端に設けられた牽引装置１２
と、トラクタ側流体圧系統をトレーラ側流体圧系
統に連結し得るように、その車体１１の後方端に
設けられた後方側流体圧カツプリング１３，１４
と、そのフル・トレーラ３８を前方に連結し得る
ように、その車体１１の前方端に設けられた連結
装置１５と、そのトラクタ側流体圧系統をそのト
レーラ側流体圧系統に連結し得るように、その車
体１１の前方端に設けられた前方側流体圧カツプ
リング１６，１７とを備えている。

牽引装置１２は、既存のフル・トレーラ・トラ
クタにおける牽引装置と同様に、ピントル・フツ
ク型のもので、車体１１、すなわち、シヤシ・フ
レームの後方端に取り付けられている。

勿論、その牽引装置１２は、フル・トレーラ３
８との連結時における衝撃を緩衝するための緩衝
手段、例えば、コイル、スプリング（図示せず）、
エア・チヤンバ（図示せず）などを備えている。

また、連結装置１５は、シヤシ・フレーム１１
の先方端に取り付けられたもので、上述した牽引
装置１２と同様に、ピントル・フツク型に構成さ
れている。

後方側流体圧カツプリング１３，１４は、シヤ
シ・フレーム１１の後方端で、その牽引装置１２
付近に取り付けられるもので、トラクタ側流体圧
系統をトレーラ側流体圧系統に連結し得るように
構成されている。

勿論、それらのトラクタおよびトレーラ側流体
圧系統は、ブレーキ系統、および、ダンプ油圧系
統をそれぞれ含んでいるが、第２図においては、
ダンプ油圧系統について示し、ブレーキ系統につ
いては省略されている。

すなわち、そのダンプ油圧系統は、オイル・ポ
ンプ２５と、そのオイル・ポンプ２５に配管２９
を介して連結されたオイル・タンク２６と、その
オイル・ポンプ２５およびオイル・タンク２６に
配管３０および３１を介して連結された切換えバ
ルブ２７と、その切換えバルブ２７に配管３２，
３３を介して連結され、ダンプ荷台２１を傾斜す
るための油圧シリンダ２８などより構成され、そ
の後方側流体圧カツプリング１３，１４は、配管
３４，３５を介して、その切換えバルブ２７に連
結されている。

勿論、そのオイル・ポンプ２５は、そのフル・
トレーラ・トラクタ１０に搭載された内燃機関２
２の後方の変速機２３に取り付けられた動力取出
し装置２４によつて駆動される。

また、前方側流体圧カツプリング１６，１７
は、シヤシ・フレーム１１の前方端で、上述した
連結装置１５付近に取り付けられるもので、その
切換えバルブ２７とその後方側流体圧カツプリン
グ１３，１４とを連結する配管３４，３５に、配
管３６，３７を介してそれぞれ連結されている。

さらに、そのシヤシ・フレーム１１の後方端お
よび前方端において、その後方側流体圧カツプリ
ング１３，１４、および、前方側流体圧カツプリ
ング１６，１７付近には、ブレーキ系統のための
カツプリング（図示せず）がそれぞれ取り付けら
れていることは勿論である。

この考案のフル・トレーラ・トラクタ１０にお
いて、上述した以外の構成は、既存のフル・トレ
ーラ・トラクタと同様に構成されるため、それら
の構成の説明は省略する。

また、そのフル・トレーラ・トラクタ１０の後
方または前方に牽引または連結され得るフル・ト
レーラ３８は、シヤシ・フレーム３９の上方にダ
ンプ荷台４０が配置されているもので、前輪のた
めのドリー４５がターン・テーブル４６を介し
て、そのシヤシ・フレーム３９に回転可能に取り
付けられている。

そのドリー４５には、ドロー・バー４１が固定
され、そのドロー・バー４１は先端にルネツト・
アイ４２を備えている。

そのフル・トレーラ３８において、ダンプ油圧
系統は、そのダンプ荷台４０を傾斜させ得る油圧
シリンダを含み、そのシヤシ・フレーム３９の前
方側には、そのダンプ油圧系統に連結されたカツ
プリング４３，４４が取り付けられている。

さらに、そのフル・トレーラ３８におけるシヤ
シ・フレーム３９の前方側には、そのフル・トレ
ーラ３８のブレーキ系統のためのカツプリング
（図示せず）が取り付けられていることは勿論で
ある。

次に、上述したフル・トレーラ・トラクタ１０
およびフル・トレーラ３８の連結車両としての走
行について述べるに、先ず、通常の走行の場合に
は、そのトラクタ１０のシヤシ・フレーム１１後
方の牽引装置１２に、トレーラ３８側のドロー・
バー４１におけるルネツト・アイ４２を連結し、
また、そのトラクタ１０側のダンプ油圧系統とそ
のトレーラ３８側のダンプ油圧系統は、後方側流
体圧カツプリング１３，１４を介して連結され
る。

勿論、そのトラクタ１０側のブレーキ系統も、
カツプリングを介してそのトレーラ側のブレーキ
系統に連結される。

そのような状態で走行し、荷卸し作業をする場
合、特に、荷卸し場においてそのトレーラ３８の
後退が要求される場合には、上述した牽引装置１
２とルネツト・アイ４２との連結を解除し、ま
た、それぞれのダンプ油圧系統およびブレーキ系
統の連結を解除する。

次に、そのトラクタ１０を逆向きに方向を変
え、そのルネツト・アイ４２をそのシヤシ・フレ
ーム１１前方の連結装置１５に連結し、そのよう
な状態で、それぞれのダンプ油圧系統およびブレ
ーキ系統を連結する。

そのような状態で、そのトラクタ１０を前進さ
せることによつて、そのトレーラ３８を後退さ
せ、そのトレーラ３８を荷卸し場における適正な
位置に誘導する。

従つて、そのトラクタ１０の運転者が前方、す
なわち、そのトレーラ３８の後退方向を確認しな
がら、そのトレーラ３８を荷卸し場における適正
な位置に容易に誘導することができる。

勿論、そのフル・トレーラ３８のダンプ荷台４
０を傾斜させる場合にも、そのダンプ荷台４０の
傾斜状態を運転者が容易に確認でき、荷卸し作業
を安全に行なうことができる。

如上の構成になるこの考案によれば、フル・ト
レーラの後退が極めて容易になり、特に、そのフ
ル・トレーラがダンプ荷台を備えている場合に、
そのフル・トレーラ荷卸し場の適正な位置に誘導
され、その荷台の傾斜状態を容易に確認しなが
ら、荷卸し作業が安全に行なわれるフル・トレー
ラ・トラクタが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はフル・トレーラを前方側に連結したこ
の考案のフル・トレーラ・トラクタの具体例を示
す側面図、第２図はこの考案のフル・トレーラ・
トラクタにおけるダンプ油圧系統を示す概説図で
ある。１０……フル・トレーラ・トラクタ、１１……
車体、１２……牽引装置、１３，１４……後方側
流体圧カツプリング、１５……連結装置、１６，
１７……前方側流体圧カツプリング、３８……フ
ル・トレーラ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】フル・トレーラを牽引し得るように、車体の後
方側に設けられた牽引装置と、トラクタ側流体圧系統をフル・トレーラ側流体
圧系統に連結し得るように、その車体の後方側に
設けられた後方側流体圧カツプリングと、そのフル・トレーラを前方に連結し得るよう
に、その車体の前方側に設けられた連結装置と、そのトラクタ側流体圧系統をそのフル・トレー
ラ側流体圧系統に連結し得るように、その車体の
前方側に設けられた前方側流体圧カツプリングと
を備えるフル・トレーラ・トラクタ。