JPS6147356B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、分解、点検等の保守が簡単にで
き、しかもハウジングを配管に直接溶接できるボ
ールバルブに関する。

従来、保守が比較的簡単にできるボールバルブ
として、たとえば第１図に示すボールバルブが提
案されている。

このボールバルブは、いわゆる３分割サイドエ
ントリー形で、ボール状弁体１を収容すると共に
その回動軸２を装着するメインハウジング３の両
側端３ａ内周に各フランジ状サブハウジング４の
いんろう部４ａを密に嵌め込んで位置決めすると
共に、該メインハウジング３の両側端３ａに各サ
ブハウジング４を固定してハウジング５を形成す
る一方、シートリテーナ６を上記サブハウジング
４の内周に摺動自在に嵌め込むと共に、流体圧で
上記ボール状弁体２の方向に付勢して、該シート
リテーナ６に保持された環状シート７でボール状
弁体２とシートリテーナ６との間をシールする構
造になつている。

したがつて、このボールバルブは、ハウジング
が３分割できる構造になつているため、環状シー
ト７の交換等の保守を行なう際、回動軸２やボー
ル状弁体１をメインハウジング３から取り外さな
くても、サブハウジング４をメインハウジング３
から取り外して環状シート７等の交換が比較的簡
単にできるという長所を有する。しかしながら、
このボールバルブは、サブハウジング４を端管フ
ランジ（図示せず）を介して配管に接続すれば、
外部漏れ個所が第１図中８ａ，８ｂ，８ｃ，８ｄ
に示す如く４個所にもなり、多すぎる欠点があ
る。また、この外部漏れ個所を少なくするため
に、サブハウジング４を溶接フランジ構造（図示
せず）にして溶接で配管に接続すれば、保守時に
固定ボルト９を取り外してメインハウジング３の
みを回動軸２の方向に移動させて配管系から取り
外ずそうとしても、サブハウジング４のいんろう
部４ａとメインハウジング３の両端３ａ内周およ
びボール状弁体１とシートリテーナ６が衝突する
ので、その取り外ずしができず、分解、点検等の
保守ができず、現実性がない欠点がある。

この発明は、上記欠点を除去すべく、ボール状
弁体を収容すると共にその回動軸を装着するメイ
ンハウジングの両側端に各フランジ状サブハウジ
ングを着脱自在に固定してハウジングを形成し、
さらに、該メインハウジングの両側端の環状外端
面および上記各サブハウジングの環状内端面夫々
を上記回動軸に直交する流体通路の直交軸に対す
る直交面に形成する一方、上記メインハウジング
の両側端の内周に、環状ホルダをシールリングを
介在せしめて着脱自在に嵌め込むと共に、該各ホ
ルダの環状外端面を上記直交軸に対する直交面に
形成し、さらに、上記メインハウジングの各環状
外端面および上記各ホルダの環状外端面に上記各
サブハウジングの環状内端面を対向せしめて、該
メインハウジングに対するサブハウジングの非固
定時に、上記メインハウジングが上記サブハウジ
ングに対して上記直交軸に直交する平面に沿つて
移動できるようにすると共に、上記ホルダの環状
外端面または上記メインハウジングの環状外端面
の少なくとも一方と、上記サブハウジングの環状
内端面との間にシールリングを介在せしめ、さら
に、上記各ホルダの内周にシートリテーナを、シ
ールリングを介在せしめて上記直交軸の方向に摺
動自在に嵌め込むと共に、該シートリテーナに保
持されて上記弁体との間をシールする環状シート
のシールポイントの形成する円の直径を上記ホル
ダの内周面の直径より小さくして、上記シートリ
テーナを流体圧により上記ボール状弁体の方に付
勢するように構成することにより、配管系にサブ
ハウジングを接続したままで、メインハウジング
を上記直交平面に沿つて移動させてサブハウジン
グから取り外すことができ、したがつて分解、点
検等の保守が迅速・簡単にでき、しかも外部漏れ
の加能性のある個所を少なくするために、サブハ
ウジングに直接配管を溶接接続することもできる
ボールバルブを新規に提供するものである。

以下、この発明を図示の一実施例について詳細
に説明する。

第２図において、１１は貫通孔１１ａを有する
ボール状弁体、１２は該弁体１１を収納するハウ
ジング、１３，１４は該弁体１１を回動させる一
対の回動軸、１５は該回動軸に直交する直交軸１
５ａを有し、該弁体１１の回動により開閉される
流体通路である。

上記ハウジング１２は、略シリンダ形状のメイ
ンハウジング１６の両側端１６ａ，１６ａに溶接
フランジ形状の各サブハウジング１７，１７を複
数本の六角穴付ボルト１８で固定してなる。

上記メインハウジング１６は、その中央部の相
対する個所夫々に、上記回動軸１３，１４をグラ
ンドフランジ２１、押えフランジ２２，２３を介
して装着している。上記回動軸１３，１４の各一
端は、ボール状弁体１１の凹所１１ｂ，１１ｂに
嵌め込んでいる。そして、該回動軸１３の一端
は、その軸心から偏心したステムピン２４により
ボール状弁体１１に連結して、該回動軸１３を回
動させると、ボール状弁体１１が回動するように
なつている。

一方、上記メインハウジング１６の両側端１６
ａの環状外端面１６ｃと上記サブハウジング１７
の環状内端面１７ｃの夫々は、上記流体通路１５
の直交軸１５ａに対して直交する一平面に形成し
て、該環状外端面１６ｃと環状外端面１７ｃとが
密接するようにしている。

上記サブハウジング１７の環状内端面１７ｃに
は、環状溝２６と、それより小さな外直径d₁の環
状溝２７とを設け、該各環状溝２６，２７にシー
ルリングとしてのＯリング２８，２９を夫々嵌め
込んでいる。該Ｏリング２８は、上記環状外端面
１６ｃと環状内端面１７ｃとの間をシールしてい
る。

一方、上記メインハウジング１６の両側端１６
ａの内周には、第３図に示す如く環状片溝３１を
設けている。該環状片溝３１は上記直交軸１５ａ
方向の巾をＴ、外径をd₃に寸法構成している。

上記環状片溝３１には、環状ホルダ３２を摺動
自在に嵌め込んでいる。該環状ホルダ３２の外周
面３３の巾寸法ｔは、上記片溝３１の巾寸法Ｔよ
り小さくなつている。上記外周面３３には、環状
溝３５，３６を設け、該溝３５，３６にシールリ
ングとしてのＯリング３７，３８を夫々嵌め込ん
で、上記片溝３１の内周面とホルダ３２の外周面
との間をシールしている。上記ホルダ３２の環状
外端面３２ｃは、上記直交軸１５ａに直交する一
平面に形成して、該環状外端面３２ｃと上記サブ
ハウジング１７の環状内端面１７ｃとが密接する
ようにしている。該環状外端面３２ｃと環状内端
面１７ｃとの間は、前記Ｏリング２９でシールし
ている。一方、上記ホルダ３２の内周面は、断面
略階段形状に形成しており、大径部３９と中径部
４０と小径部４１とからなる。該中径部４０の直
径Ｄは上記サブハウジング１７の溝２７の外直径
d₁より大きく寸法構成している。

上記ホルダ３２の内周には、環状のシートリテ
ーナ４５を上記直交軸１５ａの方向に摺動自在に
嵌め込んでいる。該シートリテーナ４５の外周面
は、断面階段形状で大径部４６と小径部４７とか
らなる。該大径部４６は上記ホルダ３２の中径部
４０に、該小径部４７は上記ホルダ３２の小径部
４１に摺接させている。そして、該大径部４６と
中径部４０との間は、該大径部４６に設けた環状
溝４８に嵌め込んだシールリングとしてのＯリン
グ４９でシールすると共に、該小径部４１と小径
部４７との間は、該小径部４１に設けた環状溝５
０に嵌め込んだシールリングとしてのＯリング５
１でシールしている。

上記シートリテーナ４５のボール状弁体１１に
対向する曲面には、環状片溝５５を設け、該片溝
５５に環状シート５６を嵌め込んでいる。該環状
シート５６は、上記シートリテーナ４５の外周に
嵌め込んだアウターリング５７で保持している。
該アウターリング５７は、複数の割リング５８で
シートリテーナ４５に固定している。また、上記
環状シート５６のボール状弁体に対するシールポ
イントが形成する円の直径d₂は、上記ホルダ３２
の中径部の直径Ｄより小さくしている。

一方、上記シートリテーナ４５の上記大径部４
６と小径部４７との間の環状端面５９にはばね収
納用の孔６１を等間隔に複数個設け、該孔６１に
圧縮コイルスプリング６２を嵌め込んで、該コイ
ルスプリング６２のばね力によりシートリテーナ
４５を上記ボール状弁体の方向へ付勢していると
共にホルダ３２をサブハウジング１７の方向へ付
勢しホルダ環状外端面３２ｃとサブフランジ環状
内端面１７ｃが密接するようになつている。

上記孔６１の底部は、小径貫通孔６５を介し
て、該シートリテーナ４５とボル状弁体１１との
間にかつ上記環状シート５６より内側に設けた隙
間６６に連通させている。また、上記孔６１は、
グリス供給用通路６７に連通させている。該グリ
ス供給通路６７は、上記メインハウジング１６と
ホルダ３２とに形成されたもので、該ホルダ３２
に取り付けたＯリング３７と３８との間をとおる
ようにしている。

なお、上記サブハウジング１７に設けたポート
６９を有する通路６８は、Ｏリング２９，３８の
漏れチエツクのために設けたものである。

上記構成のボールバルブは次のように動作す
る。

今、このボールバルブは、第２，３図に示す如
く通路１５を完全に開放した状態にあるとする。

この状態から、回動軸１３により、ボール状弁
体１１を90゜回転させて、通路１５を閉鎖する。
そうすると、第３図中ボール状弁体１１より図中
右側の流体圧力P₁は、メインハウジング１６とボ
ール状弁体１１との間の流体圧力P₂よりも高くな
る。そして、シートリテーナ４５の環状端面５９
には、隙間６６、小径貫通孔６５、ばね用孔６１
を介して、該一次側の流体圧力が伝えられる。ま
た直径Ｄは直径d₂より大きい。したがつて、シー
トリテーナ４５には、π／４（D²−ｄ^２ _２）×（P₁−P₂
）の 流体圧力、いわゆる自緊力がボール状弁体１１の
方向に向けて働く。この自緊力は結局コイルスプ
リング６２のバネ力と共に、シートリテーナ４５
を介して、環状シート５６をボール状弁体１１の
周面に密着させて、流体をシールする。

一方、ホルダ３２には、上記直径Ｄが直径d₁よ
り大きいので、π／４（D²−ｄ^２ _１）×（P₁−P₃）＋π
／４（ｄ^２ _３ −D²）×（P₂−P₃）の流体圧力いわゆる自緊力がサ
ブハウジング１７に向けて働いて、ホルダ３２の
環状外端面３２ｃをサブハウジング１７の環状内
端面１７ｃにスプリング力と共に密接させる。こ
こで、流体圧力P₃は、Ｏリング２９と２８との間
の流体圧力である。

このように、直径Ｄを直径d₁より大として、流
体通路１５の閉鎖時でも、ホルダ３２をサブハウ
ジング１７に密接させる自緊力が働くようにすれ
ばホルダ３２の環状外端面３２ｃとサブハウジン
グ１７の環状内端面１７ｃが密接するのでＯリン
グ２９でのシールがより確実になる。

また、上記構成のボールバルブは、環状シート
５６の交換等の保守を次のようにして行なう。

今、サブハウジング１７の外端７２は、溶接に
より図示しない配管に接続しているとする。

まず、六角穴付ボルト１８をメインハウジング
から取り外す。その後、サブハウジング１７を配
管に接続したままで、メインハウジング１６を回
動軸１３の方向に沿つて移動させる。このとき、
メインハウジング１６は、その環状外端面１６ｃ
およびホルダ３２の環状外端面３２ｃをサブハウ
ジング１７の環状外端面１７ｃに摺動させながら
滑らかに移動する。次いでメインハウジング１６
からホルダ３２を取り外ずし、さらにホルダ３２
からシートリテーナ４５を、またシートリテーナ
４５からアウターリング５７を取り外ずして、環
状シート５６、Ｏリング４９，５１の交換等の保
守を行こなう。

また、保守を行つたボールバルブを元のライン
に戻す場合は次のようにして行なう。

まず、環状シート５６、アウターリング５７、
Ｏリング４９、コイルスプリング６２等を取り付
けたシートリテーナ４５を、ホルダ３２の内周に
嵌合する。次に、該ホルダ３２の外周にＯリング
３７，３８を嵌め込み、そして該ホルダ３２をメ
インハウジング１６の内周に嵌合する。次いで、
メインハウジング１６を回動軸１３の方向に沿つ
て移動させて、該メインハウジング１６を両サブ
ハウジング１７，１７の間に嵌め込み、該メイン
ハウジング１６とサブハウジング１７を六角穴付
ボルト１８で固定して、組立を完了する。

このようにして、このボールバルブの組立は、
あらかじめホルダ３２、シートリテーナ４５等を
組み込んだメインハウジング１６を、両サブハウ
ジング１７，１７の間に嵌め込んで、それらを六
角穴付ボルト１８で締め付けて固定すればよいの
で、迅速かつ簡単にできる。

上記実施例では、メインハウジング１６とサブ
ハウジング１７の固定は六角穴付ボルト１８を用
いて行なつたが、スタツトボルトとナツトを用い
て行なつてもよく、また周知の割リングを利用し
て固定してもよい。要は、メインハウジングとサ
ブハウジングとの非固定時に、該メインハウジン
グを流体通路の軸に直交する平面に沿つて移動さ
せることができる構造のものであればよい。

また、上記実施例では、グリースをシールする
ために、ホルダ３２の外周に２個のＯリング３
７，３８を設けたが、グリース供給通路６７を設
ける個所を変えて、該Ｏリングを１個だけにする
こともできる。

また、上記実施例では、サブハウジング１７の
環状内端面１７ｃとメインハウジング１６の環状
外端面１６ｃとの間および該環状内端面１７ｃと
ホルダ３２の環状内端面３２ｃとの間に夫々Ｏリ
ング２８と２９を介在させたが、該環状外端面１
６ｃまたは環状外端面３２ｃのいずれか一方と、
上記環状内端面１７ｃとの間にＯリングを介在さ
せるようにしてもよい。また、上記直径Ｄを直径
d₁より小さくすることもできる。もつとも、この
場合は、メインハウジング１６の片溝３１の肩部
７１は、該肩部７１の面圧がホルダ３２を介して
押圧する流体圧力に耐えることができるようにす
る必要がある。

また、上記実施例では、環状片溝３１の巾Ｔ
は、ホルダ３２の外周面の巾ｔより大きくした
が、巾Ｔと巾ｔを同一寸法にしてもよい。また、
上記環状片溝３１の肩部７１の寸法を大きくして
その面圧を考慮すれば、巾ｔを巾Ｔより大きく寸
法構成してもよい。

以上の説明から明らかな如く、この発明に係る
ボールバルブは、メインハウジングの両側端にフ
ランジ状サブハウジングを着脱自在に固定する一
方、該メインハウジングの環状外端面、該メイン
ハウジングの内周に嵌め込まれる環状ホルダの環
状外端面、およびサブハウジングの環状内端面を
流体通路の直交軸に対する直交平面に形成すると
共に、該両環状外端面に環状内端面を対向させ
て、該メインハウジングとサブハウジングの非固
定時に、該メインハウジングが直交平面に沿つて
移動できるように構成したので、サブハウジング
を配管系に固定したままで、メインハウジングを
上記直交平面に沿つて移動させて取り付け、取り
外ずしができ、したがつて、保守が迅速・簡単に
できる。したがつて、この発明は、悪条件の下で
使用される場合が多く、大重量のものが多いボー
ルバルブの特性上、極めて価値が大きなものであ
る。

また、この発明に係るボールバルブは、上記の
如くメインハウジングを直交平面に沿つて移動さ
せることができるので、分解可能な上サブハウジ
ングに直接配管を溶接接続することができる。こ
の場合、外部漏れ個所は２個所となり、従来のも
のに比して少なくなる。

また、この発明に係るボールバルブは、サブハ
ウジングを溶接フランジ形状にして、直接配管に
溶接した場合、第１図に示す如き従来例に比し
て、フランジ削除分だけ全体コストを低減でき
る。

また、この発明に係るボールバルブは、シート
リテーナを内周に嵌合したホルダを、メインハウ
ジングの内周に嵌合しているので、従来に比し
て、サブハウジングの削り代、加工代が少なくな
り、またメインハウジング、サブハウジング、ホ
ルダを各々それに適した機械により別々に迅速に
製作できるので、大口径のボルバルブでも、容易
かつ安価に製作できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のボールバルブの断面図、第２図
はこの発明の一実施例に係るボールバルブの断面
図、第３図は第２図の要部拡大図である。 １１……ボール状弁体、１２……ハウジング、
１３，１４……回動軸、１６……メインハウジン
グ、１７……サブハウジング、３２……ホルダ、
１６ｃ，３２ｃ……環状外端面、１７ｃ……環状
内端面、４５……シートリテーナ、５６……環状
シート。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ハウジング内で、貫通孔を有するボール状弁
   体を回動軸を中心として回動させて、該回動軸に
   直交する直交軸を有する流体通路を開閉するボー
   ルバルブにおいて、 上記ハウジングは、上記弁体を収納すると共に
   上記回動軸を装着するメインハウジングと、該メ
   インハウジングの両側端に着脱自在に固定される
   フランジ状サブハウジングとで形成し、 さらに、上記メインハウジングの両側端の環状
   外端面および上記各サブハウジングの環状内端面
   夫々を上記直交軸に対する直交面に形成する一
   方、上記メインハウジングの両側端の内周に、環
   状ホルダをシールリングを介在せしめて着脱自在
   に嵌め込むと共に、該各ホルダの環状外端面を上
   記直交軸に対する直交面に形成し、 さらに、上記メインハウジングの各環状外端面
   および上記各ホルダの環状外端面に上記各サブハ
   ウジングの環状内端面を対向せしめて、該メイン
   ハウジングに対するサブハウジングの非固定時
   に、上記メインハウジングが上記サブハウジング
   に対して上記直交軸に直交する平面に沿つて移動
   できるように構成すると共に、上記ホルダの環状
   外端面または上記メインハウジングの環状外端面
   の少なくとも一方と、上記サブハウジングの環状
   内端面との間にシールリングを介在せしめ、 さらに、上記各ホルダの内周にはシートリテー
   ナをシールリングを介在せしめて上記直交軸の方
   向に摺動自在に嵌め込むと共に、該シートリテー
   ナに保持されて上記弁体との間をシールする環状
   シートのシールポイントが形成する円の直径を上
   記ホルダの内周面の直径より小さくして、上記シ
   ートリテーナを流体圧により上記ボール状弁体の
   方向へ付勢するように構成したことを特徴とする
   ボールバルブ。