JPS6316134Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は鉛蓄電池の改良に関するものである。

従来一般に鉛蓄電池は、正極基板腐食、正極活
物質の泥状化や脱落等による電池内部短絡、特
に、極板上部の短絡事故により寿命に達する事が
多い。また極板群組立てに際し、セパレータが非
耐熱性材料の場合、ストラツプ熔接時の熱によつ
てセパレータが焼損または熱収縮することが避け
られない等の欠点を有していた。

本考案は上記の如き欠点を除去するもので、防
沫体の耐熱性により、セパレータの焼損や熱収縮
を防止し、また電池寿命性能を向上せしめんとす
るものである。

上部短絡防止の機能を有する防沫体１の凹状部
２には、極板群３における陰極板４の両側部に有
するセパレータ５が、上端部において夫々当接状
態で凹状部２に沿つた形状となつて位置せしめ
る。従つて、陰極板４の上端部から成長してきた
陰極活物質が陽極ストラツプ部６や陽極板耳部７
と短絡しない構造となる。

また防沫体１の材質は、耐熱性を有する例えば
熱可塑性合成樹脂を使用するために、極板群３と
してのストラツプ溶接の前工程で防沫体１を配設
しても、ストラツプ溶接時において熱変形や焼損
する惧れはない。

なお８は凸状部、９はガス抜けを良孔ならしめ
るための孔、１０は陽極板である。

上述せる如く、本考案によれば、耐熱性を有し
台形波形状に形成された防沫体を使つて、その凸
状部は極板群の陽極板と対応状態とし、その凹状
部は陰極板を介するセパレータが上端部で当接状
態となるように凹状部に沿わせて陰極板と対応さ
せ極板群のストラツプの下方部に位置させた構造
にすることによつて、陰極活物質の成長は陰極板
両側部に有するセパレータの上端部で阻止するこ
とができて極板群の上部における短絡を防止する
と共に極板群の組立の際のセパレータや防沫体の
熱変形、焼損がなくなることにより電池寿命性能
を大幅に向上せしめることができる等実用的価値
甚だ大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による極板群の概略図、第２図
は本考案においてストラツプ溶接前の状態を示す
概略図、第３図は本考案による防沫体の斜視図で
ある。 １は防沫体、２は凹状部、３は極板群、４は陰
極板、５はセパレータ、６はストラツプ、８は凸
状部、１０は陽極板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 耐熱性を有する物質からなり、台形波状に形成
   された防沫体の凸状部は極板群の陽極板と対応状
   態となし、凹状部は陰極板を介するセパレータが
   上端部で当接状態となるように凹状部に沿わせし
   めて陰極板と対応ならしめ、極板群のストラツプ
   の下方部に防沫体を位置せしめてなる鉛蓄電池。