JPS6160700B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規なペニス勃起装置に関する。更に
詳細には勃起不全の治療に役立つユニツト化され
た被加圧性で移植可能のペニス勃起装置に関す
る。

幾つかのケースの勃起不全では通常の治療には
応答せず、ペニス勃起装置の外科的移植が該不全
治ゆのための唯一の実用手段であることがある。

過去、幾つかの異なつたタイプのペニス勃起装
置が用いられている。現在入手できる１つのタイ
プのペニス勃起装置は膨張式装置である。この膨
張式装置はペニスの海綿体に外科的に移植できる
２本のかなり長くて膨張性で拡張性のチユーブを
備える。２本のチユーブの各々は、体内の他の所
へ移植されるので別の腹部か陰のうの手術を必要
とする、膨張用液の入つた比較的大きな加圧用の
球にチユーブで連絡している。

現在使用されている別タイプのペニス勃起装置
は、ペニスの海綿体中に外科的に移植される適度
の剛性を持つ１対のロツドからなる。この装置の
有意な利点は、移植すべき加圧用の球がないので
手術が最小ですむという点である。この装置の欠
点は、該ロツドの永久剛性が患者の物理的苦痛と
当惑の原因になり得るということである。

本発明の一般的目的は、新規なユニツト化され
た被加圧性で移植可能のペニス勃起装置の開示で
ある。

第２の目的は、ペニス中に完全に移植して下腹
部ないし陰のうの手術を不必要にできるユニツト
化された被加圧性で移植可能のペニス勃起装置の
開示である。

最も簡単な形において本発明のペニス勃起装置
は単一のペニス移植片からなる。しかし、一般に
は２つの移植片を使つて人工ペニスを提供する。

本発明のペニス勃起装置を構成する好ましい移
植片は、比較的短い身体隣接ステム；遠方先端；
及び、１対の同心円筒形室を有する細長くフレキ
シブルな中間部分；を備える。両円筒形室は作動
液で実質上満たされており、外室中に存在する作
動液を、非膨張性の内室へ移動させてそれを加圧
し、硬質にできる様に通路で連絡されている。

該好適移植片は、内室を加圧、脱圧できる様に
室間の液の流れをコントロールするためのバルブ
手段も備える。装置全体がこの移植片中に内蔵さ
れているので、従来のペニス用ロツド形移植片と
同程度に容易に移植できる。必要な唯一の手術
は、該移植片をペニスの海綿体中に入れ、定置さ
せることである。

移植片が適所に収容され、内室が加圧されてい
ない時には、ペニスは通常のぐにやぐにやした状
態をとる。しかし、作動液が外側の円筒形室から
非膨張性の内側の円筒形室へ加圧移動させられる
時には、内側の円筒形室は硬くなつてペニスに勃
起状態をとらせる。

本発明のペニス勃起装置はコンパクトであり、
従つて必要な手術が最少であることに加え、液連
結部の数が最少であり、従つて漏れる危険性が少
い。

第１〜４図に図示されている好適態様のペニス
勃起装置は１対の細長移植片１１，１１′からな
る。この２つの移植片１１，１１′は同一なの
で、１つのみについて詳述する。

第１図に図示されている様に、移植片１１は、
海綿体の根元中に移植されて該移植片を支持・係
留する、比較的剛性の材料でできた身体隣接ステ
ム１２；中間の円筒形部分１３；及び円錐形の遠
位先端１４；からなる。軟らかくかつフレキシブ
ルな管形部分１３と先端１４とは、だらりと下が
つているペニスの海綿体部分中に移植される。第
２，４図に図示される如く、移植片１１，１１′
の各々はペニスの別々の海綿体に位置される。

移植片１１の中間の円筒形部分１３は、ステム
１２と先端１４とに封液状態で取り付けられてそ
れぞれ１対の同心室１７，１８を形成している１
対の同心円筒形のスリーブ１５，１６を有する。
内側室１７の壁を形成しているスリーブ１５は、
非弾性であるシリコーン被覆されたメツシユ又は
織られた生地でできており、その結果として室１
７は非膨張性である。スリーブ１５は環状外室１
８の内壁としても役立つ。スリーブ１５から外方
向に間隔を置いて配置されているスリーブ１６は
非被強化シリコーンラバーの様な膨張性の材料で
できていてもよく、それは環元室１８の外壁を形
成している。スリーブ１５とスリーブ１６との
間、ステム１２と先端１４との間の封液シールは
適当なシリコーン系接着剤又は他の常とう手段で
作ることができる。

第１，３図に図示される通り、加圧されていな
い状態であつても、室１７，１８は塩水又は自由
流動性シリコーンゲルでよい非被圧縮性の生物適
合性液２０で実質上満たされている。膨張性でな
い室１７が加圧されていない時には、移植片１１
の軟らかくてフレキシブルな中間の球状部分１３
によりペニスが第１図に示される如く、実質上正
常なぐにやぐにやした状態をとることが可能にな
る。しかし、室１７が完全に満たされかつ加圧さ
れている時には、ペニスは第２図に図示される如
く、勃起装置をとる。

第１図に最も明白に図示されている通り、通路
２１は室１７と室１８を連絡している。この通路
２１は、拡大された中間の球状部分２２と、それ
ぞれ室１７、室１８と連通している１対のスロー
ト２３，２４とからなるポンプバルブを形成する
様に造形できる。

第１図にのみ図示されている様に、装置１０が
その正常の、加圧されていない状態にある場合に
は、通路２１は、ポンプバルブの球状部分２２も
含め、作動液２０で満たされており、両スロート
２３，２４は開いている。更に、加圧されていな
い状態では両室１７，１８は液２０で実質上満た
されている。装置１０は、球状部分２２をくり返
してしぼつて作動液２０を外室１８から、スロー
ト２３、球状部分２２、スロート２４を通つて移
動させて非膨張性の内室１７を加圧液で満たすこ
とにより加圧される。室１７が充分に加圧され、
硬い時には球状部分２２をゆるめ、これによりス
ロート２３は、スロート２３に隣接した室１７の
末端壁２６のレジリエントな内側部分２５に加わ
る作動液の圧力により閉じられる。結果として、
室１７は、壁部分２５を手でしぼることにより変
形させてスロート２３を開き、液２０が室１８内
に逆流し、装置１０が加圧されていない状態に戻
る迄、第２図に図示される如く、完全に満たさ
れ、加圧され、硬い状態のままである。

非膨張性の室１７に対する加圧は、外側室１８
をしぼつてその室の中にある液をスロート２３、
球状部分２２、スロート２４を通つて室１８中に
移動させることにより達成される。

図に示されている物以外の様々なポンプバルブ
も使用できる。好ましくは、このポンプバルブは
しぼられた時に開き、しぼりを止めた時に自動的
に閉じ、かつ、外側から操作できるタイプのもの
である。所望ならば、このポンプ・バルブユニツ
トの代りに別々のポンプとバルブを使用できる。

本発明の装置の第２の態様を第５，６図に示
す。そこに図示されている装置１１０は、遠位末
端にある１対のステム１１２，１１２′；身体隣
接末端にある１対の先端１１４，１１４′；及
び、同心室１１７，１１８を内蔵する共通の胴部
即ち中間部分１１３；を有する単一の移植材１１
１からなる。室１１７，１１８は、球状即ちポン
プ部分１２２とスロート１２３，１２４を有する
通路１２１により連絡されている。前述の態様の
所で述べたバルブ手段により通路１２１内の流れ
をコントロールする。

第２の態様の装置はペニスの海綿体中に、個々
の海綿体を隔ている組織を除去した後に移植させ
る。

室の液含量を述べるために本明細書で使用され
ている用語“実質上満たされている”は、室がそ
の容積の約60〜95％ないしそれ以上の水、塩水、
自由流動性ゲルの様な非被圧縮性液を含むことを
意味する。液の実際の含量は変動しうるが、“実
質上満たされている”時の移植片の膨張性部分は
未だ充分にフレキシブルであり、ペニスは通常の
ぐにやぐにやした位置をとることができる。

本発明の装置の部品、部分の全ては、非反応性
で、非毒性で、隣接有機組織が良く耐える医用シ
リコーンゴムで作られているかそれで被覆されて
いることが好ましい。シリコーンゴムは摩耗に極
めて耐性であり、長期間機能的なので好ましい。
しかし、所望特性を有する他の適当な材料も用い
ることができる。加圧で得られた硬さがペニスを
勃起状態に維持するのに充分である様な非膨張性
の内室１７，１７′又は１１７が提供されねばな
らない。それゆえ、それは単独でか別の移植片と
の組合せによりこの機能を果たすのに充分な容積
と寸法とを持たねばならない。対照的に、外室１
８は主として、内室のための加圧液留めとして役
立ち、それにみあつた大きさをしている。両室の
正確な寸法は、それらの所望機能を果すのに十分
である限り重要でない。

“非膨張性”の室１７の壁を形成するスリーブ
１５は、液で満たされかつ加圧された時に伸張し
ない様にシリコーン材で被覆されたダクロンのメ
ツシユ又は織物で作られていることが好ましい。
このスリーブ１６は非膨張性でもよく、又、強化
されていないシリコーンゴムで作られていてもよ
い。スリーブ１５，１６の直径は変えることがで
きるが、通常は、実質上満たされている時の移植
片が加圧されていない状態にある海綿体を満たす
様な大きさをしている。

移植片の身体隣接ステムは約70というシヨアー
Ａ硬度を、遠位先端は約20というシヨア−Ａ硬度
を有することが好ましく、各材料はその用途に充
分な引張強度を有する。図示されている好適態様
において、先端は先細りである、自己封止性シリ
コーンエラストマーＥで満たされて、細い針又は
シリンジで液を室へ加えるかそれから除くことを
可能にしている。

本発明の勃起装置を移植するための好ましい方
法は、ペニスに作られた切れ目を通じて行うもの
である。適当な切開後に海綿体の身体隣接部位と
遠位部位とを広げて移植片を収納する。適当な解
剖学的測定を行つて、移植材（単数又は複数）の
身体隣接部位をペニスの、骨盤より低い基部に確
実に位置させる。適当なサイズをした中間部と遠
位先端とを有する移植片（単数又は複数）をペニ
スの海綿体中へ挿入する。この遠位先端は海綿体
の被膜中へ位置させる。ついで移植片の身体隣接
ステムを海綿体の根元中へ係留する。

上記と同一の方法をペニスの他側面でも実施し
て手術を完了する。２つの移植片の身体隣接ステ
ムは横方向に分岐して解剖を可能にし、又、ペニ
スに横方向の安定性を与える。単一の移植片を利
用した態様を用いる時には、海綿体を隔てている
組織を、移植片安定前に除く。ついで切開部を閉
じる。

以上の記載は例示目的でなされたものであり、
本発明の精神範囲から離れることなく多数の修
正、変更をなし得ることを理解されたい。例え
ば、記述された移植片はそれを係留するための中
実ステムを有するが、所望ならばこのステムは中
空でもよい。更に、溜めとして役立つ外室は内室
と同心である様に移植片は記載、例示されている
が、所望ならば、この溜の役割は、１個以上の、
半径方向に配置されたより小さな個別外室により
果たすこともできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、男性体内に外科的に移植され、加圧
されていない状態にある本発明のペニス勃起装置
の１態様の測面図（一部は断面図）である。第２
図は、該装置が加圧されている、第１図と同様な
測面図である。第３図は、第１図の線３−３にそ
つて切断した場合の横断面図である。第４図は、
第２図の線４−４にそつて切断した場合の横断面
図である。第５図は、本発明の装置の別の態様の
平面図（１部は断面図）である。第６図は、第５
図の線６−６にそつて切断した場合の横断面図で
ある。 １０，１１０……本発明のペニス勃起装置、１
１，１１１……移植片、１２，１１２……身体隣
接末端、１４，１１４……遠位末端、１７，１１
７……内室、１８，１１８……外室。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ペニス勃起装置において、 身体隣接末端に係留用ステムの備わつた細長円
   筒本体； 遠位末端の先端； 該本体の、ステムと先端との中間に位置する一
   対の同心室（該２室のうちで最も内側の室は非膨
   張性なので、加圧し、液を満たすと硬くなり、最
   も外側の室は最も内側の室を完全に満たし、加圧
   するのに十分な移動性液を収容するのに充分な容
   積をもつ）； 該最内室と該最外室とを連絡している通路；及
   び、 最も外側の室から最も内側の室へ送られた液を
   保持して、最も内側の室を被加圧、硬質化状態に
   保つ手段； を有するペニス用移植材からなる装置。 ２ 液を最も外側の室から最も内側の室へ移動さ
   せるポンプを有する、特許請求の範囲第１項記載
   の装置。 ３ ポンプと弁の併用により液を移動させ、か
   つ、移動された液を保持する、特許請求の範囲第
   ２項記載の装置。 ４ 両室が通常、作動液で実質上満たされてい
   る、特許請求の範囲第１項記載の装置。 ５ 移植片が１対のステム；１対の先端；及び、
   同心室を有する共通の中間胴部；を有する、特許
   請求の範囲第１項記載の装置。