JPS6115220Y2

JPS6115220Y2 -

Info

Publication number: JPS6115220Y2
Application number: JP13281481U
Authority: JP
Priority date: 1981-09-07
Filing date: 1981-09-07
Publication date: 1986-05-12
Also published as: JPS5844436U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、混合気の入口通路部の片側面に下向
きの傾斜壁面を設けたヘリカルポートタイプの内
燃機関の吸気ポートに関するものである。

内燃機関において燃焼改善を行なう場合、混合
気をヘリカルポートタイプの吸気ポートから燃焼
室内に周方向に向けて吸入せしめることにより、
燃焼室内に吸気スワールを発生させると良いこと
が知られている。斯る吸気スワールは大きいほど
火炎伝播速度が向上するので、吸気スワールをで
きるだけ大きくするのが望しい。この要望を満足
させるには、吸気ポートを細くすればよいが、こ
の場合には吸気効率が低下するものであり、逆に
吸気効率を向上させるために吸気ポートを大きく
した場合には、吸気スワールが小さくなるという
問題があつた。

本考案は、斯る問題を解消した内燃機関の吸気
ポートを提供することを目的とするもので、入口
吸気通路部の片側面に下向き傾斜面を設けたヘリ
カルポートタイプの吸気ポートにおいて、前記傾
斜壁面と入口通路部の上壁面との交線の延長線
が、吸気バルブのバルブステム外径内を通る様に
設定することにより、吸気ポートを大巾に細くす
ることなしに吸気スワールを大きくできる様にす
ると共に、吸気効率の低下を防止可能としたこと
を特徴とするものである。

本考案は、上壁面と片側壁面の直線部位におい
て徐々に絞り、吸気抵抗が極力発生しないように
して大きな流速を得るようにしたものである。混
合気が渦巻部に入つて施回する際、混合気のバル
ブステム９を中心とする外側の流速がそれよりも
大となるため、施回時の乱流発生が可及的に抑え
られ、スムーズな流れが形成される。さらに、平
坦な傾斜壁面によつて混合気流は絞られると同時
に、流れの向きを入口通路部の方向からその下方
側に徐々に変え、流速が最大になつた絞り完了時
点においては、バルブステムの下端部位を指向し
て混合気が流れ、スワールを効果的に形成し、か
つ大なる吸気充填効率得られる。

傾斜壁面を形成する箇所を、曲がり部位ではな
く直線部位に限定したのは、曲がりによる抵抗が
生じるのを回避して、所定以上の流速を確実に得
るためである。混合気体の曲がり部における速度
は相当なものであり、充填効率の向上を積極的に
図る見地からは、傾斜壁面の位置は直線部位に設
定しなければならない。

以下、本考案の一実施例を図面にしたがつて説
明する。

第１図において、１はシリンダヘツド、２はシ
リンダヘツド１内の燃焼室、３はシリンダヘツド
１に装着されたスパークプラグ、４はシリンダヘ
ツドに設けられたヘリカルポートタイプの吸気ポ
ートである。また、５は吸気ポート４の燃焼室２
への開口部に設けられたバルブシート、６は吸気
ポート４内に突設され且つシリンダヘツド１と一
体に設けられた筒状部、７は筒状部６を貢献して
筒状部６から吸気ポート４内に突出するバルブス
テムガイド、８は吸気ポート４の燃焼室２への開
閉を行なう吸気バルブ、９は吸気バルブ８のバル
ブステムで、このバルブステム９はバルブステム
ガイド７に摺動自在に保持されている。

第２図は吸気ポート４の形成を示した斜視図、
第３図は吸気ポート４の形状を示した平面図であ
る。第１図に示した吸気ポート４は、一端がシリ
ンダヘツド１の一側面に開口する入口通路部１０
と、この入口通路部１０に連設された渦巻通路部
１１を有する。この渦巻通路部１１は、第１図乃
至第３図から明らかな如く、筒状部６とバルブス
テムガイド７及びバルブステム９の周囲に形成さ
れている。また、入口通路部１０は、第２図、第
４図の如く、その断面が矩形に形成されている。
１０ａは入口通路部１０の片側面である。この片
側面１０ａの渦巻通路部１１側には、第２図乃至
第４図の如く、下向き傾斜壁面１２が設けられて
いる。

図中、傾斜壁面１２と入口通路部１０の上壁面
１０ｂとの交線をＬ、交線Ｌの吸気バルブ８から
離反した側の端を点ａ、傾斜壁面１２と渦巻通路
１１の終端部を接する点を点ｂ、交線Ｌの吸気バ
ルブ８側の端を点ｃ、傾斜壁面１２と筒状部６の
突出端の接する点をc′とすると、上述した点ａ，ｃ間の交線Ｌの延長線L′はバル
ブステム９の軸心Ｐを通る様に設定されており、
点ｃ，c′を結ぶ１３はバルブステム９の軸線と平
行に設けられている。なお、交線Ｌの延長線L₁
は、バルブステム９の外径内（すなわち点ａを通
るバルブステム９の接線ｄ，d′内）に設定されて
おれば、必ずしも軸心ｐを通る必要はない。

次に、上述した構成の吸気ポート４の作用を説
明する。

入口通路部１０内に吸入された気化器からの混
合気流Ｆは、傾斜壁面１２の部分を渦巻通路１１
側に向けて流れる際に、傾斜壁面１２により徐々
に絞られて流速が増加する。次に、この流速が増
加した混合気流Ｆは、渦巻通路部１１内に流入し
て、その大半がバルブステム９の周囲を施回しな
がら渦巻通路部１１の終端部（点ｂ）まで到達す
る。この後、混合気流Ｆは、バルブステム９とバ
ルブシート５との間の隙間を渦流F′となつて通
過して、燃焼室３内に大きな渦流Ｓを生じさせ
る。

この様な本考案の吸気ポート４と、延長線L₁
が接線ｄ，d′間を外れている従来の吸気ポートと
を比較すると、スワール比（吸気スワール）と吸
気効率は、第５図に示す如く本考案のものの方が
従来のものよりも遥かに大きくできた。

本考案は、以上説明したように、入口吸気通路
部の直線部位の片側面に下向き傾斜面を設けたヘ
リカルポートタイプの吸気ポートにおいて、前記
傾斜壁面と入口通路部の上壁面との交線の延長線
が、吸気バルブのバルブステム外径内を通る様に
設定したので、吸気抵抗を大なしめることなく効
果的に絞りつつ混合気の流れに指向性を与え、も
つて吸気ポートを大巾に細くすることなしに吸気
流を増速できる。この結果、吸気効率の低下なし
に吸気スワールを大きくして、十分な燃焼改善と
高出力の確保の両者を満足させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す吸気ポート
周辺部の断面図。第２図は、第１図に示した吸気
ポートの斜視図。第３図は、第１図に示した吸気
ポートの平面図。第４図は、第１図の吸気ポート
を左側から見た側面図。第５図は、第１図に示し
た吸気ポートの吸気効率とスワール比との関係を
示す吸気特性曲線図。２……燃焼室、４……吸気ポート、８……吸気
バルブ、９……バルブステム、１０……入口通路
部、１０ａ……片側面、１０ｂ……上壁面、１１
……渦巻通路部、１２……傾斜壁面、ａ，ｂ，
ｃ，c′……点、Ｌ……交線、L₁……延長部、ｄ，
d′……接線。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

バルブステムを渦巻軸線とする渦巻通路部と、
該渦巻通路部に対してほぼまつすぐに延びて連設
された入口通路部とによつて構成されると共に、
該入口通路部の直線部位を形成する周壁面のうち
で前記バルブステム側に位置する片側壁面を下方
に向けて傾斜面に形成し、前記傾斜壁面と入口通
路部の上壁面との交線の延長線が、吸気バルブの
バルブステム外径内を通る様に設定したことを特
徴とする内燃機関の吸気ポート。