JPS6122919Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、主として、織布、フイルム或は紙
等の長尺生地を走行させて、染色・乾燥・捲取り
等の諸処理を行なう際に、該走行生地の偏位蛇行
を自動的に修正するため、その走行移送経路中に
装設される蛇行修正装置の改良に関するものであ
る。

ところで、従来のこの種装置は、走行生地のガ
イド用回転ロールと、非回転テンシヨンバーとを
平行に架設したフレームを、該フレームの中間部
を支点として左右方向へ回動可能となるように設
けており、例えば、捲取用ロールによつて強制的
に走行移送される生地が、上記回転ロールとテン
シヨンバーとの間を該テンシヨンバーによるテン
シヨン作用を受けながら通過し得るように設けら
れている。従つて、上記走行生地が該生地の移送
方向に対して左右いずれかの方向へ偏位蛇行した
場合は、上記テンシヨンバーと該生地間の摩擦力
がフレーム回動支点の左右位置で異なることとな
る結果、該摩擦力が大となる側が移送方向へ回動
する。ところが、走行生地に対しては上記した捲
取ロール等による引張力が常時加えられているか
ら、該生地は回転ロールの長芯に対して直交する
方向へ走行しようとして、上記フレームを生地の
移送方向と直交する元の適正位置まで反対回動す
るように作用する。即ち、上記装置を通過する走
行生地が偏位蛇行した場合は、フレームが左右方
向へ回動することによつて、該生地を、その左右
幅中心とフレーム支点とが合致し、且つ該生地の
移送方向と回転ロールの長芯とが直交する適正位
置へ自動的に修正することになるのである。

然して、走行生地の移送速度が速くなるに伴
い、該生地の偏位蛇行に基づく上述したフレーム
の回動作用と、該フレームを適正位置へ復動させ
る蛇行修正作用とが該装置の慣性とも相俟つて急
激に行なわれて、所謂ハンチング現象を生じ、こ
のため、偏位蛇行した走行生地を適正位置に修正
することが困難となり、遂には上述した蛇行修正
機能を喪失するに至るといつた重大な欠点を有す
るものであつた。

この考案は、上述したような従来の欠点に鑑み
て、走行生地の移送速度が増速された場合におい
ても、ハンチング現象が発生しないように構成し
て、走行生地の蛇行修正を自動的に、且つ確実に
行ない得るようにした走行生地の蛇行修正装置の
改良に関するものであり、以下これを図に示す実
施例について説明する。

図において、Ａは走行生地Ｂの走行移送経路中
に装設された該生地の蛇行修正装置であり、該装
置は、捲取機等の機体Ｃ側に対して固定させる基
台１と、該基台上に設けられた長尺状のフレーム
２と、該フレーム両端のサイドフレーム３・３間
に設けられた走行生地Ｂのガイド用回転ロール
４・４及び該回転ロール間に設けられた非回転テ
ンシヨンバー５と、上記基台１とフレーム２との
間に介在された緩衝機構６とから構成されてい
る。然して、上記フレーム２は、該フレームの中
間部と基台１上との間に設けられた適当な軸受７
を介して、該軸支点を中心として左右方向へ回動
可能とされている。また、サイドフレーム３・３
間に設けられたロール４・４及びテンシヨンバー
５は相互に平行する方向として軸支及び固定され
ると共に、該テンシヨンバーは両サイドフレーム
に穿設した長孔３a′の範囲内において移動可能と
されており、従つて、該テンシヨンバーの固定位
置を変更することによつて、第３図に示すよう
に、ロール４とテンシヨンバー５との間を通過す
るように捲き掛けた走行生地Ｂに対するテンシヨ
ン作用の微調整を任意に行ない得るのである。更
に、緩衝機構６は、ピストンロツド８ａを有する
ピストン８と、該ピストンを内装した複動型シリ
ンダー９と、該シリンダーの両側部内を連通させ
る流体通路１０と、該通路中に配設した二個の流
量制御弁１１・１２とから構成されると共に、上
記シリンダー９の一端部側は前記フレーム２から
突設したリンク１３と適当な軸杆１４とを介して
左右方向へ回動可能に軸支されており、また、上
記ピストンロツド８ａの端部は前記基台１側に立
設した適当な軸杆１５に対して左右方向へ回動可
能に軸支されている。更に、上記流量制御弁１
１・１２は、第４図に示すように、流量通路１０
上に設けた可変型絞り弁１１ａ・１２ａと、該絞
り弁の迂回通路１０ａ上に設けられると共に、シ
リンダー９内への流体侵入のみが可能とされた逆
止弁１１ｂ・１２ｂとから構成されている。従つ
て、ピストン８によつて押し出された流体１６
は、絞り弁１１ａ・１２ａのみを通してシリンダ
ー９の他方側へ移動されることとなるのである。

なお、上記した緩衝機構６は空気圧若しくは油
圧を利用したものを図示したが、例えば、ゴム或
いはスプリング等の弾性を利用した他の適当な緩
衝器を介在させるようにしてもよい。

以下、本考案装置における蛇行修正作用を説明
すると、第３図に示すように、走行生地Ｂがロー
ル４とテンシヨンバー５との間を通過するように
捲き掛けられると共に、捲取器における捲取用ロ
ーラ等によつて強制的に、且つ比較的遅い移送速
度によつて走行移送されている場合は、前述した
従来装置における修正作用と同様の作用を行な
う。

即ち、比較的遅い移送速度の場合は、走行生地
Ｂが蛇行すると、フレーム２は該フレームの中間
部を支点として左右方向へ回動されると共に、元
の適正位置への復動が行なわれる。然して、この
とき、シリンダー９はフレーム２の回動及び復動
に伴つて同様に左右方向へ回動されるため、これ
によりピストン８はシリンダー９内を相対的に移
動して、該シリンダー内の流体１６を比較的小さ
な加圧力に押し出すことになるから、結局、絞り
弁１１ａ，１２ａの抵抗は小さく、流体１６は通
路１０・絞り弁１１ａ，１２ａ・逆止弁１２ｂ，
１１ｂを夫々通して容易に他方側へ移動して、フ
レーム２の上記回動・復動を妨げることなく、従
つて、走行生地Ｂに対する自動的な蛇行修正作用
が行なわれるのである。

また、走行生地Ｂが高速移送される場合におい
て偏位蛇行したときは、前述したようにフレーム
２に対する上記回動・復動が急激に行なわれよう
とするが、このとき、シリンダー９内の流体１６
は相対的移動するピストン８による大きな加圧力
にて押し出されることとなるから、結局、絞り弁
１１ａ，１２ａの抵抗が大となつて流体１６の移
動が困難となり、従つて、フレーム２の上記回
動・復動は緩やかに行なわれるのであつて、この
ことは、走行生地Ｂに対する蛇行修正作用を、上
述した低速移送の場合と同様に、自動的に、且つ
円滑確実に行なうこととなるのである。

以上、要するに、本考案装置は、走行生地のガ
イド用回転ロール及び非回転テンシヨンバーを平
行に架設したフレームの中間部を、走行生地の蛇
行作用により回動可能に軸支すると共に、基台と
フレームとの間に該フレームの回動・復動を緩や
かに行なわせるための緩衝機構を介在させたもの
であるから、このような本考案装置によれば、走
行生地の低速或は高速移送のいずれの場合におい
ても、該生地の偏位蛇行時における修正作用を自
動的に且つより円滑確実に行ない得ると共に、ガ
イド用回転ロールとテンシヨンバーを架設したフ
レームの回動を走行生地の蛇行作用により行なう
ように構成したので、フレーム回動用の動力源を
全く必要としないといつた極めて実用的な効果を
奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案装置の実施例を示すもので、第１図
は該装置の一部切欠平面図、第２図はその正面
図、第３図は第１図−線における拡大断面
図、第４図は緩衝機構の作用説明図である。 Ａ……蛇行修正装置、Ｂ……走行生地、１……
基台、２……フレーム、４……回転ロール、５…
…テンシヨンバー、６……緩衝機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行生地のガイド用回転ロール及び非回転テン
   シヨンバーを平行に架設したフレームの中間部
   を、走行生地の蛇行作用により回動可能に軸支す
   ると共に、基台とフレームとの間に該フレームの
   回動・復動を緩やかに行なわせるための緩衝機構
   を介在させたことを特徴とする走行生地の蛇行修
   正装置。