JPS61241698A - 原子炉格納容器の可燃性ガス濃度制御装置 - Google Patents
原子炉格納容器の可燃性ガス濃度制御装置Info
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- JPS61241698A JPS61241698A JP60082570A JP8257085A JPS61241698A JP S61241698 A JPS61241698 A JP S61241698A JP 60082570 A JP60082570 A JP 60082570A JP 8257085 A JP8257085 A JP 8257085A JP S61241698 A JPS61241698 A JP S61241698A
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- containment vessel
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
Landscapes
- Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
〔発明の技術分野〕
本発明は原子炉格納容器の可燃性ガス濃度制御装置に関
する。
する。
沸騰水型原子炉(以下BWRという)等の軽水炉では、
冷却材喪失等の事故を想定した場合、冷却材である冷却
水と過熱した燃料被覆管の間に起る水・ジルコニウム反
応及び冷却水の放射線分解によって水素及び酸素の可燃
性ガスが発生する恐れがある。もし、これらのガスの濃
度が可燃限界を越え、何らかの原因によって燃焼が進行
すると原子炉格納容器の健全性に支障をきたす恐れかあ
る□。
冷却材喪失等の事故を想定した場合、冷却材である冷却
水と過熱した燃料被覆管の間に起る水・ジルコニウム反
応及び冷却水の放射線分解によって水素及び酸素の可燃
性ガスが発生する恐れがある。もし、これらのガスの濃
度が可燃限界を越え、何らかの原因によって燃焼が進行
すると原子炉格納容器の健全性に支障をきたす恐れかあ
る□。
BWRの原子炉格納容器、特に、 Mark I (マ
ニツI)及びMark I (マークl)と呼ばれる小
型の原子炉格納容器においては、上記の可燃性ガスの濃
度が、比較的高めになり、かつ、それらの燃焼時におけ
る圧力波の伝播の影響が厳しくなる傾向にある。そこで
従来はこれらのMark I及びMark E型のよう
に小型の原子炉格納容器に対しては゛、原子炉格納容器
内の雰囲気を水素と酸素を反応させる再結合器へ導き、
再結合後再び原子炉格納容器へ環流する可燃性カス濃度
制御装置を設置していた。可燃性ガス濃度制御装置は、
本体である可燃性ガス濃度制御器とこれに接続される配
管等からなっている。
ニツI)及びMark I (マークl)と呼ばれる小
型の原子炉格納容器においては、上記の可燃性ガスの濃
度が、比較的高めになり、かつ、それらの燃焼時におけ
る圧力波の伝播の影響が厳しくなる傾向にある。そこで
従来はこれらのMark I及びMark E型のよう
に小型の原子炉格納容器に対しては゛、原子炉格納容器
内の雰囲気を水素と酸素を反応させる再結合器へ導き、
再結合後再び原子炉格納容器へ環流する可燃性カス濃度
制御装置を設置していた。可燃性ガス濃度制御装置は、
本体である可燃性ガス濃度制御器とこれに接続される配
管等からなっている。
また米国で近年発生したTMI2事故の結果を反映して
上記の可燃性ガス濃度制御装置に加えて、窒素等の不活
性ガスを常時原子炉格納容器内に封入し、相対的に事故
時の酸素ガスの分圧を低下させておくことが上述の小型
原子炉格納容器を保有するBWRプラントに対して、規
制要求として追加されており現実にすでに実施されてい
る。なお、事故時に原子炉格納容器内に放出された放射
性物質は、原子炉格納容器より漏洩しくその蓋は設計漏
洩率以下に制限されている)、例えばBWRプラントの
場合にはさらに2次格納容器(原子炉棟)内に蓄えられ
る。この原子炉棟内の放射性物質がさらに環境中に漏洩
することを防止する目的で非常用カス処理装置が原子炉
棟内に設置されている。
上記の可燃性ガス濃度制御装置に加えて、窒素等の不活
性ガスを常時原子炉格納容器内に封入し、相対的に事故
時の酸素ガスの分圧を低下させておくことが上述の小型
原子炉格納容器を保有するBWRプラントに対して、規
制要求として追加されており現実にすでに実施されてい
る。なお、事故時に原子炉格納容器内に放出された放射
性物質は、原子炉格納容器より漏洩しくその蓋は設計漏
洩率以下に制限されている)、例えばBWRプラントの
場合にはさらに2次格納容器(原子炉棟)内に蓄えられ
る。この原子炉棟内の放射性物質がさらに環境中に漏洩
することを防止する目的で非常用カス処理装置が原子炉
棟内に設置されている。
この非常用ガス処理装置は原子炉棟内の雰囲気を排気フ
ァンにより高性能チャコールフィルターな通してスタッ
ク(排気筒)から高所放出する機能を有する。この装置
により原子炉棟内の圧力は大気よりも負圧に維持される
ため、原子炉棟内の放射性物質が直接環境に漏洩するこ
とのない設計となっている。
ァンにより高性能チャコールフィルターな通してスタッ
ク(排気筒)から高所放出する機能を有する。この装置
により原子炉棟内の圧力は大気よりも負圧に維持される
ため、原子炉棟内の放射性物質が直接環境に漏洩するこ
とのない設計となっている。
前述のようにMark 1及びMark Iと呼ばれる
ような小型の原子炉格納容器を保有するBWRプラント
においては、従来より、可燃性ガス濃度制御系が設置さ
れており、事故後の可燃性ガスの濃度制御が安全に行え
る設計となっていた。しかるに米国におけるTMI 2
事故の発生により、従来、設計基準として考慮していた
、水・ジルコニウム反応割合を大巾に上回る炉心の損傷
が起こり得ることが知れるようになった。このため事故
後原子炉格納容器内に大量の水素が急速に発生する事象
にも対処する必要が生じて来た。その結果、既設の可燃
性ガス一度制御系だけの能力では不十分となり、現在の
Mark I及びMark I等の小型の原子炉格納容
器は通常運転中常時、窒素ガス等の不燃性カスを封入し
不活性化しておくことが義務付け、られるに至っている
。これにより、安全上、事故後ただちに可燃性ガス濃度
制御系を作動させなくともよい設計になっている。即ち
、この意味において、可燃性ガス濃度制御系はその本来
の設置の意味を失うに至った。
ような小型の原子炉格納容器を保有するBWRプラント
においては、従来より、可燃性ガス濃度制御系が設置さ
れており、事故後の可燃性ガスの濃度制御が安全に行え
る設計となっていた。しかるに米国におけるTMI 2
事故の発生により、従来、設計基準として考慮していた
、水・ジルコニウム反応割合を大巾に上回る炉心の損傷
が起こり得ることが知れるようになった。このため事故
後原子炉格納容器内に大量の水素が急速に発生する事象
にも対処する必要が生じて来た。その結果、既設の可燃
性ガス一度制御系だけの能力では不十分となり、現在の
Mark I及びMark I等の小型の原子炉格納容
器は通常運転中常時、窒素ガス等の不燃性カスを封入し
不活性化しておくことが義務付け、られるに至っている
。これにより、安全上、事故後ただちに可燃性ガス濃度
制御系を作動させなくともよい設計になっている。即ち
、この意味において、可燃性ガス濃度制御系はその本来
の設置の意味を失うに至った。
しかし、最初に述べたように、原子炉冷却水が事故時の
放射能によって放射線分解することにより、水素及び酸
素が原子炉格納容器内に発生し、徐々に蓄積される恐れ
がある。この状態を放置するといずれは、原子炉格納容
器内の水素、酸素濃、度が可燃限界を超えて爆発的に燃
焼し、原子炉格納容器の健全性が脅やかされる恐れがあ
る。このような事態に至る日数は、解析条件の設定の仕
方により異なるが、事故後2日から2週間となる。
放射能によって放射線分解することにより、水素及び酸
素が原子炉格納容器内に発生し、徐々に蓄積される恐れ
がある。この状態を放置するといずれは、原子炉格納容
器内の水素、酸素濃、度が可燃限界を超えて爆発的に燃
焼し、原子炉格納容器の健全性が脅やかされる恐れがあ
る。このような事態に至る日数は、解析条件の設定の仕
方により異なるが、事故後2日から2週間となる。
勿論このような事態に至る前に前記の可燃性ガス濃度制
御装置C:より、徐々に蓄積される可燃性ガスの再結合
処理は容量的には十分に可能である。
御装置C:より、徐々に蓄積される可燃性ガスの再結合
処理は容量的には十分に可能である。
しかし、このような目的だけのために、可燃性ガス一度
制御系をプラント内に設置しておくことは。
制御系をプラント内に設置しておくことは。
過剰設計である。何故ならば、可燃性ガス濃度制御系は
本来は原子炉格納容器を不活性化しなくても独自に事故
後の可燃性ガスの処理が行えることを前提にして容量段
重がなされており、かなり容量が大きく、また、安全系
グレードで設!t1シているため、極めて強靭な耐震設
計が施こされ、また、単一故障基準の要求を満たすため
、1プラント内に2基の可燃性カス濃度制御系を設置す
るという冗長設計が行われている。このため、BWRプ
ラントの安全設備の内でもかなり高額の設備である。
本来は原子炉格納容器を不活性化しなくても独自に事故
後の可燃性ガスの処理が行えることを前提にして容量段
重がなされており、かなり容量が大きく、また、安全系
グレードで設!t1シているため、極めて強靭な耐震設
計が施こされ、また、単一故障基準の要求を満たすため
、1プラント内に2基の可燃性カス濃度制御系を設置す
るという冗長設計が行われている。このため、BWRプ
ラントの安全設備の内でもかなり高額の設備である。
又、原子炉格納容器の不活性化に伴いすでに設備費の増
大が発生しており、現行の可燃性ガス濃度制卸系を何ら
かの形で合理化することが、BWRプラントにとって危
急の要求となっている。
大が発生しており、現行の可燃性ガス濃度制卸系を何ら
かの形で合理化することが、BWRプラントにとって危
急の要求となっている。
さらシニ、実際に’I’MI 2事故のような炉心損傷
事故が発生した場合を想定すると、大量の水素の発生に
より事故後の原子炉格納容器の内圧が上昇し、可燃性ガ
ス濃度制御系の設計使用圧力を超えてしまうため、可燃
性ガス濃度制御系の使用が不可能になる恐れがある。
事故が発生した場合を想定すると、大量の水素の発生に
より事故後の原子炉格納容器の内圧が上昇し、可燃性ガ
ス濃度制御系の設計使用圧力を超えてしまうため、可燃
性ガス濃度制御系の使用が不可能になる恐れがある。
また、原子炉格納容器の不活性化に伴い、事故後いくら
可燃性ガス濃度制御系を作動させても、もともと分圧を
低く抑えられていた酸素が、可燃性ガス濃度制御系の作
動に伴い、比較的短期間で可燃限界以下に低下してしま
うため、原子炉格納容器内には、事故時の水・ジルコニ
ウム反応により発生した大量の水素カスが再結合しきれ
ずに残存してしまうことになる。TMI2事故の場合も
そうであったように、事故後1年位経過すると原子炉格
納容器内の放射能が低減するため、炉心の損傷状態を調
査したり、復田や除染作業を行うため、原子炉格納容器
内に立ち入る必要が出てくる。その際、上記のように不
活性化された原子炉格納容器の場合には原子炉格納容器
内に大量の水素ガスが残存している場合があり、これを
そのまま大気中の酸素と接触させると、大爆発による2
次災害を起こしかねない。即ち、ここで述べたような不
活性化した小屋の原子炉格納容器の場合には、事故後長
期間経過して放射能が減衰した場合であっても、原子炉
格納容器内に立ち入り、事故後の処理を行うことが極め
て困難になる恐れがある。このような問題を解決するた
めに、可燃性ガス濃度制御系に酸素ボンベを接続し、原
子炉格納容器内に残存する水素ガスと再結合させ、原子
炉格納容器内にもどす方法がすでに考案されているが、
この方法では現状の可燃性ガス濃度制御系の合理化が全
くできないばかりか、酸素ボンベを大量に供給する必要
があり、かえって複雑な設備となり、信頼性も低下する
。仮にこの方法で酸素ボンベを使わずに自然に得られる
空気を使用することを考えても、不燃性の窒素が空気中
に大量に含まれているため、これを原子炉格納容器の中
に注入することになり、原子炉格納容器の内圧が上昇し
、可燃性ガス濃度制御系の設計使用圧力を超えてしまい
運転不能になってしまう恐れがある。
可燃性ガス濃度制御系を作動させても、もともと分圧を
低く抑えられていた酸素が、可燃性ガス濃度制御系の作
動に伴い、比較的短期間で可燃限界以下に低下してしま
うため、原子炉格納容器内には、事故時の水・ジルコニ
ウム反応により発生した大量の水素カスが再結合しきれ
ずに残存してしまうことになる。TMI2事故の場合も
そうであったように、事故後1年位経過すると原子炉格
納容器内の放射能が低減するため、炉心の損傷状態を調
査したり、復田や除染作業を行うため、原子炉格納容器
内に立ち入る必要が出てくる。その際、上記のように不
活性化された原子炉格納容器の場合には原子炉格納容器
内に大量の水素ガスが残存している場合があり、これを
そのまま大気中の酸素と接触させると、大爆発による2
次災害を起こしかねない。即ち、ここで述べたような不
活性化した小屋の原子炉格納容器の場合には、事故後長
期間経過して放射能が減衰した場合であっても、原子炉
格納容器内に立ち入り、事故後の処理を行うことが極め
て困難になる恐れがある。このような問題を解決するた
めに、可燃性ガス濃度制御系に酸素ボンベを接続し、原
子炉格納容器内に残存する水素ガスと再結合させ、原子
炉格納容器内にもどす方法がすでに考案されているが、
この方法では現状の可燃性ガス濃度制御系の合理化が全
くできないばかりか、酸素ボンベを大量に供給する必要
があり、かえって複雑な設備となり、信頼性も低下する
。仮にこの方法で酸素ボンベを使わずに自然に得られる
空気を使用することを考えても、不燃性の窒素が空気中
に大量に含まれているため、これを原子炉格納容器の中
に注入することになり、原子炉格納容器の内圧が上昇し
、可燃性ガス濃度制御系の設計使用圧力を超えてしまい
運転不能になってしまう恐れがある。
また、事故後の可燃性ガスの濃度制御方式として、従来
の再結合器による方法以外にIGNITER(イグナイ
ター)による方法がある。これはBWRプラントでも比
較的大型な原子炉格納容器であるMa+rk Ifと呼
ばれる型式のもので近年米国等で採用されているもので
ある。イグナイターはいわゆる点火装置であり、事故後
原子炉格納容器内に放出される可燃性ガスに積極的に点
火することにより。
の再結合器による方法以外にIGNITER(イグナイ
ター)による方法がある。これはBWRプラントでも比
較的大型な原子炉格納容器であるMa+rk Ifと呼
ばれる型式のもので近年米国等で採用されているもので
ある。イグナイターはいわゆる点火装置であり、事故後
原子炉格納容器内に放出される可燃性ガスに積極的に点
火することにより。
燃焼させてしまう方法である。この方法は可燃性カスの
濃度が比較的薄い場合には燃焼が穏やかに進行するため
、確かに有効な可燃性ガス濃度制御系となり得るもので
ある。この方法の最大の特色は装置が簡単でコストが著
しく安いということである。この方法は簡便な点火装置
を原子炉格納容器内1;均等に配備し、あとは電源より
若干の電力を供給してやることによって容易に達成され
る。
濃度が比較的薄い場合には燃焼が穏やかに進行するため
、確かに有効な可燃性ガス濃度制御系となり得るもので
ある。この方法の最大の特色は装置が簡単でコストが著
しく安いということである。この方法は簡便な点火装置
を原子炉格納容器内1;均等に配備し、あとは電源より
若干の電力を供給してやることによって容易に達成され
る。
しかしながらこの方法には次のような重大な問題がある
。それは上記のMark I fjIiの原子炉格納容
器のように比較的大型な原子炉格納容器では、運用上格
納容器を不活性化するには、窒素の量も大量に必要とな
るし、不活性化のために要する時間も長期化するため、
不活性化が困峻であり、実際問題としてMarkMmの
原子炉格納容器のような比較的大臘な原子炉格納容器は
規制要求として不活性化を要求されていないし、実施し
ているプラントも全く存在しない。このように不活性化
していない原子炉格納容器に対して現状ではイグナイタ
ーを設置しつつあるが、仮に事故後大量の水素の発生が
あった場合を想定すると、酸素も同様に十分存在する不
活性化されていない原子炉格納容器内でイグナイターに
点火するということは、正に爆発的な燃焼を人為的に発
生させることになり、原子炉格納容器の健全性が脅やか
されることになる。つまり、イグナイターはその使用に
関しては水素、酸素の濃度を十分に確認した上、細心の
注意を払いつつ点火させる必要があり、このままでは安
全上は必ずしも好ましい選択とはなり得ないという問題
点があった。
。それは上記のMark I fjIiの原子炉格納容
器のように比較的大型な原子炉格納容器では、運用上格
納容器を不活性化するには、窒素の量も大量に必要とな
るし、不活性化のために要する時間も長期化するため、
不活性化が困峻であり、実際問題としてMarkMmの
原子炉格納容器のような比較的大臘な原子炉格納容器は
規制要求として不活性化を要求されていないし、実施し
ているプラントも全く存在しない。このように不活性化
していない原子炉格納容器に対して現状ではイグナイタ
ーを設置しつつあるが、仮に事故後大量の水素の発生が
あった場合を想定すると、酸素も同様に十分存在する不
活性化されていない原子炉格納容器内でイグナイターに
点火するということは、正に爆発的な燃焼を人為的に発
生させることになり、原子炉格納容器の健全性が脅やか
されることになる。つまり、イグナイターはその使用に
関しては水素、酸素の濃度を十分に確認した上、細心の
注意を払いつつ点火させる必要があり、このままでは安
全上は必ずしも好ましい選択とはなり得ないという問題
点があった。
本発明の目的は、安全性をそこなうことなく構造が簡単
な、可燃性ガス濃度の制御をおこなうことのできる原子
炉格納容器の可燃性ガス濃度制御装置を提供することに
ある。
な、可燃性ガス濃度の制御をおこなうことのできる原子
炉格納容器の可燃性ガス濃度制御装置を提供することに
ある。
雰囲気が不活性化された原子炉格納容器と、この原子炉
格納容器内に設置されたイグナイターと、上記原子炉格
納容器から導出され可搬式の再結合装置に結合される配
管と、を具備した原子炉格納容器の可燃性ガス濃度制御
装置を提供することにある。また、系外の空気を吸引し
つつ事故後長期間経った時点で原子炉格納容器内の不活
性化された雰囲気を燃焼させた後、フィルターにより放
射能を除去しつつ環境へ放出可能とする可搬式可燃ガス
一度制御装置を提供することにある。
格納容器内に設置されたイグナイターと、上記原子炉格
納容器から導出され可搬式の再結合装置に結合される配
管と、を具備した原子炉格納容器の可燃性ガス濃度制御
装置を提供することにある。また、系外の空気を吸引し
つつ事故後長期間経った時点で原子炉格納容器内の不活
性化された雰囲気を燃焼させた後、フィルターにより放
射能を除去しつつ環境へ放出可能とする可搬式可燃ガス
一度制御装置を提供することにある。
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。第1
図に示すように、原子炉圧力容器1を格納する原子炉格
納容器2があり、この原子炉格納容器2内の雰囲気は不
活性化されている。また、この原子炉格納容器2内には
、可燃性ガスを燃焼させることのできるイグナイター3
が設置されている。原子炉格納容器2はドライウェル2
aとウェットウェル2bとからなり、ウェットウェル2
bにはプール水2cが満されている。原子炉圧力容器1
は圧力容器ペデスタル1aにより支持されている。原子
炉格納容器2は原子炉棟lO内に収納されている。原子
炉格納容器2から導出された配管4は弁4a * 4b
を介し原子炉棟10外に設置された再結合装置9に接続
されている。再結合装置9は上流側から順にブロア6、
再結合器7.冷却器8の順に接続された機器群からなっ
ている。また原子炉棟10から導出された配管11は弁
11mを介し非常用ガス処理装[12に接続され、ブロ
ア13を介し排気塔(スタック)14から環境に開放さ
れている。
図に示すように、原子炉圧力容器1を格納する原子炉格
納容器2があり、この原子炉格納容器2内の雰囲気は不
活性化されている。また、この原子炉格納容器2内には
、可燃性ガスを燃焼させることのできるイグナイター3
が設置されている。原子炉格納容器2はドライウェル2
aとウェットウェル2bとからなり、ウェットウェル2
bにはプール水2cが満されている。原子炉圧力容器1
は圧力容器ペデスタル1aにより支持されている。原子
炉格納容器2は原子炉棟lO内に収納されている。原子
炉格納容器2から導出された配管4は弁4a * 4b
を介し原子炉棟10外に設置された再結合装置9に接続
されている。再結合装置9は上流側から順にブロア6、
再結合器7.冷却器8の順に接続された機器群からなっ
ている。また原子炉棟10から導出された配管11は弁
11mを介し非常用ガス処理装[12に接続され、ブロ
ア13を介し排気塔(スタック)14から環境に開放さ
れている。
再結合装置9から導出された配管15は弁15mを介し
非常用ガス処理装置12に接続される。また、配管5は
一方が系外の空気に開放し、他方は弁5aを介してブロ
ア6の上流に接続されている。なお系外とは原子炉格納
容器の外部の空間を指す。
非常用ガス処理装置12に接続される。また、配管5は
一方が系外の空気に開放し、他方は弁5aを介してブロ
ア6の上流に接続されている。なお系外とは原子炉格納
容器の外部の空間を指す。
なお第1図では再結合器@9を設置した状態を示したが
、再結合装置9は常設である必要はなく可搬式等の形態
で事故後長期間(約1年程度)経って搬入・据付けする
ものであってもよい。
、再結合装置9は常設である必要はなく可搬式等の形態
で事故後長期間(約1年程度)経って搬入・据付けする
ものであってもよい。
以下、本実施例の作用効果を説明する。
冷却材喪失等の事故が発生したと仮定した場合原子炉格
納容器2内の雰囲気は、不活性化されているため仮に設
計基準を越えるような大規□模な水・ジルコニウム反応
がおこり、大量の水素が発生したとしても水素濃度のみ
の増加で、酸素濃度は十分に低いため直ちに可燃限界に
至ることはなく爆燃等により原子炉格納容器2が健全性
をおびやかされることはない。
納容器2内の雰囲気は、不活性化されているため仮に設
計基準を越えるような大規□模な水・ジルコニウム反応
がおこり、大量の水素が発生したとしても水素濃度のみ
の増加で、酸素濃度は十分に低いため直ちに可燃限界に
至ることはなく爆燃等により原子炉格納容器2が健全性
をおびやかされることはない。
その後、水の放射線分解により、徐々に水素・酸素が発
生し、これを放置するといずれは水素・酸素濃度が可燃
限界に達し、原子炉格納容器の健全性が脅かされるが、
本発明の実施例によれば、原子炉格納容器2内に設置さ
れたイグナイタ3によって比較的低濃度のうちに穏やか
にこれらのガスを燃焼させることができる。すなわち、
原子炉圧力容器2が、不活性化されているため、十分に
穏やかな燃焼が得られ、従って、水の放射線分解によっ
て発生する可燃性ガスに対しても、それらの爆発的な燃
焼により原子炉格納容器2の健全性がおびやかされるこ
とはない。第2図は゛、横軸に対数目盛で時間をとり、
縦軸にガスの′濃度(イ)を左つたもので、イグナイタ
を作動させた場合の原子炉格納容器内の水素・酸素一度
゛人、B、C,Dの変化であり、イグナイタの作動によ
り水素は可燃限界Gに到達しないことが示されている。
生し、これを放置するといずれは水素・酸素濃度が可燃
限界に達し、原子炉格納容器の健全性が脅かされるが、
本発明の実施例によれば、原子炉格納容器2内に設置さ
れたイグナイタ3によって比較的低濃度のうちに穏やか
にこれらのガスを燃焼させることができる。すなわち、
原子炉圧力容器2が、不活性化されているため、十分に
穏やかな燃焼が得られ、従って、水の放射線分解によっ
て発生する可燃性ガスに対しても、それらの爆発的な燃
焼により原子炉格納容器2の健全性がおびやかされるこ
とはない。第2図は゛、横軸に対数目盛で時間をとり、
縦軸にガスの′濃度(イ)を左つたもので、イグナイタ
を作動させた場合の原子炉格納容器内の水素・酸素一度
゛人、B、C,Dの変化であり、イグナイタの作動によ
り水素は可燃限界Gに到達しないことが示されている。
以上のように事故後の短期間においては、原子炉格納容
器内の雰囲気の不活性化及びイグナイタの作動により可
燃限界に至ることを防止し、従来の安全系として再結合
器を設置していた場合と比較し七きわめて経済的な手段
によって、原子炉格納容器の鍵全佳を維持することがで
きる。
器内の雰囲気の不活性化及びイグナイタの作動により可
燃限界に至ることを防止し、従来の安全系として再結合
器を設置していた場合と比較し七きわめて経済的な手段
によって、原子炉格納容器の鍵全佳を維持することがで
きる。
一方、事故後長期間(約1年程度)が経過し、放置され
た放射性物質の減衰を待った上で、事故後の復旧や除染
等の処理の目的で、原子炉格納容器内に立入ろうとする
場合、原子炉格納容器内が不活性化されているため原子
炉格納容器内には大量の水素ガスが燃焼できずに残存し
ている。このtま原子炉格納容器を開口すると大気中に
放出されたこの大量の水素ガスが爆発的に燃焼するおそ
れがあり危゛険である。そこで、本実施例では前述のよ
うに可搬式等の形態とした再結合装置9を搬入・据付け
した後、原子炉格納容器2内の雰囲気を吸引し、また、
配管5を逃して系外の空気を吸引して残留水素を燃焼さ
せながら、非常用ガス処理装置11を通して放射性物質
を除去し、環境へ放出することができる。弁5aの開度
により再結合装置it9へ供給される空気の量を制御で
きる。従って、残留水素が直接大量の大気と接触して制
御不能の状態で可燃限界に達するおそれがなく、機器及
び操作員等に対する危険を回避できる。
た放射性物質の減衰を待った上で、事故後の復旧や除染
等の処理の目的で、原子炉格納容器内に立入ろうとする
場合、原子炉格納容器内が不活性化されているため原子
炉格納容器内には大量の水素ガスが燃焼できずに残存し
ている。このtま原子炉格納容器を開口すると大気中に
放出されたこの大量の水素ガスが爆発的に燃焼するおそ
れがあり危゛険である。そこで、本実施例では前述のよ
うに可搬式等の形態とした再結合装置9を搬入・据付け
した後、原子炉格納容器2内の雰囲気を吸引し、また、
配管5を逃して系外の空気を吸引して残留水素を燃焼さ
せながら、非常用ガス処理装置11を通して放射性物質
を除去し、環境へ放出することができる。弁5aの開度
により再結合装置it9へ供給される空気の量を制御で
きる。従って、残留水素が直接大量の大気と接触して制
御不能の状態で可燃限界に達するおそれがなく、機器及
び操作員等に対する危険を回避できる。
また前記再結合装置9は事故後長期間(約1年程度)経
過後の事後処理用としてはじめて必要になるものである
ため、安全系として設計する必要はなく常用系グレード
で設計すれば足りるので耐震設計や冗長設計は必要とは
されない。
過後の事後処理用としてはじめて必要になるものである
ため、安全系として設計する必要はなく常用系グレード
で設計すれば足りるので耐震設計や冗長設計は必要とは
されない。
以上述べたように、本発明の原子炉格納容器の可燃性ガ
スA度制御装置では事故後、短時間のうちに要求される
安全機能に対しては、不活性化とイグナイタという経済
的な手段で安全性をそこなうことなく対処できる。また
、事故後長期間経って原子炉格納容器内の雰囲気放出用
として、我国の中に1〜2台の可徹式の再結合装置を保
有して、事故発生プラントに運搬e搬入して使用するこ
とができる。従って、従来各プラントに常設されていた
可燃性ガス濃度制御装置を事実上プラントから削除した
に等しい効果が得られる。また、本発明の実施例によれ
ば、事故後長期間経って、原子炉格納容器内の雰囲気を
大気中1=安全に放出できるため、事故後のプラント内
への接近可能性が大幅に改善され、プラント復旧や除染
等の事後処理が可能になるという効果が得られる。
スA度制御装置では事故後、短時間のうちに要求される
安全機能に対しては、不活性化とイグナイタという経済
的な手段で安全性をそこなうことなく対処できる。また
、事故後長期間経って原子炉格納容器内の雰囲気放出用
として、我国の中に1〜2台の可徹式の再結合装置を保
有して、事故発生プラントに運搬e搬入して使用するこ
とができる。従って、従来各プラントに常設されていた
可燃性ガス濃度制御装置を事実上プラントから削除した
に等しい効果が得られる。また、本発明の実施例によれ
ば、事故後長期間経って、原子炉格納容器内の雰囲気を
大気中1=安全に放出できるため、事故後のプラント内
への接近可能性が大幅に改善され、プラント復旧や除染
等の事後処理が可能になるという効果が得られる。
安全性をそこなうことなく、事故時における原子炉格納
容器内の可燃性ガス一度制御をおこなうことができる。
容器内の可燃性ガス一度制御をおこなうことができる。
第1図は本発明の一実施例を示す系統図、第2図はイグ
ナイター作動時の水素中酸素濃度の変化を示す図である
。 1・・・原子炉圧力容器 2・・・原子炉格納容器 3・・・イグナイター 4・・・配管 5・・・配管 6・・・プロア 7・・・再結合器 8・・・冷却器 9・・・再結合装置 10・・・原子炉棟 11・・・配管 12°°°非常用ガス処理装置 13・・・プロア 14・・・スタック(排気塔) 代理人 弁理士 則 近 憲 佑 (ほか1名)第1図
ナイター作動時の水素中酸素濃度の変化を示す図である
。 1・・・原子炉圧力容器 2・・・原子炉格納容器 3・・・イグナイター 4・・・配管 5・・・配管 6・・・プロア 7・・・再結合器 8・・・冷却器 9・・・再結合装置 10・・・原子炉棟 11・・・配管 12°°°非常用ガス処理装置 13・・・プロア 14・・・スタック(排気塔) 代理人 弁理士 則 近 憲 佑 (ほか1名)第1図
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 雰囲気が不活性化された原子炉格納容器と、この原子炉
格納容器内に設置されたイグナイターと、上記原子炉格
納容器から導出され可搬式の再結合装置に結合される第
1の配管と、この第1の配管に一端が接続され他端は空
気を吸入出来る空間に開口してなる第2の配管を具備し
てなることを特徴とする原子炉格納容器の可燃性ガス濃
度制御装置。 (2)第2の配管は一端を可搬式の再結合装置に接続さ
れ、他端は空気を吸入出来る空間に開口してなることを
特徴とする特許請求の範囲第1項記載の原子炉格納容器
の可燃性ガス濃度制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60082570A JPS61241698A (ja) | 1985-04-19 | 1985-04-19 | 原子炉格納容器の可燃性ガス濃度制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60082570A JPS61241698A (ja) | 1985-04-19 | 1985-04-19 | 原子炉格納容器の可燃性ガス濃度制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61241698A true JPS61241698A (ja) | 1986-10-27 |
Family
ID=13778144
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60082570A Pending JPS61241698A (ja) | 1985-04-19 | 1985-04-19 | 原子炉格納容器の可燃性ガス濃度制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61241698A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007010457A (ja) * | 2005-06-30 | 2007-01-18 | Toshiba Corp | 原子炉格納容器および沸騰水型原子力プラント |
JP2014115207A (ja) * | 2012-12-11 | 2014-06-26 | Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd | 原子炉建屋水素除去設備 |
-
1985
- 1985-04-19 JP JP60082570A patent/JPS61241698A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007010457A (ja) * | 2005-06-30 | 2007-01-18 | Toshiba Corp | 原子炉格納容器および沸騰水型原子力プラント |
US9318225B2 (en) | 2005-06-30 | 2016-04-19 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Reactor containment vessel and boiling water reactor power plant |
JP2014115207A (ja) * | 2012-12-11 | 2014-06-26 | Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd | 原子炉建屋水素除去設備 |
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