JPS6059473B2 - ガス圧縮ピストンにおける高圧シ−ル - Google Patents

ガス圧縮ピストンにおける高圧シ−ル

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JPS6059473B2
JPS6059473B2 JP16036580A JP16036580A JPS6059473B2 JP S6059473 B2 JPS6059473 B2 JP S6059473B2 JP 16036580 A JP16036580 A JP 16036580A JP 16036580 A JP16036580 A JP 16036580A JP S6059473 B2 JPS6059473 B2 JP S6059473B2
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pressure
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gas
labyrinth
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寛 富永
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Tokyu Car Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、密閉したシリンダ中に充填したHe(ヘリウ
ム)などのガスを圧縮して高圧とするガス圧縮ピストン
に用いられる高圧ガス漏洩防止のための高圧シールに関
するものである。
一般にピストンがシリンダ中を嵌合運動するためには、
両者の間には隙間が必要でこの隙間からシリンダ中の流
体が漏洩し圧力損失を来たす。
殊にガス圧縮ピストンでは、液体を圧縮するピストンに
比べて、隙間を比較的小さくしても圧力が漏洩し易い。
また、ガス圧が高い場合はガス圧力に基づくピストンの
弾性変形を生じ、ピストンの長さが縮むと共に直径が増
すので、前記隙間を圧縮の初期に小さく選ぶと、ガス圧
力が増すに従つて隙間が減少して、やがてピストンは運
動不能になる。一方運動終期の高いガス圧の時に適当な
隙間があるように寸法をきめると、初期の低圧時には隙
間が過大となつてガスはピストンの周囲から流出してし
まい所期の高圧を得られない。これらの場合運動するピ
ストンは高圧ガスによつてピストンの直径が増大するの
と同時にガスに接するシリンダ内面も弾性変形して直径
が増すが、直径の増加するのはピストンがはめ合わされ
ている部分ではなくて、ピストンの先のガス空間の部分
であり、ピストンの嵌合している部分のシリンダ直径は
大きなガス圧を直接受けないので、直径はほぼもとのま
まで変らない。
しかもピストンは前端部から軸方向にガス圧で押される
ので、ピストン全長に亘つて長さが縮み、その分だけ直
径が全長に亘つて増大することになる。これらの.事実
は高圧ガスピストンのガス漏洩防止対策を著しく困難に
している。通常ガス圧力が数気圧あるいは数十気圧程度
の場合はピストンの直径増大の割合は極めて小さく無視
できるが、たとえば初期圧力2洩圧程度の−Heガスを
ピストンで圧縮して60(4)気圧の高圧とする場合は
、ピストン直径にもよるが0.1醒程度も増大すること
が起り得る。
初期に0.1Tm以上の隙間をシリンダとピストンの間
に与えておけば、高圧の時にも隙間が残りピストンは運
動できるが、初期において2呟圧のガスが極めて短時間
に0.1顛の隙間から流失してしまうので、実用になら
ない。これの対策として、従来ではゴムのOリングシー
ルなどを使用することが考えられているが、大きな隙間
のある部分に設けたOリングは、ガス圧が高くなるに従
つて、隙間の中に押し込まれて、ピストンの運動によつ
て破損するので、保守に経l費がかかりやはり実用性が
なかつた。
本発明では、これらの問題点に鑑み、極めて高いガス圧
の下で、運動の初期と終期において、ガス漏洩の原因と
なる隙間を極めて小さい一定の大きさに保ち、ガス圧の
大きな漏洩を生ぜず、またーピストンの直経増加に基因
するピストン運動の障害も起らない実用的ですぐれた高
圧シールを提供することを目的としたものである。
また本発明の他の目的では、ピストン運動の初期から終
期に至る中間においても、シリンダとピ゛ストンの間の
隙間が、ほぼ一定に保たれ、また、運動の終期を経て、
高いガス圧が外部で使用されて低圧に戻り、増大してい
たピストン直径がもとに戻るとき、シールの状態も自動
的に復元させ隙間はもとのままの大きさで、ほぼ一定に
保たれてシールは破損することなくそのまま繰返して使
用可能である実用性の高い高圧シールとすることにある
本発明は、シリンダ中のガスを圧縮して高圧とするガス
圧縮ピストンの高圧シールにおいて、ピストンのガスに
接する前端部に外径よりも直径の小さい小径部を設け、
このピストンの外径と小径部とをつなぐ段付部をピスト
ン中心軸に垂直な平面と斜面との複合面とし、その斜面
で前記垂直な平面と小さな角度て交わる凹部を形成し、
該凹部に臨ましめてバネ鋼の扁平薄肉円板状で同心丸孔
つきのラビリンス環を複数個前記ピストン小径部の外側
にはめ合せてあり、このラビリンス環の外径は前記シリ
ンダの直径よりも極めて微小な隙間寸法だけ小さくし、
また内径はピストン小径部の直径と同一とし、さらにラ
ビリンス環の外径よりも十分小さい外径でバネ鋼などの
扁平薄肉円板状で同心丸孔つきのスペーサを各ラビリン
ス環の間に挿入すると共に、前記ピストンの外径よりも
小さい外径の円筒状の受圧体を、ピストン小径部のラビ
リンス環の外側に挿入して、ピストン小径部には溝を設
けて止め輪をはめ込み、これにより前記ラビリンス環、
スペーサ、受圧体を保持し、前記受圧体のラビリンス環
に接する側は一部テーパー面とした円錐台とし、その円
錐の頂角を前記ピストン段付部の円錐頂角(例えば段付
部の斜面が円錐面の場合)と等しくし、しかも、前記ス
ペーサおよび受圧体の内径はピストン小径部の直径より
も小なくともガス圧力の最高値におけるピストン小径部
の半径増加量δの2δ以上の大きさとしたことを特徴と
するものである。
本発明を実施例につき第1図〜第4図によつて説明する
と、円筒形の孔2を内部に有し、高いガス圧に耐える強
靭な材料で作られたシリンダ1において、その孔2に充
填されたHe(ヘリウム)などのガスの圧力は初期状態
(第1図、第3図)ではたとえば10−(4)気圧程度
であるが、シリンダ1の中で第2図のように圧縮されて
体積が減少し、圧縮の終期にはたとえば60叩気圧ある
いはそれ以上の高圧に達する。
このシリンダ1の中を運動してガスを圧縮するピストン
3は強靭な材料で作られ、その前端部には同心の小径部
4を設けてピストン3の外径と小径部4とを段付部5で
つなぐ。そして段付部5がピストン3の外径につながる
部分は、その中心軸に垂直な平面すなわち垂直面5aと
し、小径部4につながる部分はピストンの前端に向つて
突出する斜面例えば円錐面5bの凹部とし、これらの複
合面で段付部5となつており、垂直面5aと円錐面5b
とは、第3図に示す通り小さな角度θで交わつている。
前記小径部4に嵌合するラビリンス環6はばね鋼などの
適当な弾性と強度を有する材料でつくられ、扁平薄肉円
板状で外周と同心の丸孔を有し、その丸孔の直径は小径
部4の直径と同一とする。
該ラビリンス環6の外径は、シリンダ1の直径よりも極
めて微小な隙間寸法だけ小さく、このラビリンス環6を
複数個、小径部4にはめ合せる。7はスペーサで、ばね
鋼などの扁平薄肉円板状で、同心丸孔つきとし、その外
径はラビリンス環の外径よりも十分に小さいものとし、
各ラビリンス環6,6の間に1個ずつ並ぶように、小径
部4にはめ合せる。
ラビリンス環6とスペーサでラビリンス溝状の空間8を
、1組あるいは複数組構成する。(第1図〜第4図では
、2組の場合を示している)9は受圧体で、円筒状とし
、その外径はピストンの外径よりも若干小さく、その同
心の孔をラビリンス環6の外側から小径部4に挿入する
この受圧体9のラビリンス環6に接する側の面は円錐台
とし、その円錐の頂角は、前記段付部5の円錐の頂角に
等しくする。10は止め輪で、通常一般に用いられてい
るクリップリング(1個所を切り欠いた、断面が長方形
などのばね作用のある輪)などでよい。
止め環10は小径部4に設けた溝にはめ込まれ、前記ラ
ビリンス環6とスペーサ7の組合されたものならびに受
圧体9を前記段付部5と止め輪10の間に隙間がないよ
うにはさんで保持する。しかしてシリンダ内のガスがピ
ストン3の運動によつて圧縮されて高圧となると、ピス
トン3はガス圧力をその前端部に受けて圧縮され長さが
縮むと共にその直径が増大するが、ガス圧力の最高値に
おけるピストン小径部の半径増加量をδとし、ラビリン
ス環6の外半径と内半径の差をhとするとき、の関係が
成立するように前記角度0を決定する。
例えばθは通常1よ、2前などの比較的小さい角度で、
前記関係式が満足されている。前記ピストン3の外径は
シリンダ1の直径よりも2δ以上小さい寸法とする。
また、スペーサ7および受圧体9の内径は、ピストン小
径部4の直径より少なくとも2δ以上大きいものとする
。なおピストン3の段付部5の垂直面5aと円錐面5b
との接続部を、比較的大きい半径の円弧回転体などの十
分なめらかな曲面5cとする。また、受圧体9の円錐台
の平面9aと円錐面9bとの接続部を、前記と同様のな
めらかな曲面9cとする。スペーサ7の肉厚と外径は、
その両側に接触するラビリンス環6の側面と共に構成す
るラビリンス溝状の空間8がガス圧漏洩防止のため十分
有効な大きさとなるように選定する。
さらにまた、第5図と第6図について説明すると、ラビ
リンス環6のピストン小径部4に接触する内周面6aを
、ラビリンス環の肉厚以上の直径の円弧を母線とするラ
ビリンス環中心軸まわりの回転体曲面とする。
即ち内周面6aは曲面であり、内側に凸の形状としてあ
り、またラビリンス環6の外周はラビリンス環の中心軸
を軸とする半頂角θの円錐面6bとする。ラビリンス環
6の肉厚が比較的大きい場合は、上記円錐面6bの小径
のかど(稜角)をθより大きな角度て切り落した面6c
との2つの円錐面の複合面とした外周形状とする。次に
第1図と第2図の実施例において、11はピストン3の
前方に設けたシリンダ蓋で、ガス通路12を有する。
13は適当な延性と強度を有するステンレス鋼などの円
板より成る仕切り板で、ガスの流出を防止するために気
密に装着されている。
ガス圧力が上昇して所定の値に達すると、前記仕切り板
13の中央部が瞬間的に破れて開口するように円板の厚
さと材料を選定しておく。14は発射管で、仕切り板の
前方に接して取付けられている。
15は飛翔体で、発射管14の中に、仕切板13の近く
に入れられる。
16はシリンダ蓋11とシリンダ1との隙間からガスが
流出するのを防止するバッキングである。
またピストン3は、たとえば高い水圧を瞬間的に発生す
る衝撃液圧発生装置からの水圧によつて運動するピスト
ン装置(図示せず)に連結される。
第1図〜第6図の前記の実施例は、たとえば高速衝撃発
生装置のガス圧縮ピストンの高圧シールとして用いられ
る。第3図と第4図について高圧シールの作用を述べる
動作の初期の状態(第3図)では、シリンダ内の孔2に
おいてピストン3の前方にはガスが充填されている。こ
のガスの初期圧力はたとえば2洩圧などの比較的低圧で
あるが、ガスはシリンダ1とピストン3の隙間から流出
しようとする。しかしラビリンス環6の外周とシリンダ
1との間には極めて微小な隙間しかない上に、さらにス
ペーサ7と共にラビリンス溝状の空間8を1組乃至数組
構成しているために、これらのラビリンス作用で、数秒
間程度の短時間には、目立つた漏圧は生じない。必要に
応じてラビリンス空間の組数を増して構成することがで
き(図は2組の場合)、この組数を増してラビリンス効
果を高め、漏圧を防止てきる。次に、前記ガスを孔2に
充填後、直ちにピストン3を急激に前進せしめ、すなわ
ち図の左方に動かして、ガスを瞬間的に断熱圧縮して高
圧とする。
ピストン3の前進運動は、前記の通り水圧によつて駆動
されるピストン装置(図示省略)などによつて行われる
。そして前記ピストン3の運動の終期すなわち十分に前
進した時期に近い状態の第4図では、ガスは所定の圧力
、たとえば600幌圧になる。
このとき、ピストン3は、その前端にガス圧力を受けて
直径が増大し、ピストン小径部4は半径がδだけ増す。
これに接するラビリンス環6の内半径はほぼδだけ増し
、従つて外半径もほぼδだけ増大しようとする。一方、
受圧体9は、高圧のガスの中で、その前面と背面の受圧
面積差に基づくガス圧力で前方から押され、ラビリンス
環6とスペーサ7の組合せを、段付部5との間ではさん
で圧縮する。
先ず第3図の状態で、円錐面の平面9aに接触している
ラビリンス環6が図の右方へ押され、この力はスペーサ
7を経て右端のラビリンス環6に伝わる。右端のラビリ
ンス環6は図の左方からはスペーサ7によつて環状の内
周に近い部分を右方に押され、その反力は段付部5の垂
直面5aの接触する位置、すなわち環状の外周に近い部
分で左方に押し返されている。この力のモーメントによ
つて、ラビリンス環6の第3図に示される断面は左まわ
り(反時計方向)に倒されようとする。段付部5には円
錐面5bの凹部があつて、前記ラビリンス環6が左まわ
りにねじれて傾斜することを可能とし、また受圧体9の
円錐面9bもラビリンス環6が左まわりにねじれて倒れ
ることを許しているので前記スペーサ7はラビリンス環
6の間にはさまれて密着状態で受圧体9からの大きなり
をうけることとなつてラビリンス環6が左まわりにねじ
れる時に、これと共に左まわりにねじれ、全体として第
4図の如き傾斜した状態となる。これらのラビリンス環
6とスペーサ7の変形は、すべてそれぞれの弾性限度内
で行なわれており、ばね作用による変形であるから復元
力を貯えている。第4図で明らかなように、ラビリンス
環6が円維面5bの凹部に進入した分だけ受圧体9は小
径部4の中に進入でき、その円錐面9bとラビリンス環
6が密着し、右端のラビリンス環6と円錐面5bが密着
した第4図の状態に達する。これが運動の終期の状態で
このときにシリンダ1とラビリンス環6の外周との隙間
は次のようになつている。
先ずシリンダ1は、高圧ガスが直接接する部分ではガス
圧によつて直径が増加しているが、ラビリンス環6より
も図の右方では、ガス圧を直接受けないために、シリン
ダ1の直径は、ほぼもとのままである。ピストン3は、
小径部4の外半径がδだけ増加している。ラビリンス環
6は第4図の通り、角度0だけ傾いているので、その外
半径と内半径の差は、最初の寸法hからHcOSθに変
化している。また、ラビリンス環6は、内周半径が小径
部4の半径に等しいので、初期の半径よりもδだけ増加
している。よつて、ラビリンス環6の外周半径はδ一(
h−HcOsθ)=δ−h(1−COSθ)だけ増大し
ている筈である。しかし、前記の通り角度0を決定する
際に、COSO=1−(δ/h)の関係が成立するよう
にしてあるので、この関係を用いて前記の半径増加量を
計算すると、よつて、運動終期における半径増加量はO
であり、運動初期と終期では半径に変化はない。
そしてシリンダ1の半径は前記の通り変らないので、ラ
ビリンス環6との間の微小な隙間には変化がない。した
がつて、運動の初期に与えた妥当なラビリンス環6の隙
間は、終期においても保たれており、ピストン3の直径
増加によつて隙間がなくなり運動不能になることがない
と同時に、妥当な微小な隙間ならびに前記ラビリンス効
果によつてガスの漏圧が防止されている。
さらに、60(1)気圧などの高圧は、ピストン3の急
激なガス圧縮運動の動きの中で、終期に急上昇するガス
圧によつて得られるものであるために、たとえば100
幌圧以上の高圧の持続時間は通常千分の一秒以下て極め
て短時間てあるので、極めて高圧のガスではあるが、こ
の高圧ガスシールで十分に漏圧防止ができる。なお、前
記ピストン3の外径はシリンダ1の直径よりも2δ以上
小さい寸法としてあるので、ガス圧力でピストン3の外
径が2δ程度増大しても、シリンダ1との間に隙間がな
くなり運動不能となることは起らない。
また受圧体9の内径およびスペーサ7の内径は共に、ピ
ストン小径部4の直径よりも2δ以上大きいので、ガス
圧力の上昇する運動の終期においても、これら内径の部
分と小径部4との間に隙間があり、受圧体9ならびにス
ペーサ7は小径部4に拘束されることなく、それぞれ前
記の運動ができる。
また、前記のガス圧力による受圧体9の運動ならびにラ
ビリンス環6の傾斜ねじれ変形の際、第3図の状態から
第4図の状態に移行するときに、各接触面に鋭い突起が
あると、突起部で当りながら大きなりを伝えることにな
り、これが繰返されるとその当り面が損傷する惧がある
ので当り面はなめらかにすることが考慮される。
即ち受圧体9には曲面?が、また段付部5には曲面5c
が形成され、十分になめらかな曲面でラビリンス環6と
接触しつつ力を伝えるように配慮されているので、当り
面に損傷を生ぜず、またラビリンス環6の変形が円滑に
行なわれる。さらに、第5図、第6図のように、ラビリ
ンス環6の内周面は小径部4と接触しつつ小径部4の直
径増大に伴つてその直径がひろげられ、またラビリンス
環6のねじれ傾斜変形に際してその内周の当り面がその
傾斜に従つて移動するために、かど(角)あたりを生じ
、当り面がやがて損傷する惧があるのでこの点も前記内
周面6aが設けられ、第5図、第6図の断面形状が、ラ
ビリンス環6の肉厚以上の直径の円弧としてあるのて、
当り面の移動は円滑に連続的に行なわれ、当り面の損傷
を防ぎ、繰返して使用できるようになつている。
ラビリンス環6の外周は、第5図の円錐面6bあるいは
第6図の円錐面6bと6cのようにしてあるが、これに
よつて、シリンダ1とラビリンス環6の外周との隙間を
与えるラビリンス環6の最大外径部を幅が広くなくて寸
法の定め易い部分に・限定してラビリンス環6の傾斜角
度が変化する際に微小な隙間寸法を保持し易くし、シー
ル効果を確実ならしめている。
また、スペーサ7の肉厚と外径を加減してラビリンス溝
状の空間8の大きさを変えることによつ)て、ガス圧の
時間的変化に応じて、各ラビリンス溝内のガス圧の変化
か実用上ガス圧漏洩を十分低く抑えられる値となるよう
にすることができて、漏圧防止効果が高められる。
このように動作の初期状態(第3図)と終期に近い状態
(第4図)とでガス圧力の上昇に伴うピストン直径の増
大と、ガス圧力に基づく受圧体の運動と円錐面利用によ
るラビリンス環の弾性変形的傾斜との複合作用でシリン
ダ1とラビリンス環6との隙間が一定の極めて微小な値
に保たれ、ガス圧の漏洩が防止でき、また初期状態から
終期への変化、および終期から初期への復元が、極めて
円滑に、繰返し自動的に行なうことができる。
さらに、本発明の高圧シールは、前記の初期と終期との
中間の状態においても、実質的に前記ラビリンス環6の
外径は一定に保たれているので、ピストン3の運動の途
中でも、シリンダ1とラビリンス環6との隙間が変らず
、シール効果が保たれると共に、ピストン3が動かなく
なるような惧もない。何故ならば、ピストン3の直径の
増加は、弾性変形の範囲ては、ガス圧力に正比例する。
そして、受圧体9がラビリンス環6に加える推力は、ガ
ス圧力に正比例するが、ラビリンス環6がこの推力を受
けてねじれて傾斜する場合の傾斜角度変位は、弾性変形
の範囲で、しかも傾斜角度が小さい場合は、前記推力に
ほぼ正比例する。従つて、ピストン直径増加量と傾斜角
度が共にガス圧力に正比例することになり、ピストン直
径増加量と傾斜角とは一定の比率を保つて変化する。そ
して、傾斜角度が増大すると、ラビリンス環の半径方向
の成分が短縮するが、この短縮量がピストンの半径増加
量に等しく、従つてシリンダ1とラビリンス環6との隙
間が運動の初期と終期で変らないように前述の通りの関
係寸法がきめられていること.から、ラビリンス環6の
実質的な外径は運動の途中のあらゆるガス圧力において
ほぼ初期の寸法と同一であり、シリンダ1とラビリンス
環6との隙間が常にほぼ一定に保たれるからである。第
1図と第2図の実施例について高圧シールが.反復して
使用される実例につき述べると、高圧のガスによつて発
射管14中で飛翔体15を加速して、たとえば音速の1
@以上の毎秒40007TLなどの超高速度で、飛翔体
15を固体試料(図示省略)に衝突せしめて、試料内に
数百万気圧などの極め・て高い衝撃圧力を発生せしめる
装置において、シリンダ1の孔2中にHeなどのガスを
、たとえば数十気圧の初期圧力て充填すると、ピストン
3はそのガス圧力によつて図の右方に後退して、第1図
の状態で静止している。
このピストン3の小径部4にとりつけたラビリンス環6
とスペーサ7は、ガスの初期圧力を受けた受圧体9によ
つて図の右方に押されている。しかし、ラビリンス環6
は強い弾性を有しており、この程度の力では殆んど変形
せす平板状であり、スペーサ7も同様である。ラビリン
ス環6の外径とシリンダ1との間には極めて微小な隙間
があるのみで、ラビリンス溝状の空間8と共に適当なラ
ビリンス効果によつノて、短時間の漏圧は防止されてい
る。また、シリンダ1の左方にはシリンダ蓋11があり
、バッキング16と仕切り板13てガスの流出は防止さ
れている。前記孔2にガスを充填しピストン3が後退し
た・第1図の状態から、直ちに衝撃液圧発生装置からの
高い水圧によつて瞬間的に運動するピストン装置(図示
省略)に連結されたピストン3を、左方に駆動して、ガ
スを断熱圧縮する。
たとえば千分の数秒程度の後に、ピストン3は第2図の
運動の゛終期に近い状態に達する。ガスは極めて高圧と
なり、仕切り板13の中央部が瞬間的に破れて開口し、
高圧ガスはガス通路12を経て発射管14の中に進入し
、飛翔体15を加速して超高速度とする。ガスの圧力は
仕切板が開口した一瞬後に最高値に達し、続いて飛翔体
15の進行と共に急激に膨張して低圧となり、発射した
後にシリンダ1の中は大気圧になる。
第1図から第2図に至る間に高圧シールが上昇するガス
圧力に応じて弾性変形して、シリンダとの隙間を一定に
保つ。
その作用は前述の通りである。発射後にガスの圧力が大
気圧に戻れば、ラビリンス環6とスペーサ7の弾性変形
は自動的に復元する。続いて、仕切板13と飛翔体15
を装着し、ガスを充填すれば前述の第1図の初期状態に
戻る。特に、ガスを低圧で充填してから、ガスの断熱圧
縮で極めて高圧に達し、飛翔体15の発射によつて大気
圧になるまでの実際の時間的経過は要求される高圧シー
ルの特性と密接な関係があるので、実施例を述べて極め
て漏洩し易いHeガスを効果的にシールする状況を明ら
かにした。本発明の高圧シールは、シール部材の破損を
可及的に少なくして、ガスを低圧から極めて高圧まで効
果的にシールでき、特に、弾性変形によつて傾斜して半
径方向の長さが変化するラビリンス環とスペーサの組合
せを重ねて、ピストンの前端小径部に装着し、ピストン
の前進運動に伴つて上昇するガス圧力の作用とピストン
段付部ならびに受圧体の形状によつて、自動的に、常に
、シリングとラビリンス環の実質的外径との間の極めて
小さい隙間を、ガス圧力の如何にかかわらず一定に保ち
、ガス圧をシールすると共に、ガス圧が低下すると自動
的に復元して、繰返して使用できるなどの特徴がある。
また使用最大圧力に応じて本願記載の関係式を満足する
ように寸法、角度をきめるが、さらに、ラビリンス溝状
の空間の大きさとその組数を選ぶことによつて、ガス圧
シールの効果を一層高めることがてきるものてある。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示し、第1図乃至第4図は縦断
面図て、第1図は動作の初期状態、第2図は動作の終期
に近い状態をあられす断面図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 シリンダ中にピストンを摺動自在に嵌合しシリンダ
    内のガスを圧縮して高圧とするガス圧縮ピストンに備え
    た高圧シールにおいて、ピストンのガスに接する前端部
    にあつてピストン中心軸に垂直な平面と斜面とからなる
    円錐形凹部のある段付部を介して形成されたピストン外
    径よりも小径の小径部にラビリンス環を複数個はめ合せ
    、該ラビリンス環の外径は前記シリンダの直径よりも極
    めて微小な隙間寸法だけ小さくし、またその内径はピス
    トン小径部の直径と同一とし、且つ各ラビリンス環の間
    にラビリンス環外径より小さい外径のスペーサを挿入す
    ると共に、ピストン外径よりも小さい外径の円筒状の受
    圧体を前記ピストン小径部のラビリンス環の外側に嵌挿
    して止め輪で前記ラビリンス環、スペーサ、受圧体を保
    持し、前記受圧体のラビリンス環に接する側は前記ピス
    トン段付部の斜面に平行なテーパー面とし、しかもスペ
    ーサ及び受圧体の内径はピストン小径部の直径よりもガ
    ス圧力の最高値におけるピストン小径部の半径増加量の
    少なくとも2倍以上の大きさにしたことを特徴とするガ
    ス圧縮ピストンにおける高圧シール。 2 前記ラビリンス環が、バネ鋼の適当な弾性と強度を
    有する材料より成る平坦薄肉円板で前記ピストン小径部
    に嵌挿する丸孔を同心に持つているものである特許請求
    の範囲第1項記載の高圧シール。 3 前記ラビリンス環が、その内周面を肉厚以上の直径
    を有する円弧によるラビリンス環中心軸まわりの回転体
    曲面としたものである特許請求の範囲第1項又は第2項
    記載の高圧シール。 4 前記ラビリンス環が、その外周を中心軸と角度θを
    なす円錐面としたものである特許請求の範囲第1項、第
    2項又は第3項記載の高圧シール。 5 前記ラビリンス環が、その外周を円錐面としたもの
    であつて、該円錐面の小径部側の角部を切り落した円錐
    面を持つた複合の円錐面で構成したものである特許請求
    の範囲第4項記載の高圧シール。 6 前記ラビリンス環が、その外半径と内半径との差を
    hとするときcosθ=1−(δ/h)〔但しδ・・・
    ・・・・・・ガス圧力の最高値におけるピストン小径部
    の半径増加量〕の角度θを持つた円錐面の外周のあるリ
    ングである特許請求の範囲第4項又は第5項記載の高圧
    シール。 7 前記止め輪が、ピストン小径部にある溝に嵌込まれ
    るものであつて、少なくとも前記受圧体外径より小径の
    外径を持つているクリップリングである特許請求の範囲
    第4項、第5項又は第6項記載の高圧シール。 8 前記スペーサが、その肉厚と外径を、隣設するラビ
    リンス環の側面間にガス圧漏洩防止のために十分な大き
    さのラビリンス溝状の空間を形成する寸法を持つている
    バネ鋼の扁平薄肉円板で同心丸孔つき部材としたもので
    ある特許請求の範囲第4項、第5項、第6項又は第7項
    記載の高圧シール。 9 前記受圧体が、断面台形をなす環状体から成り、円
    錐面のテーパー面に接続し、ピストン中心軸に垂直な平
    面との接続部をなめらかな曲面にしたものである特許請
    求の範囲第4項、第5項、第6項、第7項又は第8項記
    載の高圧シール。
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