JPS6220302Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は銀行等の金融機関における預金払戻請
求やデパート等信用販売を行なう小売店における
信用販売の商品引渡しの際に起票する伝票に対す
る事務用印刷機に関するものである。

（目的） 本考案の主な目的は預金払戻請求や商品引渡し
の際に顧客と顧客の提出する照合カードとを照合
し、且つ預金の払戻請求金額又は売上げ金額の伝
票に顧客のコード番号等を印刷することであり、
他の目的は顧客と照合カードとを照合して、不一
致の場合は印刷が不可能となる印刷機を提供する
ことであり、更に他の目的は印刷可否の切換構造
を簡単にすることである。

（従来技術） 従来は銀行等金融機関においては預金を払戻す
ための自動払戻機が店内に設置されているが、該
自動払戻機は届出の印鑑を使用せずに払戻しが出
来、然も迅速であるため非常に便利であるが、反
面自動払戻機の設備費が非常に高いため、多数の
機械を設置したり顧客の来店数が少ない店頭に設
置することは採算上出来兼ねるし、その上、自動
払戻機は屡々故障を起こす欠点がある。

（特徴） 本考案は前記自動払戻機に代わつて預金者又は
顧客の提出する照合カードに記録された番号又は
記号と預金者が記憶している暗証番号又は記号と
を照合装置により正か否かを照合し、照合が一致
した場合にのみ伝票に各種データを印刷すること
が可能となり、照合が不一致の場合は印刷が可能
となることを特徴とするものである。

（構成） 本考案の実施例について以下に説明すると、１
は印刷ベースで、該ベースの上面には店名版を装
着した店名版台２、顧客カード載置台３、日付リ
ング４及び伝票枠５が設けられている。

６は印刷ローラのキヤリジで、該キヤリジは内
部に印刷ローラ（図示せず）を吊下げるように支
持し、前記印刷ベース１上を往復移動をし得るよ
うに両端に設けた上下の案内ローラ７，７にて前
記印刷ベース１の台板８を上下より挾む如くにし
て支持されている。前記印刷ローラ等は印刷時に
把手となるプラスチツク製のキヤリジカバー９に
て覆われている。

１０は印刷機の外枠で、後方のやや高い部分の
前面傾斜部に電源投入用キー溝１１と表示ランプ
板１２とが配設されており、右方に照合用磁気カ
ードの読取スライド溝１３とリセツトスイツチ５
１とが設けられている。

前記台板８の裏面には前記キヤリジ６の案内ロ
ーラ７の往復通路内に垂下部分を含む先端部１４
を侵入又は退出し得るように台板８に固着された
スタツド（小柱）１５に回動自在なロツクレバー
１６が支持されている。前記ロツクレバーの他端
部１７は、前記先端部１４が案内ローラ７の通路
内に侵入する際、通路内でとどまるように台板８
にネジ１８′で固着されたストツパー１８の垂直
壁に当接せしめられるようになつている。

前記スタツド１５には前記ロツクレバー１６よ
り台板８側にワツシヤ１９、バネ２０、ロツクリ
セツトレバー２１、リリースカム２２が嵌装され
ており、ロツクレバー１６よりスタツド１５の自
由端側にバネ２３、ワツシヤ２４が嵌装され、こ
れらの全部材はＥ型リング２５によりスタツド１
５からの脱落が阻止されている。前記ロツクリセ
ツトレバー２１はバネ２０の作用により第３図の
スタツド１５を中心として時計方向に回動せしめ
られ、隣接のリリースカム２２の折曲部との間に
リリースバネ２６が装着せしめられているので、
レバー２１とリリースカム２２とは外力が作用し
ない限り一体的にされている。

前記ロツクレバー１６はバネ２３の一端を係止
し第３図においてスタツド１５を中心として反時
計方向に回動せしめられるよう作用を受けている
が、該バネ２３が前記バネ２０より弱いためロツ
クレバー１６は強いバネ２０の作用を受ける前記
ロツクリセツトレバー２１の端部に設けられた折
曲部２７によつてレバー２１と共に時計方向に回
動せしめられる。

２８はワンシヨツトパルス（パルス幅0.5秒）
で動作し得る電磁ソレノイドで、前記台板８にネ
ジ２９で固着された支持台３０に支持されてい
る。電磁ソレノイド２８のプランジヤー３１には
解放レバー３２がピン３３で連結されており、該
解放レバーにはプランジヤ３１が常に外方に引き
出されるようにバネ３４が装着されている。前記
解放レバー３２の先端は前記バネ３４の作用によ
り一体的のロツクリセツトレバー２１とリリース
カム２２の各端部に形成された夫々の切欠部３５
及び３６に係合せしめられるよう配設されてい
る。

３７は顧客用のキーボードスイツチで、入力用
テンキー３８とクリヤーキー３９が設けられ、更
に３種の表示ランプ４０が設けられている。

次に前記電磁ソレノイド２８と前記キーボード
スイツチ３７の電気的接続関係を第６図に従つて
説明すると、Ｄはサージ電圧吸収用ダイオードで
前記ソレノイド２８と並列に接続されており、そ
の一端にソレノイド・ドライブ・トランジスタ４
１、抵抗４２、インバータ４３が直列に接続され
ている。４４はマイクロ・コンピユータで、該マ
イコンのポートＰ_Aの０〜３には前記キーボード
スイツチ３７の各行が接続され、該ポートＰ_Aの
４〜６には前記キーボードスイツチ３７の各列が
接続され、該ポートＰ_Aの７には前記インバータ
４３の他端が接続されている。ポートＰ_Aの０〜
６と前記キーボードスイツチ３７の各行の接続間
にはプルアツプ抵抗４５を介して制御用電源Ｖ_CC
が接続されている。又、前記インバータ４３と前
記抵抗４２の間には抵抗４６を介して制御用電源
Ｖ_CCが接続されている。又前記マイコン４４のポ
ートＰ_Bの０〜７には夫々インバータ４７、抵抗
４８、各ポート夫々異なる動作表示用の発光ダイ
オードLEDの直列接続部が制御用電源Ｖ_CCに接
続されている。又、マイコン４４のポートＰ_Cの
０〜２にはカードリーダ４９が接続され、該リー
ダの他端には制御用電源Ｖ_CCが接続されている。
更にマイコン４４のリセツト部Ｐ_Dには抵抗５０
を介してリセツトスイツチ５１が直列に接続さ
れ、抵抗５０とスイツチ５１の回路に並列にコン
デンサ５２が接続され、その端部はマイコン４４
の他のポートに接続され、前記リセツト部Ｐ_Dと
抵抗５０の間には抵抗５３を介して制御用電源Ｖ
_CCが接続されている。

（作用） 本考案は以上の如き構造から成り、第７図のフ
ローチヤート及び第８〜１１図の状態図を参照し
ながら作用を説明すると、以下の通りである。

まず、印刷機の電源投入用キー溝１１にキーを
入れ店又は事務所に配線された電源に接続する
と、印刷機の表示ランプ１２の「取扱中」の
LEDが点灯する。顧客より希望の払戻金額が記
入された請求伝票と照合カードが店側に提出され
ると店員は顧客が提出した照合カードを印刷機の
スライド溝３７に挿入しスライドさせると、カー
ド読取器がカードの磁気帯に記録されている磁気
番号又は記号を読取りマイコン４４に記憶される
と、前記表示ランプ１２の「読取りOK」のLED
が点灯すると共にキーボードスイツチ３７のテン
キー３８をスキヤンし、キーボードスイツチの表
示ランプ４０の「暗証番号を入れて下さい」の
LEDが点灯する。

「読取りOK」のLEDが点灯せずに「読取
NO」のLEDが点灯したらカードの読取操作不良
であるから、再度正しい方法でスライドさせなけ
ればならない。

「読取りOK」のLED点灯後、店側は照合カー
ドを印刷機の所定の位置に置き、次に請求伝票を
所定の位置に積み重ねて載置せしめる。又、顧客
は「暗証番号を入れて下さい」のLED点灯後、
キーボードスイツチ３７のテンキー３８を操作し
て暗証番号を入力する。入力された暗証番号は既
に照合カードの読取りにより記憶されている番号
に一致すると、印刷機の表示ランプ１２の「暗証
OK」のLEDが点灯しキーボード３７の表示ラン
プ４０の「ありがとうございました」のLEDが
点灯すると共に印刷機の電磁ソレノイド２８に通
電する。

前記暗証番号が読取番号と一致しない場合は印
刷機の表示ランプ１２に「暗証不可」のLEDが
点灯し、キーボードスイツチ３７の表示ランプ４
０の「もう一度入れて下さい」のLEDが点灯し
やり直しを促す。暗証番号の操作を３回間違える
と印刷機の表示ランプ１２の「暗証不可」の
LEDが点滅を繰り返す。「暗証不可」のLEDの繰
り返し点滅はリセツトスイツチ５１の操作により
解除されるので、該スイツチを操作して再び暗証
番号を入れることが出来る。

前記電磁ソレノイド２８の通電は通電時間が短
いので、プランジヤー３１は短時間の吸引後バネ
３４の作用により再び元の位置に戻ろうとする。
然し乍らプランジヤー３１の先端に連結している
解放レバー３２の先端部がソレノイドの通電によ
りロツクリセツトレバー２１及びリリースカム２
２の両切欠部３５及び３６から離されると、ロツ
クリセツトレバー２１及びリリースカム２２がバ
ネ２０の作用により第３図において時計方向に回
動されるので、前記解放レバー３２の先端は前記
切欠部３５及び３６に係合することなくリリース
カム２２の円弧部３６′に当接せしめられること
になる。ロツクリセツトレバー２１の時計方向の
回動によりロツクレバー１６は前記レバー２１の
折曲部２７に押されて時計方向に回動し、先端部
１４が案内ローラ７の往復移動通路から退出せし
められる（第８図参照）。

斯かる状態は印刷可能であるからキヤリジ６を
移動すれば伝票上に必要事項を印刷することが出
来る。印刷行程の往路において案内ローラ７がリ
リースカム２２の側面に当接するので該カムは反
時計方向に回動せしめられる。前記カム２２の反
時計方向への回動の際、電磁ソレノイドの解放レ
バー３２はレバーの円弧部３６′に摺接しつつ切
欠部３６に落ち込み、ロツクレバー１６の先端部
１４が再び案内ローラ７の通路内に侵入せしめら
れる（第９図参照）。印刷が終りキヤリジ６が出
発位置に戻る時、案内ローラ７はロツクレバー１
６の先端部１４に枢着部側から近づいて当接する
のでバネ２３の作用に抗してレバー１６を時計方
向に回動しながら通過し、出発の元の位置に復帰
する（第１０図参照）。前記ロツクレバー１６は
案内ローラ７が通過するとバネ２３の作用により
反時計方向に回動し、再び先端部１４が案内ロー
ラ７の通路内に侵入しキヤリジをロツクする（第
３図参照）。

第１１図は顧客の暗証番号の入れ間違えにも拘
らず店側がキヤリジ６を動かして案内ローラ７で
ロツクレバー１６の先端部１４を拘束している間
に顧客が正しい暗証番号を入れるとソレノイド２
８は作動し解放レバー３２が切欠部３５及び３６
から離される状態を示すものであり、この後キヤ
リジを元の位置に戻せばロツクレバー１６の先端
部１４は案内ローラ７の通路から退出して第８図
の如くなる。

斯くして印刷ベース上に載置した伝票には所定
の欄に必要事項が印刷せしめられることが出来
る。

尚、照合カードは現在では一般に磁気カードが
用いられているが、透光カードでも勿論よく、照
合に使用出来るものは何れでも良い。

本考案は以上の如き構造にして且つ作用をなす
ものであるから、前記自動払戻機に代わつて使用
することが出来、その構造は著しく簡単で然も製
作費が低廉であるから数多くの台数も提供がで
き、顧客の数が多少に拘らずどの店にも備えるこ
とが容易となつてサービスの至らぬ事態を招くこ
とがない等、実用上商業上効果大なるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものにして、第１
図は本考案を装着した印刷機の外観図、第２図は
本考案のキーボードスイツチの外観図、第３図は
本考案の要部を示す平面図、第４図は第３図の側
面図、第５図は本考案の要部の分解斜視図、第６
図は本考案の電気回路図、第７図は本考案実施例
の作用の流れを示すフローチヤート、第８〜１１
図は本考案の要部の各状態図である。 １は印刷ベース、６はキヤリジ、１６はロツク
レバー、２１はロツクリセツトレバー、３２は解
放レバー、２８は電磁ソレノイドである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 印刷版と伝票とを所定の位置に載置せしめる箇
   所が設けられた印刷ベースと、該印刷ベース上を
   往復移動可能に支持され且つ印刷ローラを支持す
   るキヤリジとで構成される事務用印刷機におい
   て、前記印刷ベースの台板に回動自在に枢着さ
   れ、前記キヤリジを印刷のために案内する案内ロ
   ーラの往復移動通路内に侵入可能な先端部とスト
   ツパー１８により回動阻止せしめられる他端部と
   が形成されたロツクレバー１６と、該ロツクレバ
   ーとバネ２３の作用により一体的に結合されると
   共にロツクレバーの先端部をキヤリジの通路から
   退出するよう前記バネ２３よりも強いバネ２０の
   作用を受け該ロツクレバーと同軸に枢着され前記
   キヤリジの復動時に前記案内ローラによりバネ２
   ３の作用に抗して前記ロツクレバーのみ回動し得
   る如く支持したロツクリセツトレバーと、該ロツ
   クリセツトレバーとバネ２６の作用により一体的
   に結合されたリリースカム２２と前記ロツクレバ
   ーの先端部がキヤリジの通路からの退出を妨げる
   よう前記ロツクリセツトレバーに形成された切欠
   部３５に係合する解放レバー３２と、通電時に該
   解放レバーを前記ロツクリセツトレバーの切欠部
   から離反せしめる電磁ソレノイドとから成るキヤ
   リジロツク機構を備えた事務用印刷機。