JPS6153480B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は抄紙機における紙の水分プロフアイル
自動制御装置に関する。

一般に、抄紙機によつて生産される紙の巾方向
における水分プロフアイル（水分分布）は原料液
の温度変化やワイヤベルト、フエルトベルト、カ
ンバスベルトの使用状態等によつて変化するが、
この水分プロフアイルを常時設定値になるよう制
御できると巻取時に“シワ”の発出が生ぜず、
又、印刷する際にインクの付き具合が一様になり
鮮明な印刷が可能となる等紙の品質向上に大きく
寄与できる利点となる。

ところで、従来においては紙の水分プロフアイ
ルの調整制御はリールパートに装備された水分率
検出器で水分プロフアイルを測定し、この測定値
を表示器で表示させると共に、この表示量をオペ
レータが目視して許容量を越える場合にはその都
度、プレスパートに装備された水分プロフアイル
調整装置を個別に手動操作して調整しており、オ
ペレータの監視のもとに行なわれているのが現状
である。このため従来装置では省人化は不可能で
あり抄紙コストの低減には限界があつた。

本発明は上記の欠点を解消するためになされた
もので、リールパートに装備された水分率検出器
とプレスパートに装備された水分プロフアイル調
整装置とを制御装置を介して直結させ、水分プロ
フアイルの常時設定値制御と監視要員の不要化と
を可能とする抄紙機における紙の水分プロフアイ
ル自動制御装置を提供しようとするものである。

以下、その実施例を図面について説明する。

第１図には抄紙機の概略構成とブロツク表示に
よる水分プロフアイル自動制御装置とを示してい
る。第２図には水分プロフアイル調整装置の概略
構成を示している。抄紙機は原料液（パルプ希釈
液）を送出するヘツドボツクス１、網状のエンド
レスワイヤベルトからなるワイヤパート２、脱水
を行なうプレスパート３、乾燥を行なうドライヤ
ーパート４、艶出しを行なうカレンダパート５、
巻取りを行なうリールパート６がこの順で一連に
配置されて構成される。７はリールパート６に装
備された水分率検出器で、投光子と受光子からな
る検出ヘツド８が紙の巾方向に往復動され連続走
査されて水分量を検出するようになつている。９
はプレスパート３に装備された水分プロフアイル
調整装置で、この水分プロフアイル調整装置９は
複数個のチヤンバ１０と該チヤンバ１０毎に装備
された蒸気噴出量制御バルブ１１と該バルブ１１
からの蒸気噴出量を電気信号量に応じて可変に制
御する電空変換器１２（図では電空変換器の１例
として可変減圧弁を示す。）から構成されてお
り、紙匹１３に対しその巾方向における各点での
蒸気加熱量がチヤンバ１０毎に個別に調整される
ようになつている。尚、２１はエヤ源、２２は蒸
気供給ラインを示す。１４は水分率検出器７の検
出信号に基づいて水分プロフアイル調整装置９を
制御する制御装置で、該制御装置１４は水分率検
出器７の検出値の平均値処理及びピーク値処理を
行なう水分率演算器１５と、該演算器１５の出力
信号と水分率設定器１６の設定量とを比較演算す
る偏差演算器１７と、該演算器１７の出力信号と
許容偏差設定器１８の設定量とを比較演算する許
容偏差演算器１９と、該演算器１９の出力信号に
基づいて変更量を演算する変更量演算器２０から
成つている。

尚、前記水分率検出器７の検出点数は、複数点
数を１ブロツクとして扱い、そのブロツク数と水
分プロフアイル調整装置９のチヤンバ数とは同数
とされている。

本発明はこのように構成されており、紙匹の巾
方向における水分プロフアイルの設定値制御は次
のようにして行なわれる。

即ち、リールパート６に装備された水分率検出
器７で紙匹の巾方向における各点の水分率が検出
され、この検出信号が水分率演算器１５に入力さ
れる。水分率演算器１５では測定点１ブロツク毎
の平均値及びピーク値が演算される。次に水分率
演算器１５から出力された測定値と水分率設定器
１６の設定値とが偏差演算器１７で比較演算され
測定ブロツク毎の偏差値が出力される。この出力
信号と許容偏差設定器１８の設定値とが許容偏差
演算器１９９で比較演算され、許容偏差値を越え
る偏差値信号が出力されると変更量演算器２０で
バルブの開度変更演算が行なわれ、対応した電空
変換器１２に信号が送られて蒸気噴出量制御バル
ブ１１の開度が調整され、測定点での水分率が許
容偏差値以内の値になるよう紙匹１３に対し加熱
制御される。水分率検出器７は往復動され連続し
て走査されており、これによつて検出された水分
プロフアイル信号は各々の演算器１５，１７，１
９，２０で直ちに演算処理され制御装置１４から
の出力信号によつて水分プロフアイル調整装置９
が制御される結果、紙の水分プロフアイルは常時
設定値以内となる。

尚、上記実施例では複数個のチヤンバ１０と該
チヤンバ毎に装備された蒸気噴出量制御バルブ１
１と該バルブ１１からの蒸気噴出量を電気信号量
に応じて可変に制御する電空変換器１２から構成
される水分プロフアイル調整装置のみを示した
が、複数個のチヤンバと該チヤンバ毎に装備され
る赤外線ヒータと、該ヒータによるヒート量を電
気信号量に応じて可変に制御するヒータ制御装置
から構成される水分プロフアイル調整装置を併用
してもよい。

以上のように本発明によると抄紙の水分プロフ
アイル調整が自動的にしかも設定値通りに行なえ
るので、紙の品質向上並びに省人化による抄紙コ
ストの大巾な低減が達成できる他、プレスパート
に装備されている水分プロフアイル調整装置を制
御するようにしているので湿紙のプレスパート後
におけるドライネス（乾燥率）も向上できドライ
ヤでの蒸気消費量の節約が図れる等多大の効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は抄紙機の概略説明図で併せて本発明に
係る水分プロフアイル自動制御装置を示す。第２
図は水分プロフアイル調整装置の概略説明図であ
る。 ３…プレスパート、６…リールパート、７…水
分率検出器、９…水分プロフアイル調整装置、１
４…制御装置、１５…水分率演算器、１６…水分
率設定器、１７…偏差演算器、１８…許容偏差設
定器、１９…許容偏差演算器、２０…変更量演算
器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ リールパートに装備された水分率検出器と、
   プレスパートに装備された水分プロフアイル調整
   装置と、水分率検出器の検出信号に基ずいて水分
   プロフアイル調整装置を制御する制御装置とから
   成り、該水分プロフアイル調整装置は複数個のチ
   ヤンバと、該チヤンバ毎に装備された蒸気噴出量
   制御バルブと、該蒸気噴出量制御バルブからの蒸
   気噴出量を電気信号量に応じて可変に制御する電
   空変換器とから成り、該制御装置は水分率検出器
   の検出値の平均値処理及びピーク値処理を行なう
   水分率演算器と、該演算器の出力信号と水分率設
   定器の設定量とを比較演算する偏差演算器と、該
   偏差演算器の出力信号と許容偏差設定器の設定量
   とを比較演算する許容偏差演算器と、該許容偏差
   演算器の出力信号に基ずいて変更量を演算する変
   更量演算基とで構成され、該変更量を電気信号に
   より該電空変換器に供給することを特徴とする抄
   紙機における紙の水分プロフアイル自動制御装
   置。