JPS6053406B2 - 高誘電率を有する誘電体薄体およびその製造方法 - Google Patents

高誘電率を有する誘電体薄体およびその製造方法

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JPS6053406B2
JPS6053406B2 JP52148604A JP14860477A JPS6053406B2 JP S6053406 B2 JPS6053406 B2 JP S6053406B2 JP 52148604 A JP52148604 A JP 52148604A JP 14860477 A JP14860477 A JP 14860477A JP S6053406 B2 JPS6053406 B2 JP S6053406B2
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は面積比にて少なくとも50%以上のアモルフ
ァス状態を含む高誘電率を有する誘電体薄倖およびその
製造方法の改良に関するものである。
従来より知られているアモルファス状態の誘電体物質と
しては誘電体ガラスがある。
これには熔融ガラスを一対のロール間で挾み上げて得ら
れる板状ガラスや、溶融ガラスをノズルから吹き出させ
て巻き取ることにより得られるガラスファイバーなどが
ある。しカル熔融ガラスそのものの誘電率は、たとえば
Bi。
へ・ CdO−SiO2系で16〜32の範囲であり、
高誘電率のものは得られていなかつた。また機械J的に
弱いため耐衝撃性に劣つており、さらに加工が困難であ
る、あるいは熱に対して弱いなどの問題があつた。また
、高誘電性化合物を基板上に蒸着、電着、スパッタリン
グなどの方法でこれらを部分的にアiモルフアス状態に
した薄体を得る技術が知られている。
し力化基板に付着していないアモルファス状態を含む良
質で面積の大きな薄片、薄体のような誘電体薄倖および
その製造方法はまだ見い出されていない。この発明は高
誘電率を有し、良質で面積の大きな誘電体薄体およびそ
の製造方法に関し、その要旨とするところは、面積比に
て少なくとも50%以上のアモルファス状態を含み、か
つグラスフオーマを含有していることを特徴とするもの
であり、かかる良質な誘電体薄体は、熔融させた結晶性
高誘電率物質にグラスフオーマを添加含有させ、この結
晶性高誘電率物質をノズルから噴出させ、これを回転体
の回転面上で急冷することによつて得られる。
結晶性高誘電率物質としては、BaTiO3,PbTl
O3,Pb(Ti,Zr)03,LiNb03,LiT
a03,NaTa03,NaNb03,AgNb03な
どのペロブスカイト型のもの、Pb(Znll3Nb2
l3)03,Pb(Fell2Nbll2)03などの
複合ペロブスカイト型のもの、Ba2Nb2O7,Ca
2Nl)1,07,Ba2Ta207などのパイロクロ
ア型のもの、BaBi2Ta2O9などのビスマス層状
型のもの、KxWO3(0.43≦x≦0.51)、P
bNhl.O6などのタングステンブロンズ型のものが
ある。
この発明はグラスフオーマを含有する良質な誘電体薄体
を提供するものであるが、この誘電体薄体には多くの元
素を固溶させ得る。
誘電体薄体に元素を固溶させることができる場合として
は、まず、結晶状態において広範囲にわたつて固溶する
同じ結晶形を示す複数の化合物があり、この例としては
例えば(Ba,Pb)TiO3系がある。
次に、固溶させることのできる添加可能な元素−として
は、添加元素そのものあるいはその化合物があり、たと
えば酸化物、混合体単体あるいはそれらの複合体として
添加できる。
さらに、他の添加元素としては、原結晶が含有する金属
元素と結晶状態において一部置換可能な.元素、たとえ
ば遷移金属元素がある。
これらの元素の誘電体薄体に対する添加可能な範囲は普
通結晶状態の固溶限界よりは広い。
また、この他に添加可能な元素は誘電体薄体が熔融状態
のときに熔融しうるすべての元素であ・る。上述したす
べての元素は添加することにより構成された誘電体薄体
の電気的性質等を必要に応じて変化させるのに役立つも
のである。
この発明の要点の一つは、グラスフオーマの選定と、そ
の添加量によつて以下に詳述するような多大の効果を起
こさせ、良質の誘電体薄体を形成することを特徴とする
ものである。
すなわち、グラスフオーマとしては、熔融状態では比較
的粘性が高く、分解することもなく、殆んどあらゆる酸
化物および複合酸化物熔融体と極めて容易に一相を形成
し、の熔融体を急速に冷却するとアモルファス状態を含
む良質の誘電体薄体ノが得られる。
このグラスフオーマを含有する良質な誘電体薄体は形状
、表面状態が均一平滑で、薄体内部にも空隙が無く、光
学的に透明なものであり、機械的強度も電気的絶縁耐力
も大きいという特徴を有す門 る。
このようなグラスフオーマを分類すると、酸化物系、弗
化物系および燐酸塩系といくらかのカルコゲナイド系が
ある。
酸化物系には、殆んどあらゆる複合熔融塩に良・好な効
果を与えるB2O3,PbO,Bi2O3等の他、かな
り広範囲の複合熔融塩に好結果を与えるLl2O,K2
O,KnO,LU2O3,CS2O,SnO,snO2
,GeO2,sb2O3等があり、P2O5,V2O5
,In2O3等のように幾つかの酸化物あるいはその複
合体の非晶質形成を助長するものの他、各種鉄族酸化物
、希土類酸化物、またBeO,MgO,CaO,ZnO
,CdO,SrO,BaO等、さらにT1−102,Z
r02,W03等も熔融塩の種類によつてはアルモフア
ス状態の形成に役立つものもあるが、かなりの熔融塩に
対しては結晶性析出物なる場合が多い。
この他複合塩の熔融体の温度をかなり高くすることが好
都合の場合には、SjO2,Al2OJ,AS2O3等
もかなりの広範囲のアルモフアス状態複合塩の形成に効
果がある。すなわち、誘電体として優秀なものは得られ
ないが、グラスフオーマが加えられた熔融体は一般に金
属の製練過程で称せられる、いわゆるスラグであり、こ
れが急冷されて場合によつては結晶性析出物を含むアモ
ルファス物質となる。これらのスラグの成分は原料鉱石
およびこれに加える他の鉱物、コークス等の各成分が含
まれるので、高誘電率のアモルファス物質を作るのに不
要の不純物が混入しないものが望ましく、この観点から
の例として上記の酸化物を用いることが望ましい。勿論
上記の酸化物は多くの場合、複合して用いることが可能
であり、その方が効果的なものが多い。弗化物系では、
PbF2,LiF,NaF,BeF2,MgF2,Ca
F2,ZnF2,CdF′2,SrF2,BaF2,A
1F3,BiF3,CeF3,SnF4等おょびこれら
の複合物がアモルファス状態の形成を助長するグラスフ
オーマとしてフラックス効果を発揮する。
特に、PbF2を代表とする低融点の弗化物群は極めて
効果が高い。さらに、これらは上記酸化物系のグラスフ
オーマを複合され、酸化物および複合体を熔融して一相
とするに当り、その融点を低温側に持ち来たすことにも
多大の効果を発揮する。
硝酸塩系と燐酸塩系には多大の効果を発揮するグラスフ
オーマが多いが、熔融塩の広範囲のものについて常に効
果が期待されるわけでなはなく、これらの複合塩の熔融
に先立つて分解するものでは酸化物に転換する。
これらの系列の例としては、KnO2,NaO3,CS
NO3,AgNO,,Sr(NO3)2,Ba(NO3
)2,Na2S207,K2S207,K2S04等、
多くのもののほか、Ta,Nb,Zr,Hf等を含む上
記した酸素族化合物などがある。誘電体薄体をるために
結晶性高誘電率物質を熔融させる場合には次のような点
に注意を払わなければならない。
つまり、熔融した結晶性高誘電率物質をノズルから噴出
させることができる粘調度であることが必要であり、結
晶性高誘電率物質の融点より高くなりすぎると粘調度が
低くなりすぎるため、熔融体がノズルより自発的に滲出
して液滴状に近くなる。さらにそれ以上の温度で熔融さ
せると自発的に流下し、良好な熔融体が得られず、結果
的には良質な誘電体薄体が得られなくな・る。したがつ
て、結晶性高誘電率物質はその物質自体の融点または融
点を越えた付近で熔融されていることを要する。このよ
うな要請は良質な誘電体薄体を製造する条件の選定範囲
がかなり狭く制限されることを示すものである。
そこでこの発明にかかるグラスフオーマの添加が重要と
なる。つまり、上記したフラックス群であるグラスフオ
ーマの効果は、第1に誘電体薄体を形成する原複合塩の
熔融点を低下させ、第2に熔融塩が自然の熔融状態では
二相以上に分相しやすい状態を一相に保つ作用を発揮す
ること、第3に融点以上となつて極めて粘度の低くなつ
た状態の熔融体をこのグラスフオーマを添加することに
より粘度を高め、超急冷過程を経てアモルファス状態を
含む誘電体薄体を形成するに当り、ノズルから熔融体を
噴出しやすくすることに多大の効果がある。すなわち、
グラスフオーマの添加の割合、次いでその成分の選定に
より液状熔融体の噴出直前および噴出中の適切な温度範
囲を広く選ぶことを可能とするものであり、この作用は
極めて重要である。さらに、グラスフオーマの添加の重
要性は次に述べることからも理解される。
つまり、アモルファス状態を含む誘電体薄体を得るため
には、冷却体である回転体の高速回転面で熔融塩が超急
冷されるに当たり、その薄体の下面の平滑度、すなわち
回転面と接触する面の平滑度は主として回転体の高速回
転面の平滑度て決定される。
一方、誘電体薄体の上面の平滑度、すなわち回転体と接
触しない面の平滑度は、熔融塩の表面張力と粘性が役割
を演する表面運動の姿態と深く関係する。したがつて、
後に詳しく述べるか、誘電体薄体の形成方法を制約する
各条件、例えば熔融体の噴出圧力、回転速度の不適切な
選定の結果、誘電体薄体の上面に付随する薄体層の不整
、簀の形成、薄体幅の不整をひき起こす。この際、上述
した熔融体の粘度と表面張力の適切な組合せは、噴出圧
力と回転体の回転速度の適切な選定範囲の幅を著しく広
げるものである。したがつて、グラスフオーマの添加に
より、従来燐j粉状の誘電体薄体しか得られない場合に
も上下面とも平滑で長尺物の誘電体薄体が得られる。こ
のようにグラスフオーマの添加は著しい効果を発揮する
と同時に次の効果も著しい。つまり、グラスフオーマの
添加は得られる薄体・の幅をノズル孔の直径よりはるか
に広くし、また薄体の形成厚が薄く、その厚みも一様に
するばかりでなく、このため薄体内での結晶質の析出を
著しく抑えるため光学的な透明度を高く保つ効果がある
ノ 結晶性高誘電率物質を熔融させるは抵抗加熱法、高
周波加熱法があるが、熔融させることができればその他
任意の手段を採りうる。
熔融された結晶性高誘電率物質はノズルから噴出される
が、噴出させる時点は回転面の直上にノズルが達したと
きに行えばよく、これにはマイクロスイッチなどを用い
ればよい。
また特に良質な誘電体薄体を得るために、ノズルには白
金、白金・ロジウムからなるものがよい。
またノズルの先端形状としては円形状、だ円形状などが
あるが、得ようとする誘電体薄体の大きさに合わせて選
択すればよい。ノズルの内面をライニング加工すれば熔
融した結晶性高誘電率物質が噴出しやすくなり、製造が
容易に行える。ノズルから噴出する熔融した結晶性高誘
電率物質の噴出圧は高すぎても低すぎても誘電体薄体中
に占める結晶質の割合が増加するため、上述した事実を
勘案して0.1〜W気圧の範囲にあることが望ましい。
良質な誘電体薄体を得るには、回転体の回転面上に噴出
させて急冷させるが、この場合回転体としては熱伝導の
よいものを用いる。
たとえばこれには銅、アルミニウム、鉄などの材質から
なる回転体がある。この回転体の回転速度は遅すぎると
誘電体薄体の膜厚が厚くなり、鱗片状になると同時に結
晶質部分が多くなるため、回転速度としては1400r
′Pm以上が好ましい。
回転体の直径は上述した結晶性高誘電率物質の熔融温度
、回転体の回転速度、およびノズルからの噴出圧の各条
件に適合した大きさがあり、たとえば回転体の回転面の
線速度が同一であつても、回転体の直径が大きい場合に
は、小さい場合にくらべて回転体が受ける遠心力が小さ
いので、回転面との付着力が大きい材料では良好な誘電
体薄体が得られず、また付着力の小さい材料では冷却さ
れる時間が短かすぎるため、アモルファス状態を少なく
とも一部含む良質な誘電体薄体が得られない。
たとえばその大きさとしては50〜350mφ程度のも
のである。回転体としてはたとえば円板状あるいはドラ
ム状のものがあり、円板状の場合には冷却面として側面
の平滑な回転面上を用いればよい。
またドラム状のものは冷却面として平滑な内側面を用い
ればよい。以下この発明の実施例を図面とともに詳細に
説明する。
第1図はこの発明にかかる誘電体薄体を得るための製造
装置を示している。この製造装置の具体的構造を第1図
を参照しながら説明する。1は真空槽で、この真空槽1
内には回転体2が設置されている。
回転体2は熱伝導のよい、たとえば銅よりなり、これを
駆動するモータ3が連結されている。このモータ3は回
転数が最高30000r′Prn8度のもので、速度を
可変することができる。4はモータ3を設置するための
固定台、回転体2の直上には結晶性高誘電率物質を収納
するノズル5が上下移動可能に設置されている。
6はバイブで、結ζ晶性高誘電率物質をノズル5に投入
するためのものである。
また7は熔融させた結晶性高誘電率物質をノズル5から
噴出させるためのガスを注入するためのバイブである。
8はノズル5を上下移動するシリンダで、ノズル5を回
転体2の直上に設置する距離を調整する。
9は真空ベローで、ノズル5の上下移動に応じて伸縮す
るとともに、真空槽1とノズル5の間を密閉している。
10はヒータで、ノズル5の先端周面に配置されており
、たとえば1250〜1300℃の温度でノズル5を加
熱し、゛ノズル5内に収納された結晶性高誘電率物質を
熔融させる。11はノズル5の先端付近に配置された熱
電対、13はシャッタで、回転体2とノズル5の間に回
転可能に配置されており、ノズル5から熔融した結晶性
高誘電率物質を噴出させる前にこのシャッタ12を閉の
位置においておき、回転体2の加熱を防止する。
13は磁石てシャッタ12を回転させる回転軸14と一
体に取り付けられている。
15は真空槽1の排気口て排気系に接続されている。
16はこの装置により製造される誘電体薄体の補集口で
ある。
結晶性高誘電率物質が強磁性酸化物を含まない非磁性の
ものであれば、ノズル5を真空槽1に設置する前にあら
かじめこの物質をノズル5内に収納しておくか、ノズル
5をヒータ10で加熱したのちバイブ6からこの物質を
投入する。
また結晶性高誘電率物質か強磁性酸化物との混合物であ
る場合には、上述したほかに、磁石13をノズル5に近
接または接触させておけば、この混合物を通過させるの
に役立つ。
熔融した結晶性高誘電率物質をノズル5から噴出させ、
回転体2の回転面で急冷して誘電体薄体を得る場合、真
空槽1は大気圧下の自然雰囲気としてもよく、また長尺
物の誘電体薄体を得るには真空槽1を減圧して低圧下で
製造すればよい。
さらに過酸化防止のためには真空槽1内をN2,Arな
どの不活性雰囲気としてもよい。次に具体的な実施例に
ついて説明する。
実施例1 結晶性高誘電率物質として、K2S2O7を10原子%
加えたLiNlO3を用い、第1図に示した装置の投入
用のバイブ6からノズル5へ入れ、1250〜1300
℃に保持して熔融させた。
次いで銅よりなる直径30077!77!φの回転体2
を3800rpmで回転させておき、ノズル5より噴出
圧を0.1〜1.観圧に変化させながら回転体2の回転
面上に熔融したLiNbO3を噴出させ、この熔融ガラ
スを回転面上で急冷させて誘電体薄体を得た。
なお、このとき真空槽1は減圧せず、大気圧下において
製造した。
得られた薄体は厚み10〜25μmの均一幅の長尺物で
、表面状態が極めて良好かつ無色透明であつた。
これを鉱物顕微鏡で測定したところ、全体あるいは相当
部分にわたつてアモルファス状態であることが確認でき
た。このことをさらに確認するため1000K■超高圧
電子顕微鏡て回析像を観察した。第2図はこの回析写真
である。この第2図が示すようにハローが明らかに表わ
れており、試料がアモルファスであることが確認できる
。またこの試料を高温鉱物顕微鏡で観察したところ、4
50〜500′Cにわたつて結晶化が起つた。さらにこ
の試料の一部を加熱したところ、低温側との境界で析曲
りが起ることから、この温度の低温側にガラス化温度が
あることがわかる。また、この薄体のうち厚み10μm
1幅0.5顛、長さ5Tr?tのものについて誘電率を
測定した。
つまり第3図に示すように、この薄体101を一対の平
行電極102,103間に挾んでコンデンサ104を構
成し、変成器ブリッジ105を用いて誘電率を測定した
ところ80であり、従来のLiNbO3単結晶に比べて
大きな値を示すことが確認できた。なお、106,10
7は同軸ケーブルである。また、自由に振動しうる状態
で薄体を保持し、動インピーダンスを測定したところ、
電気振動が機械的振動に変換されることも確認され、電
気一機械変換器として利用できることが判明した。
実施例2結晶性高誘電率物質として、B2OJを20原
子%加えたPbTiO3を用い、第1図に示す装置にて
1300〜1350℃で熔融させ、製造条件を大気圧下
の自然雰囲気中で、回転数3000r′Pml噴出圧0
.8気圧として誘電体薄体を得た。
得られた薄体は表面状態が極めて良好かつ淡褐色透明で
あり、厚さ20pm1幅は0.5〜1.5w!nで均一
な長尺物で、X線および鉱物顕微鏡で測定したところ、
ほとんど全体がアモルファス状態であることが確認でき
た。
このことをさらに確認するため、Cml■線をLiFモ
ノクロメータを経て、シンチレーシヨンカウンタで停止
計測したところ、第4図に示すようにアモルファス特有
のハロー曲線を認め、試料がアモルファスであることが
確認できた。
第4図において、縦軸は反射X線強度に比例する計数で
あり、横軸はカウンタの設定角2θである。
第4図から明らかなように、30度および57度付近に
幅広の極大が見られる。また、この試料を高温鉱物顕微
鏡を用いてクロスニコルの状態で加熱しつつ観測したと
ころ、400〜500′Cで結晶化することを確認した
また、実施例1と同様にの特性を測定したところ、結晶
化温度の低温側に数10度にわたり室温の値にくらべて
はるかに桁違いに大きな誘電率が検出され、また電気一
機械変換器として利用てきることが判明した。上記した
ほか、酸化物系、弗化物系、硝酸塩系、燐酸塩系など、
あるいは、これらの複合物をグラスフオーマとして添加
含有しているこ誘電体ノ薄体としては次のようなものが
ある。
(BaTlO3)0.45(B,O3)0.55(P反
の。
)0.95(Bi2O3)0.05(NaNbO3)0
.8(PbT′103)0.15〔Pb3(P3O4)
2〕0.057〔Pb(Fell2Nbll2)03〕
0.5〔(B2O3)0.2(PbO)0.8〕0.5
(B3TlO3)0.7〔(MnO)0.1(K2S2
O7)0.9〕0.3(LlNbO3)0.9〔(Zr
O2)0.2Na(NO3)0.8〕0.17(LiN
bO3)0.3(FeTiO3)0.4〔(K2O)0
.4(Bl2O3)0.6〕0.3(PbN■05)0
.6(PVつ。
)0.1〔(Ta2O3)0.2(K2S2O,)0.
8〕0.3(KNbO3)0.3(CdTiO3)0.
1 〔(ZnF′2)0.2(B2
O3)0.8〕0.1(KNbO3)0.6(NaNl
O3)0.2〔(SiO2)0.2(Na2S2O7)
0.8〕0.2(LiNbO3)0.8〔(SlO2)
0.1(Al2O3)0.1(K2S2O7)0.8〕
0.2(NaNbO3)0.7〔(MgF2)0.1(
BaF2)0.2(PbF′2)0.7〕0.3(Pb
TlO3)0.55〔(BiF2)0.1(LiF)0
.3(N2S2O7)0.6〕0.45(LiNlO3
)0.3〔(NaF)0.15(BlF3)0.25(
PbO)0.6〕0.2(La−Bicr−Fe2O3
)0.5〔(In2O3)0.1(AgNO3)0.1
(Na2S2O7)0.8〕0.5 (NaNbO3)0.7(NaSbO3)0.1〔(M
nO)0.2(SnO2)0.2(PbO.O.6〕0
.2 (YMnO3)0.1(LiTaO3)0.6〔(Mn
O)0.05(Al2O3)0.1(K2SO4)0.
85〕0.3(PbTjO3)0.6〔(Al2O3)
0.05(CaO)0.05(WO3)0.1(SnO
2)0.8〕0.4(LlNbO3)0.6(NaNl
O3)0.1〔(MnO)0.05(GeO2)0.0
5(P2O5)0.1(B2O3)0.8〕0.3(P
bTjO3)0.9〔(MgO)0.02(ZnO)0
.08(BaO)0.1(In2O3)0.3(PbF
2)0.5〕0.1上述したほか、得られた誘電体薄体
についての特徴的な性質について以下に説明する。
機械的強度として、曲げに対する強度は同一の厚さの同
一寸法の薄体で帯面を湾曲させると、結晶質のものと比
較した場合、破壊に至る抗析力強度は5〜6倍と大きな
値を示す。
すなわち、この発明によるもののほうが圧倒的に強い。
また、光の透過性は、多結晶質の薄体とこの発明の薄体
とくらべた場合、顕微鏡観測によると前者が白濁状態で
あるにも拘わらず、後者は平行ニコルの状態で極めて光
の透過性が高く、クロスニコルの状態では暗黒状態にあ
り、導体の境界線のみが可視化される。
さらに、上述した各実施例で作成したコンデンサについ
て静電容量の測定中に直流バイアス電圧を加えた。
この電圧を変化させて測定した絶縁破壊電圧は多結晶質
の薄体にくらべて10f8以上であつた。このことは、
この発明による誘電体薄体のほうが多結晶質の薄体にく
らべ、絶縁耐力がはるかに高いことを示している。また
、誘電率については上述した各実施例で説明したが、別
の例では誘電体薄体を作成するにあたり、原料として用
いた単結晶そのものから切出した薄片の誘電率にくらべ
、この発明による誘電体薄体のそれは約10f8であつ
た。これは誘電体薄体では結晶構造がないため、あノる
いは存在していたとしても面積比にて50%未満である
ため、高誘電率の発生の起因となるべき電界印加による
各原子あるいはイオンの分極に方向性が本質的に依存し
ないことによるためであろうと考えられる。また、分極
の存在と関係する誘電率の電界依存性に対しては、印加
バイアス電圧の上昇に伴つていくらかの誘電率の低下が
認められる。
このことは誘電体薄体の誘電率に非線形が伴つているか
、あるいは誘電ヒステリシスに伴う抗電力が極めて”小
さい強誘電性あるいはポーリング効果によるエレクトレ
ット性に基くものかのいずれかである。なお、誘電体薄
体中に含まれるアモルファス状態は面積比にして少なく
とも50%以上の範囲にあることが望まれる。これは5
0%未満になると機械的強度が弱くなり、薄体状態て保
持することが困難になるからである。以上に説明したご
とく、この発明のように面積比にて少なくとも50%以
上のアモルファス状態を含み、かつグラスフオーマを含
有している誘電体薄体は形状、表面状態が均一平滑で、
薄体内部に空隙がなく、光学的に透明なものであり、機
械的強度も電気的絶縁耐力も大きいという特徴を有し、
さらに従来のアモルファス状態の誘電体薄体にくらべて
大きな誘電率が得られるとともに、任意の大きさに切断
して電極を付与するだけでチップ状のコンデンサが得ら
れる。
またそのほかにトランスデューサ、振動子、沖波器、光
導光路、光モジュレータ、圧電・光電記録、熱記録、光
検出、誘電増幅、電歪式可変遅延線、誘電論理素子、発
振子、静電リレー、静電変圧器などの用途がある。また
、この発明にかかる誘電体薄体を製造するにあたり熔融
した結晶性高誘電率物質にグラスフオーマを添加すると
、その熔融点を低下させ、二相以上に分相しやすい熔融
体を一相に保ち、さらに粘度を高めて誘電体薄体の製造
を容易にするなど、誘電体薄体を製造する際に極めて重
要な作用を有するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明にかかる誘電体薄体を得るための装置
例の概略図、、第2図はこの発明の一実施例で得られた
誘電体薄体の回析像の電子顕微鏡写真、第3図は誘電率
を測定する回路図、第4図はこの発明の一実施例により
得られた誘電体薄体のX線回析図である。 1一真空槽、2一回転体、3−モータ、5−ノズル、1
0−ヒータ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 面積比にて少なくとも50%以上のアモルファス状
    態を含み、かつグラスフオーマを含有していることを特
    徴とする高誘電率を有する誘電体薄体。 2 グラスフオーマは原子%で0.01〜50.0%添
    加含有されている特許請求の範囲第1項記載の高誘電率
    を有する誘電体薄体。 3 熔融させた結晶性高誘電率物質をノズルから噴出さ
    せ、これを回転体の回転面上で急冷することにより、面
    積比にて少なくとも50%以上のアモルファス状態を含
    む誘電体薄体を形成するに当たり、熔融させた結晶性高
    誘電率物質中にグラスフオーマを添加含有させたことを
    特徴とする高誘電率を有する誘電体薄体の製造方法。 4 熔融させた結晶性高誘電率物質中にグラスフオーマ
    を原子%で0.01〜50.0%添加含有させた特許請
    求の範囲第3項記載の高誘電率を有する誘電体薄体の製
    造方法。 5 結晶性高誘電率物質はその融点または融点を越えた
    付近で熔融していることを特徴とする特許請求の範囲第
    3項または第4項記載の高誘電率を有する誘電体薄体の
    製造方法。 6 ノズルは白金または白金・ロジウムよりなることを
    特徴とする特許請求の範囲第3項記載の高誘電率を有す
    る誘電体薄体の製造方法。 7 回転体は熱伝導の良好なものからなることを特徴と
    する特許請求の範囲第3項記載の高誘電率を有する誘電
    体薄体の製造方法。 8 回転体は銅または銅・ベリリウムよりなることを特
    徴とする特許請求の範囲第3項または第7項記載の高誘
    電率を有する誘電体薄体の製造方法。
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