JPS6142576B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は食器等の皿状被洗体の洗滌機に関する
ものである。

本発明で「皿状被洗体」と称するのは、飲食用
の皿、盆その他の食器又は灰皿等の比較的平たい
被洗体を意味するものとし、茶碗、鉢、壺、鍋等
の深さの比較的深い被洗体を除くものとする。

従来、食堂、レストラン、ホテル等大量の皿状
被洗体を使用する所では、皿状被洗体に堅固に又
は密接に付着している飲食滓を取除く為に、洗滌
（下洗い即ち予洗）が終つた皿状被洗体を大型の
自動洗浄機に入れ、密閉後、多方向から熱湯を吹
付けることにより洗滌している。然し、自動洗浄
機は機械による洗浄の為、完全には洗浄されない
場合が多く、洗浄中被洗体の若干の損傷が避けら
れず、従つて高価上等な被洗体は主として中年女
性の人手により細心の注意の下に洗浄されている
のが現状である。

自動洗浄機又は人手の何れにより洗浄を行なう
にしても、食べ残しを残飯入れに空けた後、台の
上に積上ねて置きさらに多数の大きな水槽の中に
浸漬して置き、次いで皿状被洗体を取出して人手
で洗滌して皿状被洗体に堅固密接に付着している
食べ滓又は飲み滓を除去しているのが殆んどであ
る。従つて、従来の自動洗浄機は被洗体の積重ね
及び浸漬取出に多大の空間、設備及び労力を要す
るネツクがあつた。また、浸漬に多量の水を必要
とした。然も、洗滌操作は多大の労力と時間と場
所を必要とする上に、被洗体の洗滌に多大の注意
を払わざるを得ず、然も被洗体の洗滌に細心の注
意を払つても尚且つ被洗体の破損を防ぎ得ない欠
点があつた。

従来、食器の自動洗浄機としては特公昭49−
16988号公報の食器自動洗浄機が発表されてい
る。然し、同公報の洗浄機は、同公報第３欄第８
〜10行に「食器類２は脱出防止ガイド６によつて
第６図に示すようなブラシによる回転方向への跳
ね上り、飛出しを防止され」と明瞭に記載されて
いる通り、ブラシによる回転方向への食器の跳ね
上りと飛出しを防止している。従つて、同公報の
特許請求の範囲に記載されている通り、食器通路
を形成する脱出防止ガイドを必要とする。また、
特定のロールを間歇的に正逆回転する時間を設定
するタイマーを必要とする。従つて同公報の洗浄
機は全種類の食器の洗浄から洗滌までの操作を自
動的に行なうが、構造が複雑で、使用が難しく、
故障が多く、大重量で大型で、設置又は持ち運び
が困難で、小数の被洗体の破損が避けられず、多
大の洗滌水、労力、時間及び場所を必要とする欠
点があつた。

本発明は前述の欠点を解消する。

本発明は簡便確実に皿状被洗体を洗滌する洗滌
機を提供することを目的とする。

本発明は簡単で堅牢な構造の洗滌機を提供する
ことを目的とする。

本発明は軽量小型で持運び容易な洗滌機を提供
することを目的とする。

本発明は使用容易で故障の少い洗滌機を提供す
ることを目的とする。

本発明は被洗体の破損が少く操作者にも安全な
洗滌機を提供することを目的とする。

本発明は衛生的な洗滌機を提供することを目的
とする。

本発明は洗滌が終つた被洗体が自動的に洗滌液
の表面に飛出す洗滌機を提供することを目的とす
る。

本発明は広範囲な寸法の皿状被洗体を自動的に
洗滌する洗滌機を提供することを目的とする。

本発明は労力、時間、洗滌水及び占有空間を節
約する洗滌機を提供することを目的とする。

本発明は、洗滌液を湛えた洗滌槽中で、該洗滌
液の浴面下に設置レベルを異にしてそれぞれ反対
方向に回転する二段の洗滌ブラシ対を具え、上段
側の洗滌ブラシ対を両洗滌ブラシ間に上方から挿
入した皿状被洗体をブラシ間に引込む向きで、ま
た下段側の洗滌ブラシ対を該皿状被洗体を前記引
込力に打勝つて上方に押戻す向きで、それぞれ回
転駆動する駆動系を連繋して成り、下段側の洗滌
ブラシ対の回転により皿状被洗体を上方に上端を
洗滌液面より上方に跳ね上げる構成としたことを
特徴とする皿状被洗体の洗滌機である。

本発明において、上段側の洗滌ブラシ対を両洗
滌ブラシ間に挿入した皿状被洗体をブラシ間に引
込む向きで、また下段側の洗滌ブラシ対を該皿状
被洗体を前記引込力に打勝つて押戻す向きでそれ
ぞれ回転駆動する為、上段側のブラシ対間に挿入
した被洗体は上部を残して洗滌液中に自動的に引
込まれ（第４図参照）、洗滌液上に残つた上部を
さらに下方に洗滌液中に押込めば被洗体は表裏両
面が洗滌ブラシにより自動的に洗滌され（第５図
参照）、下方押込を中止すれば殆んど直ちに被洗
体が再び洗滌液面上に上部を現わす（第６図参
照）。

本発明の好適な一例においては、下段側の洗滌
ブラシ対の回転速度を上段側の洗滌ブラシ対の回
転速度より大とする。

本発明の他の一例においては、下段側の洗滌ブ
ラシの直径を上段側の洗滌ブラシ対の直径より大
とし、かくて回転速度が同じ場合、下段側の回転
ブラシにより被洗体が押戻されるようにする。

本発明の他の一例においては、下段側の洗滌ブ
ラシ対のブラシ毛の太さ及び植毛密度の何れか一
者以上を、上段側の洗滌ブラシ対のブラシ毛のそ
れより大とする。

本発明の他の一例においては、洗滌ブラシ対を
交換可能とする。

本発明の他の一例においては、対を成す洗滌ブ
ラシ間の間隔を調節可能とする。このようにする
と、洗滌ブラシの引込力又は押戻し力を調整する
ことができ、大巾に調節すれば極めて大きな又は
小さな被洗体の洗滌が極めて容易となるが、通常
は極めて大きな又は小さな被洗体は除いて広範囲
の中間寸法の被洗体を洗滌するように間隔を設定
しておく。なお、極めて大きな又は小さな被洗体
の形状、寸法材質に応じて間隔を調節することが
できることは勿論であるが、通常は前述のように
中間寸法の被洗体に合せて間隔を予め調節してお
く。

洗滌作用を大とすれば例えば洗滌時間を長くす
れば、本発明の洗滌機は単なる予洗機としてでは
なく、洗浄機としても作用する。従つて、大型の
自動洗滌機のない所例えば小食堂又は家庭では洗
浄機としても本発明の洗滌機を有効に使用するこ
とができる。

洗滌の終了した被洗体を、次に水道水、温水等
の清浄水により清浄化するが、大型の洗浄機に通
すことにより清浄化する。流下する水道水中に数
秒間曝すだけで、被洗体は充分に清浄化される。
次いで、清浄になつた被洗体の水分をタオルによ
り拭き取る。

本発明を次に図面につきさらに詳細に説明す
る。第１〜３図は本発明洗滌機の一例を示す。

第１〜８図に示す洗滌機１において、洗滌槽２
は上下２段各段２個計４個の洗滌ブラシ３を有す
る。洗滌ブラシ３はほぼ水平方向に延在する回転
軸４と、回転軸４に取付けたブラシ毛５とを有す
る。４個の洗滌ブラシ３は防滴型又は防水型モー
タＭにより、簡明化の為図示せぬプーリーベルト
装置又は歯車装置を介し、各段の洗滌ブラシ３，
３が互いに反対方向に回転し、上段の洗滌ブラシ
３，３が両ブラシ間に挿入した被洗体Ｗを下方向
に引込むように回転し、下段の洗滌ブラシ３，３
が両ブラシ間に挿入した被洗体Ｗを上方向に押戻
すように回転する（第１図の矢印参照）。ベルト
を上下に対角線方向に位置する２個の洗滌ブラシ
に掛ければ、ベルトは２本である。

下段の洗滌ブラシ３，３の被洗体Ｗを上方に押
戻す力が、上段の洗滌ブラシ３，３の被洗体を下
方に引込む力より大となるように、下段の洗ブラ
シ３，３の回転速度を上段の洗滌ブラシ３，３の
回転速度より大とする。この為、下段の洗滌ブラ
シ３の回転軸４に固定するプーリーの直径を、上
段の洗滌ブラシ３の回転軸４に固定するプーリー
の直径より大とする。

洗滌槽２は支持架台Ｌに支持され、モータＭは
洗滌槽２の下方で支持架台Ｌに据付けられてい
て、洗滌機１を安定化するとともに、濡れている
ことが多い厨房室床面にモータＭが直接接触する
ことを防止する。

動力伝達装置には覆い９を付けて、操作者の安
全を計つてある。

洗滌ブラシ３の回転軸４は、３本のボルト１１
を外方に向けて突設した内部シール板１２の中央
に据付けた水密性軸受１０で支承する。洗滌槽２
にはブラシ回転軸４と３本のボルト１１が外方に
突出できてその横方向位置を調節できるように、
横方向に細長いブラシ回転軸用溝孔１３（第２図
参照）及びボルト用溝１４を穿設してある。洗滌
槽２のブラシ回転軸用溝孔１３とボルト用溝孔１
４には、内部シール板１２とほぼ同直径の外部シ
ール板１６を外方から覆せる。外部シール板１６
にはブラシ回転軸用の中心孔１７と３本のボルト
１１用の周辺孔１８とが穿設してある。内部シー
ル板１２に嵌合した軸受１０の支承するブラシ回
転軸４を洗滌槽２の溝孔１３を介して外部シール
板１６の中心孔１７に通し、内部シール板１２の
３本のボルト１１を洗滌槽２の溝孔１４を介し外
部シール板１６の周辺孔１８に通した後、３個の
ナツト１９をボルト１１に螺合させて締付けるこ
とにより、洗滌槽２のブラシ回転軸用溝孔１３と
ボルト用溝孔１４は内部シール板１２と外部シー
ル板１６により水密性に保持される（第８図参
照）。水密性を増す為に、水密性のパツキング又
はワツシヤを用いることは随意である。ナツト１
９を緩めることにより、回転ブラシ３，３間の間
隔を調節することができる。調節範囲は最大約10
mmである。

回転ブラシ３のブラシ毛５が摩損し又は弾性を
失なつた場合、或いは通常の寸法の被洗体よりも
著しく大きいか又は小さい寸法の被洗体を多量に
洗滌せんとする場合、３個のナツト１９を緩めて
上段の一方の洗滌ブラシの内部シール板１２及び
外部シール板１６と対向する他方の洗滌ブラシと
の間隔を調節することにより、上段の洗滌ブラシ
の引込力は下段のブラシの押戻力を調整すること
ができる。

洗滌槽２の下部には底面又は側面に栓２１付き
水抜き孔２０を設け、その前面に厨房ゴミ過用
のフイルター２２又は２２′を設けて、水抜孔２
０の閉塞を防止する。フイルター２２又は２２′
は目詰りを防ぐ為、随時掃除し得るように脱着自
在に設けてある。

モータＭは図示せぬ手動スイツチにより始動し
停止する。或いは自動的に始動し停止する。例え
ば、上方の回転ブラシ３，３の軸受１０を溝孔１
内に横方向に摺動自在に支承し、軸受１０，１０
間にスプリングを懸架し、被洗体を洗滌ブラシ
３，３間に挿入した場合に懸架スプリングが伸張
してモータＭのスイツチ回路が閉成し、一方被洗
体を引上げた場合に懸架スプリングが収縮してモ
ータＭのスイツチ回路を開放させる。或いはま
た、手動スイツチの代りに被洗体又は手の存在を
感知する光電リレースイツチを用いる。

本発明洗滌機は操作にあたつては次の通り操作
する。

洗滌液中で回転している洗滌ブラシの間に上方
から被洗体Ｗを挿入すると、被洗体Ｗは自重と上
段の洗浄ブラシの引込力とにより洗滌槽中を沈下
し、下段の洗滌ブラシの押戻し力に押戻されて第
４図に示す状態となる。次いで手で被洗体Ｗの上
端を押して被洗体Ｗを洗滌液中に埋込めば、被洗
体Ｗは４個の洗滌ブラシにより表面及び裏面が洗
滌される。充分に洗滌が終つたときを見計つて手
を離せば、被洗体Ｗは下段の洗滌ブラシの押戻力
により再び洗滌液の液面上に上部が現れる（第６
図参照）。次いで被洗体の上端を持つて被洗体を
引上げる。引上げた洗滌体は流下する水道水又は
温水中に数秒間曝して洗滌液を除去し清浄化す
る。

第７図は本発明の洗滌機をポータブル型とし、
家庭用の流しＳ上に置いた場合を示す。モータＭ
は防水型のもので、洗滌槽２の上部に隅に寄せて
据付けてある。支持脚L′は省略することができ、
その場合は水抜孔２０を洗滌槽２の側底部に設
け、栓付水抜管２１はゴム栓とする。

洗滌槽２の寸法は厨房床面に設置する場合、例
えば縦約45cm，横約45cm，長さ約60cmである。支
持架台Ｌの高さは約70〜90cmであり、需要者の身
長に応じて適宜調節可能である。家庭用流しＳの
上に置く場合には寸法を全体的に小さくし、小型
とする。洗滌槽２には溢流孔を設けることは随意
である。

洗滌ブラシはブラシ毛５が摩毛又は剛性を失つ
た場合には、係止ピン２３を外すことにより新規
の洗滌ブラシに容易に交換することができる（第
８図参照）。或いはまた、ブラシ毛５を円筒状体
としてブラシ回転軸４に脱着可能に係止しておく
と、ブラシ毛５のみを容易に交換することがで
き、一そう経済的である。

本発明の洗滌機は皿状被洗体の脱出防止ガイド
と特定のロールを間歇的に正逆回転する時間を設
定するタイマーとが不要で、構造が簡単で、使用
が容易で、故障が殆んどなく、軽量小型で、設置
又は持運びが容易で被洗体の破損が少く、洗滌
水、労力、時間及び場所を著しく節約することが
で、衛生的で、操作者が安全で、広範囲の被洗体
を自動的に洗滌することができ、洗滌終了時に被
洗体が自動的に洗滌液の表面に飛出すなど、従来
の大型の自動洗滌機又は人力による洗滌に比べて
格段に有利である。従つて、本発明は実用上の効
果が極めて大きく、産業上極めて有用である。

なお、本発明を特定の例につき説明したが、本
発明の広汎な精神と視野を逸脱することなく種々
の変更と修整が可能なこと勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の一例を示す横断面図、第
２図はその側面図、第３図はその―線上の縦
断面図、第４〜６図は本発明装置の操作を説明す
る線図的横断面図、第７図は本発明装置の他の例
を示す縦断面図、第８図は本発明に係る洗滌ブラ
シの取付けの一例を線図的に示す分解斜視図であ
る。 １……洗滌機、２……洗滌槽、３……洗滌ブラ
シ、４……ブラシ回転軸、５……ブラシ毛、７…
…支持架台、９……動力伝達装置の保護カバー、
１０……軸受、１１……ボルト、１２……内部シ
ール板、１３……ブラシ回転軸用調節溝孔、１４
……ボルト用調節溝孔、１６……外部シール板、
１７……外部シール板１６の中心孔、１８……外
部シール板１６の周辺孔、１９……ナツト、２０
……水抜孔、２１……栓付水抜管、２２，２２′
……フイルター、２３……係止ピン、Ｌ……支持
架台、L′……支持脚、Ｍ……モータ、Ｓ……流
し、Ｗ……被洗体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 洗滌液を堪えた洗滌槽中で、該洗滌液の浴面
   下に設置レベルを異にしてそれぞれ反対方向に回
   転する二段の洗滌ブラシ対を具え、上段側の洗滌
   ブラシ対を両洗滌ブラシ間に上方から挿入した皿
   状被洗体をブラシ間に引込む向きで、また下段側
   の洗滌ブラシ対を該皿状被洗体を前記引込力に打
   勝つて上方に押戻す向きで、それぞれ回転駆動す
   る駆動系を連繋して成り、下段側の洗滌ブラシ対
   の回転により皿状被洗体を上方に上端を洗滌液面
   より上方に跳ね上げる構成としたことを特徴とす
   る皿状被洗体の洗滌機。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の洗滌機におい
   て、下段側の洗滌ブラシ対の回転速度を、上段側
   の洗滌ブラシ対の回転速度より大とした洗滌機。 ３ 特許請求の範囲第１項記載の洗滌機におい
   て、対を成す洗滌ブラシ間の間隙を調節可能とし
   た洗滌機。 ４ 特許請求の範囲第１項記載の洗滌機におい
   て、洗滌ブラシを交換可能とした洗滌機。 ５ 特許請求の範囲第１項記載の洗滌機におい
   て、下段側の回転ブラシの直径を上段側の回転ブ
   ラシの直径より大とした洗滌機。 ６ 特許請求の範囲第１項記載の洗滌機におい
   て、下段側の洗滌ブラシ対のブラシ毛の太さ及び
   植毛密度の何れか一者以上を、上段側の洗滌ブラ
   シ対のブラシ毛のそれより大とした洗滌機。