JPS62876Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は使用スリツターの位置決め軸装に供
されるスケールプレートと、このスケールプレー
トを直接使用してのガードプレート構造の開示に
係わるものである。

而して、従前に於けるこの種のスリツター機
構、殊に被加工物の手差しを主体とするスリツタ
ーに於いてはスリツターの位置決め、固定に際し
て逐一、一方の定木部分よりスケールを当てゝ、
その取付け位置決めの割出しをなすようにしたも
のである。

しかし乍ら、かゝる手法に於いてはスケールの
当て方が均一でなく、特に彎曲ないしは傾斜した
場合等に於いて正確なスリツター位置の特定がで
きず、切断製品のバラツキを往々にして誘起した
ものであつて、スリツターの取付けに格別の熟練
と技術とが要請され、これがスリツターの操作に
於ける大きなネツクとされてきたものである。

特に、叙上に於けるような手差しのスリツター
類に於いては多種少量の切断が要請される場合が
多く、かゝる不都合が顕著に現われたものであ
る。

又、基準スリツターに対し、他のスリツターを
順次移動する場合に於いても、基準スリツター位
置の割出しと、割出し寸法に合せた他のスリツタ
ーの計測位置決めが必要とされ、一連のスリツタ
ーの位置変更には多分の作業手間を要し、これが
スリツター作業に於ける作業能率を極端に減じた
ものである。

次いで、これ等の手差しを主体としたスリツタ
ー機構等に於いてはスリツターの頻繁な位置変更
の必要性よりしてスリツター周辺をカバーせずに
作業することが多く、これが作業面に於ける事
故、殊に手差し時に於ける手指の損傷を往々にし
て誘起したものである。

本考案に係るスリツターの位置決めを兼ねた保
護プレートは、かゝる従前スリツター装置に於け
る不都合に鑑み特に発案されたものであつて、ス
リツター軸に平行なプレートを予め用意し、これ
にスリツターを盛り込むことにより常に正確なス
リツターの取付け位置の設定を可能になすと共に
基準スリツターに対する他のスリツター取付け位
置の按分割出しも容易なものとし、逐一スリツタ
ー間の計測をなすことなく的確且つ手際の良いス
リツターの固定を可能としたものである。又、
かゝるプレートをそのまゝ活用し、スリツターの
位置決め、固定時以外に、これを下方に回転する
ことのみにより手差操作時に於ける手指の損傷を
未然に防止したものであり、この保護プレートの
存在がスリツター操作、殊にスリツターの頻繁な
取付け位置の変更、固定、操作に全く影響を及ぼ
さぬように配慮されたものである。

以下本考案に係るスリツターの取付け位置決め
並びに保護プレートの典型的な一実施例を添付の
図面について詳細に説明するに、１，１′はスリ
ツターであつて、スリツター軸２に対し、切断被
加工物に於いて予め要請される幅寸毎に通例複数
個のものが軸装使用されたものである。

かゝるスリツター１の取付け軸２の前方、即
ち、被加工物３の差込み方向に位置してプレート
４の取付け軸５を設けたものであり、この軸５は
前記軸２に平行なものとして機枠６，６に横架さ
れたものである。

而して、プレートは、軸５に上下回動自在とな
るように軸装４ａされると共に、その自由端縁４
ｂに目盛７を刻設ないしは印刷等の適宜の手法を
もつて表示されたものであり、金属プレートであ
る場合と樹脂プレート等である場合並びに透明、
不透明のいずれに於いても所期効果の達成が予定
されたものである。

尚、８は定盤を示し、９は定木を、１０は被加
工物３の反り出しを抑止する押えバーを示したも
のである。

かくして構成されるプレート４は、その回動上
限に於いてスリツター１の周面に当接して、該ス
リツター１の左右移動位置の確認を、その目盛７
をもつてなし得るようになすと共にスリツター１
の実際の移動をなし得る位置にとどまるものと
し、次いで、その回動下限に於いて、定盤８とプ
レート４との間に被加工物３の挿通間隙が残され
るように、プレート４の幅並びに取付け位置が特
定されたものである。

本考案に係るスリツターの位置決めを兼ねた保
護プレートは叙上に於ける特徴ある構成よりなる
ことよりして、スリツター１〜１の位置変更に際
しては単にプレート４を跳ね上げてスリツタ１の
周面に当接することのみによりスリツター１〜１
の全てに対し完全な平行な、即ちヨレ、ダレのな
い状態での相互間隔の正確な割出しを迅速、円滑
になし得るものとなし、又基準スリツターに対す
る他のスリツター１〜１を、スケールを押し当て
た状態で、即割出し得たものであり、計測割出
し、位置決めと言つた作業を各スリツター毎にな
す不都合を一掃したものである。

又、手差し操作時に於ける手指の損傷をプレー
ト４の下方に向けた回動のみにより可能とし、
かゝるプレート４の介在によるスリツター取付け
の変更操作への悪影響を全面的に取除いたもので
ある。

尚、叙上に於けるプレート４は、定盤８の上方
に軸装されることを主としたものであるが、適宜
の駒ないし定木上に、その下端縁を当接するもの
となすことも予定され、かゝる場合に於いては定
木９の取付け位置の変更に際しても該プレート４
の使用が可能とされたものである。

本考案に係るプレートは叙上に於ける特徴ある
構成並びに作用効果を有するものであり、スリツ
ター操作に於ける作業能率に向上と、安全性の向
上並びに仕損品の発生防止とが期されたものであ
つて、その取付けコストも特に低廉なものであ
り、更にプレート部分の故障もなく半永久的な取
付け使用の予定されたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るプレートの斜視図、第２
図は装着状態を示す側面図、第３図は同斜視図で
ある。 尚、図中１……スリツター、２……スリツター
軸、３……被加工物、４……プレート、５……取
付け軸、６……機枠、７……目盛、８……定盤、
９……定木、１０……押えバーを示したものであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長手方向の一側自由端縁に計測目盛を配設され
   たプレートを、スリツター装置に於ける取付けス
   リツターの被加工物差込み方向に位置して、該ス
   リツター軸に平行となるように軸装せしめるよう
   になすと共に該軸装プレートの回動上限に於いて
   該プレート目盛縁が取付けスリツター周面に摺接
   し、且つ回動下限に於いて該プレート自由端縁下
   方に被加工物の挿通間隙を構成するようにしたこ
   とを特徴とするスリツター位置決め兼保護プレー
   ト。