JPS621412Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、クリーナ本体に円筒状クリーナエレ
メントを装着し、上記クリーナエレメントの内腔
部一端を気化器への接続開口に対向させたエアク
リーナに関するものである。

［従来の技術］ この種のエアクリーナでは、気化器のチヨーク
ボアからの吹き返しにより、燃料がエアクリーナ
本体内に入つてクリーナエレメントに付着し、飽
和して通気抵抗となり、あるいはエアクリーナの
空気取入れ口より外部に漏出して、火災や汚損の
原因となつていた。

そこで、一般的には、実開昭53−23813号公報
や実開昭52−116614号公報などに記載されている
ように、エアクリーナエレメントへの吹き返しを
少しでも妨げる方式が行われているが、程度の問
題であつて、結局はエアクリーナエレメントに燃
料の付着、飽和をもたらすという欠点があつた。

ところで、この欠点を解消する先行技術として
実公昭55−22182号公報に記載されているものが
あるが、これによれば、エアクリーナケースに対
しエアクリーナカバーを隔設するためのステー
を、円筒状のエレメントの内腔内において、断面
が上方へ拡開した船底状でその底面が気化器への
接続開口に向けて傾斜下向するように形成してそ
の一端を該接続開口に連結すると共に、他端に該
接続開口に対向する遮蔽板を設けるようにしてい
る。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、上記先行技術によれば、気化器
よりの吹き返しによる燃料は、遮蔽板で受止めら
れて凝縮滴となり船底状の底面を介して上記接続
開口へと流下させるが、ステーは円筒状のエレメ
ントの内腔部内に設けられているに過ぎないか
ら、吹き返しによる燃料が該エレメント全体にそ
の内腔部から直接付着し飽和をもたらすことは避
けられないという問題がある。

本考案は、このような問題が生ずることの少な
いエアクリーナの提供を目的とするものである。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、上記の目的を達成するために次の手
段を有している。すなわち クリーナ本体に円筒状クリーナエレメントを装
着し、該クリーナエレメントの内腔部一端を気化
器への接続開口に対向させたものにおいて、上記
クリーナエレメントを下側から支持するエレメン
トホルダーを受皿形とし、該エレメントホルダー
の内底面を接続開口に向けて傾斜下向するように
構成すると共に、クリーナエレメントの内腔部に
は、周壁に孔を設けた筒状のリテーナを嵌着し、
しかも該リテーナ内には、上記接続開口に対向す
る遮板を設けたものである。

［実施例］ 以下、本考案を図示の実施例にもとづいて具体
的に説明する。図において、符号１はエアクリー
ナ本体であり、函形の容器であり、一端が開口さ
れている。上記エアクリーナ本体１の中央上部に
は、気化器２のチヨークボア３に連通する開口４
（気化器への接続開口）が形成されている。ま
た、上記エアクリーナ本体１の中央下部には、空
気取入れ口５が開口されている。上記開口４に対
応して、上記エアクリーナ本体１には、クリーナ
エレメント６を下側から支えるエレメントホルダ
ー７が取付けてある。このエレメントホルダー７
は、受皿を構成しており、その内底面は、開口４
に向けて傾斜下向する構成になつている。上記ク
リーナ本体１の開口には、同じく函形のカバー８
が嵌脱可能に嵌装してあり、クランプ９によつて
固定されるようになつている。

また、上記エレメントホルダー７に載せられる
クリーナエレメント６は、筒状をなし、その内腔
部にパンチングメタルよりなる筒状のリテーナ１
０を具備しており、クリーナ本体１およびカバー
８の両端面間で挾持され、実質的に上記内腔部の
一端を開口４に対向させている。上記リテーナ１
０内には、開口４に対向する正方形の吹き返し遮
板１１が取付けられている。

このような構成では、エレメントホルダー７の
部分を除いて、上記クリーナエレメント６は、そ
の外周から空気を吸い込み、中央の内腔部より気
化器２へと空気を供給する。一方、エンジン駆動
中、燃料の吹き返しがあると、ミストが上記内腔
部に吹き込まれるが、先ず遮板１１で受止めら
れ、凝集滴下する。また、開口４を介して吹き返
され、エレメントホルダー７の底面上のクリーナ
エレメント６に付着し飽和する燃料、および遮板
１１より凝縮滴がリテーナ１０の孔を介してクリ
ーナエレメント６に付着する少量の燃料は、次の
吸気の際、その圧力でエレメント外に浸出し、エ
レメントホルダー７の傾斜底面を流下し、開口４
を介して吸気と共に気化器に帰還される。

［考案の効果］ このように、本考案によれば、クリーナ本体に
円筒状クリーナエレメントを装着し、該クリーナ
エレメントの内腔部一端を気化器への接続開口に
対向させたものにおいて、上記クリーナエレメン
トを下側から支持するエレメントホルダーを受皿
形とし、該エレメントホルダーを接続開口に向け
て傾斜下向するように構成すると共に、クリーナ
エレメントの内腔部には、周壁に孔を設けた筒状
のリテーナを嵌着し、しかも該リテーナ内には、
上記接続開口に対向する遮板を設けたので、たと
え、燃料が吹き返されてもそのミストは、遮板で
受止められると共にリテーナに妨げられてエレメ
ントホルダーの、上記接続開口と連通する底面上
の部分以外のクリーナエレメントには、ほとんど
至らないから、クリーナエレメントに付着する燃
料の量は最小限に抑えられ、かつ上記の底面上の
クリーナエレメントおよび遮板で凝縮されて滴下
しリテーナの孔を介してクリーナエレメントに付
着する少量の燃料は、飽和しても、吸気の際エレ
メントからエレメントホルダーの底面に、更には
開口を介して気化器へと帰還され、従つて、クリ
ーナ外部に浸出するようなことがなく、火災の危
険を防止するなどの実用上の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す縦断正面図、
第２図はカバーを外した状態の端面図である。 １……エアクリーナ本体、４……開口（接続開
口）、６……クリーナエレメント、７……エレメ
ントホルダー、１０……リテーナ、１１……遮
板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クリーナ本体に円筒状クリーナエレメントを装
   着し、該クリーナエレメントの内腔部一端を気化
   器への接続開口に対向させたものにおいて、上記
   クリーナエレメントを下側から支持するエレメン
   トホルダーを受皿形とし、該エレメントホルダー
   の内底面を接続開口に向けて傾斜下向するように
   構成すると共に、クリーナエレメントの内腔部に
   は、周壁に孔を設けた筒状のリテーナを嵌着し、
   しかも該リテーナ内には、上記接続開口に対向す
   る遮板を設けたことを特徴とするエアクリーナ。