JPS6128004B2 - - Google Patents

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JPS6128004B2
JPS6128004B2 JP13066181A JP13066181A JPS6128004B2 JP S6128004 B2 JPS6128004 B2 JP S6128004B2 JP 13066181 A JP13066181 A JP 13066181A JP 13066181 A JP13066181 A JP 13066181A JP S6128004 B2 JPS6128004 B2 JP S6128004B2
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Japan
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zinc
smelting
furnace
slag
molten
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Sakichi Goto
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NIPPON KOGYO SHINKOKAI
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  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は亜鉛焼鉱および還元剤を吹き込み熔錬
し金属亜鉛を取得する亜鉛製錬方法に関する。更
に詳しくは、亜鉛焼鉱を還元剤および酸素富化空
気と共に熔錬炉に吹き込み熔錬し、生成した亜鉛
蒸気を熔錬炉と一体に設けた凝縮器により効率よ
く凝縮回収すると共に排ガスの燃焼熱量を高カロ
リーに維持してこれを再利用し、エネルギー効率
を高めた製錬法に係る。 亜鉛の製錬法には、大別すれば乾式、湿式の二
方法がある。湿式法の電解亜鉛製錬法は亜鉛焼鉱
を硫酸溶液にて抽出し抽出液を清浄工程にて浄液
し、硫酸々性硫酸亜鉛溶液を電解し陰極に析出し
た亜鉛を製造し電気亜鉛を得るものである。 一方乾式亜鉛製錬法はレトルト中に酸化亜鉛を
主成分とする亜鉛焼鉱と還元剤を混合装入し、レ
トルトを外部から加熱し亜鉛を還元生成せしめる
蒸留法であり、これには水平蒸留法、竪型蒸留
法、電熱蒸留法等がある。また乾式法の一種とし
て熔鉱炉製錬法(ISP法)が実用化されている。
この方法は日本特許第194576号(特公昭27−4111
号)に示されるように亜鉛を熔鉱炉で製錬する方
法である。この熔鉱炉製錬法は亜鉛・鉛を同時に
回収しうるメリツトがあるが焼結工程を必要と
し、焼結工程で熱回収ができないこと、並びに還
元剤として高価な冶金用コークスを必要とする等
のデメリツトがある。 これら現行の亜鉛湿式または乾式製錬法のいず
れにおいても製錬に必要なエネルギー原単位は金
属亜鉛1t当り約(9〜11)×106Kcalを要してい
る。このため近年、エネルギーコストが年々高騰
し、製錬費に占めるエネルギーコストの割合はま
すます大きくなる現況下において抜本的な新製錬
法の出現が期待されている。 因に現在、電解亜鉛製錬法における省エネルギ
ー省コスト対策として、浄液の強化、電解液温の
上昇、電解液組成の調整、陽極のクラスト落し、
浄液の際のスチーム使用原単位の節約、夜間の高
電流密度電解等が行なわれているが抜本的な省エ
ネルギー、省コスト対策にはなり得ない。 また乾式製錬の省エネルギー、省コスト対策と
しては低コストの燃料、還元剤の採用、廃ガスの
余熱利用、低コストの原料の利用等々が行なわれ
ているが自づから限度があり根本的な対策とはな
り得ない。 ここでエネルギー、コストの点から湿式製錬法
と乾式製錬法とを比較すると湿式製錬法はその原
理上電力消費量が極めて大きく、電力費の高い現
況においては省コスト化は困難である。次に乾式
製錬法について、その省エネルギー、省コスト化
を達成するには次の条件を満足することが必要で
ある。 (1) 工程が少なく設備費が低廉であること。 (2) 電力、重油塊コークス等カロリー当たりの単
価の高いエネルギー原材料をカロリー当たりエ
ネルギー、コストの低い粉コークスや粉炭等の
エネルギー原料に切り替えられること。 (3) 工程からのエネルギー回収が容易なこと。 勿論上記条件の他に亜鉛回収率の高いこと、鉱
石中の含有々価物を効率よく副産できること等は
いうまでもない。 省エネルギー、省コストを図る乾式亜鉛製錬法
としては、これまで後藤、小川、滝中(日本鉱業
会春季大会講演要旨集P253、1979);H.
Abramowitz.Y.K.Rao(Trano Inst Min Met 87
C180 11978)等による亜鉛精鉱のCaOとカーボ
ンによる直接還元法、またH.H.Kellogg氏はThe
Thirteenth Sir Julius Wernher Memorial
Lecture of Jnst、Min.Met(1977)において亜
鉛焼鉱の吹き込み熔錬法等を提案しているがこれ
らは何れも工業化されるには至つていない。 たとえば、上述したH.H.Kelloggの提案は微粉
の亜鉛焼鉱、コークス粉の混合物を純酸素と共に
炉内に吹き込んで反応させ、発生した亜鉛蒸気を
鉛コンデンサーで回収するものであつた。この提
案は、たしかに簡単な物質収支とエネルギー収支
を示し、省エネルギー型の亜鉛製錬法となりうる
であろうことを示してはいるが、 使用する炉としては銅製錬で開発された白熔
炉であり、還元熔錬工程におけるスラグについ
ては全く考慮していない。 鉛コンデンサーの操業上問題となる炉からの
キヤリーオーバについて配慮がなされていな
い。 また、亜鉛焼鉱中に含まれる金、銀、銅等の
有価金属の処理回収について全く考慮されてい
なかつた。 また、テイー・エイ・エイ・クアルル(T.A.
A.Quarm)氏はInstitution of Mining and
Metallurgy発行の学術雑誌Transactions on
Institute of Mining and Metallurgy vol.80、
C69(1971).ppC69〜C73における報告「溶融精
錬による亜鉛抽出の予備計算(Prelininary
calculations for Zinc extraction by submerged
Smelting)」において、溶融スラグに、原料
(calcine)と還元剤(Coal char)および空気あ
るいは酸素富化空気を吹込む亜鉛精錬方法につい
て報告している。しかし、このクアルムの提案す
る方法は、溶融スラグ組成をFe/SiO2が1.3〜
1.33のものを使用したり(たとえばTable3、
Table6)、吹き込む酸素富化空気(空気でもよ
い)の酸素濃度はたかだか24%O2、27%O2のも
のであつた。 ところが、スラグ組成を上述の程度のものにコ
ントロールするときは溶剤添加を必要とし、その
結果スラグ量が増加するため、余計に熱を必要と
したり、金属のスラグ損失が増加し、有価金属の
回収率が低下する。 さらに、吹き込む酸素濃度が24%O2、27%O2
の低濃度のため、廃ガス量が大きくなり、製錬反
応炉から多量の熱量が運び去られるので、エネル
ギー消費が大きくなる欠点があつた。 さらに、吹き込み熔錬法は、たとえば銅製錬に
ついては特公昭48−18690の如き方法が行なわれ
ているが、酸化亜鉛を主体とする亜鉛焼鉱の吹き
込み溶錬法は、○イ亜鉛の還元が吸熱反応であるた
め熱平衡上のバランスがとれ難いこと、○ロ熔錬工
程において亜鉛は亜鉛蒸気として生成することか
ら亜鉛を金属亜鉛として回収するには凝縮工程が
必要となるが、この凝縮は亜鉛濃度、温度、キヤ
リオーバーが少いこと等の条件が満足されないと
捕集し得ないこと、(ハ)亜鉛は同時に生成するCO2
ガスにより再酸化を受け易い、等の理由により実
用化が困難であり、製錬法が確立されていなかつ
た。 本発明は、従来の亜鉛の乾式製錬法における上
述の欠点を除去するためになされたものであつ
て、その本発明は上記亜鉛の乾式製錬法について
その総エネルギーコストが低廉で済ますことので
きる亜鉛製錬方法を提供しようとするものであ
る。 また、本発明は熔錬炉を中心として原料鉱石か
ら金属亜鉛を回収する一連のシステムを綜合的に
低コストで製錬でき、かつ亜鉛焼鉱中に含まれる
有価金属を有効に回収できる乾式製錬法を提供し
ようとするものである。 そこで、亜鉛の乾式製錬法において上記省エネ
ルギー、省コスト化を達成する条件を満足すべき
熔錬法として、第1図に示す熔錬炉に基づく熔錬
法についてその熱平衡を考察してみることとす
る。上記熔錬炉10は凝縮器11と一体に連通し
て形成されたものであつて、熔錬炉内にスラグ相
2と粗鉛相3の溶融浴を形成せしめこの溶融浴に
ランス5を通して亜鉛焼鉱を酸素富化空気、コー
クス粉ないし粉炭と共に吹き込み、生じた亜鉛蒸
気等の生成ガスを凝縮器11に送り、凝縮器内で
形成した溶融鉛ないし溶融亜鉛の噴霧によつて金
属亜鉛を凝縮回収するものである。該熔錬法にお
いて、亜鉛を約7%含む約20tのスラグの中に、
単位時間毎に一定量の焼鉱、還元剤、空気を吹き
込み、全装入物が完全に平衡に達したものと仮定
して平衡組成を求める。そして平衡組成から単位
時間毎の熱精算を行ない、不足熱量又は過剰熱量
を計算する。平衡計算は本発明者の開発した計算
モデルによる。(S.Goto:Copper Metallurgy.
Practice and Theory.Inst.Min.Met.(1975)、後
藤佐吉:第1回非鉄冶金シンポジウム、日本学術
振興会第69委員会、P57(1976)) そして、単位時間毎に、生成ガスが完全に除か
れ、ついで、一定量の焼鉱、コークスと空気が再
び装入され、次の単位時間内に炉内に存在する装
入物について平衡計算および熱精算をくり返す。 したがつて、焼鉱およびスラグ中に含まれる亜
鉛と鉛は粗鉛、スラグ、ガスに分配され、ガスに
分配された量は次の平衡計算には入らない。焼鉱
中のSiO2とFe分は時間とともにスラグ中に蓄積
される。実際にはある一定期間毎に一定量のスラ
グを炉外に取り出す必要が生ずるが、ここでは蓄
積されるものとして計算している。 計算にあたつての仮定条件 (イ) 各相中の成分を次の如く仮定する。 メタル相:Pb PbS スラグ相:FeO、ZnO、PbO、Fe3O4、SiO2 ガス相:PbS、N2、CO、H2、CO2、PbO、
Zn、H2O、O2、Pb、S2、SO2 (ロ) 平衡計算、熱精算に必要な熱力学資料各成
分の生成自由エネルギー変化ΔG゜、エンタ
ルピー変化ΔH゜298、比熱Cp゜には通常の
熔錬炉および転炉の計算に使用したものと同
じ値を採用する。(後藤佐吉:日本鉱業会
誌、95、1097、P417(1979)参照)又メタ
ル相、スラグ相中の各成分の活量係数γは次
表の通りとする。
【表】 (ハ) 熔錬モデル、スラグ、粗鉛、焼鉱、コーク
ス粉の容量および組成は、本発明の実施例と
同じである。 (ニ) 空気量は単位時間当たりの空気量として O2:2Nm2 N2:8Nm3とする (ホ) 炉内全装入元素のグラム・アトム数(×
104)は次表の通りである。
【表】 平衡計算の結果 1150℃における平衡計算結果を第2表に示
す。この結果によるとZn濃度は20%と高く、
COは36%、CO2は2.8%であり、本発明の熔錬
法の可能性を示すものである。 熱精算 炉からの熱損失は輻射熱のみによるものと
し、炉体の外殻の裏面積を40.2m2、表面温度は
200℃と一定、炉体からコンデンサーへの出口
断面積を1.57m2とすれば、炉からの放散熱は Q=0.10(T/100)+1300Kcal/min となる。ただし、Tはスラグの温度(K)をあらわ
す。なお、この式では輻射係数ε=0.8と仮定
した。 また、炉体を構成する耐火材はクロム・マグ
ネシア煉瓦100tを要するので煉瓦の平均熱容量
を0.25cal/gとすれば、炉体全体の平均熱容量
は HBRIC=25000×(T+473)/2Kcal となる。Tはスラグの温度で、炉の内壁の温度
はスラグ温度と等しいと仮定した。 平衡計算から求めたスラグ、ガス、メタルの
組成、量から、反応熱、顕熱、混合熱等を計算
し、単位時間の熱精算を求めた。ただし、単位
時間を2分間とした。第3表に計算結果を示
す。 長時間計算 前述と同様な計算を18単位時間(1単位時間
を2分間とすれば36分間)にわたり連続して計
算した結果を第4表に示す。 以上の結果によると装入された焼鉱中の亜鉛量
と揮発亜鉛量はほぼ相等しい。コークスの使用量
は揮発亜鉛t当たり403Kgと少ないが、反応熱も
少ない。1150℃の炉温を維持するために、スラグ
内に電極を挿入して、電熱によつて、不足熱を補
給するとすれば、1分間に17.9kWh(2890hWh/t
Zn)の電力を必要とする。いま、1kWh当たり
の発電エネルギーに2550Kcal必要とすると、全
使用エネルギーは、10.2×106Kcal/t Zn(g)とな
る。しかし、亜鉛凝縮後の廃ガスのもつエネルギ
ーは1470Kcal/Nm3と高く、発電量で、780kWh/t
Z(g)を回収することができる。従つて、全使
用エネルギーは回収エネルギーを差引くと、8.2
×106Kcal/t Znn(g)となり、条件によつては従
来の亜鉛製錬法で必要としていたエネルギー原単
位(9×11)×106Kcal/tより少ないエネルギー消
費量の亜鉛製錬法を開発しうることが判る。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 上記熱平衡の考察に基づき、本発明は(i)溶融浴
を亜鉛焼鉱中のFe/SiO2比に近い組成のスラグ
相と該スラグ相下部の粗鉛相との2相により形成
する、(ii)還元剤燃料としてコークス粉ないし粉炭
を用いると共に酸素高富化空気を用いることによ
り前述の従来法における問題点を解消し省エネル
ギー、省コストの熔錬法を確立できることを発見
し、本発明を完成することができた。すなわち、
本発明は亜鉛焼鉱を還元剤と共に熔錬し金属亜鉛
を回収する方法において、予じめ炉内に前記亜鉛
焼鉱中のFe/SiO2比に近い組成のスラグ相と該
スラグ相下部の粗鉛相とからなる溶融浴を形成
し、前記亜鉛焼鉱と還元剤を酸素高富化空気と共
に前記溶融浴に接触混合すように吹き込み、Zn
蒸気、CO、CO2N2等より成る生成ガスを得る一
方、前記亜鉛焼鉱中の金、銀、銅その他の有価金
属を前記粗鉛中に捕集する還元熔錬工程と、前記
還元熔錬工程において生成したガスを溶融鉛又は
溶融亜鉛の噴霧中に導入せしめ、前記生成ガス中
のZn及びPbを前記溶融鉛又は溶融亜鉛中に凝縮
捕集する凝縮工程とから成り、前記還元熔錬工程
の還元剤としてコークス粉及び/又は粉炭を用い
ると共に前記還元熔錬工程と連続した凝縮工程に
おいて金属亜鉛の分離回収と高熱量の排ガスを得
ることを特徴とするものである。ただし、本明細
書中の酸素高富化空気とは、酸素濃度が30%から
98.4%程度の空気を意味するものとする。 以下に本発明を実施例と共に詳細に説明する。
第1図は本発明の熔錬法を実施する炉の概略図で
あり、図において1は炉本体であり熔錬炉10と
凝縮器11とが炉内で連続して一体に形成されて
いる。熔錬炉10の炉形はカマボコ状の筒型をな
し、また炉材は熱平衡がとれ易い様な任意の耐火
材であればよいが耐火度、耐熱度の点よりクロム
マグネシア煉瓦で構成することが好ましい。2は
フアイアライト系スラグ相であり炉内に保持され
る溶融スラグの量は、装入物の単位時間当たりの
装入量の変動に対して、緩衝作用を持つこと、お
よび、ダストの発生を防止すること、更に吹き込
まれる焼鉱、還元剤、空気とスラグとの接触する
時間を長くすること等のために、ある程度以上存
在することが必要であるが、余り多くなると炉体
が必要以上に大きくなり、放散される熱量が多
く、経済的でなくなる。又予じめ装入加温するス
ラグ組成は処理される焼鉱中のFe/SiO2比に近
い組成のものが望ましい。 なお、焼鉱中のCaO含有量ならびにスラグの融
点を考慮しフラツクスとしてCaOを添加してもよ
い。3は粗鉛の相であり、この粗鉛は精鉱中の金
銀銅その他の有価物の捕集剤として役立つもの
で、その量は有価金属の捕集に必要な最低限度の
層厚を有するよう好ましくは、スラグの5〜10重
量%の量が望ましい。また、粗鉛のプールに捕集
された金属銅鉛は適宜タツピング口4より排出す
る。排出に当つてスラグ粗鉛プールの荷高を計測
し排出時点を決定すればよい。又粗鉛中の有価金
属はタツピング口4より抜出した後他の通常の回
収方法にて各々回収される。次に5は亜鉛焼鉱好
ましくは焙焼直後の熱焼鉱、および30%以上の酸
素高富化空気、燃料及び還元剤として作用する例
えば低コストの粉コークスまたは粉炭を吹き込む
ためのランスである。焼鉱、空気および還元剤を
吹き込むランスは、本法の成否を握るキイポイン
トであり、直接スラグ相に浸漬して吹き込んでも
よい。要は焼鉱が成る可く早く1100〜1250℃のス
ラグ相に溶融するように、また還元剤と酸素高濃
度含有空気はスラグとよく接触するように吹き込
まれることが望ましい。又ランスの材質は1100゜
〜1300℃に耐え得る様な耐熱物が望ましく、その
構造は反応に便なる様に二重管又は水冷管等適宜
選択することが望ましい。 なお、熔錬炉10において、スラグ相2に接す
る補助加熱電極を設け、熔錬開始時あるいは熔錬
継続中にスラグ相の温度を所定温度に維持するよ
うにしてもよい。次に、熔錬炉10と一体に形成
される凝縮器11は底部に溶融鉛、又は溶融亜鉛
のプール6が貯留し、更に該プール6を循環させ
るための供給口7と排出口8とが設けられてお
り、該プール6の中に回転羽根を保持する撹拌器
9が設けられている。該熔錬炉10と凝縮器11
とは連通口12により炉内で連通している。 なお、生成ガスの亜鉛濃度が高い場合には上記
凝縮器として、例えば特公昭29−7001号、又は特
公昭47−15587号等に示される亜鉛のスプラツシ
ユコンデンサを用いることもできる。 上記装置構成において、予め1200℃程度に加熱
した溶融浴に、亜鉛精鉱を焙焼して得られる亜鉛
焼鉱又は廻転炉等で〓焼した亜鉛焼鉱を望ましく
は熱焼鉱のまま、酸素高富化空気および還元剤燃
料としてのコークス粉ないし粉炭と共にランス5
を通して吹き込み熔錬する。この熔錬により熔錬
炉内部に亜鉛蒸気等の生成ガスが発生する。生成
ガスはZnの他CO、CO2、H2、H2O、Pb、PbS、
S2、SO2、N2等を含む。本発明によりO2濃度
40vol%以上の酸素高富化空気を用いた場合に
は、生成ガスの組成はZn7〜16%、CO40〜75
%、CO28〜15%となり通常の空気を用いた場合
に比べて亜鉛濃度が高く、かつ高熱量のCO濃度
の生成ガスが得られる。該生成ガスは凝縮器11
に流入し、亜鉛蒸気は凝縮器11のプール6に捕
集される。溶融鉛又は溶融亜鉛のプール6中に凝
縮回収された亜鉛は別に鉛に溶融せしめ回収す
る。本凝縮における鉛の操業温度は500〜650℃で
あり、生成ガスは鉛で急冷され凝縮器11の出口
にて約550℃となるが高CO濃度のためその燃焼量
は1000Kcal/Nm3以上を保持する。通常の亜鉛の
熔錬炉から発生する排ガスの燃焼熱量は500〜800
Kcal/Nm3であることから本発明の排ガスは通常
のISP法に比べて高カロリであり、動力発生プラ
ントに利用するのに充分なものとなる。 次に、熔錬装置10における反応を円滑にする
ためにはスラグ中の鉄の還元をひき起さない様に
することが肝要である。 反応生成ガス中のO2ポテンシヤルによつては
スラグ中の鉄が還元され炉鉄を作り操業を困難に
する。 また、ZnO+COZn+CO2の平衡反応におい
てZnの再酸化を起さない様にするため、前述の
ように鉛のスプラツシユコンデンサ又は亜鉛濃度
によつては亜鉛のスプラツシユコンデンサを用い
て亜鉛を凝縮回収する。 次に本発明の実施態様例として第2図に本発明
を中心とした亜鉛製錬法の一貫システムを示す。 本実施態様例において酸素高富化空気(98.4%
O2)使用の場合の精鉱から仕上地金通算のエネル
ギー原単位を示すと次の通りになる。
【表】 上記第5表から明らかなように本発明の熔錬法
はその実質エネルギー原単位が7.9であり、従来
の電解法、電熱法、ISP法、竪型蒸留法のものが
それぞれ9.4、11.1、10.1、11.1であるのに比べて
実質エネルギー原単位が7.9と低く、該15〜30%
エネルギー消費を少なくすることができる。 本発明は上記製錬方法における物質収支、平衡
に達した組成を求め、平衡組成から単位時間毎の
熱精算を行ない熱収支量を計算しこれらを繰返し
計算を行ない求めることによつて理論計算を行な
つた結果見知し、次に示す実施例によつて立証し
たものであり、省エネルギー、省コストの製錬法
として極めて有用なものである。 実施例 熔錬炉として第1図に示す構成のものを用い
た。炉の大きさ等は次の通りである。
【表】 上記炉に亜鉛焼鉱、粉コークスを酸素富化空気
と共に上部のランスから吹込み、亜鉛を還元熔錬
し、鉛のスプラツシユ、コンデンサーの循環鉛中
に捕集回収した。 (イ) 熔錬炉の粗鉛、スラグの量および組成は次の
通りである(wt%)
【表】 (ロ) 装入焼鉱量の量および組成は次の通りである
(wt%)
【表】 上記装入量3000Kg/hは月当り2160tの亜鉛焼
鉱処理量となる。 (ハ) コークス粉の量および組成は次の通りである
(wt%)
【表】 (ニ) また、空気量および他の条件は次表に示す通
りである。 上記熔錬の結果を第6表に示す。また鋼を少
し含有して鉛の含有量の少ない亜鉛精鉱を焙焼
して得られる焼鉱を用いた熔錬例をNo.3に示
す。装入焼鉱の量および組成、熔錬炉内のスラ
グ量組成は次の通りである。 (ホ) 装入焼鉱の組成、量(wt%)
【表】 (ヘ) 熔錬炉のスラグの量、組成(wt%)
【表】 なお、コークスの組成は前記(ハ)と同じであ
る。 上記本発明の実施例に対し、該実施例の酸素高
富化空気に代えて普通空気を用いて熔錬した結果
を比較例として第6表のNo.4〜No.6に示す。 第6表の熔錬成績表に示す如く酸素富化の程度
が大きいほど生成ガス量が少なくしたがつて持去
る顕熱は少なくなる。特に純酸素に近い空気を使
用した実施例No.2においては生成ガスの組成は
Zn11.9%CO70%CO210%であり高濃度の亜鉛を
含むガスが得られ、凝縮の成績も良好であり凝縮
后のガスを持つカロリーも2700Kcal/Nm3と高く
効率良く利用することが可能で、酸素工場の必要
電力(0.5KWH/1Nm3O2)ならびに亜鉛精製工程
の精留炉の熱量を賄つて余りある成績を示してい
る。又鉛の少ない亜鉛焼鉱を吹き込んだNo.3の
例には総合必要エネルギーは6.9106Kcal/tと少な
く更に省エネルギー製錬であることを示してい
る。次に比較例No.4は通常空気を用い空気量を
少くした場合の例であるがこの場合単位時間内に
おけるコークスの燃焼熱が少ないのでコークス量
を増加し熔錬を行なつた場合生成ガス中のO2
テンシヤルが鉄も析出される条件となり還元鉄が
生成され操業が困難となりスラグ中の亜鉛も上昇
し亜鉛の回収率は低下し好ましくない。空気の吹
き込み量が多い比較例No.5の場合は熱バランス
がとれ難く、スラグ相を電極等で加熱してバラン
スしたが、生成ガス中のZn濃度が低いのに反
し、CO2濃度は高く、ドロスの生成が多くなり、
更にキヤリアガス中に鉱石の飛散も認められる。
このため亜鉛の凝縮率も低下し、かつ凝縮後の生
成ガスのカロリーも低くエネルギー源としての利
用は困難であつた。他方、本実施例No.2の場合
には熔錬工程において焼鉱中の鉛は殆んど揮発
し、一部は炉下部の粗鉛中に金、銀、銅と共に捕
集されるが大部分は凝縮工程で回収された。 また、エネルギー消費の割合についてみると、
本実施例のエネルギー原単位は8.9〜9.5(106Kca
l/t)であり、排ガスの熱量を酸素プラントない
し精留工程に燃料として用いる場合には、従来の
製錬法に比べエネルギー原単位が約15〜30%少な
く、割安な製錬法であることが判る。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法を実施する熔錬炉の概略
図、第2図は本発明を適用した亜鉛製錬法の工程
図である。 図面中、1は炉本体、2はスラグ相、3は粗鉛
相、4はタツピング口、5はランス、6はプー
ル、7は供給口、8は排出口、9は撹拌機、10
は熔錬炉、11は凝縮器である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 亜鉛焼鉱を還元剤と共に熔錬し金属亜鉛を回
    収する方法において、予じめ炉内に前記亜鉛焼鉱
    中のFe/SiO2比に近い組成のスラグ相と該スラ
    グ相下部の粗鉛相とからなる溶融浴を形成し、前
    記亜鉛焼鉱と還元剤を酸素高富化空気と共に前記
    溶融浴に接触混合するように吹き込み、Zn蒸
    気、CO、CO2N2等より成る生成ガスを得る一
    方、前記亜鉛焼鉱中の金、銀、銅その他の有価金
    属を前記粗鉛中に捕集する還元熔錬工程と、前記
    還元熔錬工程において生成したガスを溶融鉛又は
    溶融亜鉛の噴霧中に導入せしめ、前記生成ガス中
    のZn蒸気を前記溶融鉛又は溶融亜鉛中に凝縮捕
    集する凝縮工程とから成り、前記還元溶錬工程の
    還元剤としてコークス粉及び/又は粉炭を用いる
    と共に前記還元熔錬工程と連続する凝縮工程にお
    いて金属亜鉛の分離回収と高熱量の排ガスを得る
    ことを特徴とする吹き込み熔錬による亜鉛製錬
    法。
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