JPS6330013Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、放射伝熱を効率良く行えるように、
表面燃焼式バーナ本体、及び、そのバーナ本体の
燃焼表面にほぼ平行に対向する多孔板状体を備え
た放射バーナの改良に関する。

従来、上記放射バーナにおいて多孔板状体を形
成するに、金網を１枚だけ設けたり、あるいは、
ガラス棒を平行に一列だけ並べたりしていた。

しかし、いずれも放射の主方向が燃焼表面に垂
直であるために、第４図に示すように鉛直下方に
向けて放射する場合に、多孔板状体５が水平にな
り、多孔板状体５を通過した燃焼排ガスが、その
浮力によつて多孔板状体５の下方に滞留しやす
く、燃焼表面１ａにおいて燃焼不良を生じやすい
欠点があつた。

本考案の目的は、鉛直下方に向けて放射する場
合であつても、多孔板状体を通過した燃焼排ガス
を、迅速に多孔板状体下方から逃がせるようにす
る点にある。

本考案による放射バーナの特徴構成は、表面燃
焼式バーナ本体の燃焼表面にほぼ平行に対向する
多孔板状体を、その孔の中心が燃焼表面に対して
ほぼ同方向に傾斜するように形成したことにあ
り、その作用効果は次の通りである。

つまり、第１図に示すように、多孔板状体５の
作用で放射の主方向がほぼ孔中心Ｐ方向になり、
したがつて、放射方向を鉛直下方に向けても、多
孔板状体５の外表面１ｂは水平面に対して傾斜
し、多孔板状体５を通過した燃焼排ガスは、その
浮力によつて多孔板状体５が高くなつている方向
に迅速に流動する。

その結果、燃焼表面１ａでの燃焼が、燃焼排ガ
スによる悪影響を受けること無く良好に行われ、
鉛直下方に向かつての放射加熱を良好に行えるよ
うになり、例えば、上方からのスポツト暖房や魚
肉の加熱調理等に便利な放射バーナを提供できる
ようになつた。

次に、第１図及び第２図により実施例を示す。

燃焼表面１ａを形成する多孔状のセラミツク製
板体１を、皿状ケース２にそれを蓋する状態で取
付け、燃料ガス供給管３及び燃焼用空気供給管４
をケース２に接続し、予混合された燃料ガスと燃
焼用空気を板体１から噴出させて燃焼表面１ａで
表面燃焼させるためのバーナ本体Ａを構成してあ
る。

角形格子状に形成した多孔板状体５を、燃焼表
面１ａに対してほぼ平行に対向させると共に望ま
しくは５〜10mm程度の間隔で配置し、板体１と多
孔板状体５の間をカバー６で蓋し、もつて、燃焼
表面１ａでの安定燃焼が多孔板状体５で損われな
いようにしてある。

そして、多孔板状体５を、その孔５ａの中心Ｐ
が燃焼表面１ａに対してほぼ同方向に傾斜するよ
うに形成し、放射の主方向が孔中心Ｐとほぼ同じ
になるようにして、鉛直下方向きに放射する場合
にも、多孔板状体５を通過した燃焼排ガスが、そ
の浮力により傾斜した多孔板状体５の外表面５ｂ
に沿つて矢印方向に円滑流動するようにしてあ
る。

また、多孔板状体５を、厚さｄが５mm以上望ま
しくは20mm以下、さらに望ましくは10ないし15mm
になるように形成し、厚さｄが小さくなりすぎ
て、放射の指向性が劣化することを防止できるよ
うに、かつ、厚さｄが大きくなりすぎて、コスト
アツプになつたり、燃焼排ガスに対する圧損が不
必要に大きくなることを防止できるようにしてあ
る。

さらに、多孔板状体５を、開口状態が20ないし
400メツシユに、望ましくは20ないし100メツシユ
になるように形成し、孔径ｒが大きくなりすぎ
て、放射の指向性が劣化することを防止できるよ
うに、かつ、孔径ｒが小さくなりすぎて、燃焼排
ガスに対する圧損が不必要に大きくなることを防
止できるようにしてある。尚、上記「メツシユ」
は、平方インチ当りのセルの数を表わす。

要するに、多孔板状体５の形状、厚さ及び開口
状態の適切な設定によつて鉛直下方へのスポツト
的な加熱を放射熱効率が十分高い状態で行え、か
つ、たとえブラスト式バーナであつても良好に燃
焼が行われるように構成してある。

次に、別の実施例を説明する。

多孔板状体５を形成するに、材質、寸法、形
状、その他において各種変更が可能であり、例え
ば第３図に示すように、セラミツク焼結体から成
る多孔板状体５をハニカム形状に形成してもよ
い。また、燃焼表面１ａの垂直線に対する孔中心
Ｐの傾斜角θは0゜＜θ＜90゜の範囲で適当に設定
すればよい。

バーナ本体Ａの具体的構成や燃料ガスの種類、
その他は適当に変更できる。

放射バーナの用途は、例えば、家庭や事業所で
のスポツト暖房、各種調理器、工業用のスポツト
加熱や乾燥、その他、いかなるものでもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例を示す概略断面図、
第２図は第１図−線矢視図である。第３図
は、本考案の別実施例を示す正面図である。第４
図は従来例の概略断面図である。 １ａ……燃焼表面、５……多孔板状体、５ａ…
…孔、Ａ……バーナ本体、Ｐ……孔中心。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 表面燃焼式バーナ本体Ａ、及び、そのバーナ
   本体Ａの燃焼表面１ａにほぼ平行に対向する多
   孔板状体５を備えた放射バーナであつて、前記
   多孔板状体５を、その孔５ａの中心Ｐが前記燃
   焼表面１ａに対してほぼ同方向に傾斜するよう
   に形成してある放射バーナ。 前記多孔板状体５が、５ないし20mmの厚さｄ
   で20ないし400メツシユに形成されている実用
   新案登録請求の範囲第項に記載の放射バー
   ナ。 前記多孔板状体５が前記燃焼表面１ａと５な
   いし10mmの間隔で配置されている実用新案登録
   請求の範囲第項又は第項に記載の放射バー
   ナ。