JPS6057174B2 - 半導体電子放出装置 - Google Patents

半導体電子放出装置

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JPS6057174B2
JPS6057174B2 JP54122316A JP12231679A JPS6057174B2 JP S6057174 B2 JPS6057174 B2 JP S6057174B2 JP 54122316 A JP54122316 A JP 54122316A JP 12231679 A JP12231679 A JP 12231679A JP S6057174 B2 JPS6057174 B2 JP S6057174B2
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cesium
semiconductor
silver
oxygen
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徳三 助川
博文 菅
勤 中村
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Shizuoka University NUC
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Shizuoka University NUC
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J1/00Details of electrodes, of magnetic control means, of screens, or of the mounting or spacing thereof, common to two or more basic types of discharge tubes or lamps
    • H01J1/02Main electrodes
    • H01J1/30Cold cathodes, e.g. field-emissive cathode

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  • Common Detailed Techniques For Electron Tubes Or Discharge Tubes (AREA)
  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電子工学の領域における電子管の分野に属し
、負の電子親和力状態の表面を用いた光電面、冷陰極お
よび二次電子面等のごとき半導体電子放出装置に関する
ものである。
適当な不純物を添加することによつて強いP形 −
曾′ j、門L−7ψ゛1 ノを L J−1
−3J、、リコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)など
の■族元素半導体、砒化ガリウム(GaAs)、燐化ガ
リウム(GaP)、燐化インジウム(InP)、砒化イ
ンジウム(IrLAs)、ガリウムアンチモナイド(G
aSb)などの■−V族化合物半導体および二種以上の
■−V族化合物半導体同志の混晶、たとえばGaA■P
、InAsP91nGaAs9GaAsSbおよびIn
GaAsPなどを適当な容器、たとえばガラス管内に真
空封入し、そのP形半導体表面を適当な方法、たとえば
熱をを加えることによりP層表面を原子的尺度で清浄に
し、しかる後このP層表面にアルカリ金属、たとえばセ
シウムを吸着させると、P層表面の仕事関数が小さくな
り、負の電子親和状態となることが知られている。
そしてこのようにP形半導体表面を負の電子親和力状
態にするのに用いる吸着材料として、セシウム(Cs)
9セシウム−酸素(Cs−O)9セシウム−弗素(Cs
−F)、ルビジウム−酸素(Rb一0)9セシウム−ア
ンチモン(Cs−Sb)9セシウム−テルル(Cs−T
e)が知られている。
またこのような負の電子親和力状態の半導体表面を利
用した光電子放出面すなわち光電面、二次電子面および
冷陰極等の電子放出素子も公知てある。 しかし、従来
の光電面および冷陰極では、動作が不安定であり、又経
時変化が大きく、すぐ劣化してしまうという問題点があ
るため、実用化の上て困難をもたらしている。
ここで、冷陰極を例にとつて説明する。
冷陰極は半導体中にp−n接合を形成しておき、この接
合に順方向にバイアスすることによつて、n層からp層
に電子の注入をおこない、このp層に注入された電子の
一部分が負の電子親和力状態にされたP層表面から真空
中へ放出されるようにしたものである。この方法で得ら
れた電子は従来の熱電子放出て得た電子に比較して電子
の温度が低い、放出電子のエネルギー分布が狭い、放出
効率が高い、応答速度が速いなどの特徴があり、実用化
が待たれている。しかし、現在得られた冷陰極は動作が
不安定で数十時間の動作で劣化するという問題点がある
この劣化の第一の原因とCて、セシウムと酸素をP形半
導体表面に吸着させて、負の電子親和力状態の表面を得
た場合を例にとると、P形半導体表面に吸着したセシウ
ムの量の最適値およびセシウムと酸素の吸着量の最適値
が極めて臨界的な上に、アルカリ金属たとえばセシウム
は蒸気圧が高いため、蒸発によつて吸着量が最適値より
少くなつてしまうことにある。特に室温の変動や、動作
電流による発熱のために電子放出装置の温度が周囲温度
よりも高くなることにより、セシウムの蒸発が促進され
、それだけ劣化が著しくなる。また、第二の原因として
は、電子放出装置が封入されている真空容器内に残留し
ているガス、あるいは真空容器の内壁または電極等に吸
着あるい.は内蔵されているガスが、真空中に放出され
、それらのガスが電子との衝突あるいは電界によつてイ
オン化し、そのイオンが電子放出部に衝突し、いわゆる
イオン衝撃によつて電子放出部の活性化層のセシウムを
減少させることがあげられる。さ9らにこの残留ガスは
電子放出面を汚染したり、またアルカリ金属と化合して
電子放出面を劣化させる。さらに第三の原因として、ア
ルカリ金属原子は物質表面に沿つて拡散し易いため、い
わゆる表面・マイグレーションによつて、電子放出面か
らアルカリ金属が減少し易い点にある。
以上の各原因によつて冷電子放出量が容易に変動し、減
少するわけで、そのために冷陰極を実用に供することに
固難をもたらしている。以上冷陰極を例にとつて説明し
たが、負の電子親和力状態の表面を利用した光電面にお
いても同様である。
本発明の目的は、このような従来の問題点を解決しよう
とするもので、、経時変化の小さな、長寿命安定動作の
半導体電子放出装置を得ることにある。
さらに、本発明の他の目的は、半導体電子放出I装置の
動作電流による発熱のために半導体電子放出装置が劣化
するのを防止する点にある。
このため、本発明の半導体電子放出装置は、P形の導電
形を呈する半導体表面を負の電子親和力状態にすべく、
同半導体表面に、アルカリ金属と酸素とを含んだ活性層
が設けられ、電子放出機能の寿命を延長すべく、上記活
性層に、さらに金,銀および銅のうちの少なくとも一つ
が含有されていることを特徴としている。
このP形半導体領域には、光,X線,放射線等の照射に
よる励起あるいはp−n接合等を用いた電気的方法で電
子が供給されるようになつており、これによりその電子
の負の電子親和力状態の表面から真空中へ放射されて電
子放出部として効率よく作動するのである。
また本発明の半導体電子放出装置は、P形の導電形を呈
する半導体表面を負の電子親和力状態にすべく、同半導
体表面に、アルカリ金属と酸素とを含んだ活性層をそな
え、電子放出機能の寿命を延長すべく、上記活性層に、
さらに金,銀および銅のうちの少なくとも一つが含有さ
れている電子放出部を真空容器の内部にもち、且つ、上
記電子放出部を取りつける台,周囲の電極および該真空
容器の内壁の少なくとも一部分にアルカリ金属を含む補
助膜が形成されていることを特徴としている。
したがつて、電子放出部活性層からアルカリ金属が脱離
しても、上記補助膜から上記の電子放出部の活性層にア
ルカリ金属を供給できるのである。
次に、本発明の実施例として、燐化ガリウムを用いた冷
陰極のP形層表面をセシウムと酸素と銀とを用いて活性
化した場合を例にとつて詳細に説明する。
第1図に示すように冷陰極に適した構造のp−n接合を
有する燐化ガリウムダイオード1を適当な材料、たとえ
ばガラスで製作した外容器7の中の電極棒3および4に
よつて支持された支持台13に取り付ける。
このとき電極棒3と4とは相互間で電気的に絶一縁され
ている。
また電極棒3は直接支持台13に電気的に接続されてい
る。なお支持台13は適当な金属たとえばニッケルある
いはモリブデンで構成されている。
ところで、ダイオードのn形層12と支持台13との間
て電気的にオーム性接触を作るごとく、ダイオード1は
n形層12をp形層11の下側にし、支持台13上に適
当な材料たとえば金一ゲルマニウムの合金で取り付けら
れている。
またダイオード1のp形層11はn形層12の上側にな
つている。そしてp形層11の電子放出を妨げない部分
でp形層11とリード線17との間にオーム性接触を設
けてある。ソート線17は電極棒4に電気的に接続され
ている。ダイオード1が陰極となり、別に設けた電極1
0を陽極とする。
さらに容器7内にはクロム酸セシウムとシリコンの粉末
とを混合してニッケル容器に入れたセシウム源6を封入
する。
このセシウム源は導入線を備えておりそれに電流を通す
ることにより、セシウム源を加熱できるようになつてい
る。排気管14にはコバールシール16を介して銀のチ
ューブ9を接続する。
上記の容器7を10?9トール(TOrr)以上の真空
度を得ることができるオイルフリーの真空系に排気管1
4を介して連結して排気し、容器7部分をオープン等を
用いて適当な温度たとえば250゜C程度で充分な時間
たとえば6時間程度加熱することによつて容器壁等の吸
蔵ガスを充分排出させる。
またセシウム源や銀チューブ9のガス出しも充分おこな
う。このようにして吸蔵ガスのガス出しを充分おこなつ
た後、加熱を止め引続き室温で排気することによつて超
高真空を得ることができる。
かかる超高真空中でヒータ5に電流を流して加熱し、燐
化ガリウムダイオード1のp形層11の温度をp形層表
面が清浄となるところまで上昇させる。
たとえば500〜600℃程度にしてp形層11の表面
に吸着していた汚染物質を蒸発させて該表面を原子的尺
度で清浄にする。しかる後ヒータ5の電流を切り素子の
温度を室温に下げて、その後セシウム源6に適当な量の
電流たとえば1.8〜2.0アンペアを流し、燐化ガリ
ウムダイオードのp形層11の表面および支持台13,
電極棒3および4,および周囲の外容器7の内壁をセシ
ウム蒸気にさらす。第1図においてセシウム源から飛び
出したセシウムが直接p形半導体層11の表面に到達て
きないような場所にセシウム源6が位置しているが、セ
シウムは室温でも高い蒸気圧を持つているので、p形半
導体層11の表面は充分セシウム蒸気にさらされる。
セシウム蒸気を送りながら燐化ガリウムダイオード1に
は適当な順方向バイアス電流たとえば3ミリアンペア程
度を流し、また陽極10には適当な正電位たとえば90
ボルト程度の電圧を印加して、p形層11の表面から放
出される電子を陽極10に集めることによつて放出電流
を監視する。
セシウムの吸着量がある程度以上になつたところから放
出電流が認められるようになる。そしてセシウムの吸着
量が増加するにつれて、放出電流も増加するが、やがて
ピーク値をとり、その後減少する。放出電流がピーク値
の1/2から1/10の範囲の適当なところでセシウム
の供給を止める。セシウムの供給を止めると放出電流が
回復しはじめる。その時銀チューブ9を加熱して空気中
の酸素を容器7内へ導入する。この導入に際しては容器
内の酸素圧が10−7トールを越さないように注ノ意し
、放出電流を監視する。酸素を供給するにつれて放出電
流は増加しピーク値をとる。
ピーク値をもつたところでただちに酸素の供給を止める
。このときセシウムの吸着と酸素の導入とを繰返7して
最大の電子流が得られるようにしてもよい。
以上の工程で電子流が最大となつたところで電流を通じ
て銅族元素の蒸着源8を加熱して、ここから銅族元素、
たとえば銀をp形層の表面のセシウムー酸素で活性化さ
れた電子放出部と、さらに9支持台13,周囲の電極お
よび真空封止している容器の内壁の少くとも一つ以上に
蒸着する。このように銀の蒸着をはじめると、放出電流
ははじめは増加するが、やがてピーク値をとり減少する
ようになる。この最大電流値の1/10〜1/20に減
少したところで銀の蒸着をやめる。これにより放出電流
は回復する。再び銀を蒸着して、前回のピーク値よりさ
らに放出電子流が増加するようならば、今回のピーク値
の1/10〜1/20に減少したところで蒸着をやめる
。このようにして銀の蒸着による放出電子流が最大値を
とつたところで銀の蒸着をやめる。このような方法によ
つて最適のセシウム,銀および酸素からなる活性層が燐
化ガリウムダイオード1のp形層11の表面に形成され
、該表面を良好な負の電子親和力状態にすると共に、そ
の周囲の電極,半導体,冷陰極素子を取り付けている台
および真空容器の内壁の一部分2等に充分な量のセシウ
ム,銀および酸素との化合物あるいは混合物からなる複
合体による補助膜が形成される。このようにして電子放
出面の活性化が終了した後、部分15て封じ切り冷陰極
を完成させる。この結果、従来の電子放出素子の場合の
ごとく、単にp形層11の表面のみにセシウムが吸着し
ているか、あるいはまたセシウムと酸素とが吸着してい
る状態より安定な表面状態を得ることができるのである
また、従来の半導体電子放出装置では、アルカリ金属を
電子放出部に供給する構造をとつていなかつたのて、電
子放出部活性層へのアルカリ金属−の吸着状態が不安定
で脱離し易いばかりでなく、この脱離によつて、アルカ
リ金属が不足してもそれを補うことができなかつたが、
本半導体電子放出装置においてはそれが可能となつた。
すなわち、電子放出部の支持台13,周囲の電極および
I真空封入している容器7の内壁の少なくとも一つに銅
族元素とアルカリ金属とを含む補助膜を形成することに
よつて、電子放出部に適当なアルカリ金属の蒸気圧を供
給できるのである。本実施例のごとくアルカリ金属とし
てセシウムを例にとること、純粋なセシウムが存在する
場合、セシウム上の平衡蒸気圧は約10−6トール程度
で可成り高く、このためセシウムのみから成る補助膜を
セシウムの蒸気の供給源として用いた場合には、電子放
出部でセシウムが過剰となつて電子放出効率が著し1く
低下しててしまうおそれがある。すなわち、電子放出部
の活性層に対して、セシウムの吸着量が適量のときが電
子放出効率が最も高く、それより多過ぎても不足しても
放出効率が低下するわけであるが、セシウムと他の元素
とを適当な割合で混合,化合あるいは合金させることに
よつて形成した補助膜を用いると、その補助膜上のセシ
ウム分圧が純粋なセシウム上の分圧より下がる。したが
つて、アルカリ金属の混合の割合やアルカリ金属を合金
にした場合に組成、あるいはアルカリ金属を含む適当な
化合物を用いる等によつてセシウム分圧を調節でき、電
子放出部へ最適のセシウム蒸気圧を供給できる。
j なお必要なセシウム分圧は電子放出部の活性層の付
け方および動作温度によつて異なるが、およそ10−8
〜10−15トールの範囲にある。このように本実施例
において補助膜に銅族元素を適当量含ませるのは、この
銅族元素とセシウムとの化合物あるいは合金、あるいは
銅族元素とセシウムと酸素との複合体を形成させること
によつて適当なセシウムの分圧を得るのに適するためで
ある。一方、本実施例において、銅族元素を電子放出部
の活性層に含ませることによつて、アルカリ金属の吸着
状態を安定させることができ、アルカリ金属の蒸発を防
止できると共に、イオン衝撃に対して表面を丈夫にした
また従来の活性法よりも大きな放出効率を得ることがで
きた。さらに電子放出部の支持台,周囲電極および真空
容器の内壁の一部に銅族元素とアルカリ金属とを含む補
助膜を形成することによつて得られた別の効果は、この
補助膜が真空容器内の残留ガスのゲツターとして作用す
ると共に、電子放出部の支持台,電極材料,真空容器等
の内部の吸蔵ガスが真空中へ放出されるのを防止する作
用もするのである。
以上、セシウム,酸素および銀を用いて電子放出部の活
性層と補助膜とをつくる場合を説明したが、セシウム,
酸素および銀を付ける順序,量,ならびに回数は最終的
に放出効率が最大になるようにできれば任意におこなつ
てよい。
勿論、上記の補助膜を形成するにあたつて、銅族および
アルカリ金属に別の元素を加えても、また銅族元素を別
の元素で置換えても差支えない。たとえば■族元素であ
るアルミニウム,ガリウム,インジウム,タリウム,硼
素等、シリコン,ゲルマニウム,錫,鉛等の■族元素、
燐砒素,アンチモン,ビスマス等のV族元素、テルル,
硫黄,セレン等の■族元素、亜鉛,カドミウム等の■族
元素およびハロゲン元素等を加えてもよい。また、これ
らを銅族元素の代りに用いてもよい。なお、この補助膜
の形状および大きさは任意でよく、補助膜を付ける個所
の数も任意で1ケ所でも、数ケ所に別けてつけてもよい
またその厚みも発明の目的を叶えるものであれば任意で
よい。例えば補助膜の厚さは数オングストロームから数
ミリメール程度までの範囲の適当な厚みであればよい。
勿論、補助膜を付ける場所は電子放出装置の動作を妨げ
ない場所であることは言うまでもない。また、補助膜に
隣接して補助膜を適当な温度に調節するための加熱ヒー
タや、冷却装置を設けてもよい。
さらにまた多孔質金属やセラミック等にアルカリ金属お
よび銅族元素および上記の元素を含浸させたり、埋め込
んだものを補助膜として用いてもよい。第2図は本発明
の第2の実施例としての半導体電子放出装置を示すもの
でミ図中、第1図と同り符号はほぼ同様の部分を示して
いる。
この第2実施例では、蒸着をおこなつたときに銅族元素
がp形半導体層11の表面に直接蒸着されないように、
蒸着源8の位置を下方にずらしてある。なお、補助膜の
形成法等は上記の第1実施例と同様である。したがつて
、この第2図に示す第2実施例の場合、蒸着源6から銅
族元素たとえば銀が直接p形半導体層11の表面に蒸着
はされないが、分子間の相互作用や管壁からの反射や表
面拡散等があるため、間接的にはp形層11の表面に微
量の銀が供給できる。
よつてこのような蒸着源8の配置をとつても、充分な量
の銀を蒸着することによつて、電子放出部の活性層に銀
の効果が得られる程度の量の銀を送ることが可能である
。そしてこのように間接的に銀などの銅族元素を活性層
に送り込む手段によれば、銀の析出が徐々におこなわれ
るのて、最適量に制御するのに好都合である。勿論、蒸
着源8とp形半導体層11との配置が第1図に示すよう
な配置であつても、蒸着源8とp形半導体層11との間
に適当な遮蔽物を設ければ、第2図の場合と同様な効果
が得られる。第3図はこのようにして得られた冷陰極の
電子放出特性の一例を示すものである。
横軸がダイオード1に流したバイアス電流をミリアンペ
ア単位で示し、縦軸に電子放出部からの放出電流をマイ
クロアンペア単位で示す。図中に一点鎖線で示されるカ
ーブaは電子放出面の活性化をセシウムと酸素とでおこ
なつて放出効率が最大となるようにしたものであり、実
線によつて示されたカーブbはその後で活性層に銀を加
えたものである。これから放出効率が銀を加えることに
よつて増加したことがわかる。第4図はセシウムと酸素
、およびセシウムとアンチモンと酸素で電子放出部の活
性層を形成した冷陰極と、本発明のセシウムと酸素と銀
とで活性層を形成し、かつセシウムを含む補助膜を有す
る冷陰極との耐熱特性を比較したものである。
図中の各点は、それぞれの手段で室温で電子放出部の活
性層を形成したあと、横軸で示す温度まで電子放出部を
加熱し約3紛間その温度で一定に保つてから室温まで冷
却し、冷陰極からの放出電流を加熱する前と比較したも
のである。縦軸は加熱する前の放出電流で規格化した加
熱後の相対放出電流を示す。また、図中のIdはダイオ
ードのバイアス電流、Eaは陽極電流を示す。この図か
らセシウムと酸素(Cs−0)で活性化したものは少し
の加熱で劣化するのに対して、セシウムとアンチモンと
酸素(Cs−Sb−0)で活性化したものは90℃程度
まで安定である。
一方、本発明の冷陰極すなわちセシウムと酸素と銀(C
s−0−Ag)とを用いたものは300℃程度まで安定
であり、本発明によつて電子放出部のj耐熱性が飛躍的
に改善されたことを示している。第5図は半導体冷陰極
の放出電子量の安定度を示す経時変化のグラフで、縦軸
が放出電流の相対値,横軸が1時間を単位とした動作時
間を示す。図において、A1およびA2が従来のセシウ
ムと7酸素とでp形層表面を活性化した例であり、また
八およびB2はセシウムとアンチモンと酸素とで活性化
した例を示すものである。そしてC1およびC2が本発
明の冷陰極の放出電流の経時変化を示すものである。な
お、Bl,B2,ClおよびC2のフ動作試験は続行中
のものである。このグラフより本発明によつて放出量の
安定度ならびに寿命が著しく改善されたことがわかる。
第6図は本発明の第3実施例としての光電子放出装置を
示すもので、第6図中、第1,2図と同じ符号はほぼ同
様のものを示している。この第3実施例では、強いp形
の導電形を示す半導体、たとえば正孔濃度が1立方セン
チメートルあたり1018〜1Cf!0の範囲の砒化ガ
リウムp形半導体結晶11を支持台13上に固定する。
勿論この結晶は鏡面研磨およびエッチング等通常の前処
理によつて表面の機械的加工層が除去されている。
真空容器内を超高真空にした後、この結晶を適当な温度
たとえば500℃程度に加熱して、表面を原子的尺度で
清浄にする。
そしてp形層11表面にセシウム,銀および酸素とから
成る活性層を付けて電子放出部を形成せしめる。また、
電子放出部の支持台13,周囲の電極,真空容器の内壁
の少くとも一部に補助膜2を形成せしめる。p形層11
の表面を活性化するにあたつて電子放出面を白色光20
で照射し、電極30と陽極10との間に陽極が正となる
よう数十ボルトの電圧を加えて放出される電子流、すな
わち光電流を監視し、その光電流が最大となるようにす
る。
この場合、陽極10は入射光20が電子放出部に照射で
きるように適当な形状、たとえばリング状の構造にして
ある。このようにして最適の活性層が得られた後、部分
15で封止し本発明の電子放出装置を完成す,る。
本発明によつて数万時間を越える動作寿命をもつ光電子
放出装置が得られた。
以上、本発明の実施例として燐化ガリウムを用いた冷陰
極および砒化ガリウムを用いた光電子放J出装置につい
てそれぞれ説明したが、本発明は燐化ガリウムのみなら
ず、シリコン,ゲルマニウム,シリコンカーバイドなど
の■族元素半導体、燐化インジウム..砒化インジウム
、ガリウムアンチモナイドや二種以上の■−V族化合物
半導体同こ志の混晶たとえばGa.AsP,InAsP
,InGaAs,GaAsSbおよびImlaAsPな
どや■−■族化合物半導体同志のヘテロ接合を用いた電
子放出装置に対しても適用できることは言うまでもない
また、活性層や補助膜を得るためのアルカリ金属として
は、セシウム,バリウム,ルビジウム,ストロンチウム
等のうちの少くとも一つを用いればよい。
さらに銀の代りに金や銅やその他の元素を用いてもよい
本発明は光電面,冷陰極,二次電子面はもとより、すべ
ての負の電子親和力状態の表面を用いた電子放出装置に
適用てきる。
さらにまた本発明の電子放出装置は撮像管,光電子増信
管,ブラウン管,高周波用発振および増幅管,表示管、
その他の画像デバイス等電子源を必要とする真空管に組
み込んで使用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
第1図は冷陰極に本発明を実施する工程を説明するため
の模式図、第2図はアルカリ金属を含む補助膜のみを設
ける場合の実施例を示す模式図、第3図は半導体電子放
出装置の放出特性図、第4図は電子放出部の耐熱特性を
比較したグラフ、第5図は本発明の電子放出装置の時間
経過に伴う放出電流の変化を示すグラフ、第6図は光電
子放出装置に対する本発明の実施の工程を説明する模式
図てある。 1・・・・・・ダイオード、2・・・・・・真空容器7
の内壁の一部、3,4・・・・・・電極棒、5・・・・
・・ヒータ、6・・・・セシウム源、7・・・・・・真
空容器、8・・・・・・銅族元素の蒸着源、9・・・・
・・銀のチューブ、10・・・・・・陽極、11・・・
・・・ダイオード1のp形層、12・・・・・・ダイオ
ード1のn形層、13・・・・・・支持台、14・・・
・・・排気管、15・・・・・・封じ切る部分、16・
・・・・・コバールシール、17・・・・・リード線、
20・・・・白色光、30・・・電極。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 P形の導電形を呈する半導体表面を負の電子親和力
    状態にすべく、同半導体表面に、アルカリ金属と酸素と
    を含んだ活性層が設けられ、電子放出機能の寿命を延長
    すべく、上記活性層に、さらに金、銀および銅のうちの
    少なくとも一つが含有されていることを特徴とする、半
    導体電子放出装置。 2 P形の導電形を呈する半導体表面を負の電子親和力
    状態にすべく、同半導体表面に、アルカリ金属と酸素と
    を含んだ活性層をそなえ、電子放出機能の寿命を延長す
    べく、上記活性層に、さらに金、銀および銅のうちの少
    なくとも一つが含有されている電子放出部を真空容器の
    内部にもち、且つ、上記電子放出部を取りつける台、周
    囲の電極および該真空容器の内壁の少なくとも一部分に
    アルカリ金属を含む補助膜が形成されていることを特徴
    とする、半導体電子放出装置。
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