JPS6127492Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 この考案は幼児を背負うときに使用する幼児背
負い袋に関するものである。

目 的 この考案の目的は幼児を安全かつ確実に収容支
持することができるとともに、その収容並びに取
り出しが容易で、しかも幼児の年齢に合わせて長
期間使用することができる新規な幼児背負い袋を
提供することにある。

実施例 以下この考案を具体化した一実施例を図面にも
とずいて説明する。第１図に示すように外袋１は
その内部に収容された幼児の胸にあたる前身頃２
と、背に当る後身頃３とからなり、この後身頃３
は前身頃２に対して脹んだ状態にて縫着されてい
る。この外袋１の左右両側縁において上部には腕
通し用の開口４が形成されているとともに、下部
には足通し用の開口５がそれぞれ形成されてい
る。

前記後身頃３の中央部には第１のフアスナー６
が上下方向に設けられており、この第１のフアス
ナー６により外袋１は左右に開閉可能となつてい
る。第２図に示すようにこの第１のフアスナー６
の上端部において後身頃３には、先端にスナツプ
７ａを有する錠止片７がその基端部にて固定され
ており、この錠止片７を第１のフアスナー６を横
切つた状態でスナツプ７ｂにて錠止することによ
り、第１のフアスナー６の閉鎖状態が保持され
る。また、第１図に示すように、後身頃３の上端
衿部９には複数個のタツク８が設けてあり、幼児
の成長に応じてこれ等のタツク８を縫目８ａを解
くことにより、外袋１の衿部９の長さが調整され
る。

一方、外袋１内において前記前身頃２の上部内
側面上にはよだれ当て１０がスナツプ１０ａにて
着脱可能に取着されている。また、このよだれ当
て１０の下方において前身頃２上には内袋１１が
その上部両端にて縫着固定されている。第３図に
示すようにこの内袋１１の下端縁には左右方向に
並設された複数個のスナツプ１２ａからなる係止
部１２が設けられている一方、前身頃２の内側面
にはこの係止部１２と対応するやはり複数のスナ
ツプ１３ａからなる被係止部１３が上下に複数段
設けられており、その係止部１２を内側に折り込
んだ状態でいずれか一つの被係止部１３に選択的
に係止することにより、前記内袋１１の下端部が
前身頃２に対して位置調節可能に着脱されるよう
なつている。

この内袋１１の背部中央には第２のフアスナー
１４が上下方向に設けられており、この第２のフ
アスナー１４により内袋１１は左右に開閉可能と
なつている。また、内袋１１の左右両側には足通
し用の開口１５がそれぞれ形成されるとともに、
その上端衿部１７には複数個のタツク１６が設け
られている。そして、前記外袋１のタツク８と同
様、これ等のタツク１６の縫目１６ａを解くこと
により、内袋１１の衿部１７の長さが調整され
る。

第１図に示すように、この幼児背負い袋の外袋
１においてその上端縁には左右一対の上部肩ベル
ト１８が形成されるとともに、その中央部には左
右一対の下部肩ベルト１９が設けられている。こ
の上部肩ベルト１８の先端部には掛止孔２１ａを
有する鉤状の被掛止部材２１が固定されるととも
に、肩パツト２２が連結されている。この肩パツ
ト２２は内部に緩衝材（図示しない）を備え、そ
の外面には下部肩ベルト１９の先端部を挿通支持
する支持輪２２ａが形成されている。

また、下部肩ベルト１９上にはバツクル２３が
移動可能に挿通支持され、このバツクル２３には
前記被掛止部材２１の掛止孔２１ａ内に嵌入掛止
されるＴ字状の掛止部２４が一体形成されてい
る。そして、この掛止部２４と被掛止部材２１と
の掛止により、上部肩ベルト１８と下部肩ベルト
１９とが互いに連結されて第６図に示すような左
右一対の肩ベルト２５が構成され、この両肩ベル
ト２５にてこの背負い袋が使用者の胸または背に
て支持される。

さらに、外袋１の下端部には左右一対の腰ベル
ト２６が設けられ、これ等両ベルト２６を使用者
の腰にて結ぶことにより、この背負い袋の下端部
を固定支持するようになつている。

次に、以上のように構成された幼児背負い袋の
使用方法を説明する。

さて、幼児を第１図に示す状態の背負い袋の中
に収容する場合には、第１および第２のフアスナ
ー６，１４を開放して、内袋１１内に赤ん坊をう
つ伏せにして入れる。そして両フアスナー６，１
４を閉鎖するとともに、錠止片７のスナツプ７ａ
を対応するスナツプ７ｂに止めて、第１のフアス
ナー６を閉鎖状態に保持する。すると、第４図に
示すように幼児の口はよだれ当て１０上に位置す
るとともに、幼児の頭部は外袋１の衿部９にて支
持される。

この背負い袋は、内袋１１の上下長さおよび内
外両袋１，１１の衿部９，１７の長さが調節自在
であるため、幼児の月齢または年齢に応じて以下
のように各部を調整すれば新生児から３才児位ま
での幼児を収容することができる。

まず、新生児から２カ月児までの赤ん坊を入れ
る場合には第４図に示すように、内袋１１の係止
部１２の各スナツプ１２ａを最上段の被係止部１
３の各スナツプ１３ａに止め、内袋１１の上下長
さを最短距離にする。そして、２カ月児〜６カ月
児の場合には、赤ん坊の成長に応じて係止部１２
を中段の被係止部１３、最下段の被係止部１３の
順に下げて止めることにより、内袋１１の上下長
さを徐々に長くすれば、まだ首のすわつていない
時期の赤ん坊の頭部を外袋１の衿部９にて確実に
支持することができる。また、赤ん坊の成長に応
じて内袋１１の衿部１７に設けたタツク１６の縫
目１６ａを解き、衿部１７の長さを徐々に大きく
して赤ん坊の腰部を圧迫しないようにする。

つぎに、首がすわるようになつた６〜９カ月児
を収容する場合には、第５図に示すように再び係
止部１２を最上列の被係止部１３に戻して止め
る。こうすれば体重が増えてきたこの頃の赤ん坊
を背中のより高い位置で支持することができるた
め、着用者の負担を軽減することができる。そし
て、外袋１のタツク８の縫目８ａを解き、赤ん坊
の胸囲に応じて衿部９の長さを徐々に長くすれ
ば、無理のない状態で赤ん坊を背負うことができ
る。また、この時期の赤ん坊の両腕は外袋１の腕
通し用開口４からではなく衿部９の上から出すよ
うにする。さらに、内外両袋１，１１のタツク
８，１６のほとんど全てを開放すれば、３才児位
の幼児でも安定した状態で背負うことができる。

次に、以上のようにして幼児を収容したこの背
負い袋の着用方法を説明するが、使用者はその背
負い袋を背中に着用するばかりでなく、胸の前に
着用することもできる。そこで、まず胸の前に着
用する場合ついて説明する。

この場合にはまず、両バツクル２３を移動させ
て、下部肩ベルト１９を適宜の長さに調節する。
そして、第６図に示すように両下部肩ベルト１９
を互いに交差させ、それ等の先端に設けたバツク
ルをパツド２２の支持輪２２ａ内に挿通させる。
そののち、掛止部２４を上部肩ベルト１８に設け
た被係止部材２１の掛止孔２１ａ内に掛止させれ
ば、下部肩ベルト１９は上部肩ベルト１８に連結
される。つぎに、この交差させたままの状態の肩
ベルト２５内に着用者の頭と両腕を通せば、第４
図に示すように背負い袋は着用者の胸の前にて支
持される。最後に両腰ベルト２６を後で結んで着
用を終了する。また、こうした着用方法に限ら
ず、両肩ベルト２５に片腕ずつ交互に通して着用
することもできるし、前もつて胸前に着用したこ
の背負い袋に、あとで赤ん坊を収容することもで
きる。

次に、この背負い袋を使用者の背中に着用する
場合には、前記したと同様にまず下部肩ベルト１
９と上部肩ベルト１８を連結する。ただし、この
場合は両肩ベルト２５は交差させないとともに、
幼児を背中の高い位置にて背負い得るように下部
肩ベルト１９の長さを短かめに調節する。そし
て、両肩ベルト２５内に交互に腕を通して、第５
図に示すように背負つたのち、両肩パツト２２を
適正位置に整えるとともに、両腰ベルト２６を前
で結ぶ。

また、月齢の高い体重の大きな幼児を背負う場
合には、第７図に示すように上下両肩ベルト１
８，１９を分離したままの状態にしておき、両肩
パツト２２にて吊り下げた状態から、着用者の肩
から後ろへ回し背中にのせる。そして、前かがみ
の状態で、前記したように上下両ベルト１８，１
９を互いに連結したのち、腰ベルト２６を結ぶ。

さらに、この背負い袋の中に赤ん坊を収容した
ままで授乳させる場合には、第８図に示すよう
に、片方の肩ベルト２５内に腕を通して、一方の
肩からぶら下げるようにして、両手で赤ん坊を支
持する。そして、下げている肩とは反対側の乳房
を赤ん坊の口にあてがえば、着用者は赤ん坊を背
負つたままの状態で容易に授乳させることができ
る。

こうして、幼児をこの背負い袋の中に収容し、
着用者の胸の前または背中にて背負つていると
き、幼児がむずかつたりして動いても、第１のフ
アスナー６は錠止片７によりその閉鎖状態が確実
に保持されているため、不用意に開放されてしま
うというおそれはなく、安心して背負つているこ
とができる。また、幼児の口は常によだれ当て１
０に当つているため、外袋１の前身頃２や、着用
者の衣服が幼児のよだれで汚れる心配がないとと
もに、そのよだれ当て１０が外袋１に対して着脱
可能となつているため、汚れれば取り外して洗濯
することができる。さらに、幼児が成長してこう
した背負い袋が不要となつた場合には、内袋１１
の足通し用開口１５、外袋１の腕および足通し用
の開口４，５をそれぞれ縫い閉じれば、リユツク
サツクとして使用することもできる。

なお、この考案は前記実施例の構成に限定され
るものではなく、以下のようにして具体化するこ
とも可能である。

(1) 両衿部９，１７に前記実施例のタツクに替え
てゴムベルト等を縫着して、衿部９，１７を長
さ調整可能に構成すること、こうすれば、衿部
の長さの調節がより容易となる。

(2) 外袋１の内または外側面に、おむつ等を収納
するポケツトを設けること。

その他、この考案の趣旨を逸脱しない範囲で各
部の構成や形状を任意に変更して具体化すること
も可能である。

効 果 以上詳述したようにこの考案は、内袋により支
持した幼児をさらに外袋により広い面積で覆つて
幼児を安全かつ確実に収容保護することができる
とともに、内袋及び外袋にそれぞれ設けたフアス
ナーの開閉により幼児の収容並びに取り出しを容
易に行うことができ、しかも、両袋の衿部の長さ
並びに内袋の上下長さを幼児の大きさに合せて適
宜に調整することによりこの背負い袋を長期間使
用することができるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化した一実施例を示す
幼児背負い袋の正面図、第２図および第３図はそ
の要部拡大正面図、第４図〜第８図はその着用状
態を示す説明図である。 外袋……１、腕通し用開口……４、足通し用開
口……５、第１のフアスナー……６、タツク……
８，１６、内袋……１１、係止部……１２、被係
止部……１３、第２のフアスナー……１４、足通
し用開口……１５。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 内部に幼児を収容し、上端衿部の長さを調整
   するための調整部８を備えるとともに、幼児の
   手足を出すための開口部４，５を有し、第１の
   フアスナー６により背部において左右に開閉可
   能にした外袋１と、 その外袋１内に設けられ、上端衿部の長さを
   調整するための調整部１６を備えるとともに、
   幼児の足を出すための開口部１５を有し、第２
   のフアスナー１４により背部において左右に開
   閉可能にした幼児を収容支持するための内袋１
   １と、 その内袋１１はその下端部に設けた係止部１
   ２を外袋１の内側面に上下に複数段設けた被係
   止部１３に止めることにより、内袋１１全体の
   上下長さを調節可能であることと、 前記外袋１に設けられ、その外袋１を使用者
   の肩にて支持するための肩ベルト２５と、 前記外袋１に設けられ、腰に巻回するための
   腰ベルト２６と、 からなる幼児背負い袋。 ２ 前記第１のフアスナー６の上端部近傍にはそ
   の閉鎖状態を保持するための錠止手段７が設け
   られていることを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項に記載の幼児背負い袋。 ３ 前記外袋１内にはよだれ当て１０が着脱可能
   に設けられていることを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項または第２項に記載の幼児
   背負い袋。 ４ 前記外袋１の調整部及び内袋１１の調整部は
   それぞれタツク８，１６により構成されている
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項に記載の幼児背負い袋。