JPS6131948Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ビール壜や部品類或いは食品等の小
物商品を収納して搬送するのに用いられる小形の
コンテナに関する。

この種コンテナは、一般に枠である周壁を下す
ぼまりに傾斜させ、積重ねたとき上段のものを内
部に収納でき、従つて空箱状態では多数のものを
低い高さに積重できる形状に構成されている。ス
ーパー店頭に積重ねてある買物用コンテナなどそ
の好例である。

しかし、このような構成であると、商品を収納
した場合、その商品が重い荷重に耐えられないも
のの場合には積重ねできない不便がある。

本考案は上記点にかんがみ、商品を収納しても
商品に荷重を加えることなく積重ねでき、また空
箱の状態では従来品のように収納積重ねしてその
積重ね高さを低くできる便利な構造のコンテナを
提供することを目的とする。

本考案のコンテナは、周壁２を下すぼまりの傾
斜周壁とし、該周壁２の上端に外向きフランジ３
を設けた角形であつて、前記周壁２の少なくとも
対向した２辺に、下部から上端に抜け更に外向き
フランジ３の中途まで、連続する縦方向の細長な
長孔６を明け、且つ該長孔６下方の周壁２外面か
ら、長孔６部に位置しているときは該長孔６を下
端まで降下できるが長孔６部以外の箇所では外向
きフランジ３に乗る支え板７を突設してなり、前
記各長孔６と支え板７は、本体を180゜向きを変
えると向きを変えない場合における各長孔６と支
え板７と位置がずれてこれらの存在しない箇所に
位置する如く配設したことを特徴としている。

以下添付図面を参照して本考案実施例を説明す
るに、本考案コンテナは第１、第２図に示すよう
に、上面開放の正方形の角形であつて、稍々上げ
底の底壁１の周縁から立設した周壁２は下すぼま
りに傾斜しており、又該傾斜周壁２上端には外向
きフランジ３があり、この外向きフランジ３を介
し周壁２の上部外囲に２重周壁となる如く、下端
に外向きフランジ４を設けた外枠５を一体に周設
している。前記周壁２の各辺には、下部から上端
に抜け、更に外向きフランジ３の外枠５内面部位
置迄連続する縦方向の細長な長孔６を夫々複数
（図示例は各５個宛）設け、そして各長孔６の下
方の周壁２外面からは、長孔６の巾内に収まる適
宜間隔の２枚の外向き支え板７，７を夫々並べ突
設している。これら各支え板７は上部に傾斜をつ
け、また外側下部を切欠いて係止段部８を設けた
形状であり、そして外側面イは前記外枠５の内側
面ロの内方、つまり外向きフランジ３の孔内に位
置している。

従つて、これら各支え板７は、長孔６部におい
ては外向きフランジ３が障害となることなく、第
２図の破線ａのように長孔６内を降下できてその
下端部に係止され、また長孔６以外の部分では外
向きフランジ３が障害となつて降下できず、第２
図の破線ｂのようにその下向き段部８が外向きフ
ランジ３に支承されることになる。

ここで、前記各辺の長孔６と支え板７は、本体
を180゜向きを変えると、向きを変えない場合に
おける各辺の長孔６と支え板７との位置がずれて
これらの存在しない箇所に位置する如く配設す
る。

図示例では、各長孔６及び支え板７は対向した
辺のものは夫々対向した位置に設け、且つ互いの
間隔ｌを同一とし、そして辺両端位置のものは辺
端との間隔を一方は小さいl₁に、他方は大きいl₂
に、つまり辺に対し片寄らせて配設した場合のも
のを示している。

上記構成とすれば、コンテナを積重ねるとき、
これらコンテナを同じ向き、つまり夫々の各長孔
６及び支え板７が対応した位置となる配置とすれ
ば、第３図の如く上段のコンテナの各支え板７は
下段のコンテナの対応した長孔６内を降下してそ
の下端に係止するので、コンテナが空箱状態であ
れば下段のコンテナは夫々上段のコンテナを収納
でき、従来品のようにその積重ね高さを低く抑え
ることができる。つぎに上段コンテナを180゜向
きを変えれば、上段のコンテナの各支え板７は下
段のコンテナの各長孔６とは位置がずれ長孔６か
ら外れた箇所に位置するので、第４図の如く各支
え板７は外向きフランジ３に支承される、即ち上
段コンテナは下段コンテナの上端部に乗るので、
収納された商品には何ら荷重が加わることはな
い。この場合、各支え板７は係止段部８が外向き
フランジ３の角部に係合して支承されるので、上
段コンテナは下段のコンテナから外れることなく
安定して積重される。

上記実施例では、周壁２の各辺に夫々長孔６と
支え板７を設けるとしたが、これら長孔６と支え
板７は一方の対向する２辺にのみ形成し、他方の
対向する２辺には設けないようにしてもよく、又
長孔６と支え板７は各辺５組に限らず適宜任意数
組でもよく、更に正方形でなく長方形の角形でも
可能である。又支え板７は１組２枚宛でなく、肉
厚のもの１枚宛でもよい。

以上記載の本考案によれば、向きを同じとした
場合には上段コンテナの支え板７は下段コンテナ
の長孔６部に位置し該長孔６下端まで降下するの
で、空箱の場合は下段コンテナは夫々上段コンテ
ナが収納でき、従つて多数のものを低い高さに積
重でき、又上段コンテナの向きを180゜変えれば
その支え板７は下段コンテナの外向きフランジ３
上に乗るので、商品を収納しても商品に荷重が加
わることがないので至極便利である。しかもその
ための操作は、単に上段のものの向きを180゜変
えるのみなので、何の面倒もなく簡便である。ま
た構造的には単純であり、更に何の付属部品も必
要としない単体構造なので、合成樹脂材の成形に
より容易に製造でき、安価に提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案コンテナの平面図、第２図は第
１図のＡ−Ａ線矢視断面図、第３図は上下段のコ
ンテナの向きを同じにして積重ねた場合の断面
図、第４図は上段のコンテナを180゜向きを変え
て積重ねた場合の断面図である。 ２……傾斜周壁、３……外向きフランジ、６…
…長孔、７……支え板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 周壁２を下すぼまりの傾斜周壁とし、該周壁２
   の上端に外向きフランジ３を設けた角形であつ
   て、前記周壁２の少なくとも対向した２辺に、下
   部から上端に抜け更に外向きフランジ３の中途ま
   で連続する縦方向の細長な長孔６を明け、且つ該
   長孔６下方の周壁２外面から、長孔６部に位置し
   ているときは該長孔６を下端まで降下できるが長
   孔６部以外の箇所では外向きフランジ３に乗る支
   え板７を突設してなり、前記各長孔６と支え板７
   は、本体を180゜向きを変えると向きを変えない
   場合における各長孔６と支え板７と位置がずれて
   これらの存在しない箇所に位置する如く配設した
   ことを特徴とするコンテナ。