JPS6335373Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、液体、粉体、粒体等の流動体を搬送
するパイプライン或いはタンク等の如き流体系に
一定量の流動体を供給したり或いはこれから一定
量の流動体をとり出すための定量給排装置に関す
るもので、特に、流体系と外界との間に大きな差
圧が存する場合においても一定量の流動体を安全
に給排できる定量給排装置を提供するものであ
る。

本考案による定量給排装置は、流体系に定量の
流動体を供給または排出する定量給排装置におい
て、上記の流体系中に開口する流動体給排管路の
内端に、該管路の内径に等しい内径をもつ直線状
流路を形成した球形弁子を配置し、該管路内に上
記の球形弁子と協働して上記の定量の空間を劃定
するピストンを、該管路内に摺動可能に配置し、
且つ該ピストンは上記に球形弁子が開いている時
に該球形弁子内の直線状流路を通つてその先端が
該流体系の内壁面に一致するところまで移動可能
とし、該ピストンを引き出した時に該管路内に劃
定された定量の空間内に流動体を供給または排出
する給排路を設けると共に、上記の定量の空間を
劃定した状態で上記の給排路を閉止する閉止部材
を設けたことを特徴とするものである。

以下、図面を参照して説明する。

第１図は本考案の第１の実施例を示す。図中、
１は液体、粉体、粒体等の流体搬送パイプライ
ン、２は本考案による流動体の定量給排装置を示
す。この定量給排装置は、上記のパイプライン１
中に開口する流動体給排管路３を備えていて、そ
の内端に、該管路３の内径に等しい内径をもつ直
線状流路４をもつ球形弁子５が配置される。６は
この球形弁子５の弁棒、７はこの弁棒を回転する
ためのレバーを示す。該管路３の外端部には、上
記の球形弁子５と協働して、該管路３内に定量の
空間８を劃定するピストン９が摺動自在に配置さ
れる。このピストン９内にはネジ棒１０が螺合
し、このネジ棒１０の外端にはハンドル１１がと
りつけられていて、該ハンドル１１は支持杆１２
によつて該管路に固定された支持体１３内に回転
自在に支承されていて、ハンドル１１を回転する
ことによつてピストン９を管路３内で摺動させる
ようになつている。

上記の空間８内に流動体を供給したり或いは該
空間８から流動体を排出するために、該空間に通
じる給排路１４が形成され、且つ上記の球形弁子
５とピストン９によつて定量の空間が劃定された
状態で該給排路１４を閉止する閉止部材１５が設
けられる。第１図に示す実施例においては、上記
の管路３に対して直角に通じる管路１６が形成さ
れていて、該閉止部材１５はこの管路１６内を摺
動するピストンの形態に形成され、且つ給排路１
４はこの管路１６の基部に開口している。

上記の定量給排装置によつて、パイプライン１
内に例えばビーズ状の流動体を定量注入する時に
は、先ず、球形弁子５を閉位置とし、ピストン９
を図示の基準位置に位置せしめ、ピストン１５を
引き出した状態で、給排路１４から流動体を空間
８内に供給する。該空間８に流動体が充填された
ら、ピストン１５を図示の位置に押し込むと、球
形弁子５とピストン９との間に一定量の流動体が
封入される。この状態で、球形弁子５を開いて、
ハンドル１１を操作することによりピストン９を
管路３中に押し込み且つその先端を球形弁子５の
流路４を通つてパイプライン１の内壁面に一致す
るところまでピストンを移動させると、空間８内
に封入されていた定量の流動体はパイプライン１
中に完全に注入される。

また、上記の装置によつて、例えばサンプリン
グのために、パイプライン１内の流体を一定量と
り出す時には、上記とは逆に、先ず、球形弁子５
を開いて、その流路４内にピストン９の先端を位
置せしめ、且つピストン１５を押し込んだ状態と
しておく。流体をとり出そうとする時には、先ず
ピストン９を引き出して、パイプライン中の流体
を空間８中に引き込む。次に、球形弁子５を閉じ
ると、球形弁子５とピストン９の間の空間８に定
量の流体が封入される。ここで、ピストン１５を
引き出して、給排路１４を開くことによつて定量
の流体をとり出すことができる。

上記の給排装置は、たとえ、パイプライン１内
の圧力が高圧であつても、流動体をパイプライン
中に注入することも、また、パイプライン中から
流体をとり出すことも安全に且つ確実になし得
る。

第２図は本考案の第２の実施例を示す。この実
施例は、第１図に示す実施例と大体同様のもので
第１図に示すものと同様の部分は同じ番号によつ
て、その詳細な説明は省略する。この実施例が第
１図に示す実施例と異なる点は、球形弁子５とピ
ストン９との間に劃定された空間８に流動体を供
給または排出する給排路１４を閉止する閉止部材
として、第１図に示すピストン１５の代りに、ピ
ストン９と同軸の管状ピストン１７を設けた点で
ある。管路３には該管状ピストン１７の先端と係
合して給排路１４を閉止する座１８が形成され
る。

この装置の動作は第１図に示すものと同じであ
る。

上述のように、本考案による流動体の定量給排
装置は、流体系と外界との間に大きい差圧があつ
ても、流体、粉状体、粒状体等を容易に且つ確実
に流体系中に注入したり、或いはとり出したりす
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例を示す断面図、
第２図は本考案の第２の実施例を示す断面図であ
る。 １……パイプライン、２……定量給排装置、３
……流動体給排管路、４……流路、５……球形弁
子、６……弁棒、７……レバー、８……定量空
間、９……ピストン、１０……ネジ棒、１１……
ハンドル、１２……支持杆、１３……支持体、１
４……給排路、１５……閉止部材、１６……管
路、１７……管状ピストン、１８……座。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 流体系に定量の流動体を供給または排出する定
   量給排装置において、上記の流体系中に開口する
   流動体給排管路の内端に、該管路の内径に等しい
   内径をもつ直線状流路を形成した球形弁子を配置
   し、該管路内に上記の球形弁子と協働して上記の
   定量の空間を劃定するピストンを、該管路内に摺
   動可能に配置し、且つ該ピストンは上記の球形弁
   子が開いている時に該球形弁子内の直線状流路を
   通つてその先端が該流体系の内壁面に一致すると
   ころまで移動可能とし、該ピストンを引き出した
   時に該管路内に劃定された定量の空間内に流動体
   を供給または排出する給排路を設けると共に、上
   記の定量の空間を劃定した状態で上記の給排路を
   閉止する閉止部材を設けたことを特徴とする流動
   体の定量給排装置。