JPS6219223B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は自動塗装に使用される塗装機の往復
移動装置に関するものである。

従来、静電塗装等において広範囲の塗装を自動
的に行なう装置として、複数のスプレーガンを固
定したものや、チエーンにスプレーガンを取付け
て移動させつつ塗装するものがある。しかしなが
ら、前者では塗装範囲が個々のスプレーガン位置
に限定されるから、塗装範囲の変化には対応でき
ない。また後者では、塗装途中で移動方向を反転
させた際に通常は減速および静止状態を経るか
ら、反転位置近傍の塗装量が多くなつて色むらを
生じる。このため、継続した往復塗装が不可能で
ある。一方、油圧モータで回転を切換えることに
よつて上記反転時の速度変化を少なくしたものも
存在するが、非常に高価である。

この発明は上記従来の欠点に鑑みて鋭意検討を
重ねて達成されたもので、継続して往復動塗装を
行なつても色むらを生じる惧れがなく、しかも自
在に往復動のストローク幅を調整でき、且つ構造
簡単で安価な塗装機の往復移動装置を提供するも
のである。

以下、この発明を図示実施例に基いて説明す
る。

第１図において、１は縦長の装置躯体、２は躯
体１内部で昇降する移動台、３は移動台２に取付
けたスプレーガン、４ａ，４ｂは同軸のスプロケ
ツト５ａ，５ｂと６ａ，６ｂとの間にわたされて
同時駆動する平行２条のチエーン、７はスプロケ
ツト６ａ，６ｂを回転駆動する電動機、８ａ，８
ｂは移動台２の往復ストローク範囲を規制するス
トツパーである。

第２図および第３図で示すように、移動台２は
四周が側板２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄにて囲まれ且
つ上下方向に開放した略四角筒状に構成され、四
隅位置の各上下部において側板２ａ，２ｂに枢着
したガイドローラ９ａ，９ａ…および９ｂ，９ｂ
…が、躯体１の四隅部に立設された支柱１０，１
０…に固着したガイドレール１１，１１…に２方
向から当接している。２ｅは側板２ａ，２ｂに固
着した取付板で、両端部にスプレーガン３の取付
部材１１ａ，１１ａを固着している。一方、移動
台２の内側においては、スプロケツト１２ａ，１
２ｂが側板２ｃ，２ｄ間に架設された水平軸１３
に回転自在に枢着され、また水平軸１３の片側斜
め上方および下方に位置して同様に架設された水
平軸１４ａ，１４ａには、スプロケツト１２ａと
同一の垂直面内で回転するスプロケツト１５ａ，
１５ａがそれぞれ枢着され、更に水平軸１３の逆
側斜め上方および下方に位置して同様に架設され
た水平軸１４ｂ，１４ｂには、スプロケツト１２
ｂと同一の垂直面内で回転するスプロケツト１５
ｂ，１５ｂがそれぞれ枢着されている。しかし
て、第１図および第４図で示す如くスプロケツト
１２ａはチエーン４ａの上昇側にスプロケツト１
５ａ，１５ａに案内されて係着しており、またス
プロケツト１２ｂはチエーン４ｂの下降側にスプ
ロケツト１５ｂ，１５ｂに案内されて係着してい
る。またスプロケツト１２ａ，１２ｂにはそれぞ
れ対向側にカムクラツチ１６のクラツチ板１７
ａ，１７ｂに係嵌するクラツチ板１８ａ，１８ｂ
が固着されている。このカムクラツチは１６は、
側板２ａ，２ｂ間に水平に架設された駆動軸１９
に基端部を固着した回動アーム２０，２０の先端
部を、一体のクラツチ板１７ａ，１７ｂ間の環状
溝２１にキー結合したもので、駆動軸１９の回転
によつて切換作動し、常にスプロケツト１２ａ，
１２ｂのいずれか一方に係嵌してこれを回転停止
状態とする。また駆動軸１９の側板２ａより外方
突出した端部に平歯車２２が固着されており、こ
の平歯車２２は側板２ａの外面側に上下方向移動
自在に取付けられた軸体２３のラツク２３ａに噛
合している。この軸体２３は防振ゴム２４を取付
けた上下端でストツパー８ａ，８ｂの停止板部２
５に当接することにより、移動して平歯車２０を
回転させる。尚、ストツパー８ａ，８ｂは、それ
ぞれチエーン２６に取付けられており、支柱２７
の両側部のガイドレール２８，２８にローラ２
９，２９…を介して当接し、該支柱２７に沿つて
移動させることができる。３０はその移動位置設
定用つまみである。

上記構成の装置によつて往復動塗装を行なつた
場合、例えば第３図の如く、カムクラツチ１６が
クラツチ板１７ａと１８ａとを係嵌する状態にあ
る時、スプロケツト１２ａが停止すると共にスプ
ロケツト１２ｂは遊転する。このため移動台２は
スプロケツト１２ａに捲着したチエーン４ａの走
行と共に移動、すなわち上昇する。しかして上昇
過程で上部のストツパー８ｂと軸体２３とが接触
した際に、軸体２３はラツク２３ａに噛合した平
歯車２２を第３図示時計回り方向に回転させるよ
うに下方移動し、これと同時にカムクラツチ１６
が切換わり、クラツチ板１７ｂと１８ｂとが係嵌
し、スプロケツト１２ｂが停止すると共にスプロ
ケツト１２ａは遊転する。従つて、移動台２は停
止状態を経ずに直ちにスプロケツト１２ｂに捲着
したチエーン４ｂの走行と共に反転移動、すなわ
ち下降する。更に下降過程で下部のストツパー８
ｂと軸体２３とが接触すると、上記と同様にして
カムクラツチ１６が切換わり、移動台は停止状態
を経ずに直ちに上昇に移る。

尚、上記実施例ではチエーンを利用して移動台
を昇降させる構成としているが、チエーンの代わ
りに両面ベルトを用いる構成としても差し支えな
い。またクラツチの切換機構としては実施例以外
の種々方式の採用が可能であり、ストツパーとの
接触によつて電気的に作動するように構成しても
よい。更に移動台をレール上等で支持して装置全
体を横型構造として移動台が水平方向に往復動す
る構成とすることも可能である。また実施例の如
き竪型構造において装置全体をレール上で水平移
動するようになしてもよい。

以上のように、この発明に依る塗装機の往復移
動装置は、常時走行する平行２条の無端帯のそれ
ぞれに異なる走行方向側で捲着する巻掛け伝動輪
を移動台に枢着し、この移動台の往復動方向両外
側に相互間距離が可変であるストツパーをそれぞ
れ配設し、更にこのストツパーに接触することに
より作用して、上記両巻掛け伝動輪の遊転状態に
ある一方を停止させると同時に、停止状態にある
他方を遊転させるように切換えるクラツチを上記
移動台に取付けたものである。

従つて停止側の巻掛け伝動輪に捲着する無端帯
によつてその走行方向に移動すると共に、クラツ
チがストツパーとの接触位置で切換わり、この切
換えにて移動台は減速停止状態を経ずに直ちに逆
方向へ移動する。従つて往復動の過程で継続して
塗装を行なつても、反転位置近傍で色むらを生じ
ることがなく、安定した塗装を行なえる。

更に両ストツパー間の距離を変えることにより
自在に移動台のストローク幅を調整でき、また構
造が簡単であつて設備コストが低く、安全性も良
好である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明に係る塗装機の往復移動装置の
一実施例を示すもので、第１図は装置全体の概略
透視斜視図、第２図は移動台の平面図、第３図は
同断面正面図、第４図はチエーンとスプロケツト
との係合関係を示す要部側面図である。 ２…移動台、３…スプレーガン（塗装機）、４
ａ，４ｂ…チエーン（無端帯）、８ａ，８ｂ…ス
トツパー、１２ａ，１２ｂ…スプロケツト（巻掛
け伝動輪）、１６…カムクラツチ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 常時走行する平行２条の無端帯を配設し、塗
   装機を装備した移動台に、一方の無端帯の一方向
   側に捲着する巻掛け伝動輪と他方の無端帯の逆方
   向側に捲着する巻掛け伝動輪とを枢着し、この移
   動台の往復動方向両外側に相互間距離が可変であ
   るストツパーをそれぞれ配設し、更にこのストツ
   パーに接触することにより作動して上記両巻掛け
   伝動輪の遊転状態にある一方を停止させると同時
   に停止状態にある他方の伝動輪を遊転させるよう
   に切換えるクラツチを上記移動台に取付け、停止
   した巻掛け伝動輪に捲着する無端帯によつてその
   走行方向に移動台が移動するように構成してなる
   塗装機の往復移動装置。