JPS6116882Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はパイプミルによりパイプを製造する場
合に発生するスラスト荷重を受けるスラストブロ
ツクに関する。

マンネスマン管回転圧延機によつてパイプを製
造する場合には、パイプミル出側にプラグを配設
し、ミルワークロールでねじられて高速度、で回
転しつつ送られてきたビレツトに前記プラグによ
つて穿孔を設け、パイプとしているが、プラグは
ビレツトの摩擦により高速で回転し、従つてプラ
グを支持しているバーも高速で回転する。又ビレ
ツトはねじられつつ推進力を与えられるから、プ
ラグ及びバーにはスラスト荷重が負荷される。

そこで、前記バーの回転及びスラスト荷重を受
けるために、従来からスラスト軸受を装着したス
ラストブロツクが使用され、バーの反プラグ側端
部はスラストブロツクにより支持するようにして
いる。しかしてバーはプラグを介しプラグ側端部
から回転させられるため起動時に大きなねじりを
受け、円滑に回転できない結果切損するおそれが
あり、又穿孔を行ないパイプが外周に嵌合した状
態のバーをライン外へ排出する際、スラストブロ
ツクをワイヤーで引張り走行させてパイプ軸線方
向へ移動させていたため、迅速な移動を行うこと
ができず、従つて生産能率の低下をきたしてい
る。

本考案は従来装置が有する前述の欠点を除去す
ることを目的としてなしたもので、バーのスラス
ト荷重を支持し得るようにした軸を、パイプ移動
方向と平行な方向に移動し得るように配設したフ
レームに取付け、前記軸を回転させる原動機を前
記フレームに配設し、前記フレームに一端を枢着
した連桿をパイプ移動方向下流側へ向けて延ば
し、パイプ移動方向と平行な方向に対して位置調
整可能に配設したフレームにクランク軸を回転可
能に支持せしめ、該クランク軸に、他端が前記連
桿の他端に枢着させ且つ連桿を回動させるクラン
クの一端を固着したことを特徴とするものであ
る。

以下本考案の実施例を図面に基いて説明する。
パイプ移動方向と平行な方向に延びるフレーム１
上に該フレーム１の長手方向へ移動し得るフレー
ム２を配設し、該フレーム２の中空部に軸線がパ
イプ移動方向と平行な方向に向いたラジアル軸受
３及びスラスト軸受４を嵌合せしめ、該ラジアル
軸受３及びスラスト軸受４に軸５を嵌合し、該軸
５の一端に図示してないプラグを取付けたバーＢ
を支持するスラストブロツク本体６を着脱可能に
取付け、前記軸５の他端にベルト車７を固着し、
該ベルト車７とフレーム２上に配設した原動機８
出力軸に固着したベルト車９との間にエンドレス
状のベルト１０を掛け渡してバーＢに補助動力を
伝達し得るよう構成し、スラストブロツク本体６
よりもパイプ移動方向に対して上流側（第１図で
スラストブロツク本体６よりも左側）の位置とな
るようフレーム２にバー支持材１１を固着し、フ
レーム２上に配設したブラケツト１２にバー支持
アーム１３を枢着し、フレーム２に後端を枢着し
た流体圧シリンダ１４のロツド先端を前記バー支
持アーム１３に枢着して該バー支持アーム１３を
回動し得るよう構成する。

フレーム２の後端（ベルト車側）に取付けたブ
ラケルト１５に、パイプ移動方向に対し下流側
（第１図右方向）に延びる連桿１６を軸１７を介
して枢着し、連桿１６の後端に軸１８を枢着して
該軸１８の両端にパイプ移動方向に対し上流側方
向に延びるクランク１９の一端を枢着し、フレー
ム１の後方にジヤツキ２０によつてパイプ移動方
向と平行な方向に対して位置調整可能なフレーム
２１を配設し、該フレーム２１に第３図に示すご
とく軸受２２を装着し、該軸受２２に、前記クラ
ンク１９の他端に固着した軸２３を嵌合せしめ
る。クランク軸２３の一端にピニオン２４を固着
し、フレーム２１のピニオン２４を収納した側の
上部に蓋２５を取付け、該蓋２５の裏側にパイプ
移動方向と平行な方向に延びるラツク２６を緩嵌
合せしめ、該ラツク２６と前記ピニオン２４とを
噛合せしめ、ラツク２６の後端に、フレーム２１
に取付けられ軸線がパイプ移動方向と平行な方向
に延びる流体圧シリンダ２７のロツド先端を枢着
する。

パイプ製造時には、バーＢの後端をスラストブ
ロツク本体６で押え、ミルワークロールによりビ
リツトに回転と推進力を与え、プラグによりビレ
ツトへ穿孔を開始する。そうするとプラグも回転
を始めるので、その寸前に所要の手段で信号を原
動機８に送り、該原動機８を駆動して軸５を回転
させ、バーＢに後側からも回転力を与える。従つ
て穿孔を開始するときの不安定な状態でプラグが
回転するのをバーにより拘束することを防止して
いる。又バーのスラスト荷重は主としてスラスト
軸受４によつて支承される。

ビレツトの穿孔が終了するとビレツトはバーＢ
の外周に嵌合したパイプになる。そこで原動機８
を停止し、流体圧シリンダ２７に圧油を供給し、
ラツク２６を移動させてピニオン２４を回転さ
せ、しかしてクランク１９をクランク軸２３を中
心に第１図で見て時計方向に回転させ、連桿１６
を引張つてフレーム２を第１図の位置へ移動させ
る（圧延中フレーム２は第１図で見て左方へ位置
している。）。バーＢはバー支持材１１及びバー支
持アーム１３によつて溝の部分が挾まれているた
め、フレーム２と共に第１図の位置まで移動す
る。

フレーム２及びバーＢが第１図に示す位置まで
移動したら、流体圧シリンダ１４によりバー支持
アーム１３を上方へ回転させ、図示してない装置
によりバーＢをパイプと共にライン外へ出し、し
かる後流体圧シリンダ２７を逆に作動させてフレ
ーム２をもとの位置へ戻す。

なお本考案は前述の実施例に限定されるもので
はなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内で種種
変更を加え得ることは勿論である。

本考案のパイプミル用スラストブロツクは、補
助的な原動機によりバーのスラスト荷重を支持す
る軸を回転させるようにしているためバーが円滑
に回転し、従つてバーが切損するおそれがなく、
又スラストブロツクはクランク軸により回転する
クランクにより移動させられるため、移動が迅速
であり、従つて生産能率が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のパイプミル用スラストブロツ
クの側面図、第２図は第１図の平面図、第３図は
本考案のパイプミル用スラストブロツクのピニオ
ン取付部の縦断面図、第４図は本考案のパイプミ
ル用スラストブロツクのラツク及びピニオン部の
詳細図である。 図中２はフレーム、４はスラスト軸受、５は
軸、６はスラストブロツク本体、７，９はベルト
車、８は原動機、１０はベルト、１６は連桿、１
９はクランク、２４はピニオン、２６はラツク、
２７は流体圧シリンダを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バーのスラスト荷重を支持し得るようにした軸
   を、パイプ移動方向と平行な方向に移動し得るよ
   うに配設したフレームに取付け、前記軸を回転さ
   せる原動機を前記フレームに配設し、前記フレー
   ムに一端を枢着した連桿をパイプ移動方向下流側
   へ向けて延ばし、パイプ移動方向と平行な方向に
   対して位置調整可能に配設したフレームにクラン
   ク軸を回転可能に支持せしめ、該クランク軸に、
   他端が前記連桿の他端に枢着され且つ連桿を回動
   させるクランクの一端を固着したことを特徴とす
   るパイプミル用スラストブロツク。