JPS625856Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は螺子下孔穿設用複合ドリルの改良に関
するものである。

ドリルをホルダーに保持させて穿孔を行う複
合、ドリルにおいては、ドリルを交換するだけで
所望径の下孔を穿設できると共にその下孔の深さ
を自由に調節できるという利点を有するが、ホル
ダーに対するドリルの突出長を調節する場合、ド
リルに設けた切削屑排出用螺旋溝の切削屑排出端
部をホルダーの先端部に設けた切削屑排出用捻れ
溝に連通させて切削屑の排出を円滑に行えるよう
にする必要がある。

本考案はこのような問題点に鑑みてなされたも
ので、ドリルのシヤンク部に該ドリルの切削屑排
出用螺旋溝の切削屑排出端部に対して不連続にし
て且つ該切削屑排出用螺旋溝と同一捻れ度を有す
る螺旋状ガイド面を設け、このガイド面をホルダ
ーに設けたドリル固定用螺子の先端に摺接させな
がらドリルをホルダーに挿入することにより切削
屑排出用螺旋溝の切削屑排出端部をホルダーの先
端部に設けた捻れ溝に常に連通させるように構成
したことを特長とする複合ドリルを提供するもの
である。

本考案の実施例を図面について説明すると、１
はその基端軸部１ａの端面中央から先端面中央に
亘つて基端部側が小径で先端部側が大径の中心孔
２，３を夫々貫設してなる厚肉円筒形状のホルダ
ーで、その先端面を先細の傾斜端面４に形成し、
この傾斜端面４から適宜長さ部分における両側周
部に外周面から大径中心孔３に達する半径方向の
垂直壁５，５を180度の間隔を存して設けると共
にこれらの垂直壁５，５から略90度の間隔を存し
た傾斜端面４の部分からホルダー１の回転方向に
垂直壁５，５の基端に向かつて切欠いて緩やかな
弧状の切削屑案内面６を有する排出用捻れ溝７を
設けてある。さらに、前記傾斜端面４と垂直壁５
とにより形成された先端縁を皿面切削刃８，８に
形成してある。

９はホルダー１の小径中心孔２の基端部内周面
に形成した螺子孔である。

１０，１０はホルダー１の周面前後２ケ所から
大径中心孔３に向かつて螺入したドリル固定用螺
子で、互いに前記捻れ溝７と同一螺旋方向に間隔
を存して設けられている。

１１は先端面切削刃１２，１２とこの切削刃１
２，１２に連らなる外周面両側螺旋状切削刃１
３，１３を設けてなるドリルで、これらの切削刃
１３，１３に沿つて切削屑排出用螺旋溝１４，１
４をその一部がドリル１１のシヤンク部１５に達
するようにして設けられてあり、シヤンク部１５
は螺旋状切削刃１２を設けたドリル径よりも小径
に形成してある。

なお、ドリル１１のシヤンク部１５の径はホル
ダー１の大径中心孔３に摺動自在に挿嵌し得る寸
法に形成されているが、切削刃１２，１３を有す
る切削部分の径はドリルによつては異なつた寸法
に形成されているものである。

１６はシヤンク部１５の外周面に形成した螺旋
状ガイド面で、いずれか一方の前記切削屑排出用
螺旋溝１４の延長上にこの切削屑排出用螺旋溝１
４の切削屑排出端部と不連続にして且つこの切削
屑排出用螺旋溝１４と略同一捻れ度でもつてシヤ
ンク部１５の先端部から基端面に亘り設けられて
ある。

１７はホルダー１の小径中心孔２内に挿嵌した
調節軸で、その先端面をドリル１１のシヤンク部
端面に当接させると共に基端面をホルダー１の小
径中心孔基端螺子孔９に螺合した調節螺子１８に
押接させてある。

このように構成したので、所望径の切削刃１３
を有するドリル１１のシヤンク部１５をホルダー
１の大径中心孔３に挿嵌し、その基端面を調節軸
１７に当接させると共に調節軸１７を調節螺子１
８の進退によつて前後摺動させることによりホル
ダー１に対するドリル１１の突出長を所望長さに
調整したのち、ドリル固定用螺子１０，１０を螺
締してドリル１１を固定するものであるが、ドリ
ル１１のシヤンク部１５をホルダー１に挿入して
いくと、シヤンク部１５の外周面に設けた螺旋状
ガイド面１６が固定用螺子１０，１０の先端面に
摺接しながらドリル１１が螺旋状に捻回しつつ挿
入されるものであり、従つて、ドリル１１の切削
屑排出用螺旋溝１４の切削屑排出端部がドリル１
１の挿入長さの大小にも拘らず、ホルダー１の捻
れ溝７に常に連通した状態となるものである。

なお、以上の実施例においてはホルダー１の先
端面に面取り穿設用、切削刃８，８を設けたが、
このような切削刃に代わつて沈み孔穿設用切削刃
を設けてもよく、又、必ずしも切削刃をを設けな
くてもよい。

以上のように本考案は、ホルダー１の中心孔に
ドリル１１のシヤンク部１５を着脱自在に挿入し
てホルダー１の先端外周部に螺入してなる螺子１
０によりシヤンク部１５を固定するようにしたド
リルにおいて、該ドリル１１のシヤンク部１５を
ドリル１１の径よりも小径に形成すると共にその
シヤンク部１５にドリル１１の切削屑排出用螺旋
溝１４と同一捻れ度を有する螺旋状ガイド面１６
をドリル１１の切削屑排出用螺旋溝１４に対して
不連続となるように設け、このガイド面１６に前
記螺子１０の先端面を当接固定させて前記切削屑
排出用螺旋溝１４の切削屑排出端部を前記ホルダ
ー１の先端部に設けた切削屑排出用捻れ溝７に連
通させるように構成した複合ドリルに係るもので
あるから、ホルダー１の中心孔にドリル１１を挿
入するだけで、ドリル１１のシヤンク部１５に設
けた螺旋状ガイド面１６がホルダー１の外周部か
ら内部に向かつて螺入した螺子１０の先端面に摺
接、規制されながら該ドリル１１の切削屑排出用
螺旋溝１４と略同一捻れ方向にドリル１１を捻回
させてその切削屑排出用螺旋溝１４の切削屑排出
端部をホルダー１の先端部に設けた切削屑排出用
捻れ溝７に常に連通させることができ、従つて、
ホルダー１に対するドリル１の突出長を所望の長
さに調節する操作のみで前記両溝７，１４を何等
の操作を必要とすることなく、簡単且つ正確に連
通させて穿孔作業時における切削屑の排出を円滑
に行えるものである。又、ドリル１１の切削屑排
出用螺旋溝１４の切削屑排出端部はシヤンク部１
５の螺旋状ガイド面１６と不連続に形成されてい
るから、該切削屑排出端部から排出される切削屑
がシヤンク部１５を挿入させたホルダー１の中心
孔に入ることなく、確実に切削屑排出端部からホ
ルダー１の切削屑排出用捻れ溝７に導出させるこ
とができ、従つて、ホルダー１内への切削屑の詰
まりを防止して円滑な穿孔作業が可能となるもの
である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
一部を断面した側面図、第２図はその正面図、第
３図はドリルの側面図、第４図はそのシヤンク部
の断面図、第５図は調節軸の側面図である。 １……ホルダー、７……切削屑排出用捻れ溝、
１０……螺子、１１……ドリル、１４……切削屑
排出用螺旋溝、１５……シヤンク部、１６……螺
旋状ガイド面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ホルダー１の中心孔にドリル１１のシヤンク部
   １５を着脱自在に挿入してホルダー１の先端外周
   部に螺入してなる螺子１０によりシヤンク部１５
   を固定するようにしたドリルにおいて、該ドリル
   １１のシヤンク部１５をドリル１１の径よりも小
   径に形成すると共にそのシヤンク部１５にドリル
   １１の切削屑排出用螺旋溝１４と同一捻れ度を有
   する螺旋状ガイド面１６をドリル１１の切削屑排
   出用螺旋溝１４に対して不連続となるように設
   け、このガイド面１６に前記螺子１０の先端面を
   当接固定させて前記切削屑排出用螺旋溝１４の切
   削屑排出端部を前記ホルダー１の先端部に設けた
   切削屑排出用捻れ溝７に連通させるように構成し
   た複合ドリル。