JPS6120632Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は本考案は大正琴のフレツド板に関す
るものである。

従来のフレツド板は主板の長手方向と直角に溝
を形成し、フレツド線となる細片を溝に打込んだ
ものであるが、この細片を全て平らに平均して溝
に打込むことは仲々むづかしく、仕上りに凹凸の
不揃いが生じる。この不揃いにより発音上次の問
題点が発生する。

即ち、或るフレツド線が高いと絃を弾いたと
き、絃の振幅によつて絃がフレツド線に接触し、
「びゝり音」が出る。又低い場合は絃を弾いたと
き絃の振幅により絃がフレツド線に接触し、やは
り「びゝり音」が出る。

本考案は前記従来の欠点を解消することを目的
として考案されたものである。

本考案は細長い主板１に長手方向と直角に所定
の間隔を存して幅の広い溝状凹部２，２……を形
成し、該溝状凹部の端縁３を互いに一直線上に揃
うフレツド線となした大正琴のフレツド板の構造
を要旨とするものである。

尚幅広い溝状凹部２は第２図及び第３図に示す
ように形に限らず、第４図及び第５図のように
ラチエツト歯状に成形しても良く、又第６図、第
７図に表わしたように板金のプレス加工により
形断面の主板１に形の凹部２を設けても差支え
ない。そしてフレツド線となる端縁３は絃４の切
断を防ぐため尖鋭になるのをさけ、出来るだけ丸
味を及びさせることが望ましく、更に第２図に示
すように金属の摩耗防止片５を埋込んでも良い。

その場合は金属片５が入る溝を予じめ端縁部に
形成して置き、この溝に金属片５を嵌め、金属片
の上面を面一に削り落すことにより形成する。図
中６は駒、７はレバー、８はその押ボタン、９は
絃巻き器、１０は大正琴本体である。

本考案は以上のように主板１に幅広い溝状の凹
部２を形成することにより、該凹部によつて生じ
た端縁３がフレツド線となるため、従来のように
不揃いになるおそれは全くなく、全部のフレツド
線の高さが皆一様になる。従つて「びゝり音」は
発生しない効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案案に係るフレツド板を用いた大
正琴の斜視図、第２図は本考案のフレツド板の第
一の実施例を示す斜視図、第３図は側面図、第４
図は第２実施例の斜視図、第５図は側面図、第６
図は第３実施例の斜視図、第７図は同じく一部の
縦断側面図である。 １……主板、２……溝状凹部、３……端縁（フ
レツド線）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 細長い主板１の長手方向と直角に所定の間隔を
   存して幅の広い溝状凹部２，２……を形成し、該
   溝状凹部の端縁３を互いに一直線上に揃うフレツ
   ド線となした大正琴のフレツド板。