JPS6121817B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電子装置を構成する１個または複数個
の電子部品をケースに入れてケース内に樹脂を充
填することにより電子部品を樹脂でモールドする
方法に関するものである。

内燃機関用点火装置の制御回路ユニツトや、内
燃機関により駆動される発電機の電圧調整器のよ
うに耐候性を要求される電子装置においては、装
置を構成する電子部品を基板等に取付けた後樹脂
等からなるケースに入れ、このケース内にエポキ
シ等の樹脂液を注入して硬化させることにより電
子部品の絶縁及び保護と、位置決め固定とを図つ
ている。この場合、ケース内に充填する樹脂の量
が多すぎるとケースから樹脂が流出してケース外
面が樹脂で汚れることになり、また樹脂の量が少
なすぎると絶縁を十分に図ることができなくな
る。したがつて充填する樹脂の量を正確に規制す
る必要があり、従来は目視により樹脂量を規制す
る方法と、ピストン式等の定量充填器を用いて常
に定量の樹脂を充填することを意図した方法とが
行なわれている。しかし前者の方法では作業者の
個人差により製品のバラツキが生じるだけでな
く、各ケース毎にいちいち樹脂の充填量を確認す
る必要があるため大量生産に不向である。また後
者の方法では電子部品の大きさのバラツキに対し
て樹脂の充填量を補正することができない。更
に、一般に樹脂液の粘度は温度によつて変動し、
樹脂液の粘度が変動すると、定量充填器の流出パ
イプ等の内部に残る樹脂の残渣の量が変化するた
め、定量充填器を用いても常に定量の樹脂を充填
できるとは限らず、充填量にバラツキが生じるの
を避けられない。

本発明の目的は、常にケース内の規定レベルま
で樹脂を充填できるようにして均一な製品を大量
生産し得るようにした電子部品の樹脂モールド方
法を提供することにある。

以下図面を参照して本発明の方法を詳細に説明
する。

第１図及び第２図は電子部品（図示せず。）を
収納するケース１の一例を示したもので、このケ
ース１は樹脂からなる箱形のケース本体１ａとケ
ース本体１ａの開口端から外方に突出する略三角
形状の張出部１ｂ，１ｂとからなり、張出部１
ｂ，１ｂにはそれぞれ電子部品を収納したケース
１を所定の個所に取付ける際にビス等を貫通させ
る取付孔１ｃ，１ｃが設けられている。ケース１
には、このケース内に充填する樹脂２の上面２ａ
の規定レベルに相当する位置にケース内及びケー
スの開口端側に開口する切欠部３が形成されてい
る。この切欠部３の底面３ａは、ケース１をその
開口端を上向きにして水平に配置した際に水平に
なるように設けられており、この底面３ａが樹脂
で覆われた状態で樹脂の量が規定量に達するよう
に切欠部３の位置が定められいる。図示の例では
この切欠部３がケース１の側壁の開口端に接近し
た位置に設けられている。

第３図は上記ケース１を用いて本発明の方法を
実施している状態を概略的に示したもので、同図
において４は切欠部３の底面３ａに光ビーム５を
照射する投光器、６は切欠部３の底面３ａで反射
した投光器４からの光７を受光して電気信号に変
換する受光器であり、投光器４及び受光器６によ
り切欠部３の状態を検出する光電検出器が構成さ
れている。受光器６は切欠部３の底面からの反射
光を受光するレンズ系、レンズ系を通して受光さ
れた光の光量を電気信号に変換する光電変換器と
からなり、受光器６から得られる電気信号はケー
ス１内に樹脂を充填する樹脂充填ポンプ８の起
動、停止を制御する制御回路９に入力されてい
る。

本発明の方法を実施するには、先ずケース１内
に点火装置や電気調整器等の電子装置の全部また
は一部の回路を構成するように接続された電子部
品を収納し、この電子部品を収納したケース１を
樹脂充填位置に位置決めする。このようにケース
１を位置決めしたときに第３図に示したように投
光器４が切欠部３に光ビームを照射し、受光器６
が切欠部３からの反射光を受光するように投光器
４及び受光器６の指向位置を定めておく。ケース
１を樹脂充填位置に位置決めした後、樹脂充填ポ
ンプ８を動作させ樹脂液をケース１内に充填す
る。この樹脂充填ポンプ８の運転開始は、例えば
ケース１の位置決め完了を光電スイツチやリミツ
トスイツチ等を用いた位置センサにより検知し
て、このセンサの出力を制御回路９に入力するこ
とにより自動的に行なわせることができる。ケー
ス１内の樹脂の上面レベルが上昇し、切欠部３の
底面３ａが樹脂で覆われるとこの底面３ａでの反
射光の光量またはスペクトル分布が変るため受光
器６の出力信号が変化する。制御回路９はこの出
力信号の変化を検知してポンプ８を停止させる。

このようにケース内の樹脂の上面のレベルが規
定レベルに達したことを検知して樹脂充填ポンプ
を停止させるようにすると、ケース内に収納され
る電子部品の寸法にバラツキがあつても常に正確
に規定レベルまで樹脂を充填することができる。
また目視によらないので作業者の個人差によるバ
ラツキをなくし、均一な品質を得ることができ
る。

上記実施例では投光器４と受光器６とにより光
電検出器を構成したが、ケース内に充填される樹
脂液の温度が或程度高い場合には、受光器６とし
て赤外線を電気信号に変換する赤外線検出器を用
いることにより投光器を省略できる。この場合、
ケース１の色と樹脂２の色とを異ならせておく必
要がある。

以上のように、本発明によれば、ケース内に充
填される樹脂の上面の高さが規定レベルに達した
ときに樹脂充填ポンプを自動的に停止させるた
め、常に正確に規定レベルまで樹脂を充填でき、
均一な品質の製品を大量生産することができる。
また樹脂の充填量を計量する必要がないため機械
動作部の構造を単純にすることができ、装置の信
頼性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の方法により樹脂が充填された
電子部品収納ケースの一例を示す上面図、第２図
は第１図の−線断面図、第３図は本発明の方
法を実施している状態を示す説明図である。 １……ケース、２……樹脂、３……切欠部、３
ａ……切欠部の底面、４……投光器、６……受光
器、８……樹脂充填ポンプ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一端が開口したケース内に電子部品を収納
   し、前記ケース内に樹脂を充填することにより前
   記電子部品をモールドする樹脂モールド方法にお
   いて、前記ケースの充填される樹脂の上面の規定
   レベルに相当する位置にケース内及び該ケースの
   開口端側に開口する切欠部を設けておき、前記ケ
   ースの切欠部の状態を光電検出器で検出しながら
   樹脂充填ポンプを駆動して前記ケース内に樹脂を
   注入し、前記光電検出器により前記切欠部が樹脂
   で覆われたことが検出されたときに前記樹脂充填
   ポンプを停止させることを特徴とする電子部品の
   樹脂モールド方法。 ２ 前記ケースの色と前記樹脂の色とを異ならせ
   ておき、前記光電検出器として赤外線を電気信号
   に変換する赤外線検出器を用いることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項に記載の電子部品の樹脂
   モールド方法。 ３ 前記光電検出器を、前記切欠部に光を照射す
   る投光器と該切欠部からの反射光を受光して電気
   信号に変換する受光器とにより構成することを特
   徴とする特許請求の範囲第１項に記載の電子部品
   の樹脂モールド方法。