JPS63111874A - 生体用人工弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は生体用人工弁に関する。

［従来の技術］ 人工心臓弁としは持ｌｉｔ昭５９−１９２３６８号とか
特開昭６１−７６１５３号明ＩＩＩ書に記載されている
ように高分子材料に非晶質炭素もしくはダイヤモンドを
被覆した人工心臓弁とかスパッタ蒸着等でＴｉＸＴｉＮ
もしくはＴｉ　ｔＮの表面被膜を形成した心臓用人工弁
が知られている。

［発明が解決しようとする問題点］ 上記した高分子材料を芯材に使用したものは■械的強度
に問題がある。またチタン金属を使用するものは加工性
に問題がある。

本発明は軽くて機械的強度が高い、特に衝撃につよく、
潜在するクラックによる破壊のないかつ生体適合性が高
い人工弁を提供することを目的とする。

［問題点を解決づるための手段］ 本発明の生体用人工弁は、所定の弁形状を有しアルミニ
ウム基金属でできた芯部と該芯部の表面に一体的に形成
されたアルミナよりなる表面層とからなることを特徴と
する。すなわち人工弁の芯部に、加工が容易で機械的強
度等の機械的性質が優れかつ軽いアルミニウム基金属を
用いることにより人１弁に要求される加工性および機械
的性質を満たし、かつ、人工弁の表面層としてアルミナ
を用いることにより生体適合性を満たしたものである。

本発明の人工弁は生体の循環器系とか心臓弁に使用され
る人工弁であり、使用目的に適合した所定の形状を有す
る。本発明では弁の形状には特に特徴を有するものでは
な〈従来の弁形状また、使用目的に応じた特殊形状のも
のでもよい。例えば心臓弁の形状として特開昭６１−１
４１３５６、特開［（６１−７６１５３号明細書に記載
された形状のものとすることができる。

本発明の人工弁の芯部はアルミニウム基金属でできてい
る。アルミニウム基金属とはアルミニウムおよびアルミ
ニウム合金をいう。アルミニウム基金属は軽く加工が容
易でありかつ衝撃強度、破断強度等の機械的性質が優れ
ている。本発明では人工弁に要求される機械的性質、加
工性等を弁の芯部にアルミニウム基金属を使用すること
により達成している。なお、芯部は実質的に人工弁の形
状を規定するもので目的とする人工弁とほぼ同じ形状に
加工される。なお、芯部の表面平滑度（荒さ）はＲａ＝
０．０３μｍ以下であるのが好ましい。

本発明の人工弁の表面層はアルミナで構成されている。

本発明者等の研究でアルミナは極めて優れた１体適合性
ならびに血液適合性、特に抗血栓性を有することを確認
した。このアルミナを人工弁の表面層に使用することに
より人工弁に優れた生体適合性を与えている。表面層の
厚さは０．５μｍ以上より好ましくは１μｍ以上で１０
μｍ以下である。表面層が薄すぎると母材のアルミニウ
ム基金属が表出する危険性があり、厚すぎると表面層が
剥離しやすい。表面層を化学蒸着、物理的蒸着で形成し
た場合には、表面層に加工変形層が形成されないために
一層生体適合性が高くなる。

なお、芯部と表１ｌＩｉ層の間にアルミニウム基金属と
アルミナが混在した中間層を設けるのが好ましい。

この中１ｆｆｉ層を設けることにより芯部と表面層の一
体性が高まり表面層が剥離しにくくなる。中間層は芯部
より表面層に向かうにつれ連続的にアルミナの含有量が
増大するものでも、段階的にアルミナの含有量が増大す
るものでもよい。中間層の厚さも０．５μｍ以上より好
ましくは１μｍ以上１０μｍ以下がよい。

本発明の生体用人工弁の製造は、まずアルミニウム１ｆ
ＬＩで目的の弁形状をもつ芯部を作る。芯部は鋳造でも
機械加工で作ってもよい。なお、芯部の表面は十分に研
磨して表面を平滑にするのが好ましい。芯部の表面に形
成される表面層は化学蒸着、スパッタ蒸着、真空蒸着、
イオンブレーティングで形成するのが好ましい。特にス
パッタ蒸着、イオンブレーティングは強固な表面層が形
成できる。芯部と表面層の間に中間層を形成する方法も
上記の化学蒸着、物理的蒸着方法で可能である。例えば
反応性スパッタリングではアルミニウムターゲットから
スパッタリングで飛散るアルミニウム粒子を雰囲気ガス
中のＰｌ！ｔｉ１１度を連続的にあるいは段階的に増大
させ、飛散粒子をｉ’ｉ！素で酸化してアルミナに変え
て芯部に付着さぜることにより可能である。また、二元
スパッタリングでターゲットにアルミナとアルミニウム
基金属の２秤類を使用し両とを同時にあるいは交互にス
パッタリングすることにより中間層を形成することがで
きる。

［発明の作用および効果］ 本発明の生体用人工弁は、イの芯部に加工が容易で機械
的強度等の機械的性質が優れかつ軽いアルミニウム基金
属を用いることにより人工弁に要求される加工性および
機械的性質を満たし、人工弁の表面層としてアルミナを
用いることにより生体適合性を満たしている。特に、人
工弁の芯部と表面層との間にアルミニウム基金属とアル
ミナとの混在した中間層を形成した場合には表面層と芯
部の一体性がさらに向上し、表面層の剥離抵抗が一層増
大する。このように本発明の生体用人工弁はセラミック
製人工弁にみられる加工の困難さとか折れるとかいった
機械的強さに対する不安がない。また、本発明の人工弁
はその表面層がアルミノで形成されているために金［１
人工弁にみられる生体適合性に対する不安も少ない。特
に、芯部の表ｍ１の平滑度を轟めその上に物Ｊψ的蒸着
法でアルミナの表面層を形成した場合には、表面層に加
１変形層ができないために一層生体適合性が向、トする
。通常のセラミック製人工弁ではその表面を平滑にする
ため研磨等の仕上げ加工が必須であり、イの表向部分は
加工による変形層が生成している。

このため生体適合性が低下したものとなっている。

また、表面層の形成時に内部応力を極めて小さくするこ
とができるためにクラック発生の可能性も極めて少ない
。

［実施例］ アルミニウム合金をもちいて第１図に示−４リング１と
弁２と同じ形状のリング芯部と弁芯部とをそれぞれ切削
加工および研磨により調整した。これら芯部の表面荒さ
はいずれもＲａ−０，０２である。次ぎにこれ等の芯部
を二元スパッタリング法で、ターゲットにアルミナと純
アルミニウムを用い第２図にその拡大概略断面を示すよ
うに芯部１１の表面に厚さ２．５μｍの中間層１２と厚
さ０．８μｍの表面層１３とを形成した。なお、第２図
における斜線部分は金属部分を丸の部分はアルミナを示
す。このようにして第１図に示す本実施例のリング１と
弁２とからなる人工弁を製造した。

比較のために第１図に示すリング１と弁２とまったく同
一の形状をもつリングおよび弁をガラスで研磨により調
整した。

本実施例の人工弁のリング１と比較例の人工弁のリング
をそれぞれ使用し、雑種犬の右心房内に固定した。実験
は２時間植え込む急性実験と２週間植え込むＪｆＡ性実
験を↑ｊっだ。なお、比較例のガラス製リングでは慢性
実験は実施しなかった。実験結果は本実施例の人工弁の
リング１は急性実験でも慢性実験でも血栓は認められな
かった。これに対して、比較例のガラス製リングは急性
実験でリングが完全に血栓で覆われていた。これにより
本発明の人工弁は優れた抗血栓性をもつことが証明され
た。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例で示す本発明の人工弁を構成するリング
と弁である。第２図は第１図のリングの表面部分の拡大
概略断面図である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）所定の弁形状を有しアルミニウム基金属でできた
   芯部と該芯部の表面に一体的に形成されたアルミナより
   なる表面層とからなることを特徴とする生体用人工弁。
2. （２）芯部と表面層の間にはアルミニウム基金属とアル
   ミナが混在した中間層をもつ特許請求の範囲第１項記載
   の生体用人工弁。