JPS6314162B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本願は、バイパスフロー制御方式のレギユレー
タバルブを有する潤滑油フイルタ装置に用いられ
る潤滑油フイルタに関する。

潤滑油フイルタ装置は、潤滑油フイルタ、バイ
パスフイルタ、オイルポンプ、レギユレータバル
ブ、メインギヤラリ、オイルパンそしてこれらを
連結する導管から成るものである。従来から用い
られている潤滑油フイルタ装置は、第３図のよう
に、オイルポンプ１と潤滑油フイルタ１０とメイ
ンギヤラリ３とを導管４，５によりシリーズに連
結し、オイルポンプ１とオイルパン６およびメイ
ンギヤラリ３とオイルパン６を導管７，８により
連通させ、さらにオイルポンプ１と潤滑油フイル
タ１０との間の導管４とオイルパン６との間にバ
イパスフイルタ９を配設するとともに潤滑油フイ
ルタ１０とメインギヤラリ３との間の導管５とオ
イルパン６との間にレギユレータバルブ２を設け
た構成のものである。

オイルパン６内のオイルは、オイルポンプ１に
より吸い上げられ潤滑油フイルタ１０に流入し、
過されてメインギヤラリ３へ供給される。同時
に、吸い上げられたオイルの一部は、常時バイパ
スフイルタ９を通つてオイルパン６に戻される。
メインギヤラリ３に供給されるオイルの圧力が所
定値以上に上昇すると、レギユレータバルブ１０
が開弁し、オイルの一部をオイルパン６へ戻し、
圧力を低下させる。

このような従来の潤滑油フイルタ装置は、レギ
ユレータバルブ２が潤滑油フイルタ１０とメイン
ギヤラリ３との間に設けられており、過された
オイルの油圧を検知し所定値以上の場合にはこの
過されたオイルをオイルパン６に戻すことにな
るから、メインギヤラリ３に供給されないオイル
を潤滑油フイルタ１０で過する結果、その分だ
け該フイルタに負担を掛け過ぎることになる。ま
た、オイルの一部は、常時、バイパスフイルタ９
を流れるので、機関始動初期のようにメインギヤ
ラリに十分な量のオイルを供給する必要がある場
合に、その目的が達せられないという問題が生じ
る。

このような問題を解決させるため、本発明者
は、第１図のように、オイルパン６と潤滑油フイ
ルタ１０の入口側とをオイルポンプ１を介して連
結し、潤滑油フイルタ１０の入口側をバイパスフ
イルタ９の入口側に連結するとともにレギユレー
タバルブ２を介してオイルパン６に連通させ、バ
イパスフイルタ９の出口側をレギユレータバルブ
２を介してオイルパン６に連通させ、潤滑油フイ
ルタ１０の出口側をメインギヤラリ３に連結させ
た構成とし、オイル圧が高い場合にはバイパスフ
イルタ９からのオイルとオイルポンプ１からの未
清浄油とを同時にバイパスさせ、またオイル圧が
低い場合にはバイパスフイルタ９への供給を止め
てオイルの全量をメインギヤラリ３へ供給するよ
うにした潤滑油フイルタ装置を提案した。

しかしながら、このような潤滑油フイルタ装置
は、他方に於いて、導管が増加しており、従来周
知の潤滑油フイルタすなわち流入出口を有するケ
ース内に過体を配設した構造のものをこの装置
に用いる場合には配管が複雑化し連結に手間を要
するとともに流路抵抗が増加することになる。

したがつて本発明は、フイルタエレメントを載
置するボデイ内に、レギユレータバルブおよび流
入オイルを過前にバイパスさせるための流路、
このバイパス流をバイパスフイルタへ導くための
流路を一体的に形成することにより、管路を簡素
化し、流路抵抗を減小させながら、所期のバイパ
ス機能をもたらすようにしたものである。

実施例により説明すると、第２図は本発明の潤
滑油フイルタ１０であつて、レギユレータバルブ
２０、ボデイ２１、ケーシング２２そしてフイル
タエレメント２３から成る。ボデイ２１は、中央
にネジ溝２４を備えたボス部２５を有し、その外
周に第１環状壁２６さらにその外周に第２環状壁
２７を有する。ボス部２５と第１環状壁２６およ
び、第１環状壁２６と第２環状壁２７との間に
は、それぞれ第１、第２環状室２８，２９が形成
される。第１環状室２８は、流出開口３０を経て
メインギヤラリ５に連通し、第２環状室２９は、
流入開口３１を経てオイルポンプ２へ連通する。
さらに第１、第２環状室２８，２９には、後述の
バルブ室３６に開口する第１、第２環状室口３
２，３３が各々形成される。ボデイ２１には、バ
イパス流出口３４およびバイパス流入口３５を備
えたバルブ室３６が設けられ、該室３６内にレギ
ユレータバルブ２０が設けられる。バルブ２０
は、バルブ体３７、スプリング３８、スプリング
ガイド３９そしてスナツプリング４０から成る。
バルブ体３７は、一端が開放し他端が閉塞するほ
ぼ円筒状を成し、バルブ体３７の外側に第１側孔
４１、第２側孔４２を有する。バルブ室３６のバ
イパス流出口３４側に固着したスナツプリング４
０、スプリングガイド３９とバルブ体３７の開放
端との間には、スプリング３８が設けられ、バル
ブ体３７はバルブ室３６内に挿設される。バルブ
体３７外周とバルブ室３６内周は密接し、バルブ
体３７がバルブ室３６内を摺動する。第２環状室
口３３とバルブ体３７および、バイパス流入口３
５とバルブ体３７とで、おのおの第１、第２バル
ブが形成され、バルブ体３７の左動にともない第
２環状室２９とバルブ室３６内、バイパス流入口
３５とバルブ室３６内が連通する。第１環状室口
３２は、バルブ体３７の閉塞端により閉塞され
る。

ボデイ２１の第１環状壁２６には、菊花状にひ
だ折りされたフイルタエレメント２３が載置さ
れ、第２環状壁２７上にはケーシング２２が配設
される。ケーシング２２内のフイルタエレメント
２３は、スプリング４３を介してセンタボルト４
４により固定され、センタボルト先端は、前記ボ
デイ２１のボス部２５のネジ溝２４に螺合され
る。４５，４６は外周および内周パツキンであ
る。

上記構成の潤滑油フイルタ１０は、第１図のご
とく潤滑油フイルタ装置として配設される。すな
わち潤滑油フイルタ１０は、その入口側（流入開
口３１）がオイルポンプ１からの導管４および導
管１６によつてオイルパン６に連通し、出口側
（流出開口３０）が導管５、メインギヤラリ３、
導管２５を経てオイルパン６に連通する。また、
潤滑油フイルタ１０の入口側は導管７およびバイ
パスフイルタ９を介して導管１９によりレギユレ
ータバルブ２、，２０の入口側（バイパス流入口
３５）に連通し、レギユレータバルブ２，２０の
出口側（バイパス流出口３４）は、導管２３によ
りオイルパン６に接続される。導管２２は、潤滑
油フイルタ１０の入口側をレギユレータバルブ
２，２０を介してオイルパン６へ連通させる管路
である。メインギヤラリ３の上流側とレギユレー
タ２，２０との間には、導管２６が設けられる
が、これは潤滑油フイルタ１０のボデイ２１内の
流路が代用する。

第１、第２図において、オイルはポンプ１によ
つて潤滑油フイルタ１０のボデイ２１の流入開口
３１から第２環状壁２９に導入される。導入され
たオイルは、フイルタエレメント２３を通過して
第１環状室２８の流出開口３０から導管５を経て
メインギヤラリ３に送付され、さらに導管２５を
経由してオイルパン６に戻る。フイルタエレメン
ト２３を通過する間にオイルは清浄化される。第
２環状室２９に導入されたオイルの一部は、開口
４７から導管７によりバイパスフイルタ９に至
り、さらに、導管１９を通つて潤滑油フイルタ１
０のレギユレータバルブ２０のバイパス流入口３
５に至る。この際、レギユレータバルブ２０が閉
止状態つまり第２図の状態にあるときは、オイル
の流通は遮断される。したがつて、レギユレータ
バルブ２０が閉止している場合には、オイルポン
プ１からのオイルは全てメインギヤラリ３に供給
されることになる。

オイル粘度が高い場合のようにレギユレータバ
ルブ２０のバルブ体３７の閉塞端に所定値以上の
油圧が第１環状壁２８の第１環状室口３２から作
用すると、バルブ体３７は、スプリング３８の弾
力に抗して左動し、第２環状室口３３にとバルブ
体３７およびバイパス流入口３５とバルブ体３７
とで各々成る第１、第２バルブを各々開弁させ
る。第１、第２バルブが開弁すると、未清浄油す
なわち第２環状室２９内のオイル、およびバイパ
スフイルタ９を通過し過されたオイルは、バル
ブ体３７の第１、第２側孔４１，４２を通つて、
バルブ室３６内に入り、バイパス流出口３４から
オイルパン６にバイパスされる。

レギユレータバルブ２０は、ボデイ２１内に一
体的に組込まれ、導管の途中に設ける必要がない
ことになる。同様に、ボデイ２１内にはレギユレ
ータバルブ２０に油圧を加えるための第１環状室
２８やオイルをバイパスさせバイパスフイルタへ
導くための流路が一体的に設けられ、これらに必
要とした導管が不要となる。

以上のように本発明の潤滑油フイルタは、レギ
ユレータバルブおよびこれを作動させる流路等が
ケーシングの取付用ボデイに一体的に形成されて
おり、複雑な管路を設けることなく、当該潤滑油
フイルタに負担を掛けず、かつ必要時に十分なオ
イルを供給するという所期のバイパス作用をもた
らす。

【図面の簡単な説明】

第１図は潤滑油フイルタ装置を示す図、第２図
は本発明の潤滑油フイルタの断面図、そして第３
図は従来の潤滑油フイルタ装置の断面図を示す。 １０…潤滑油フイルタ、２０…レギユレータバ
ルブ、２１…ボデイ、２２…ケーシング、２３…
フイルタエレメント。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 中央にネジ溝を有するボス部を設け、その外
   周に第１環状壁とさらにその外周に第２環状壁を
   設け、前記ボス部と第１環状壁との間および第１
   環状壁と第２環状壁との間に第１、第２環状室を
   有し、パイパス流入口とパイパス流出口とを設け
   たバルブ室を有し、該バルブ室を前記第１、第２
   環状室に連通させるとともに該バルブ室内に、第
   １、第２側孔を有し一端が開放し内部がパイパス
   流出口に連通しており他端が閉塞するほぼ円筒状
   のバルブ体と、スプリングガイドおよびスナツプ
   リングとの間にスプリングを縮設し、バルブ体外
   周と第２環状室およびバルブ体外周とバイパス流
   入口との間で第１、第２バルブを形成させて成る
   レギユレータバルブを配設し、第１環状室内の圧
   力が所定以上になつたとき、第１、第２バルブが
   開弁し第２環状室とバイパス流入口とを第１、第
   ２側孔を介して連通させるようにしたボデイの、
   前記第１環状壁上にフイルタエレメントを載置
   し、第２環状壁上にケーシングを載置し、センタ
   ーボルトにより固着、フイルタエレメントの外方
   を第２環状室に連通させ、また、フイルタエレメ
   ントの内方を第１環状室に連通させた内燃機関用
   潤滑油フイルタ。