JPS6042333Y2 - 可変オリフイス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はレンジアビリティの大きな差圧式微小流量計
に用いて好適な可変オリフィスに関するものである。

差圧式の微小流量計には流量に応じてオリフィスの実効
面積が変化する可変オリフィスがしばしば使用される。

第１図は従来の可変オリフィスの縦断面図である。

図において、１は管体、２は管体１内の中央に設けられ
た中心にオリフィス３を有する隔壁、４は管体１内に固
定された支持体５にナツト６によって固着されたねじ棒
、７はねじ棒４に遊嵌されオリフィス３と同心に配置さ
れたテーパ外周面を有するプラグ、８はねじ棒４の先端
に遊嵌された座板、９は座板８の軸方向の位置を調整す
るためのナツト、１０は支持体５とプラグ７の径の大き
い方の面との間に設けられたコイルばね、１１は座板８
とプラグ７の径の小さい方の面との間に設けられたコイ
ルばねである。

なお、１２は高圧取出口、１３は低圧取出し口である。

プラグ７はコイルばね１０と１１とにより互いに反対方
向に押されるため、そのつり合った位置に停止している
。

この停止位置の零点調整はナツト９をまわして行なう。

そして、オリフィス３の内周とプラグ７の外周との間の
間隙がオリフィスの実効面積となる。

しかし、プラグ７の外周は軸方向に対してテーパ状に変
化するため、この実効面積もプラグ７の軸方向の位置に
応じて変化することになる。

第１図は、オリフィスの実効面積が最小の位置にある状
態を示している。

ここで、流体が矢印に示すようにオリフィスを通って高
圧側から低圧側に流れると、プラグ７が流体に押されて
低圧側に移動する。

したがって、流体の流量によってオリフィスの実効面積
が変化する可変オリフィスが構成される。

しかしながら、従来のこのような可変オリフィスによる
と、プラグの位置保持のためにコイルばねを２個も使用
しているため構造が複雑で部品点数が多くなり、またコ
イルばねを用いているため小形化が難しくなり、さらに
零点調整もやりにくいという欠点があった。

この考案は従来のこのような欠点を解消するためになさ
れたもので、その目的とするところは、形状が小形にな
って微小流量の測定が可能になり、しかも零点調整など
の調整操作が容易になるような可変オリフィスを提供す
ることにある。

このような目的を遠戚するために、この考案は、中心に
ノズルを有するオリフィス体を隔壁のねじ穴に螺合し、
一端を固定した板ばねの先端に設けた円錐状のチップを
ノズルの開口部に同心に配置するようにしたものである
。

以下、この考案を図面に基づいて詳細に説明する。

第２図はこの考案に係る可変オリフィスを差圧式微小流
量計に適用した一実施例の縦断面図である。

図において、２０は円筒状の管体、２１は管体２０内の
高圧側口２２と低圧側口２３との間に設けられた隔壁、
２４は隔壁２１を貫通して軸方向に形成されたねじ穴、
２５は外周面にねじ穴２４に螺合するねじ２６、中心に
ノズル２７がそれぞれ形成された円筒形のオリフィス体
、２８はオリフィス体２５の高圧側の端に設けられた頭
部、２９は一端をねじ３０によって管体２０に固定され
た板ばね、３１は板ばね２９の先端に固定された円錐状
のチップ、３２は高圧側口２２に設けられた高圧取出し
口、３３は低圧側口２３に設けられた低圧取出口である
。

なお、図示してないが、高圧取出口３２および低圧取出
口３３は差圧計に液路されており、高圧側口２２の圧力
と低圧側口２３の圧力との差が計測されるようになって
いる。

ここで、チップ３１はオリフィス体２５のノズル２７の
低圧側開口部に同心になるように配置されており、この
開口部内周とチップ３１の外周との間隙がオリフィスの
実効面積となっている。

チップ３１は円錐状に形成されているため、ノズル２７
とチップ３１の軸方向の相対距離によってこの実効面積
は変化する。

なお、頭部２８を保持してオリフィス体２５をまわすと
、オリフィス体２５は軸方向に移動するため、流体が流
れていないときのオリフィスの実効面積、すなわち零点
調整を容易かつ精密に行なうことができる。

このような構成において、流体がノズル２７を通って高
圧側口２２から低圧側口２３に矢印のように流れると、
流体によってチップ３１は板ばね２９の弾力に抗して低
圧側に変位しオリフィスの実効面積は増加する。

この場合、ノズル２７の零点位置を適当に調整すると、
高圧側口２２の流体圧Ｐ０と低圧側口２３の流体圧Ｐ２
の差圧ΔＰと流量Ｑとの間には次式のような関係がなり
たつ。

Ｐ□−Ｐ２＝ΔＰ＝ＫＱα ただし、Ｋ、αは定数である。

αは通常０．６〜０．８程度の値をとるため、差圧ΔＰ
と流量Ｑの関係は第３図に示すグラフの曲線のようにな
る。

なお、第３図において、点線は従来の固定オリフィスの
特性を示す。

この考案のように可変オリフィスを用いると固定オリフ
ィスとは特性の曲率が逆になるが、これは、差圧に応じ
てオリフィスの実効面積が変化するためである。

第３図の特性において、低流量の範囲では流量Ｑに対す
る差圧ΔＰの変化率が大きくなるため、流体の低流量域
まで精度良く流量を測定できレンジアビリティが大きく
なる。

このようにこの考案に係る可変オリフィスによると、チ
ップの位置保持のために板ばねを使用しているため、微
小な形状のものが容易に製作でき、これによって微小な
流量を測定できるようになる。

また、オリフィス体をねじ回転するだけでノズルを軸方
向に移動できるため、零点調整を容易に、かつ高精度に
行なうことができるなど数多くの優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の可変オリフィスの縦断面図、第２図はこ
の考案に係る可変オリフィスの一実施例の縦断面図、第
３図は流量と差圧との関係を示すグラフである。 ２０・・・・・・管体、２１・・・・・・隔壁、２４・
・・・・・ねじ穴、２５・・・・・・オリフィス体、２
６・・・・・・ねじ、２７・・・・・・ノズル、２８・
・・・・・頭部、２９・・・・・・板ばね、３１・・・
・・・チップ、３２・・・・・・高圧取出口、３３・・
・・・・低圧取出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 管体の高圧側口と低圧側口との間に設けた隔壁に軸方向
   にねじ孔を形成するとともに、前記高圧口側に高圧取出
   し口、前記低圧側口に低圧取出し口を設け、中心にノズ
   ルを有し外周面にねじを形成したオリフィス体を前記ね
   じ孔に螺合し、一端を前記管体に固定した板ばねの先端
   に円錐状のチップを設け、このチップを前記ノズルの低
   圧側開口部に同心に配置したことを特徴とする可変オリ
   フィス。