JPS6222120B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は原子炉、特に加圧水型原子炉の出口部
の蒸気配管の保護に関するものである。

〔従来の技術〕

加圧水型原子炉では、加圧水の少なくとも一つ
の一次回路が、原子炉容器（ここで水が燃料要素
から発生した熱を吸収する）と蒸気発生器（ここ
でタービン―発電機群に用いられる二次水―蒸気
回路に該熱を与える）との間を閉ループで循環す
る。原子炉、蒸気発生器および対応する一次回路
は気密格納室を構成する原子炉ハウジングに完全
に収容されている。上記の二次回路は２度に亘り
この室を横断するが、一度は主蒸気用回路のため
に蒸気発生器からタービンまで、もう一度循環水
用回路のために復水器から蒸気発生器まで室を横
断する。

この主蒸気用回路は、格納室の壁を貫通した
後、原子炉ハウジングの外部で配管に配置された
隔離用止めコツクを備えている。この隔離用止め
コツクは安全要素であり、かつ下流で配管が偶発
に破損した場合でも、熱応力およびその結果生ず
る熱衝撃は、止めコツクの正常な機能を妨げるか
も知れないような機械的変形を隔離用止めコツク
のまわりに生じさせないようにすることが重要で
ある。

これまで、該隔離用止めコツクと固定点をなす
格納室の壁の漏れ止貫通部との間の配管により大
きい弾力性を与えるために、止めコツクを格納室
から遠ざける試みがしばしばなされてきた。しか
しながら、これは、隔離用止めコツクの上流に
“保護部分”と呼ばれる部分を延長させることを
必要とし、またこの部分は極めて厳密な応力規格
を満す必要がある。更に、この部分の延長によ
り、この部分を落下物による垂直方向の直接衝撃
に対して保護することが大変困難になる。この保
護はしばしば“バンカー化（bunkerization）”と
呼ばれる。

最後に、地震や地盤沈下の場合に、配管の出口
部および隔離用止めコツクをハウジングとの間の
相対的移動の危険性から保護することが不可欠で
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明はこれら一連の問題に対する解決策を提
供するものであつて、原子炉格納室の壁の漏れ止
貫通部の下流における蒸気配管の部分および隔離
用止めコツクを保護する組立体を提供することを
目的としている。本発明によれば、配管は、貫通
部の中央半径方向平面において貫通部から延びる
第１部分と、この第１部分に曲り部を介して接続
されそして前記半径方向平面にほぼ垂直な方向に
延びている第２部分と、第１部分に連結された隔
離用止めコツクとを有し、案内要素手段を前記止
めコツクと前記曲り部との間で第１部分に固定
し、案内要素手段は、前記半径方向平面と平行で
この平面に対して対称な２つの平面に摺動面を有
し、かつ格納室の壁に固定された支持体に固定さ
れている案内装置の２つの平らな表面上を摺動で
き、連結棒を前記半径方向平面に対して対称に配
置し、かつ前記支持体に、又前記曲り部と前記止
めコツクとの間で第１部分に連結したことを特徴
とする。

本発明は以下添付図面を参照して例示として与
えられる特定の実施例の説明から一層明瞭に更に
理解されるであろう。

図面を参照すると、主蒸気用配管１が格納室の
壁３を貫通する漏れ止貫通部２を通して原子炉ハ
ウジングから外部に導出されている。この配管は
すぐに４の位置で下方に曲げられ、その軸線は貫
通部２の中央半径方向平面に、即ち貫通部の軸線
を含む平面に維持され、配管１の端には隔離用止
めコツク６が設けられている。この止めコツク６
の下流６の配管８が２枚の角形板９からなる案内
要素手段に溶接されており、角形板９の両側面
は、貫通部２の半径方向平面と平行でこの平面に
対して対称である２つの平面に位置している。こ
れらの側面は、２つのブラケツト１１の垂直面を
形成する案内装置即ち一対の摺動案内１０の表面
上を摺動する摺動面を形成している。ブラケツト
１１は、格納室にプレストレス鉄筋コンクリート
製型ビームの中央ウエブ１３によつて支持され
ており、かつ図示されていない控え棒によつてこ
の型ビームに固定されている。ブラケツト１１
の２つの案内１０は、配管８の両側の高強度の控
え棒１４により相互に連結されている。組立ての
ために保たれる角形板９と摺動案内１０との間の
隙間は、正常運転温度にて弾性運動の自由度を可
能にするような最終的な隙間を与えるように決定
される。

配管８は更に下流で２つの連結板１７に溶接さ
れており、配管８の両側で、これら連結板１７に
は２つの平行な緩衝連結棒１９の頭部１８が枢着
されている。各連結棒１９のもう一方の端部はコ
ンクリート製型ビーム１３に固定された支持体
２１に20で枢着されている。

配管は、更に上記半径方向平面にほぼ垂直な方
向に22で曲げられ、保護部分の構造はちよつと先
では、普通の配管になる。

曲り部２２を越えて保護部分を延長させること
により、保護組立体に生じた応力を、貫通部の前
記半径方向平面に垂直な平面での曲げ応力または
捻り応力、あるいは該半径方向平面での曲げ応力
まで実質上減少される程曲り部から十分に遠い領
域で配管が破損することすら可能である。

半径方向平面に垂直な平面での捻りもしくは曲
げにより、止めコツク６の領域で配管を変形させ
ようとするあらゆる応力が摺動案内１０で板９を
支持することによつて、従つて格納室の壁と一体
のコンクリード構造体によつて吸収されることが
わかる。更に、半径方向平面で曲げを生じさせよ
うとする応力は連結棒１９によつて、従つてコン
クリート構造体によつて吸収される。これらの応
力がブラケツト１１によつて完全に吸収されない
場合には、この連結棒はその緩衝体とともに残留
捻り応力を吸収することができる。

また、上記の構成により、止めコツク弁を格納
室の壁の貫通部から遠ざける必要なしに全応力を
吸収することを可能にする。従つて保護部分の領
域は最小限に縮小され、特に、該領域は貫通部の
中央半径方向平面からほんの僅か逸脱するにすぎ
ず、かつこの安全領域の設置を容易にするような
極めて小さな斜め空間を占めるにすぎない。

第１図は、又止めコツク６の上流の逃し弁２３
を釣合せるための回路を示している。これら逃し
弁２３は、止めコツク６の上流で蒸気配管に並列
に連結された２つのコレクター２４および２５に
配分されている。一方のコレクターの逃し弁は漸
次増大する開放圧力に設定されており、各逃し弁
の流量を等しくするために、コレクターの断面積
は各逃し弁または各群の逃し弁の下流で減少させ
てある。コレクターの全領域を等しい圧力に保つ
ために、コレクターはループの形をなしている。
この場合、ループは、断面積の小さい管２６によ
つて、コレクター２５の最後の逃し弁の下流にお
けるコレクター２５の端部をもう一つのコレクタ
ー２４の最初の逃し弁の上流におけるコレクター
２４の入口に連結し、また逆に、管２７によつ
て、コレクター２４の最後の逃し弁の下流におけ
るコレクター２４の端部をコレクター２５の最初
の逃し弁の上流におけるコレクター２５の入口に
連結することによつて形成される。

かくして、２本のコレクターに配分された逃し
弁は全体のかさが小さくこれによつて隔離用止め
コツクの上の領域に逃し弁を配置することが可能
となり、半径方向のかさが小さい組立体全体を穹
（casemate）によつて容易に保護することができ
る。２つのコレクターに配分したにも拘らず、交
叉したループによりこれら２つのコレクターの全
領域における圧力を完全に等しくすることができ
る。

又、上記の組立体により配管に生じた応力を原
子炉ハウジングの室のプレストレス鉄筋コンクリ
ート壁に伝えることができ、かくして、配管およ
び蒸気止めコツクが原子炉ハウジング自体の室の
壁に支持されているので地震の場合に、ハウジン
グとの移動差を回避することができる。

勿論、本発明は例示として記載した実施例に厳
密に制限されるものではなく、本発明は細部、
種々の実施方法又は均等手段の使用において上記
の実施例と異る実施例をも含むものである。即
ち、例えば緩衝連結棒１９の代りに普通の連結棒
を用いることが可能であり、あるいはまた２本一
組の連結棒の代りに通路の半径方向平面内に位置
する単一の連結棒を用いることが可能であり、事
実、使用される連結棒の系にかかわらず、配管に
作用する連結棒の反力の合力が道路の半径方向平
面にありさえすれば良い。更に、上記実施例の曲
り部４は止めコツク６の特定の構造のために設け
られているにすぎず、他の型式の止めコツクを用
いた場合には、配管は、その軸線がブラケツト１
１および連結棒１９の前方まで、貫通部の中央半
径方向平面内に維持されている限り直線とするこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は格納室の壁を貫通し、本発明による逃
し弁および保護組立体を備えた主蒸気配管を示す
全体の概略斜視図であり、第２図は配管、隔離用
止めコツクおよび保護組立体を示す、貫通部の半
径方向平面に平行な、第５図の―線における
一部断面の側面図であり、第３図は第２図のの
方向からみた図であり、第４図は第２図のの方
向からみた図であり、第５図は第２図のＶの方向
からみた斜め平面図である。 （主な参照番号） １…主蒸気配管、２…漏れ
止貫通部、３…格納室の壁、６…隔離用止めコツ
ク、８…配管、９…角形板、１０…摺動案内、１
１…ブラケツト、１３…ウエブ、１４…高強度控
え棒、１７…フランジ、１８…連結棒頭部、１９
…連結棒、２３…逃し弁、２４，２５…コレクタ
ー、２６，２７…管。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 原子炉の格納室の壁の漏れ止貫通部の下流に
   おける蒸気配管の部分およびその隔離用止めコツ
   クを保護するための装置であつて、配管１が前記
   貫通部の中央半径方向平面において、前記貫通部
   から延びる第１部分と、前記第１部分に曲り部を
   介して連結され、半径方向平面にほぼ垂直な方向
   に延びる第２部分と、配管の前記第１部分に連結
   された止めコツク６とを有し、前記貫通部の半径
   方向平面に平行で該平面に対して対称な２つの平
   らな摺動面を有する案内要素手段９を前記止めコ
   ツク６の下流かつ屈曲部２２の上流で、前記配管
   に固定し、前記案内要素手段は前記原子炉の格納
   室の壁に固定された支持体１３に固定されている
   案内装置１０の２つの平らな表面間に係合し、連
   結棒１９を前記貫通部の半径方向平面に対して対
   称に配置し、かつ前記格納室の壁に固定された前
   記支持体１３に、又止めコツクと曲り部との間で
   配管の第１部分に連結して成ることを特徴とする
   原子炉における蒸気配管の保護装置。 ２ 前記連結棒１９が緩衝装置を備えていること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の原子炉
   における蒸気配管の保護装置。