JPS6128030A - 二重撚糸式紡績装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 （産業上の利用分野） この発明はドラフト装置により送り出された繊維束を加
撚しつつその進行方向を折り返してスピンドルの回転の
２倍の撚を加え、バルーン内部でパッケージに巻き上げ
る二重撚糸式紡績装置に関するものである。

（従来の技術） 短繊維を引き揃えて加撚し、紡績糸を生産する方法とし
てリング紡績法が広く用いられている。

このリング紡績法は可紡番手の範囲が広く良質の糸が得
られるが、生産性が低く巻き上げパッケージが小さいた
め玉揚げ回数が多くかつワインダニ程を必要とする点で
問題がある。リング紡績糸を高生産で大きなパッケージ
に巻き上げるには、すング径を大きくしパッケージを高
速度で回転させる必要がある。ところがリング径を大き
くするとトラベラ走行速度が速くなり、リングとトラベ
ラとの摩擦熱によってトラベラが高温になり、糸が変質
したり糸切れが増加するだけでなくトラベラ自身の劣化
がおこる。また、大きなパッケージを高速度で回転させ
ると空気抵抗も大きく、エネルギー消費が激増するとい
う新たな問題が発生する。

これに対して、ドラフト装置より送り出された繊維束を
加撚しつつその進行方向を折り返してスピンドルの回転
の２倍の撚を加え、バルーン内部でパッケージに巻き上
げる二重撚糸式紡績方法が提案されている。この二重撚
糸式紡績方法においては、糸をバルーニングさせた後そ
の進行方向を折り返してバルーン内部に巻き上げる関係
で、糸の屈曲点が多く糸の通過抵抗が増大し糸張力が過
大となる。又、糸折り返し点とドラフト装置間では糸に
は最終的に加撚される撚数の２分の１の実撚しか加わら
ず、繊維間の摩擦による滑脱抵抗が乏しいため引っばり
強さが極めて弱く、そのままではバルーニングにより糸
に加わる張力に耐えることができず、糸切れが生じ紡績
が不能となる。

従って、二重撚糸式紡績方法により糸を紡績する場合に
は、糸に加わる張力を軽減するため糸の進行を促進する
作用を持つ要素と、ドラフト装置と糸折り返し点との間
の糸にバルーニングに耐え得る糸強力を与えるため少な
くとも糸折り返し点付近で実撚と周方向の仮撚を加える
ことが必要となる。従来、昭和３８年９月２６日公告の
特公昭３８−１９，６２８号公報には、糸の進行過程特
に糸折り返し点後にニップローラを設けて機械的に糸連
行促進作用をもたせるとともに、糸にバルーニングを与
えるフライヤ上に補助燃管を配設し該補助燃管をプーリ
、歯付ベルト等を介して回転駆動することにより糸に仮
撚を加える仮撚機構を設けた装置が提案されている。と
ころが、この装置においては機械的な動力伝達手段を介
して駆動される糸促進作用要素及び仮撚要素をバルーン
内部に設けているため構造が複雑になるとともに大型化
し重量も大きくなり、コストアップ及びメインテナンス
に手間が掛るという不都合がある。

（発明が解決しようとする問題点） この発明は前記従来装置における構造の複雑さ及びそれ
に伴なう装置の大型化、メインテナンスの煩雑さ等の問
題点を解決するものである。

発明の構成 （問題点を解決するための手段） 前記の問題点を解決するための手段としてこの発明にお
いては、ドラフト装置より送り出された繊維束を加撚し
つつその進行方向を折り返してスピンドルの回転の２倍
の撚を加え、バルーン内部でパッケージに巻き上げる二
重撚糸式紡績装置において、バルーニングを形成し加撚
されつつ進行する糸をその進行方向を折り返してスピン
ドルの上方へ導びく導糸孔を前記スピンドルと一体回転
可能に設け、該導糸孔の糸折り返し点に、該糸折り返し
点からドラフト装置側へ連なる糸に対して実撚と周方向
の仮撚を付与するためタービンにより積極駆動されるロ
ーラを、その回転軸心が糸走行経路に対して傾斜した状
態で配設するという構成を採用した。

（作用） この発明においては、ドラフト装置より送り出されてス
ピンドルの回転によりバルーニングを形成し加撚されつ
つ進行する糸には、ドラフト装置のフロントローラから
糸折り返し点に至る間で最終的に加撚される撚数の２分
の１の実撚が加えられ、糸折り返し点から巻き取り点に
至る間でさらに同数の実撚が加えられる。そして、導糸
孔により糸折り返し点に導かれた糸は折り返し点に配設
されたローラに接触しながら上方へと進行する゛が前記
ローラが糸折り返し点からフロントローラに至る間の糸
に実撚と周方向の仮撚を付与する方向に積極駆動される
ため、糸には実撚と周方向への仮撚が付与されバルーニ
ング過程にある糸の見掛は上の糸強力が向上し、バルー
ニングによる張力が加わった場合にもそれに耐えて糸切
れが生じにくくなる。又、前記ローラは糸の進行を促す
方向に回転されるため屈曲点における通過抵抗が減少し
糸切れが生じ難くなり安定して紡績が行われる。

（実施例） 以下この発明を具体化した一実施例を図面に従って説明
する。スライバを細化して連続的に供給するドラフト装
置１の下方には、スピンドル２がフレーム３及び支持筒
４に固定されたベアリング５を介して垂直状態にかつ回
転自在に支持され、その下端に嵌着固定されたプーリ６
を介してベルト７により回転駆動されるようになってい
る。第２図に示すようにスピンドル２の上部には糸通路
形成体８が一体回転可能に嵌着固定され、該糸通路形成
体８上には対称位置に糸゛案内管９が嵌着された支持体
１０が゛ボルト１１によりスピンドル２と一体回転可能
に取り付は固定されている。前記支持体１０の中央部に
はスピンドル２と同軸上に油収容体１２が一体回転可能
に圧入固定されている。油収容体１２は外部ハウジング
１２ａと内側部材１２ｂとからなりその上部に環状の油
槽１３が形成されている。

第１，２図に示すようにスピンドル２の上方には前記油
収容体１２との間に介装されるベアリング１４を介して
ボビン支承体１５がスピンドル２に対して相対回転可能
に支持されており、該ボビン支承体１５はその内面に固
定された磁石１６と、前記フレーム３上にブラケット１
７を介して固定された磁石１８によりスピンドル２が回
転された場合にもそれに追随して回転することなく常に
静止状態に保持されるようになっている。前記磁石１６
．１８にはそれぞれ磁束収束用の鉄板１９ａ。

１９ｂが取着されている。前記ボビン支承体１５゜には
ボビン支持体２０がベアリング２１を介して回転自在に
支持されるとともに、該ボビン支持体２０はその下端環
状部２０’ａが航記油収容体１２の油槽１３内の作動油
Ｏ内に浸漬され、ボビン支持体２０の中心部に嵌着固定
されたパイプ２２及び該パイプ２２と油収容体１２間に
介装されたベアリング２３．２４を介して油収容体１２
に対して回転自在に支承されている。油収容体１２の上
部にはその内径が前記油槽１３の内径より小さな蓋体２
５がビス２６により締め付は固定されている。

前記ボビン支承体１５の上部には円筒状のボビンカバー
２７が固定され、その内面には上下方向に伸びるガイド
レール２８が固着されている。前記ガイドレール２８に
はガイドローラ２９、鉄板３０、磁石３１を備えた移動
体３２が同ガイドレール２８に沿って上下方向に移動可
能に支承されている。前記移動体３２はシリンダ３３の
作用によりボビンカバー２７の外側を上下動する磁石３
４を介して上下動されるようになっている。又、前記ガ
イドレール２８の上端には前記ボビン支持体２０に嵌着
固定されたパイプ２２の上方に嵌挿され、ボビン支持体
２０と一体に回転するガイド管３５の上端から出る糸Ｙ
を前記ガイドローラ２９に導く一対のガイドローラ３６
が回転自在に支持されている。

スピンドル２の上部外周には空気通路形成体３７がその
下端面が前記糸通路形成体８の下端面に当接された状態
でスピンドル２と一体回転可能に嵌着されるとともに、
前記ボルト１１により糸通路形成体８と密着する状態に
締め付は固定されている。空気通路形成体３７の外周に
は外周面が前記支持筒４の内面に嵌着された環状の永久
磁石３８およびその上下両面に密着されたポールピース
３９が空気通路形成体３７に対して相対回転可能に遊嵌
されるとともに、ポールピース３９の内周面に形成され
た凸部に付着された磁性流体く図示しない）によりシー
ルされている。前記永久磁石３８の内面に対応する空気
通路形成体３７の外周面には、後記するタービン４０に
圧縮空気を供給するための空気室４１を構成する環状溝
４２が形成されている。前記空気室４１は前記永久磁石
３８とポールピース３９との間に形成された空気通路４
３を介して外部圧力空気源に接続される接続パイプ４４
と連通されている。空気通路形成体３７の上端には環状
の空気通路４５が形成されるとともに、該空気通路４５
と前記空気室４１とを連通ずる一対の空気通路４６がス
ピンドル２の軸心と平行に形成されている。前記糸通路
形成体８にはバルーニング過程にある糸Ｙをスピンドル
２の軸心線上に案内するとともにその進行方向を折り返
して前記バイブ２２内へ導くための導糸孔４７が形成さ
れるとともに、該導糸孔４７と交叉する収容孔４８が形
成されている。第５図に示すように収容孔４８の両端に
は軸受部材４９．５０がそれぞれ固定されるとともに、
両輪受部材４９，５０間にはローラ軸５１が回転自在に
支持されるとともに該ローラ軸５１には鼓形状をしたロ
ー５５２と、タービン４０とがそれぞれ一体回転可能に
嵌着されている。該タービン４０の羽根４０８は第６図
（ａ＞、（ｂ）に示すようにのこ歯状の形状を有し又、
後述するノズル５３からの圧縮空気を排気孔４９ａの方
へ排出し易くするためタービン軸線に対して傾斜してい
る。前記タービン４０と対応する収容孔４８内には環状
の空気室５３ａと該空気室５３ａに連通ずる噴射孔５３
ｂとを備えた噴射ノズル５３がタービン４０に遊嵌され
た状態で固定されている。そして、第５．６図（ａ）に
示すように糸通路形成体８には前記空気通路形成体３７
に形成された空気通路４５と前記空気室５３ａとを連通
ずる空気通路５４が形成されている。又、タービン４０
側に配設された軸受は部材４９には噴射ノズル５３から
噴射された圧縮空気を外部へ排出するための排気孔４９
．ａが形成され、支持体１０には収容孔４８と対応する
位置に排気口５５が形成されている。

次に前記のように構成された装置の作用を説明する。さ
て、機台が駆動されるとベルト７及びプーリ６を介して
スピンドル２が高速回転される。

ドラフト装置１により細化されてフロントローラ１ａか
ら連続的に送り出される繊維束は、スピンドル２と同軸
上に配設されたヤーンガイド５６を経てボビンカバー２
７に沿ってバルーニングしながら進行し、糸案内管９及
び導糸孔４７を経て糸折り返し点へ導かれ、糸折り返し
点に配設されたローラ５２の外周に巻き付き糸の進行方
向を折り返して上方へ導かれパイプ２２、ガイド管３５
を通ってパッケージＰの上方へ導かれ、ガイド０−５３
６を経てシリンダ３３の作動により磁石３４を介して上
下方向に往復動されるガイドローラ２９に至り、ガイド
ローラ２９により綾振りされながら、ボビン支持体２０
と一体的に回転されるボビンＢ上にパッケージＰとして
巻き上げられる。

パッケージＰすなわちボビンＢを支持するボビン支持体
２０は油槽１３内に収容された作動油０の粘性抵抗を利
用して回転駆動され又、繊維束がドラフト装置１より一
定速度で送り出されることによりパッケージＰの径の増
大とともに自動的に回転速度が低下し、糸Ｙが一定トル
クでパッケージＰに巻き上げられる。

スピンドル２の回転により紡績されつつある糸Ｙにはフ
ロントローラ１ａから糸折り返し点に至る間で最終的に
加撚される撚数の２分の１の実撚が加えられ、糸折り返
゛し点からがイドローラ３６に至る間でさらに同数の実
撚が加えられる。従ってスピンドル２の回転による実撚
だけではフロントローラ１ａと糸折り返し点との間の糸
Ｙは繊維間の摩擦による滑脱抵抗が乏しいため引張り強
さが極めて弱く、バルーニングにより糸Ｙに加わる張力
に耐えることができず糸切れが生じ紡績不能となる。と
ころが、この発明の装置においては糸折り返し点近傍に
配設されたローラ５２の作用によりバルーニング過程に
ある糸Ｙに対して実撚と周方向への仮撚が付与され糸Ｙ
の収束性及び糸強力が向上し、しかもローラ５２により
糸Ｙが積極的に上方へ送り出されるため糸Ｙの屈曲点に
おける通過抵抗が減少され、糸Ｙは激しいバルーニング
にも耐えて糸切れが生じにくくなる。すなわち、糸通路
形成体８の収容孔４８内に配設されたローラ５２は外部
圧縮空気源から接続パイプ４４、空気通路４３、空気室
４１、空気通路４６．４５゜５４及び噴射ノズル５３の
空気室５３ａを経て噴射孔５３．ｂから噴射される圧縮
空気により回転されるタービン４０と一体的に回転され
、糸Ｙはこの回転するローラ５２の外周に巻付きながら
進行する。糸Ｙの走行経路とローラ５２の軸線とが（α
≠９０度）の角度で交叉しているため、第７図に示すよ
うにローラ５２が回転することにより糸を送り出す分力
（矢印Ｆｌ）と、糸を回転させる分力（矢印Ｆ２＞が発
生し糸を回転させる力により糸Ｙに仮撚を付与すること
ができる。スピンドル２の回転によりバルーニング過程
にある糸Ｙに付与される実撚と周方向の仮撚を付与する
には、撚方向が７撚の場合にはαを鋭角に、逆にＳ撚、
の場合には鈍角に設定することにより可能となる。

なお、この実施例の装置においてはローラ５２が鼓形状
に形成されていることにより、ローラ５２上の光経路が
安定しローラ５２と収容孔４８との隙間に糸Ｙが喰い込
まれることがなく良好にローラ５２の作用が発揮される
。

なお、この発明は前記実施例に限定されるものではなく
、例えば、ローラ５２を耐摩耗性材料あるいはクロムメ
ッキ等の耐摩耗性ｉ゛理を施した部材により形成したり
、ボビン支持体２０を駆動する手段として作動油の粘性
抵抗を利用して回転駆動する方法にかえてタービンによ
り回転駆動する方法を採用等この発明の趣旨を逸脱しな
い範囲において各部の形状、構成等を任意に変更するこ
とも可能である。

発明の効果 以上詳述したように、この発明によればバルーニング過
程にある糸Ｙに対してスピンドルの回転により加えられ
る実撚と周方向の仮撚を確実に付与することができ、見
掛は上の糸強力を向上させることができるとともに、糸
の進行を促進して糸の屈曲点における通過抵抗の増大を
防止し糸張力が過大となるのを防ぐことができるため、
実撚が少ないバルーニング過程にある糸もスピンドルを
高速回転した場合バルーニングにより糸に加えられる張
力に充分耐えることができ糸切れが減少し生産性を向上
させることができる。又、導糸孔内を走行する糸Ｙは固
定部と接触した状態で走行することがないため導糸孔内
に耐摩耗性部品を設置する必要がなく又、仮撚作用と糸
進行促進作用とが１つのローラで行われるため構造が簡
単となりメインテナンスが容易になるとともに装置の小
型化が可能となるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を具体化した一実施例を示す一部破断
正面図、第２図は要部拡大断面図、第３図は第１図のＡ
−Ａ線拡大断面図、第４図は第２図のＢ−Ｂ線断面図、
第６図は同じく第２図のＣ−Ｃ線断面図、第６図（ａ　
）は第５図のＤ−Ｄ線拡大断面図、第６図（ｂ）はター
ビンの平面図、第７図はローラによる撚掛は原理を示す
概略図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、ドラフト装置より送り出された繊維束を加撚しつつ
   その進行方向を折り返してスピンドルの回転の２倍の撚
   を加え、バルーン内部でパッケージに巻き上げる二重撚
   糸式紡績装置において、バルーニングを形成し加撚され
   つつ進行する糸をその進行方向を折り返してスピンドル
   の上方へ導く導糸孔を前記スピンドルと一体回転可能に
   設け、該導糸孔の糸折り返し点に、該糸折り返し点から
   ドラフト装置側へ連なる糸に対して実撚と周方向の仮撚
   を付与するためタービンにより積極駆動されるローラを
   、その回転軸心が糸走行経路に対して傾斜した状態で配
   設したことを特徴とする二重撚糸式紡績装置。 ２、前記導糸孔は前記スピンドルの上部に一体回転可能
   に固定された糸通路形成体に形成されている特許請求の
   範囲第１項に記載の二重撚糸式紡績装置。 ３、前記ローラの糸接触部は鼓形状に形成されている特
   許請求の範囲第１項に記載の二重撚糸式紡績装置。