JPS628174Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスライド式幌掛装置の後端閉塞装置に
関する。

一般に、スライド式幌掛装置は車両に積載した
貨物等へのシート掛け、幌掛けの荷役を省力化す
るものとして近年多用されて来ている。

この種のスライド式幌掛装置は平ボデイー、煽
付ボデイートラツク、トレーラ等に取付けられて
いる。

第１図は従来のスライド式幌掛装置の一例と示
している。

同図に示すように、幌布１は車体２に前後移動
自在に取付けられた複数の門形骨部材３，３にく
くり付けられており、使用時には前方に折畳まれ
ていた状態から門形骨部材３を後方へ移動させる
ことにより展張させられる。

このように門形骨部材３の移動により車体の側
面および上面の幌掛けは容易に行なわれるが、従
来装置においては後面の幌掛け作業は何ら省力化
されておらず作業が面倒で長時間を要するという
不都合があつた。

すなわち、第１図に示すように後面の幌掛けを
する場合には、先ず後垂れシートまたはカーテン
式シート４を上部から垂らし、次に幌布１の側方
および上方の余分長部分１ａ，１ｂをカーテン式
シート４の外表面に折り重ね、その後各余分長部
分１ａ，１ｂをロープまたはゴムひも等を用いて
荷物室５内に雨水や風等が入らないように上手に
展張しなければならなかつた。したがつて、後面
の幌掛作業には多くの手数がかかり、また上手に
余分長部分を展張するには熟練を要し、更に、幌
の幅が広かつたり高さが高い場合にはその展張作
業が大変であるという不都合があつた。

本考案はこれらの点に鑑みてなされたものであ
り、人手を要することなく自動的に幌掛部の後端
を確実に閉塞することができ、幌掛作業の省力化
を図ることのできるスライド式幌掛装置の後端閉
塞装置を提供することを目的とする。

以下、本考案を第２〜８図に示す実施例につい
て説明する。

第２図は幌布６を閉塞した状態の平面図を示
し、第３図幌布６を開いた状態の側面図を示す。

幌布６はそれぞれ門形をした門形骨部材７，７
にくくり付けられている。この門形骨部材７の最
後部に第８図に示すような後端骨部材７ａが設け
られている。各骨部材７，７ａは、第５図に示す
ように脚の下端にステー８をもつガイドローラ９
が取付けられており、このガイドローラ９を車体
１０の両側に前後方向に固定されたレール１１上
に載置させて前後移動自在にして設けられてい
る。そして、レール１１の下方に設けたエンドレ
スチエーン１２に後端骨部材７ａが接続部材１３
をもつて連結されており、モータ１４およびスプ
ロケツト１５を介してエンドレスチエーン１２を
前後動させることにより各骨部材７，７ａが前後
移動して幌布６の開閉が行なわれる。

本考案のスライド式幌掛装置の後端閉塞装置
は、第３図、第６〜８図に示すように、前記後端
骨部材７ａと、この後端骨部材７ａが閉塞装置に
達した時に後端骨部材７ａと相まつて後端面を閉
塞する鳥居１６とで形成されている。

更に説明すると、鳥居１６は後端骨部材７ａが
最後部に移動した閉塞位置において車体１０上に
直立するように固定されている。そして鳥居１６
の外周と後端骨部材７ａの内周との間には、後端
骨部材７ａの前後動を可能とするため一定の隙間
１７（第７図）が設けられている。また、鳥居１
６の外周には前記隙間１７より長く外方へ突出し
た弾性ゴム板製のシール材１８が締着ボルト、ナ
ツト１９をもつて固着されている。このシール材
１８は閉塞位置に移動する後端骨部材７ａの後端
面と弾力的に係合して、隙間１７を密閉して、雨
水や風等が荷物室２０内に入るのを防止する。幌
布６の後端部は、後端骨部材７ａの後面から後方
へ突出形成された張出し材２１に外側から内側に
巻付けられ、その後端部に取付けたひもやロープ
２２等を固着バー２３に結び付けて展張されてい
る。一方、鳥居１６は布等のシート２４によりそ
の開口部を全閉とされている。このシート２４は
第７図に示すように外端部を鳥居１６の外周に沿
つて前方に折り曲げ、ひもやロープ２５により鳥
居１６の外周部に設けた固着バー２６に結び付け
て展張されている。このシート２４には上下２本
のフアスナー２７ａ，２７ｂを縦１本のフアスナ
ー２７ｃとにより開閉自在に形成されている。

次に、本実施例の作用を説明する。

幌布６を閉塞する場合、先ずモータ１４に通電
してエンドレスチエーン１２を回動させて後端骨
部材７ａを後方に移動させ、そして幌布６により
連結されている各骨部材７を順に後方へ繰り出し
て行く。この後端骨部材７ａが閉塞位置に達する
直前には鳥居１６に設けたシール材１８が後端骨
部材７ａの後端面と当接する。そして、後端骨部
材７ａが更に後進して閉塞位置に達すると、第７
図に示すようにシール材１８が後方へ曲げられ弾
力的に後端骨部材７ａの後端に当接し、隙間１７
が密閉とされる。そして、鳥居１６のシート２４
をフアスナー２７ａ，２７ｂ，２７ｃを予め閉じ
て全閉としておけば、後端骨部材７ａが閉塞位置
に達したことだけにより、荷物室２０の後端が自
動的に人手を要することなく全閉とされる。

また、幌布６を後端骨部材７ａの後方に突出し
た張出し部材２１に巻付けて隙間１７の位置より
後方に延出させているから、この後方へ突出した
幌布６がひさしのように作用して隙間１７への雨
水の浸入を有効に阻止する。

鳥居のシート２４は各フアスナー２７ａ，２７
ｂ，２７ｃにより容易開閉できる。

幌布６の開放は、モータ１４を逆回転させるこ
とにより前記閉塞の場合と全く逆にして自動的に
行なうことができる。

なお、隙間１７を密閉するシール材１８は、後
端骨部材７ａに設けてもよく、また鳥居１６と後
端骨部材７ａの双方に設けてもよい。

また、鳥居１６の開口部は布に代えて薄鋼板等
の金属板で閉塞してもよい。

このように本考案のスライド式幌掛装置の後端
閉塞装置は構成され作用するものであるから、幌
布の閉塞時に後端骨部材が閉塞位置に送られるこ
とだけにより荷物室の後部開口を自動的に人手を
要することなく確実に閉塞することができ、幌掛
作業の省力化を図ることができ、ひいては貨物輸
送力の増大化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従累のスライド式幌掛装置の後端部を
示す斜視図、第２〜８図は本考案のスライド式幌
掛装置の後端閉塞装置の一実施例を示し、第２図
は幌布を展張した状態の車両平面図、第３図は幌
布を折畳んだ状態の車両側面図、第４図は第２図
の−線に沿つた拡大図、第５図は第３図の
−線に沿つた拡大断面図、第６図は第３図の左
側面図、第７図は第２図の−線に沿つた拡大
断面図、第８図は後端骨部材と鳥居との関係を示
す斜視図である。 ６……幌布、７ａ……後端骨部材、１０……車
体、１６……鳥居、１７……隙間、１８……シー
ル材、２１……張出し部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 車体の前後方向に移動自在にして設けられて
   いるとともに幌布の後端が固定されている後端
   骨部材と、内側を閉塞された鳥居であつてその
   外周と閉塞位置に達した前記後端骨部材との間
   に隙間を形成するようにして前記車体に取付け
   られた鳥居と、前記隙間を密閉するシール材と
   を有するスライド式幌掛装置の後端閉塞装置。 ２ シール材は隙間を弾力的に密閉する弾性体か
   らなり、後端骨部材と鳥居の双方またはいずれ
   か一方に取付けられていることを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項記載のスライド式
   幌掛装置の後端閉塞装置。 ３ 幌布は後端骨部材から後方へ突出形成された
   張出し部材に外側から内側へ巻込まれ、その後
   端を前記後端骨部材に係止されていることを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   スライド式幌掛装置の後端閉塞装置。