JPS6144353Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は四つの異なつた操作に対応するデジタ
ル時計用スイツチ装置に関する。

デジタル時計の操作には一般に時、分等時刻の
修正や普通の時計とストツプウオツチとの切替え
等があり、この他表示記号の明るさを調節する輝
度調節や分単位の記号を零に戻すリセツト操作等
がある。斯様なデジタル時計にあつて上述の各種
操作に対応するスイツチ装置は、従来、夫々が一
つ一つ別個に設けられており、中には適当に組合
わされたものもあるが、然しそれもせいぜい二つ
の操作に対応したものを組合わせた程度に過ぎな
い。このため斯かる従来のデジタル時計用スイツ
チ装置に於いては、構造の簡潔性に欠け、殊にそ
の一つ一つに要する操作軸やノブ或いは固定具や
取付螺子等要するに部品点数の多さのために全般
にコスト高となる欠点があり、又、その一つ一つ
の組立てや取付けも実に煩しく一層のコスト高を
生む因となつていた。更に、上述の如く操作軸や
ノブ等操作系統が別々に存するため、特に車両用
等限られたスペースに取付けるものにあつては取
付け得ないものや取付け得ても使用者の手の届き
難い位置或いは向きに取付けられるものを生じ、
取扱い上不便であつたり延いてはその不便さ故の
まごつき等のために思わぬ危険を惹起する心配す
らあつた。

本考案は上述の如き事情に鑑みてなされたもの
であり、従つてその目的は、四つの操作に対応す
るものを一つにまとめた簡潔な構造にて部品点数
の削減並びに組立てや取付けの容易化を図り、以
て大いに安価ならしめ得ると共に、車両等にも所
望に取付け得て至便且つ安定ならしめ得る極めて
実用的なデジタル時計用スイツチ装置を提供する
にある。

以下本考案の一実施例につき図面を参照して説
明するに、先ず第１図に於いて、１は操作軸であ
る処の外軸、２は同内軸であり、何れも回動及び
軸方向への移動が可能なものであつて、外軸１は
中空の略円筒状を成し、その内部を内軸２が貫通
していて、該内軸２は中実の略円柱状を成してい
る。さて、３は外軸１の後方の端部近くに装設し
た第一のスイツチブロツクで、これは主として外
筐４とこれの後方の開放面を塞いだ端板５及びこ
れらの内部に位置させて外軸１に直接嵌合した回
動子６とから成り、この回動子６を、これの内面
に第２図に示す如く突設した平坦部７と外軸１の
外面に同図に示す如く削設した平坦部８との係合
によつて、外軸１と回動を共にする様にし、但
し、軸方向への移動は外軸１のみ単独に行なわせ
る様にしている。而して回動子６には上部及び下
部に夫々接点部９，１０を有する接点環１１を取
着し、これに対して端板５には上部に一枚の接点
板１２を、下部に二枚の接点板１３，１４を夫々
取着している（第３図乃至第５図参照）。尚、第
１図及び第２図中１５は回動子６に延いては外軸
１に回動後の戻し力を与える様に設けた捩りコイ
ルばねである。次いで１６は上述の第一のスイツ
チブロツク３に連ね外軸１の後方の端部に装設し
た第二のスイツチブロツクで、これも主としては
外筐１７とこれの内部に位置させて外軸１に直接
但し横方向から嵌合した移動子１８とから成り、
この移動子１８を、その横方向からの嵌合により
外軸１後端部の鍔部１９，２０間に位置させるこ
とによつて、外軸１と軸方向への移動を共にする
様にし、但し、回動は外軸１のみ単独に行なわせ
る様にしている。而して移動子１８にはその上部
及び下部に接点板２１，２２を夫々圧縮コイルば
ね２３，２４により弾発付勢して添設し、これに
対して外筐１７内の上面と下面には夫々三枚宛の
接点板２５，２６，２７及び２８，２９，３０を
取着している（第３図乃至第５図参照）。又、移
動子１８には第２図に示す様に側面部に球体３１
をやはり圧縮コイルばね３２により弾発付勢して
添設し、これに対して筐体１７内の側面部には節
度山３３を突設している。ここで、前述の如く外
軸１を貫通した内軸２はその前方及び後方の両端
部が外軸１から突出しており、そこで３４は上記
内軸２の後方の端部に装設した第三のスイツチブ
ロツクで、これもやはり主としては外筐３５とこ
れの前方の開放面を塞いだ端板３６及びこれらの
内部に位置させて内軸２に直接嵌合した回動子３
７とから成り、この回動子３７を、これの内面に
第２図に示す如く突設した平坦突部３８と内軸２
の外面に同図に示す如く削設した平坦部３９との
係合によつて、内軸２と回動を共にする様にし、
但し、軸方向への移動は内軸２のみ単独に行なわ
せる様にしている。而して回動子３７には切起こ
しによる舌片状の接点部４０を有する接点環４１
を取着し、これに対して端部３６には馬蹄形環状
の抵抗体４２とその両端の引出端子４３，４４及
び上記接点環４１用の摺接引出端子４５を取着し
ている（第３図乃至第５図参照）。又、回動子３
７には突起４６を設けていて、これに対し外筐３
５には馬蹄形環状の溝４７を設け、斯くして回動
子３７の回動延いては内軸２の回動を抵抗体４２
の存する範囲に規制する様にしている。更に４８
は上述の第三のスイツチブロツク３４に連ねてこ
れと同じく内軸２の後方の端部に装設した第四の
スイツチブロツクで、これも主として外筐４９と
これの内部に位置させて内軸２後端の抜止め用鍔
部５０に宛がつた移動子５１とから成り、この移
動子５１を、これと共に外筐４９内に位置せしめ
た圧縮コイルばね５２により内軸２側に弾発付勢
して該内軸２と軸方向への移動を共にする様に
し、但し、回動は内軸２のみ単独に行なわせる様
にしている。而して移動子５１にはその上面に接
点板５３を圧縮コイルばね５４により弾発付勢し
て添設し、これに対して外筐４９内の上面には二
枚の接点板５５，５６を取着している（第３図乃
至第５図参照）。そして５７は固定具であり、こ
れを前記第一のスイツチブロツク３から第二のス
イツチブロツク１６及び第三のスイツチブロツク
３４そして第四のスイツチブロツク４８へと掛け
渡してその先端部の折曲により止め、斯くして前
述により外軸１及び内軸２の軸方向に縦列配置に
重ね合わせた上記第一乃至第四のスイツチブロツ
ク３，１６，３４，４８をその重ね合わせ状態に
保持している。尚、５８及び５９は固定具５７の
前部上方及び前部下方の夫々に設けた螺子孔で、
これらに図示しない螺子を螺着して全体を図示し
ないデジタル時計の本体に関連させて取着する様
にしている。又、６０は外軸１の前方の端部に取
着したノブであり、６１は内軸２の前方の端部に
取着したノブである。

次に作用を述べるに、先ず外軸１及び内軸２が
共に回動及び軸方向への移動が可能なものである
ことは既述の如くであり、そこで今、ノブ６０を
摘み持つて外軸１を捩りコイルばね１５のばね力
に抗し右に左にと回動させると、これと共に第一
のスイツチブロツク３で回動子６も右に左にと回
動し、これにてその左方向には接点環１１が接点
部９と接点部１０にて接点板１２に対し接点板１
３を接続させ、右方向には接点環１１がやはり接
点部９と接点部１０にて接点板１２に対し接点板
１４を接続させる。而して接点板１２に対し接点
板１３を接続させた状態ではデジタル時計本体の
例えば時刻修正のうちの「時」の送りがなされて
該「時」の修正が行なわれるものであり、他方、
接点板１４を接続させた状態では上記時刻修正の
うちの「分」の送りがなされて該「分」の修正が
行なわれる。これに対してノブ６０を押し引きし
て外軸１を球体３１に節度山３３を乗越えさせつ
つ前後の軸方向に移動させると、これと共に第二
のスイツチブロツク１６で移動子１８が前後に移
動し、これに伴いその後方移動では接点板２１が
接点板２５に対し接点板２６を接続させると共に
接点板２２が接点板２８に対し接点板２９を接続
させ、前方移動では接点板２１が接点板２５に対
し接点板２７を接続させると共に接点板２２が接
点板２８に対し接点板３０を接続させる。而して
そのうちの前者によればデジタル時計本体に普通
の時刻表示を行なわしめ、後者によればストツプ
ウオツチとしての働きを行なわしめるものであ
り、要するに普通の時計とストツプウオツチとの
切替えが行なわれる。一方、ノブ６１を摘み持つ
て内軸２を回動させると、これと共に第三のスイ
ツチブロツク３４で回動子３７が回動し、これに
より回動子３７は抵抗体４２に接した接点環４１
の接点部４０をその抵抗体４２に対し摺動させる
ので、この摺動による抵抗値の変化にてデジタル
時計本体が表示した先の「時」や「分」等記号の
明るさが変えられ、いわゆる輝度調節が行なわれ
る。そして更に、ノブ６１を押して内軸２を圧縮
コイルばね５２のばね力に抗し後方の軸方向へと
移動させると、これと共に第四のスイツチブロツ
ク４８で移動子５１が後方へ移動し、その移動位
置で接点板５３が接点板５５及び接点板５６間を
接続させるので、これによりデジタル時計本体が
表示した「分」単位を零に戻すリセツトが瞬時に
行なわれる。尚、以上にあつて内軸２は後方への
移動操作後圧縮コイルばね５２のばね力によつて
自然に前方へと復帰せられ、又、先の外軸１も回
動操作後は捩りコイルばね１５のばね力によつて
自然に中立位置へと復帰せられるものであり、こ
れらに対して前後の軸方向に移動させた折りの外
軸１及び回動させた折りの内軸２は夫々その移動
後及び回動後の各位置に保持せられる。

この様に本実施例によれば、例えば時刻の修正
を始め、普通の時計とストツプウオツチとの切替
え、輝度調節、そしてリセツトというデジタル時
計に於ける四つの異なつた操作を行なうものであ
つても、その構成は、各操作に対応する第一乃至
第四のスイツチブロツク３，１６，３４，４８を
外軸１とこれを貫通した内軸２といういわば二本
の組合わせ操作軸の軸方向に縦列配置に重ね合わ
せて一つにまとめた至極簡潔なものであるから、
従来スイツチブロツクの一つ一つに要していた操
作軸やノブ或いは固定具や取付螺子等部品の多く
を省くことができ、又、その分組立てや取付け等
も簡単ならしめ得るものであつて、これらにより
従来より大いに安価ならしめ得るものである。更
に構造上、内軸２が外軸１を貫通していて要する
に操作系統が一つであるため、車両用等限られた
スペースにも位置や向き等使用者の手の届き易い
形態に所望に取付けることができ、よつて実用上
至便ならしめ得るばかりでなく安全性をもまた大
いに向上させ得る。

尚、各スイツチブロツク３，１６，３４，４８
によつて制御せられる対象は上述に限られるもの
ではない。又、その各スイツチブロツク３，１
６，３４，４８の重なり合う順序も上述に限られ
るものではない。

その他、本考案は上記し且つ図面に示した実施
例にのみ限定されるものではなく、殊に各部の具
体的構成等につき、要旨を逸脱しない範囲内で適
宜変更して実施し得る。

本考案は以上の記述にて明らかな様に、回動及
び軸方向への移動が可能で中空状を成した外軸に
これの前記回動に応動する第一のスイツチブロツ
クと前記軸方向への移動に応動する第二のスイツ
チブロツクとを装設し、回動及び軸方向への移動
が可能で外軸を貫通した内軸の前記外軸から突出
した部位に該内軸の前記回動に応動する第三のス
イツチブロツクと前記軸方向への移動に応動する
第四のスイツチブロツクとを装設して、これら第
一乃至第四のスイツチブロツクを前記外軸及び内
軸の軸方向に縦列配置に重ね合わせて成るもので
あり、これによつて構造の簡潔化を達成し、部品
点数の削減並びに組立てや取付けの容易化を図り
得て大いに安価ならしめ得、又、車両等にも所望
に取付けることができて至便且つ安全ならしめ得
るという数々の優れた実用的効果を奏するデジタ
ル時計用スイツチ装置を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したものにて、第
１図は装置全体の縦断側面図、第２図は同横断平
面図、第３図はスイツチブロツク群部分の概略平
面図、第４図は同底面図、第５図は同電気構成図
である。 図中、１は外軸、２は内軸、３は第一のスイツ
チブロツク、６は回動子、１６は第二のスイツチ
ブロツク、１８は移動子、３４は第三のスイツチ
ブロツク、３７は回動子、４８は第四のスイツチ
ブロツク、５１は移動子、５７は固定具である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回動及び軸方向への移動が可能で中空状を成し
   た外軸と、回動及び軸方向への移動が可能で前記
   外軸を貫通した内軸とを有し、前記外軸にこれの
   前記回動に応動する第一のスイツチブロツクと前
   記軸方向への移動に応動する第二のスイツチブロ
   ツクとを装設し、前記内軸の前記外軸から突出し
   た部位に該内軸の前記回動に応動する第三のスイ
   ツチブロツクと前記軸方向への移動に応動する第
   四のスイツチブロツクとを装設して、これら第一
   乃至第四のスイツチブロツクを前記外軸及び内軸
   の軸方向に縦列配置に重ね合わせて成るデジタル
   時計用スイツチ装置。