JPS6224700Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は金庫装置、すなわち蓋体を施錠ロツク可
能となし金品等の貴重品を安全に保管できるよう
にした金庫ケースを家屋内の壁面、もしくは、乗
用車の床面等に固設した筐体内に着脱自在に格納
可能となして金品等の貴重品を他のカバン、バツ
ク等のケースに入れることなく、当該金庫ケース
に保管したままで他所に持ち運びできるようにな
し、又他所において受領した貴重品を当該金庫ケ
ースごとに持ち運んで筐体内に格納、施錠ロツク
して保管可能となすことにより、金品・機密書類
等の貴重品をその取扱い時において紛失すること
なく安全に収納保管し得るようになした金庫装置
に関するものである。

従来において、金庫を家屋壁面等に設け、その
前面を絵画等の壁掛け物にて遮閉し防盗性を高め
たいわゆるウオールセーフが利用されていたが、
これらの金庫にあつては、その構成の基本技術思
想として、従来周知の設置型金庫をコンパクトと
なし、これを壁面に埋設するという構造であつた
ために金庫自体が相当の重量を有し、従つて壁
面、特に日本家屋のように厚みの少ない壁面への
取付けには問題が残されており、又当該金庫自体
も上述の如く周知の設置型金庫を小型になしたも
のであることから、当該金庫内への貴重品の出入
れは従来の設置型金庫同様に貴重品を直に出入れ
するものであることから、金品・機密書類等の貴
重品を他所へ持ち運ぶ場合、もしくは他所から持
ち帰る際にはこれらの貴重品をカバン、バツク等
に入れて持ち運びしなければならず、紛失の可能
性があるだけでなく、防盗上の安全性に欠ける欠
点が残されていた。

本案はこのような現状に鑑みて考案したもの
で、その要旨とするところは、開閉自在な蓋板を
施錠ロツク可能に本体に取付けてなる金庫ケース
と、前面を開口し内部に前記金庫ケースを前面開
口から出入れ可能に格納しうる格納部を設け壁面
等に埋設固定してなる筐体と、前記金庫ケースを
筐体内に格納した状態で施錠ロツクすべく筐体に
取付けてなる施錠部材と、よりなり、金庫機能を
有する金庫ケースを自宅内の壁面、乗用車の床面
及び会社、事務所等の壁面に設けた格納用筐体内
に着脱自在、且つ施錠ロツク可能に格納するよう
になした点にある。

以下、本案を添付実施図例にて説明すれば、本
案の金庫装置はそれ自体を施錠ロツク可能とな
し、持ち運びできるようにした金庫ケース１と当
該金庫ケース１を着脱自在に格納する筐体２を主
要構成部材とし、金庫ケース１を筐体内に格納し
た状態下において当該金庫ケースを施錠ロツクす
べく筐体２内の一部に着脱自在に設けられる施錠
部材３の組合せからなり、金庫ケース１及び筐体
２は、それぞれ所望の素材を用い任意の形状に構
成されるもので、例えば防盗性、耐熱性等を考慮
すれば鋼板にて形成し、又軽量化及び取扱いの容
易性を考慮した場合には合成樹脂等にて形成する
ことも可能である。

而して第１図の実施例によれば筐体２はその前
面開口２１の口縁に鍔縁２２を屈曲形成するとと
もに内部を隔壁２３にて区画し、その片方（図中
においては下方）を金庫ケース１格納用の格納部
２４となし、他方を施錠部材３の取付け部２５と
なし、格納部２４内一側には金庫ケースと係合す
べき突片２６を、取付け部２５内一側面には後記
する施錠部材３を着脱自在に取付ける為のスリツ
ト２７を設け、且つ周壁２８には所定の間隔毎に
取付け孔又は取付け片２９…を配設してなる。

一方、この筐体２内に着脱可能に格納される金
庫ケース１は、その一側面（格納時における内奥
側面）をシリンダー錠にてロツク可能となした蓋
板１２となし、その一側縁部を本体１１に開閉自
在に枢着した鋼板製ボツクスからなり、持ち運び
時における上端面１４には図示の如く取手１３を
設け、且つ当該上端面１４の蓋板１２側寄り部は
図示の如く傾斜面１５、若しくは曲面となして、
この金庫ケース１を筐体２内の格納部２４内へ出
入れすることを容易となすように考慮しており、
上端面１４若しくは傾斜面１５の所定位置には、
施錠ロツク用の係止口１６を又、下端面１４′の
所定位置には前記した筐体格納部２４内の突片２
６と嵌合係止すべき係止口１７を形成してなり、
この金庫ケース１を筐体２内に格納するには第１
図に示す如く金庫ケースの下半部を格納部２４内
に嵌合し、その下端面１４′に形成した係止口１
７を格納部内の突片２６に凹凸嵌合させつつ上半
部を更に嵌合し、上端面１４に形成した傾斜面１
５を利用して該金庫ケースが隔壁２３に衝突する
ことなくスムーズに嵌合して格納するものであ
る。

而して、この金庫ケースを取出すには取手１３
をもつて金庫ケース１を当該ケースの前面下端部
を支点として手前側に回動させることにより係止
口１７と格納部内突片２６との嵌合を外して筐体
内より取出すようになしている。

このように、それ自体が貴重品の収納、保管機
能を有する金庫ケース１を筐体２内に着脱可能に
格納することによつて、貴重品を金庫ケース１に
保管したままで持ち運び可能となして紛失等の恐
れをなくすることができるのであるが、以上の構
成では格納時における金庫ケース１の防盗性は全
く確保されていないために、本案では施錠部材３
を前記した筐体２の取付け部２５に着脱自在に設
置し、この施錠部材３の動作によつて格納状態下
の金庫ケース１を施錠ロツクして防盗性をも確保
するようになしている。

而して、この施錠部材３は第３図に示すように
鋼板の屈曲からなる本体板３１の一側に前記筐体
取付部２５に設けたスリツト２７に掛脱自在に嵌
合係止すべきフツク片３２を屈曲形成し、且つ本
体板３１の他側には前記筐体隔壁２３に近接若し
くは密接して嵌合すべき屈曲片３３を形成し、該
施錠部材３に設けた互いに連動するシリンダー錠
３４、ダイヤル錠３５の操作によつてロツク杆３
６を屈曲片３３に形成した通孔３３′から出没可
能となし、このロツク杆３６を筐体の隔壁２３に
形成した通孔２３′を貫通して格納状態下におけ
る金庫ケース１の上端面係止口１６に嵌合係止さ
せることによて金庫ケース１を格納状態下で施錠
ロツクするとともに、この施錠部材３をもロツク
杆３６と筐体隔壁２３の通孔２３′との嵌合によ
つてロツクし、金庫ケース１及び施錠部材３を連
動して筐体２内に施錠ロツクし得るようになして
いる。

尚、施錠部材３のシリンダー錠３４、ダイヤル
錠３５の連動機構としては第３図に示すように略
中間部を本体板３１に立設した固定軸３８にて回
動可能に枢支されたリンク３４ｂ，３４ｂをその
一端を枢軸３９にて連動可能に連結するとともに
該両リンク３４ｂの他端を本体板３１に固設した
筒部３７内において摺動自在に設置される前記ロ
ツク杆３６の端部二ツ割り溝部において回動自在
に連結し、片方のリンク３４ｂに形成した３４
b′内にはシリンダー錠３４の動作ピン３４ａを孔
内移動可能に嵌合しており、当該シリンダー錠３
４の操作によつてその動作ピン３４ａ、リンク３
４ｂを介して、両ロツク杆を本体板の屈曲片３３
に設けた通孔３３′から出没可能となしている。
このシリンダー錠動作機構を構成するリンク３４
ｂの何れか片方には屈曲片３４b″を形成し、こ
の屈曲片３４b″を本体板３１の適所に設けたダ
イヤル錠３５の符号板３５ａ…の切欠部３５a′…
に掛脱自在に嵌合可能となしており、この屈曲片
３４b″と切欠部３５a′…の嵌合掛脱は第３図に示
すように、シリンダー錠３４の動作によつてロツ
ク杆３６が突出して、施錠ロツク状態にある時に
は上記屈曲片３４b″はダイヤル錠の符号板３５
ａ…から遊離した状態となし、もつてダイヤル錠
の操作によつて各符号板３５ａを任意に回転さ
せ、これらの切欠３５a′が屈曲片３４b″位置に合
致しないようになしておけば、施錠ロツク状態の
シリンダー錠３４を破壊しても屈曲片３４b″が
各符号板３５ａの切欠部３５a′内に嵌合し得ない
ことからロツク杆３６を前記した施錠ロツク状態
から解除することはできず、すなわちダイヤル錠
を動作させて、各符号板の切欠３５a′…を前記リ
ンク３４ｂの屈曲片３４b″が嵌入可能な位置に
セツトしない限りシリンダー錠３４を動作させる
ことができないように互いに連動させているので
ある。

尚、上記施錠部材３のシリンダー錠３４のキー
は前記した金庫ケース１の蓋板１２に設けたシリ
ンダー錠と同一キーを用いるものとし、金庫ケー
ス１はその防盗性、耐火性を高めるべく本体１
１、特に蓋板１２と対面する底板１１′を厚肉の
鋼板にて形成することも可能である。

以上のようになる本案によれば、それ自体の蓋
板を施錠ロツク可能となした金庫ケース１を家屋
内の壁面、乗用車の床面等に埋設固定された筐体
２内に着脱自在に格納できるようになしたことに
より金庫内に収納、保管される金品・機密書類等
の貴重品を当該金庫ケース１に保管したままで持
ち運び処理することが可能であることから、これ
らの貴重品の紛失の恐れがなく、特に筐体２を自
宅の壁面、自家用車の床面及び事務所、会社にお
ける壁面等の複数に設定しておけば、自宅及びオ
フイス間の移動時に貴重品を金庫ケース１に保管
したままで持ち運びでき、その保管は自宅及びオ
フイスに設けた筐体２内に当該金庫ケース１を格
納し、且つ施錠ロツクすることにより、あたかも
移動金庫の如き安全な保管体制となすことができ
るのである。

又、この金庫ケース１を筐体内において、施錠
ロツクする施錠部材３もその全ての機構を本体板
３１に集中的に設置し、当該本体板３１を筐体２
内の取付け部２５に着脱自在に取付け得るように
なしていることから、金庫ケース１、筐体２、施
錠部材３からなる本案の金庫装置は筐体２を新
設、既設の壁面に形成した取付け用凹部内に嵌合
し、且つその周面に形成した取付け孔２９等を利
用して埋設、固定し、当該筐体２内に施錠部材
３、金庫ケース１を夫々着脱自在に取付け得るよ
うになしたことにより、その組立て、製作、取付
けが極めて容易に行え、しかも当該施錠部材３
は、そのシリンダー錠３４とダイヤル錠３５を連
動可能となしたことにより防盗性を高め、又この
施錠部材３の動作によつてロツク杆３６を筐体内
の隔壁２３の通孔２３′を貫通して、格納状態下
の金庫ケース１の係止口１６に嵌合係止させるこ
とにより、金庫ケース１を格納状態で施錠ロツク
することは無論、当該施錠部材３自体もそのロツ
ク杆３６が上記通孔２３′に貫通嵌合しているこ
とから、筐体内に施錠ロツクされ、この施錠部材
３の不本意な取外しを確実に防止して、防盗安全
性を高めることができるのである。

以上の如く、本案に係る金庫装置は、開閉自在
な蓋板を施錠ロツク可能に本体に取付けてなる金
庫ケースと、前面を開口し内部に前記金庫ケース
を前面開口から出入れ可能に格納しうる格納部を
設け壁面等に埋設固定してなる筐体と、前記金庫
ケースを筐体内に格納した状態で施錠ロツクすべ
く筐体に取付けてなる施錠部材と、よりなり、金
庫ケースを壁面等に埋設固定した筐体内に着脱自
在且つ施錠ロツク可能に格納設置したことを特徴
とし、貴重品を他のカバン、バツク等のケースに
入れることなく金庫ケースに保管したままで安全
に他所に持ち運びできかつ該金庫ケースを筐体内
に格納、施錠ロツクして貴重品をその取扱い時に
おいて紛失することなく安全に収納保管しうる金
庫装置を提供しうるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の金庫装置を示す斜視図、第２図
は筐体内の施錠部材取付け部を示す斜視図、第３
図は施錠部材の機構を示す筐体ロツク状態の裏面
斜視図である。 １：金庫ケース、１１：本体、１１′：底面、
１２：蓋板、１３：取手、１４：上端面、１
４′：下端面、１５：傾斜面、２：筐体、２１：
開口、２２：額縁、２３：隔壁、２４：収納部、
格納部、２５：取付部、２６：突片、２７：スリ
ツト、３：施錠部材、３１：本体板、３２：フツ
ク、３３：屈曲片、３４：シリンダー錠、３４ａ
……動作ピン、３４ｂ：リンク、３５：ダイヤル
錠、３５ａ：符号板、３６：ロツク杆、３７：筒
部、３８：固定軸、３９：枢軸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 開閉自在な蓋板を施錠ロツク可能に本体に取付
   けてなる金庫ケースと、 前面を開口し内部に前記金庫ケースを前面開口
   から出入れ可能に格納しうる格納部を設け壁面等
   に埋設固定してなる筐体と、前記金庫ケースを筺
   体内に格納した状態で施錠ロツクすべく筐体に取
   付けてなる施錠部材と、 よりなり、金庫ケースを壁面等に埋設固定した
   筐体内に着脱自在且つ施錠ロツク可能に格納設置
   したことを特徴とする金庫装置。