JPS6239614Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 近年、秋播き小麦の播付け面積が増えている。

ところで、従来は、豆類の後作として秋播き小
麦を播種しており、一方、豆類の収穫時期と秋播
き小麦の収穫時期が重なるので、天侯が悪くて豆
類の収穫が遅れると、秋播き小麦の播付けができ
なくなることがあつた。

従つて、豆類の後作に秋播き小麦を播付けるた
めには、豆類の収穫時期以前に秋播き小麦を播種
しなければならない。

そこで、本考案は豆類が繁茂した中を、作条、
施肥、播種、鎮圧して上記目的を達成する株間施
肥播種装置に係るものである。

図面に示す本考案の１実施例についてその構造
を説明すれば、１は多条の株間施肥播種機の主フ
レームで、その前端中央上の３角状取付枠２をト
ラクタの３点リンクヒツチ３に連結する。

ａは主フレーム１に左右方向に１対づつ数組並
設する株間施肥播種機を示し、４は株間施肥播種
機ａの種子および肥料のタンクで、内部を仕切板
５により区切つて種子室イと肥料室ロを前後に設
けると共に、それらの下口は左右に並設する。
６，７はタンク４の種子室イおよび肥料室ロの下
口下方にそれぞれ後方へ突出させて連設した受箱
で、それらの中間部には各別に開閉調節板８，９
を上下自在に設け、すべてのタンク４の開閉調節
板８はリンク１０を経てレバー１１付き横杆１２
により、開閉調節板９はリンク１３を経てレバー
１４付き横杆１５によりそれぞれ連結し、そのレ
バー１１を左方または右方へ操作すれば横杆１２
リンク１０を介し開閉調節板８が上下して受箱６
内を開閉し、レバー１４を左方または右方へ操作
すると、横杆１５リンク１３を介し開閉調節板９
が上下して受箱７内を開閉するようになす。

１６はすべての受箱６，７の前方中間部に通し
て架設した前方回転軸で、その受箱６，７内には
放射状の撹拌送出し爪１７を取付ける。１８は受
箱６，７の後方突出部の中間部に通して架設した
後方回転軸で、その受箱６，７内には多数の放射
状掻出し片１９を植設する。２０，２１は受箱
６，７の送出し口の後方に上口を臨ませてそれぞ
れ配置した種子および肥料の送出し樋で、下部を
２又に形成してそれらの下口には蛇腹状のホース
２２，２３をそれぞれ連結する。

２４は株間施肥播種機ａの前後揺動フレーム
で、該フレーム２４の中央上方に対向して主フレ
ーム１に固定した取付杆２５とは、平行４辺形機
構を構成するように前後の連杆２６によつて連結
する。２７は揺動フレーム２４の前端中央に斜め
前下方へ向けて装着した腕杆で、その先端にはゴ
ム車輪の定規車２８を軸支する。

２９は揺動フレーム２４の両側縦杆３０の下端
にそれぞれ回転自在に軸支したダブルデイスクコ
ルタ、３１，３２はダブルデイスクコルタ２９の
カバーおよびスクレーパ、３３，３４はダブルデ
イスクコルタ２９の後部内に前後に並設した縦方
向の種子パイプおよび肥料パイプで、それらの下
口を互いに左右反対方向へ向けて上口にはホース
２２，２３の下端をそれぞれ連結する。３５はデ
バイダで、縦杆３０の上端部から斜め前下方へ突
出させ、先端部は上方へ彎曲３６して外側後方に
は外側へ張出す上下の分草杆３７を設ける。３８
はダブルデイスクコルタ２９の後方に配置するつ
づみ形の鎮圧ローラで、その鎮圧ローラ３８を下
端に軸支した揺動腕杆３９の上端を縦杆３０の上
端部に軸支して該腕杆３９と肥料パイプ３４の間
にスプリング４０を張設する。４１は鎮圧ローラ
３８のスクレーパである。

４２は主フレーム１の後部に横架した中間軸、
４３は多数の羽根を放射状に設けた車輪で、その
車輪４３を下端に軸支した揺動腕杆４４の上端を
中間軸４２に嵌着して該腕杆４４をスプリング４
５により下方へ弾圧支持する。而して車輪４３と
中間軸４２、中間軸４２と前方回転軸１６、前後
の回転軸１６，１８をそれぞれチエン伝動機構に
より連結する。

次にその作用を説明する。機械を畑に入れて数
個の施肥播種機ａをそれぞれ豆類の株列間に位置
させ、一方、タンク４の種子室イからその下方の
受箱６の前部内にわたつて種子を、タンク４の肥
料室ロからその下方の受箱７の前部内にわたつて
肥料をそれぞれ投入し、トラクタの運転を開始し
て機械を前進させると、各施肥播種機ａのデバイ
ダ３５が豆類の茎や葉を分け豆類の株列の間に進
入してその施肥播種機ａが豆類の株列間を進行
し、一方、車輪４３が接地回転しその車輪４３か
らチエン伝動機構および中間軸４２を経て前後の
回転軸１６，１８が回転するから、受箱６内の種
子および受箱７内の肥料を各別に攬拌送出し爪１
７によつて撹拌しながら開閉調節板８，９の下方
の開口部を通り受箱６，７の後部内に送込んで掻
出し片１９により送出し樋２０，２１内にはね込
み、その種子および肥料はそれぞれ送出し樋２
０，２１内で左右に分かれ、左右のホース２２ま
たは２３内を通つて種子パイプ３３および肥料パ
イプ３４内に入り、それらの下口から左右互いに
反対方向へ向かつて落下する。一方、定規車２８
および鎮圧ローラ３８が接地してダブルデイスク
コルタ２９が適度に土中に入り込み、そのダブル
デイスクコルタ２９が土中への喰込み抵抗によつ
て自転しながら機械は前進する。

従つて、ダブルデイスクコルタ２９で所要の溝
を形成しながら該溝内に種子パイプ３３および肥
料パイプ３４の下口から左右の２列に分かれて播
種および施肥され、その後、播種および施肥した
溝上には後続のつづみ形の鎮圧ローラ３８で覆土
し鎮圧した施肥および播種作業が完了する。

その際、レバー１１を左方または右方へ繰作す
れば、開閉調節板８が上下して受樋６から送出し
樋２０内にはね込まれる種子の量が増減し、レバ
ー１４を左方または右方へ操作すると、開閉調節
板９が上下して受樋７から送出し樋２１にはね込
まれる肥料の量が増減するから、適宜にレバー１
１，１４を左方または右方へ操作することによつ
て播種量および施肥量を適宜に調整することがで
きる。

一方、整地されていない畑等で地面に凹凸があ
ると、平行４辺形機構により、施肥播種機ａはそ
の定規車２８の地面への追従によつて平行に上下
し、地面の凹凸にかかわらず常にダブルデイスク
コルタ２９により一定深さの溝を形成してその溝
内に播種および施肥される。

なお、上記種子パイプ３３と肥料パイプ３４を
前後反対に配置しても同様に作用する。

本考案は株間施肥播種装置を上記のように構成
したから、その施肥播種機のデバイダが円滑良好
に豆類の茎や葉を分けて豆類の株列の間に進入
し、施肥播種機が豆類の株列間を進行しその株列
間に作条および施肥播種し得て株間の作条および
施肥播種作業を機械的に能率よくなし得る上に、
整地されていない畑等で地面に凹凸があつても、
平行４辺形機構により、揺動フレームが地面に追
従し自動的に平行に上下作動して一定深さに施肥
播種することができる。

更に、ダブルデイスクコルタを使用することに
よつて株列の間に生えている雑草を切り、且つダ
ブルデイスクコルタの回転によつて雑草がコルタ
に詰るのを防ぐので、良好な施肥播種を行うこと
ができる。

その上、施肥と播種の両作業を同時になし得て
作業能率を向上する上に、施肥と播種を適当な間
隔になして２列に行い、肥料が種子の横に離れて
位置するので、肥料の濃度障害を防ぐことができ
て良好な発芽が得られ、且つ構造が簡単で容易安
価に製作でき、その作動は軽快円滑なる等の効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例に係る多条の株間施
肥播種機の側面図、第２図は同上後面図で、１部
を切断して示す。第３図はその株間施肥播種要部
の拡大側面図、第４図は同上平面図、第５図は施
肥播種状態を示す要部の説明後面図である。 １……主フレーム、４……タンク、２２，２３
……ホース、２４……前後揺動フレーム、２９…
…ダブルデイスクコルタ、３３……種子パイプ、
３４……肥料パイプ、３５……デバイダ、３８…
…鎮圧ローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 主フレームの下方に平行４辺形機構を介して前
   後揺動フレームを取付け、その揺動フレームの下
   端にダブルデイスクコルタを軸支して該ダブルデ
   イスクコルタの後部内に縦方向の種子パイプと肥
   料パイプを前後に並設し、それらのパイプの下口
   を互いに左右反対方向へ向けて上口には上記主フ
   レーム上のタンクよりの種子のホースおよび肥料
   のホースの下端をそれぞれ連結し、上記揺動フレ
   ームにはダブルデイスクコルタの前方から側方に
   わたるデバイダを装着し、ダブルデイスクコルタ
   の後方には鎮圧ローラを設けてなる株間施肥播種
   装置。