JPS6110273Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はキースイツチの構造の改良に関し、そ
の目的とするところは、構造が簡素であるととも
に、押し下げ操作時の耳障りな音が抑制され、し
かもキータツチの良好なキースイツチを提供する
ことにある。以下、図面を参照して本考案を詳細
に説明する。

第１図は本考案に係るキースイツチを多数個並
設したキーボード装置の一部を示す部分断面図で
あり、プリント基板１上面には夫々対になつた固
定電極パターン２，２が所定の間隔をおいて多数
組形成されており、全てのパターン２がプリント
基板１の上下両面に形成されたプリント配線パタ
ーンに接続されている。プリント基板１上に載置
されたシート部材３は弾性を有する合成樹脂材料
より形成され、前記対になつた固定電極パターン
２，２を上方より覆うためのキヤツプ状部３ａを
多数個有しており、各キヤツプ状部３ａの内部に
は、固定電極パターン２，２と静電的に対向する
電極板４がスポンジ５を介して付着されている。
そして、電極板４は、表面に絶縁被覆が施され、
キヤツプ状部３ａの弾性により常には固定電極パ
ターン２，２より遠ざかる位置に保持され、キヤ
ツプ状部３ａが上方より押圧された時には両パタ
ーン２，２に前記絶縁被覆を介して当接して両パ
ターン２，２間の静電容量を大きくし、両パター
ン２，２間を交流信号が伝送し得るようにする。

プリント基板１の上方に配置された金属製のフ
レーム６には、そのフレーム６が装着された時に
プリント基板１上に前記シート部材３を正確に押
圧、保持するための脚部材７と、後述するキース
テム８のためのガイド部材９とが合成樹脂材料に
より一体に固着されている。脚部材７及びガイド
部材９は、いわゆるアウトサート成型法により形
成されたものであるため、棒状及び筒状の単純な
形状をなしている。

キーステム８は、空洞となつた柱状部８ａと、
その柱状部８ａの両側より下方に延出された爪片
８ｂと、柱状部８ａの上方に外側へ連続して突出
された鍔部８ｃと、その鍔部８ｃの更に上方に突
出されキートツプを取り付けるための頭部８ｄと
が夫々一体に合成樹脂材料により形成されたもの
となつており、外側に突出された爪片８ｂはその
先端がガイド部材９の筒状外部よりはみ出る形状
となつているが、その全体が柱状部８ａの内側に
変形することにより柱状部８ａとともにガイド部
材９の筒状内部に挿通され得、挿通された後は、
爪片８ｂの先端が下方よりガイド部材９の下端に
当接するように前記シート部材３のキヤツプ状部
３ａにより上方へ弾性的に付勢される。鍔部８ｃ
は、キートツプ１０が押圧された時にガイド部材
９の上端に当接することによりキーステム８の押
し下げ位置を規制し、シート部材３及びスポンジ
５の急激な疲労による破損を防止するものであ
り、第４図にその詳細な形状を図示したように、
外側から内側に向つて広がる割り溝８ｅが形成さ
れるとともに、その割り溝８ｅを挾んで対向する
舌片８ｆの下面には、夫々鍔部８ｃの他の下面よ
り少し下方に突出した突部８ｇが形成されてい
る。そして、この突部８ｇは、キーステム８全体
が押し下げられた時に鍔部８ｃの他の部分に先行
してガイド部材９の上端に当接し、キーステム８
が更に押し下げられた時に舌片８ｆが容易に変形
して上記鍔部８ｃの他の部分が一様にガイド部材
９の上端に当接するようになる。従つて、この舌
片８ｆ部分のない場合にはキーステム８が押し下
げられた際に鍔部８ｃ全体が一様にガイド部材９
の上端に当接するために生ずる耳障りな音及び急
激な衝突感は、舌片８ｆ部分とガイド部材９上端
との先行する当接により緩和されたものとなる。
尚、キーステム８上に形成された一対の爪片８ｂ
は、キーステム８がガイド部材９に装着される時
にガイド部材９の内面に対向して形成された一対
の溝部９ａ，９ｂに係合し、キーステム８自体の
回動を防止する。

以上説明したキーボードのキースイツチは、ス
イツチ素子を構成する固定電極パターン２が全て
プリント基板１上に他の配線パターンと同時に印
刷基板技術により形成されるとともに、同じくス
イツチ素子を構成する電極板４が、シート部材３
に形成された各キヤツプ状部３ａに夫々スポンジ
５を介して付着されてシート部材３と一体的に扱
われる構成となり、また、各キーステム８を上下
方向に案内するためのガイド部材９がシート部材
３をプリント基板１上に押圧、保持するための脚
部材９とともに金属製のフレーム６上に合成樹脂
材料より一体的にアウトサート成型法により形成
され、更に、アウトサート成型法により形成され
るガイド部材９を複雑な形状とすることは出来な
いため、キーステム８側にその上下方向の移動量
を規制するためにガイド部材９の上下両端に当接
する鍔部８ｃ及び爪片８ｂを形成し、しかも、そ
の鍔部８ｃとガイド部材９上端の衝突による耳障
りな音及び不快な操作感を排するために鍔部８ｃ
が弾性的に変形し得るように且つその弾性的に変
形する弾性舌片８ｆが他の部分に先行してガイド
部材９の下端に当接するように構成したものであ
り、以上のような種々の配慮を加えたキースイツ
チは単体として、また、キーボードとして複合さ
れた場合でも、構造が簡単で、キータツチが良好
で、しかも操作時に耳障りな音を発することもな
く、従来のものに比べて優れた作用効果を奏する
ものとなる。

以上、実施例を参照して説明した通り本考案
は、構造が簡素であるとともに、押圧操作時の耳
障りな音が抑制され、しかもキータツチの良好な
キースイツチを実現したものであり、その実用的
効果の大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るキースイツチの断面図、
第２図はそのＡ−Ａ線に沿つて切断した拡大端面
図、第３図はそのＢ−Ｂ線に沿つて切断した縦断
面図、第４図はキーステムの拡大斜視図であり、
図中、２，４はスイツチ素子を構成する固定電極
パターン、電極板、３ａは弾性部材を構成するシ
ート部材のキヤツプ状部、８はキーステム、８ａ
はその柱状部、８ｂはその爪片、８ｃはその鍔
部、８ｆはその弾性舌片である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 フレーム上に固着された筒状のガイド部材と、
   このガイド部材の筒状内部に貫通される柱状部を
   有するとともに、その下方に弾性を有し外側へ延
   びる一対の爪片が形成され、更にその上方に外側
   へ連続して突出された鍔部が形成されたキーステ
   ムと、そのキーステムの前記ガイド部材に沿う移
   動に伴い開閉されるスイツチ素子と、キーステム
   を常に上方へ弾性的に押圧支持する弾性部材とを
   備え、前記爪片を内側に変形させることによりキ
   ーステムの柱状部をガイド部材の筒状内部に上方
   より挿通させるとともに、常にはその爪片が下方
   よりガイド部材の下端に当接する位置にキーステ
   ムが保持され、押下された時に前記鍔部が上方よ
   りガイド部材の上端に当接することによりキース
   テムの押下位置が規制されるように構成されたキ
   ースイツチにおいて、 前記キーステムの鍔部の一部に、他の部分に先
   行してガイド部材の上端に当接する弾性舌片を形
   成することにより、キーステムの押下時弾性舌片
   を微小量変形させた後、鍔部の他の部分をガイド
   部材の上端に当接させるようにしたことを特徴と
   するキースイツチ。