JPS6124566B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は薄板等へのドリリング及びねじ込みに
使用されるセルフドリリングスクリユーに関す
る。

従来公知のねじ先端部分を鋭くしたセルフドリ
リングスクリユーでは厚さ１mm以下の薄鋼板に貫
通ねじ込みできる程度に過ぎなかつた。その場合
ねじ先端テーパ部分のねじが尖端に向うに従つて
低くなり、ねじの尖端では高さが零となるため、
薄鋼板の場合には尖端が鋭利であつて高速回転で
ねじ込まれる時の推力によつて尖端が貫通され使
用上問題がないが、厚鋼板にねじ込む場合高速回
転によつて発生する高い摩擦熱のために先端テー
パ部分が崩れたり、ねじ山も崩れて円錐形に変形
するため殆んど貫通できなかつた。ねじの尖端の
ドリリング作用をする部分は角錐状であるか、ド
リル状であつてもねじ転造と同一工程で転造され
えず、ねじ製造工程上不利であると同時に、切削
性能或は切屑除去性能も低く孔あけのために大き
な推力を必要とし、ドリリング工程全体として摩
擦抵抗が非常に大きい。耐摩耗性を高めるために
はねじの表面硬度を高めなければならないが、硬
度を高めればねじ先端テーパ部分がドリリング作
業中に折損し易くなる。ねじ山の崩れはねじ山の
外形寸法及びねじ山の角度にも関係していること
は明らかである。

上記の欠点はねじの外形上の構成即ちドリリン
グ作用をなすねじ先端部分の外形、ねじ山の形
状、並びにドリルポイントの位置及び形状、並び
に硬度等に帰因するものである。従つてねじ先端
部分の一定の外形上並びに硬度等の制限内で所期
の性能を発揮しかつ折損し難いセルフドリリング
スクリユーを形成するためには品質向上のために
選択され、適合した多くの管理工程を必要とす
る。

本願発明は従来技術に伴う欠点を除去し、製造
容易かつ穿孔し、切削性能が優れ、ねじ先端部分
のねじ山、ドリルポイントの損傷の起らないセル
フドリリングスクリユーを創造することを課題と
する。

本願発明の実施例を図面に基いて説明する。

第１図には２条ねじの部分が示されている。二
条ねじは平行部分と先端のテーパ部分とから成
る。ねじ１のねじ山は２、ねじの谷は３で表わさ
れる。一条目のねじ山は４、その先端テーパ部分
に位置する部分を４ａ、二条目のねじ山は５、そ
の先端テパ部分に位置する部分を５ａで表わす。
ねじ先端テーパ部分のねじ谷部を３ａで表わす。
ねじの尖端６の最も近くで終つている一条目のね
じ山４と二条目のねじ山５の尖端６の近くに位置
する範囲４ａ，５ａにそれぞれドリルポイントと
しての突起山７，８が形成されている。突起山
７，８の形状はねじ山のその部分における巾、高
さよりも大きくかつ突起山の角度はねじ山の角度
と略同等に（ねじ山の角度と全く同一かそれより
もやや大きく又は小さく）形成されており、ドリ
ルの切れ刃に相当した切れ刃縁を有する。切れ刃
縁は突起山の稜線によつて形成されることができ
る。突起山は転造ダイスに設けた凹みによつてね
じ山転造と同時に成形される。尚先端テーパ部分
におけるねじ山４ａ，５ａの補強のためにねじ山
４ａ，５ａのねじ山の角度をねじの平行部４，５
におけるねじ山の角度よりも大きく選定すること
ができる。

第２図には１条ねじ１１が示されている。ねじ
山１２のねじ尖端１４の近くのテーパ部分におけ
るねじ山１２ａには尖端近くにドリルの切れ刃に
相当した切れ刃縁を有するドリルポイントとして
の突起山１５が形成されている。

１３はねじの谷、１３ａはねじ尖端１４近くの
テーパ部分におけるねじの谷を示す。突起山１５
の形状はねじ山のその部分における巾、高さより
も大きくかつ突起山の角度は二条ねじの場合（第
１図）と同様に、ねじ山の角度と略同等に形成さ
れている。

２条以上の多条ねじについても突起山の形成は
第１図による実施例の場合に相応して行われるこ
とができる。

本発明によるセルフドリリングスクリユーは次
のように作用する。

第１図による２条ねじ１又は第２図による１条
ねじ１１をスクリユードライバによつて回転力を
与えて薄板にねじ込もうとする場合、ねじ尖端６
が薄板に達すると突起山７，８又は１５によつて
穿孔が開始される。チツプはねじ１又は１１の谷
３ａ，３又は１３ａ，１３を経て排出されて行
く。

次いでねじ１又は１１は続いての回転によつて
ねじ山４ａ，５ａ又は１２ａによつて先に形成さ
れたねじ孔を押し拡げるようにして雌ねじを形成
して行く。

（発明の効果） 本発明によればねじ先端テーパ部分の尖端近く
のねじ山に、その部分のねじ山の巾及び高さより
大きくかつねじ山の角度と略同等な角度を有する
突起山状のドリルポイント部を１条当り１個ねじ
山と共に転造によつて形成したことにより、ねじ
のねじ込みの前に板材の該当部分に下孔を加工す
る必要がなく、強度の大なるねじ先端部分によつ
て穿孔され、続いてより大きな孔径のものが穿孔
されて下孔が形成され最後にねじの平行部分によ
つてねじ切りが行われる。本発明によるセルフド
リリングスクリユーはねじ尖端の崩れ、変形がな
く、板の貫通能力が優れ、一条当り１個のドリル
ポイントによつて穿孔切削するため接触面が小で
摩擦抵抗が小さく、かつチツプの搬出性能がよ
く、また表面硬度をあまり高くしないので折損に
連なる欠点もなく、ドリルポイントはねじ転造の
際型に付設された凹みによつてねじれと同時に転
造されて製造工程が節約され、ドリリング工程全
体として穿孔の推力、摩擦力が小さくドリリング
性能がきわめて高いセルフドリリングスクリユー
が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によりセルフドリリングスクリ
ユーの二条ねじでドリルポイントを一条当り一つ
有するもの、第２図は一条ねじでドリルポイント
を一つ有するものを示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一条又は多条ねじから成るセルフドリリング
   スクリユーにおいて、 ねじ先端テーパ部分の尖端近くのねじ山に、そ
   の部分のねじ山の巾及び高さより大きくかつねじ
   山の角度と略同等な角度を有する突起山状のドリ
   ルポイント部を１条当り１個ねじ山とともに転造
   によつて形成して成ることを特徴とするセルフド
   リリングスクリユー。 ２ 一条又は多条ねじから成るセルフドリリング
   スクリユーにおいて、 ねじ先端テーパ部分の尖端近くのねじ山に、そ
   の部分のねじ山の巾及び高さより大きくかつねじ
   山の角度と略同等な角度を有する突起山状のドリ
   ルポイント部を１条当り１個ねじ山とともに転造
   によつて形成して成り、その際ねじ先端テーパ部
   分のねじ山の角度はねじの平行部分のねじ山の角
   度より大きくされていることを特徴とするセルフ
   ドリリングスクリユー。