JPS6137161Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は高圧電磁接触器などの消弧装置に関
するものである。

第１図第２図はこの種消弧装置を備え、本考案
の基礎となつた高圧電磁接触器を示すもので、
１，２は端子板３，４を埋込んで一対に成形され
た合成樹脂製の絶縁ベース、５は端子板３と電源
側導体６とを結合した電源側端子、７は端子板４
と負荷側導体８とを結合した負荷側端子、９は端
子板３に接続された固定接触子、１０は固定接触
子９に接触する可動接触子、１１は可動接触子１
０を支持したクロスバー、１２は電磁石装置（図
示せず）により駆動され、可動接触子１０をクロ
スバー１１を介して駆動する可動軸、１３は絶縁
ベース２，３をそれぞれ支持する側板、１４は電
源側アークホーン、１５は負荷側アークホーン、
１６は電源側アークホーン１４に接続された可動
接触片、１７は電源側端子板３に接続され、可動
接触片１６を挾持した固定接触片、１８は負荷側
アークホーン１５に接続された消弧コイル、１９
は消弧コイル１８が巻装された磁極鉄心、２０，
２１は磁極鉄心１９の両側部にそれぞれ固定さ
れ、その鉄心１９との間に磁気回路を形成する一
対の磁極板、２０ａ，２１ａは磁極板２０，２１
の下部に形成され、絶縁ベース２の側部に設けた
２つの円柱状の支持体２ａにそれぞれ回転自在に
支持された半円状の凹部、２２は磁極板２０，２
１の下部同士を連結した結合片、２２ａは結合片
２２と一体に形成され、下方に延長された止め
板、２３は絶縁ベース２の貫通穴２ｂを貫通し、
止め板２２ａのねじ穴２２ｂにねじ込まれた固定
ねじ、２４は磁極板２０，２１、アークホーン１
４，１５、グリツド板（図示せず）を収納し、消
弧を行う消弧室であり、絶縁ベース１，２と側板
３とからなる接触器体の上方に設けられている。

以上のように構成された電磁接触器において、
固定接触子９、可動接触子１０の開閉時にアーク
が発生し、このアークは消弧室２４内に駆動さ
れ、消弧されるが、長期間の使用後には接触面に
荒れが生じるので、点検の上、補修、または部品
の取換作業を必要とする。

補修または部品の取換作業を行うためには、消
弧室２４を取外す必要があるが、点検のためには
消弧室２４を絶縁ベース２の支持体２ａを支点と
して、第１図において反時計方向に約90゜回動す
ればよいが、従来のものはその回動させた状態を
保つため手などで支えている必要があつた。この
考案は上記の点に鑑みてなされたもので、消弧室
を所定角度回動した状態においても、その状態を
維持できるよう接触器体側の絶縁ベースに停止体
を設けるようにした消弧装置を提供するものであ
る。

以下、この考案の一実施例を第３図〜第４図に
より説明する。

図において第１図、第２図と同一符号は同一ま
たは相当部分を示し、２ｃは絶縁ベース２の円柱
状の支持体２ａの下方に絶縁ベース２と一体に形
成された補強板、２ｄは消弧室２４に装着された
磁極板２０，２１の凹部２０ａ，２１ａを支持体
２ａを支点とし回転させ、消弧室２４を含んだ被
回転体の重心Ｇが支持体２ａの上方を通過し、被
回転体の自重によりさらに回転しようとするのを
停止させる停止体で、絶縁ベース２と一体に形成
され、磁極板２０，２１を連結する結合板２２が
衝合して被回転体の回転を停止させる構成になつ
ている。

このとき、支持体２ａには、てこの原理により
停止体２ｄを支点として、図において、上方向に
大きな力が加わるので、補強板２ｃによりこれを
補強している。

以上のように、この実施例によれば、接触子開
閉部分の点検時に、消弧室２４を所定角度回転し
たとき、重心Ｇの移動により同一方向にさらに回
転しようとするのを停止体２ｄを設けることによ
り、これを阻止し、その状態を維持することがで
きるので、従来に比べ点検時の作業が容易とな
る。

しかも消弧室２４の内部には、一対の磁極板２
０，２１が磁極鉄心１９の両端に密着状態に設け
られ、かつその磁極板２０，２１の下端部同士が
結合片２２により強固に結合されているので、２
つの磁極板２０，２１と磁極鉄心１９の両端面と
の間には隙間が形成されにくく、消弧コイル１８
により発生された磁束は磁極鉄心１９から磁極板
２０，２１へ効率良く伝達される。このため２つ
の磁極板２０，２１間において上記磁束は消弧室
２４内に生じるアーク電流と直角に鎖交し、有効
なアーク駆動力を発揮するものであり、確実な消
弧が期待できる。

以上のようにこの考案によれば、磁極鉄心の両
側に配置した一対の磁極板を結合片により結合し
て磁極鉄心と磁極板との間に確実な磁気回路を形
成するとともに、その結合片を絶縁ベースとを利
用して消弧室を所定の回動位置に維持する構成に
したので、点検作業が容易に行えるとともに、簡
単な構成でしかも消弧性能のすぐれた消弧装置を
もつた接触器を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案の基礎となつた構成例
を示すもので、第１図は電磁接触器の縦断面図、
第２図は磁極板下部の斜視図、第３図、第４図は
この考案の一実施例を示すもので、第３図は絶縁
ベース要部の斜視図、第４図は消弧室を回転した
状態を示す説明図である。 図において、同一符号は同一または相当部分を
示し、２は絶縁ベース、２ａは支持体、２ｃは補
強板、２ｄは停止体、１８は消弧コイル、１９は
磁極鉄心、２０，２１は磁極板、２２は結合片で
ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 可動接触子と固定接触子とを有した接触器体
   と、この接触器体の上方にあつて消弧コイルが巻
   装された磁極鉄心を挾むようにその鉄心の両側に
   密着して設けられ、可動接触子と固定接触子との
   間に生ずるアークを誘導するよう前記磁極鉄心と
   の間に磁気回路を形成する一対の磁極板と、この
   磁極板を収納するとともにこの磁極板に支えられ
   前記接触器体の上方に設けられた消弧室と、前記
   磁極板の下端部を回動自在に支持する支点部を有
   し前記接触器体に設けられた絶縁ベースとを備え
   たものにおいて、前記一対の磁極板の間には、こ
   の磁極板の下端部同士を結合するとともにその磁
   極板を前記絶縁ベースに固定する止め板を有する
   結合板を設け、前記絶縁ベースには、その支点部
   を中心に磁極板を回動させ前記消弧室を所定位置
   まで回動させた状態において前記結合板と当接し
   て消弧室を所定の回動位置に維持させる停止体を
   設けてなる接触器の消弧装置。