JPS6041608B2 - 高純度亜硫安および酸性亜硫安水溶液の製法 - Google Patents

高純度亜硫安および酸性亜硫安水溶液の製法

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JPS6041608B2
JPS6041608B2 JP14777979A JP14777979A JPS6041608B2 JP S6041608 B2 JPS6041608 B2 JP S6041608B2 JP 14777979 A JP14777979 A JP 14777979A JP 14777979 A JP14777979 A JP 14777979A JP S6041608 B2 JPS6041608 B2 JP S6041608B2
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ammonium
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尚志 河野
健二 寺井
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俊秀 桜井
鉄也 小田
澄男 大田
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Ube Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、硫酸アンモニウムから高純度の亜硫酸ア
ンモニウム(亜硫安)および酸性亜硫酸アンモニウム(
酸性亜硫安)水溶液を製造する方法に関するものである
さらに詳しくは、この発明は、硫酸アンモニウムを二
段で分解して、アンモニア、二酸化硫黄および水が特定
の組成割合の分解ガスを生成さぜ、次いで分解ガスを溶
融硫黄およびポリエチレングリコールで洗浄して精製し
た後、精製分解ガスを水またはアンモニア水溶液に吸収
させて、チオ硫酸アンモニウム、遊離硫黄などをほとん
ど含有しない高純度の亜硫酸アンモニウムおよび酸性硫
酸アンモニウムの水溶液を製造する方法に関するもので
ある。
亜硫酸アンモニウムおよび酸性硫酸アンモニウムの水溶
液は、力プロラクタムを製造する際の中間原料として使
用される硫酸ヒドロキシルアミンの製造原料として有用
であるが、前記水溶液中に遊離硫黄、チオ硫酸アンモニ
ウムなどが亜硫酸アンモニウムおよび酸性亜硫酸アンモ
ニウムの合計量(モル)に対して0.002モル倍以上
程度(なお、硫黄は32yを1モルとして計算する。
以下同様)も含まれていると、硫酸ヒドロキシルアミン
の製造時に種々の副生物が生成し、高純度の硫酸ヒドロ
キシルアミンを製造することが困難になり、結果的に力
プロラクタムの品質を悪化させる。従つて亜硫酸アンモ
ニウムおよび酸性亜硫酸アンモニウムの水溶液を硫酸ヒ
ドロキシルアミンの製造原料として使用するためには、
遊離硫黄、チオ硫酸アンモニウムなどの不純物が前記程
度以下の高純度のものにする必要がある。
この発明は、力プロラクタムの製造、排煙脱硫などの種
々の化学プラントから副生する硫酸アンモニウムを有効
に利用し、硫酸アンモニウムから硫酸ヒドロキシルアミ
ンの製造原料として使用できる程度の高純度の亜硫酸ア
ンモニウムおよび酸性亜硫酸アンモニウムの水溶液を製
造する方法を提供せんとするものてある。
従来硫酸アンモニウムを分解して、アンモニア、二酸化
硫黄などを回収する方法は、多数提案されているが、大
別すると、(1)金属水酸化物または酸化物と硫酸アン
モニウムとを複分解してアンモニアと金属硫酸塩を得、
金属硫酸塩を高温で熱分解して二酸化硫黄を回収する方
法(例えば特公昭37−8251号公報、米国特許第2
182078号明細書、同第29207001号明細書
、同第3607045号明細書、英国特許第75875
3号公報など参照。
)および(2)還元剤として炭素、水素、硫黄など、も
しくはこれらを含む化合物を使用し、硫酸アンモニウム
を還元、分解してアンモニアおよび二酸化硫黄を回収す
る方法(例えば特公昭39−1655号公報、同42−
4570号公報、同42−20393号公報、同45一
30455号公報、特開昭48−20794号公報、同
50一101294号公報、米国特許第3810968
号明細書など参照。)の二つの方法に分けることができ
る。しかしながら、従来硫酸アンモニウムを分解して高
純度の亜硫酸アンモニウムおよび酸性亜硫酸アンモニウ
ムの水溶液を製造する方法についての提案はない。また
前記従来公知の硫酸アンモニウムの分解方法は、いずれ
の方法にも種々の難点があり、従来提案された方法で硫
黄を還元剤として使用し、たとえアンモニア、二酸化硫
黄などを含有する分解ガスを得ても、遊離硫黄、チオ硫
黄アンモニウムなどをほとんど含有しない高純度の亜硫
酸アンモニウムおよび酸性亜硫酸アンモニウムの水溶液
を製造することは困難である。例えば、米国特許第38
10968号明細書には、硫酸アンモニウムを直接、硫
黄、二酸化炭素、硫化水素などの還元剤で150〜40
0′Cで分解してアンモニア、二酸化硫黄および水を含
有する分解ガスを得る方法が記載されているが、この分
解ガスを水に吸収させても高純度の亜硫酸アンモニウム
および酸性亜硫酸アンモニウム水溶液を得ることは困難
である。この発明者らは、硫酸アンモニウムを分解し、
分解ガスから硫酸ヒドロキシルアミンの製造原料として
使用できる程度の、換言すると亜硫酸アンモニウムおよ
び酸性亜硫酸アンモニウム水溶液中の亜硫酸アンモニウ
ムおよび酸性亜硫酸アンモニウムの合計量〔(NH4)
2S03+NH4HSO3〕(モル)に対して、遊離硫
黄およびチオ硫酸アンモニウムの合計量〔S+(NH4
)2S203〕が0.001モル倍以下程度の高純度の
亜硫酸アンモニウムおよび酸性亜硫酸アンモニウムの水
溶液を製造する方法を開発することを目的として鋭意研
究を行なつた。その結果、高純度の亜硫酸アンモニウム
おび酸性亜硫酸アンモニウムの水溶液を製造するには、
例えば(イ)硫酸アンモニウムを分解して得られる分解
ガス中に含有する二酸化硫黄とアンモニアとのモル比お
よび二酸化硫黄と水とのモル比を調節する必要があるこ
と、(口)前記モル比を調節するためには二段で分解す
る必要があること、(ハ)分解ガスを精製して分解ガス
に同伴する硫黄を除去する必要があること、(ニ)前記
硫黄を除去するには二段て精製を行なう必要があること
、(ホ)分解ガス中の二酸化硫黄とアンモニアとの再結
合によつて硫黄が生成するのを抑制する必要があること
、(へ)硫黄の生成を抑制するには前記(イ)の調節が
必要であることなどを知り、この発明に到つた。この発
明は、硫酸アンモニウムを250′C以上の温度で、得
られる組成物中の硫黄原子と窒素原子との原子比(N/
S)が1〜1.5になるまで熱分解して酸性硫酸アンモ
ニウムを含有する組成物およびアンモニアを生成させる
第1工程、第1工程で生成させた酸性硫酸アンモニウム
を含有する組成物を250〜440℃の温度で溶融硫黄
中で熱分解して、二酸化硫黄とアンモニアとのモル比(
NH3/SO3)が1以下で、かつ二酸化硫黄と水との
モル比(H2O/SO2)が0.67以上の組成の分解
ガスを生成させる第2工程、第2工程で生成させた分解
ガスを、130〜250℃の温度で溶融硫黄で洗浄し、
次いで130〜250℃の温度のポリエチレングリコー
ルで洗浄して分解ガスに同伴した硫黄を除去し、精製分
解ガスを得る第3工程、および第3工程で得られた精製
分解ガスを水またはアンモニア水溶液に吸収させて亜硫
酸アンモニウムおよび酸性亜硫酸アンモニウムの水溶液
を生成させる第4工程、よりなることを特徴とする高純
度亜硫酸アンモニウムおよび酸性亜硫酸アンモニウム水
溶液の製法に関するものである。
この発明は、前記各工程の結合に大きな特徴があり、い
ずれの工程が欠除しても前記目的を達成することが困難
になる。
次にこの発明をさらに詳細に各工程順に説明する。
第1工程 第1工程においては、硫酸アンモニウムを250℃以上
、好ましくは300〜400℃の温度で、得られる組成
物中の硫黄原子と窒素原子の原子比(M/,S)が1〜
1.5になるまで熱分解して、アンモニア成分の一部を
硫酸アンモニウムから脱離させ、酸性硫酸アンモニウム
を含有する組成物およびアンモニアを生成さぜる。
(NH4)2S04→NHlHSO4+NH3脱離させ
るアンモニア成分の量が少なすぎると、換言すると前記
N/Sが1.5よりも大きすぎると、第2工程で目的と
する組成の分解ガスを生成させることが困難になるので
適当でない。
熱分解の温度は、これがあまり低すぎると分解、速度が
遅く、また高すぎると副反応、2NH,HS04−(N
l上1)2S207+H2O3(NH4)2S207→
2NH3+6S02+2N2+911
20が生じ、生成したアンモニアの分離、回収が困難に
なるので、一般には25(代)以上、好ましくは300
〜400℃が適当である。
第1工程で生成させる前記酸性硫酸アンモニウムを含有
する組成物は、一般に酸性硫酸アンモニウム、硫酸水素
ア./モニウムおよびピロ硫酸アンモニ゜ウムの混合物
になつている。
第1工程を実施するにあたり、不活性ガスは使用しても
、また使用しなくてもよいが、系内に不・活性ガスを供
給しながら熱分解を行なうと、分解速度が速くなるので
、不活性ガスを使用して第1工程を実施した方がよい。
不活性ガスは、アンモニアが酸性硫酸アンモニウム、硫
酸アンモニウムなどの硫酸塩に対して不活性なガスであ
れば、いずれでもよい。不活性ガスとしては、例えば水
蒸気、窒素、ヘリウムなどを挙げることができる。不活
性ガスは、一般には供給硫酸アンモニウム1k9に対し
て、0.03〜0.3Nrr1程度使用するのが適当で
ある。第1工程は、減圧、加圧、常圧などのいずれの圧
力下で行なつてもよいが、一般には常圧下で行なうのが
便利である。
第2工程 酸性硫酸アンモニウムを含有する組成物は、これを25
0〜440℃、好ましくは300〜400℃の温度で溶
融硫黄中で熱分解して、二酸化硫黄とアンモニアとのモ
ル比(NH3/SO2)が1以下、好ましくは0.67
〜0.9、かつ二酸化硫黄と水とのモル比(H2O/S
O3)が0.67以上、好ましくは1〜5の組成の分解
ガスを生成させる。
なお、分解ガスを生成させる。なお、分解ガスは硫黄蒸
気を同伴するため、分解ガス中には熱分解によつて生成
する二酸化硫黄、アンモニアおよび水のほかに硫黄蒸気
が含まれている。2NH4HS04+S→2NH3+3
S02+2H20第2工程では前記組成の分解ガスを生
成させることが重要である。
分解ガス中の二酸化硫黄とアンモニアとのモル比(NH
3/SO2)を前記範囲内にするためには、前記第1工
程でのN/Sの調節が必要である。また二酸化硫黄と水
とのモル比(H2O/SO2)は、前記第1工程でのN
/Sの調節によつて前記範囲内にすることができるが、
生成する分解ガス中のH2O/SO2をより好ましいモ
ル比に維持するためには、水蒸気を溶融硫黄中に供給し
ながら第2工程での熱分解を行なうのがよい。なお水蒸
気を供給ながら熱分解を行なうと、分解速度を速めるこ
とができ、短時間で熱分解できるという利点だけでなく
、ピロ硫酸アンモニウムの生成が抑制され、副反応を防
止できるという利点もある。水蒸気の供給量は、一般に
は酸性硫酸アンモニウムを含有する組成物1kgに対し
て0〜1N7TI1好ましくは0.05〜0.3Ndが
適当である。分解ガス中のNH3/SO2のモル比が大
きくなればなる程H2O/SO2のモル比が小さくなれ
ばなるほど、分解ガスの精製工程(第3工程)および吸
収工程(第4工程)で副反応が生じ、分解ガスの再結合
反応、4NH3+?02→2NH4S03NH2+Sが
進行して硫黄が発生するだけでなく、吸収工程で生成し
た亜硫酸アンモニウム、酸性亜硫酸アンモニウムなどの
亜硫酸塩の一部と前記発生した硫黄の一部とが反応して
チオ硫酸塩が生成し、吸収工程で得られる亜硫酸アンモ
ニウムおよび酸性亜硫酸アンモニウムの水溶液中の遊離
硫黄およびチオ硫酸アンモニウムが急激に増加する。
また分解ガスをポリエチレングリコールで洗浄する第3
工程において、ポリエチレングリコール中の硫黄含有量
が増加して洗浄能力の低下をきたすだけでなく、早期に
ポリエチレングリコールの再生が必要となつてくる。従
つて、第2工程においては、特に二酸化硫黄とアンモニ
ア、および二酸化硫黄と水とのモル比が前記組成の分解
ガスを生成させることが重要である。第2工程ての熱分
解の温度は、これがあまり低すぎると分解速度が遅く、
分解に長時間を必要とし、また高すぎると溶融硫黄が沸
とうしたりするので、前記温度が適当である。
溶融硫黄の使用量は、化学量論的には酸性硫酸アンモニ
ウムを含有する組成物中の硫酸塩1モルに対して0.5
モルであるが、一般には過剰量使用する。
使用量が多すぎても、多いことによる特別すぐれた効果
はない。第2工程を実施するにあたり、不活性ガスは第
1工程と同様に使用しても、また使用しなくてもよいが
、溶融硫黄中に不活性ガスを供給しながら熱分解を行な
うと、系内における分解ガスの分圧が下がり、分解速度
が早くなるので、一般には不活性ガスを使用した方がよ
い。
不活性ガスは、アンモニア、二酸化硫黄、酸性硫酸アン
モニウム、硫黄などに対して不活性なものであればいず
れでもよく、例えば水蒸気、窒素、ヘリウムなどが適当
である。なかでも水蒸気は、前気U2O/SO2の調節
にも役立つので好ましい。不活性ガスの使用量は、一般
には酸性硫酸アンモニウムを含有する組成物1k9に対
してO〜1Nぜ、好ましくは0.05〜0.3Ndが適
当である。第2工程は、減圧、加圧、常圧などのいずれ
の圧力下で行なつてもよいが、一般には常圧下で行なう
のが便利である。
第3工程 第2工程を前記温度で溶融硫黄中で行なうため、生成す
る分解ガス中には必然的に熱分解温度における硫黄の蒸
気圧に相当する硫黄蒸気が同伴されてくる。
第3工程では、副反応による硫黄の生成を抑制しながら
第4工程で得られる亜硫酸アンモニウムおよび酸性亜硫
酸アンモニウム水溶液中の遊離硫黄およびチオ硫酸アン
モニウムの合計量〔S+(NHi)2S203〕(モル
)が、亜硫酸アンモニウムおよび酸性亜硫酸アンモニウ
ムの合計量〔(NH4)2S02+NH4HSO3〕(
モル)に対して、0.001モル倍以下になるように、
分解ガスを洗浄して分解ガスから硫黄を除去する。第3
工程ては、まず分解ガスを130〜250℃、好ましく
は160〜200℃の温度で溶融硫黄で洗浄する。
前記温度で洗浄することによつて分解ガスの温度が下が
り、硫黄蒸気圧も低くなつて分解ガス・からの硫黄の分
離効果が高まる。洗浄温度が低い方が硫黄の分離効果も
高いが、温度が低すぎると副反応が生じて分解ガスの再
結合反応が進行して硫黄が発生するので好ましくない。
また洗浄温度が高すぎると硫黄蒸気圧も高くなるので硫
黄の分離効果も低くなる。従つて溶融硫黄で分解ガスを
洗浄するにあたつては、前記温度で洗浄するのが適当で
ある。洗浄には、一般には溶融硫黄中に分解ガスを噴出
させる方法、分解ガスに溶融硫黄を噴霧させ向流接触さ
せる方法など、従来一般にガ・スの洗浄方法として知ら
れている公知の気液接触方法によつて行なうのが適当で
ある。溶融硫黄で洗浄した分解ガス中には、いまだ微量
の硫黄が含まれているので、次いで分解ガスを130〜
250℃、好ましくは160〜200℃の温度のポリエ
チレングリコール、好ましくは平均分子量300〜10
00のポリエチレングリコールで洗浄する。
前記温度で洗浄することによつて分解ガス中の硫黄はポ
リエチレングリコールに吸収され、高純度の亜硫酸アン
モニウムおよび酸性亜硫酸アンモニウム水溶液を得るに
十分な精製分解ガスが得られる。ポリエチレングリコー
ルは硫黄を溶解、吸収し、また常温〜前記温度で液体で
、かつ前記温度での蒸気圧が低く、さらにはアンモニア
、二酸化硫黄などに対して反応性をもたないので分解ガ
ス中の硫黄除去に適している。ポリエチレングリコール
での洗浄は、温度が低い方が好ましいが、前記温度より
も低すぎると分解ガスの再結合反応(4NH3+3S0
2一2N1i1S03NH2+S)が進行して硫黄が発
生するので適当でなく、また高すぎるとポリエチレング
リコールの熱安定性、硫黄の分離効果などが悪くなるの
で適当でない。
なお、洗浄に使用したポリエチレングリコール中には、
分解ガスの洗浄によつて吸収された硫黄のほかに、前記
再結合反応によつて発生した硫黄およびスルファミン酸
アンモニウムが水と反応して生成した硫酸アンモニウム
、NH4SO3NH2+H2O→(NHi)2S04が
含まれてるが、これらを含むポリエチレングリコールは
従来公知の方法によつて適宜再生して再一利用してもさ
しつかえない。ポリエチレングリコールでの洗浄は、前
記溶融硫黄での洗浄の場合と同様に、従来一般にガスの
洗浄方法として知られている公知の気液接触方法によつ
て行なうのが適当である。溶融硫黄とポリエチレングリ
コールで洗浄する第3工程を効果的に行ない、副生する
Sの発生をおさえるためには、前記第2工程、特に生成
させる分解ガスの組成が重要であり、第3工程を実施す
ることによつて、硫黄をほとんど含まないアン.モニア
、二酸化硫黄および水を含有する精製分解ガスが得られ
るので、これを次の第4工程に導く。
精製分解ガス中の硫黄は、一般には精製分解ガス中の二
酸化硫黄1モルに対して、0.001グラム原子以下、
好ましくは0.0007グラム原子以下で・あるのがよ
い。第4工程 前記第1〜第3工程を実施することによつて得られた精
製分解ガスは、水またはアンモニア水溶液を吸収液とし
て使用し、通常の方法で気液接触させて水またはアンモ
ニア水溶液に吸収させる。
2NH3+SO2+H2O→(NH4)2S03NH3
+SO2+H2O.+NH4HSO3吸収させる際の温
度、圧力などは特に制限されないが、一般には常温、常
圧で第4工程を実施するのが便利である。
前記吸収させることによつて、目的とする遊離硫黄、チ
オ硫酸アンモニウムなどの不純物をほとんど含有しない
高純度の亜硫酸アンモニウムおよび酸性亜硫酸アンモニ
ニウムの水溶液が生成する。
この発明は、回分式、半連続式、連続式などいずれでも
実施することができ、この発明による硫酸アンモニウム
から力プロラクタムを製造する際の中間原料として使用
される硫酸ヒドロキシルアミンの製造原料として使用で
きる程度の高純度の亜硫酸アンモニウムおよび酸性亜硫
酸アンモニウムの水溶液を製造することができる。
次に実施例および比較例を示し、この発明を説明する。
実施例1〔第1工程〕 内容約700m1の分解槽に、硫酸アンモニウム〔(N
H4)2S04〕50y(0.375モル)を供給し、
ヘリウムガスを1011hr流しながら350℃で1時
間加熱して熱分解し、酸性硫酸アンモニウムを含有する
組成物〔NH4HSO4=0.075モル、(NH4)
3H(SO4)2=0.094モルおよび(NHO2S
2O7=0.056モルの混合物〕およびアンモニアを
生成させた。
なお生成(発生)したアンモニアは、0.281モルで
あり、これは50077!lの水に吸収させた。〔第2
工程〕次いで前記分解槽中に硫黄350yを入れ、分解
槽内の温度を400℃にして攪拌しながら水蒸気を10
f1hr流し、溶融硫黄中て酸性硫酸アンモニウムを含
有する組成物を1時間加熱して熱分解した。
分解ガス中のNH3/SO2(モル比)は0.82で、
H2O/SO2(モル比)は1.5であつた。〔第3工
程〕分解槽上部からの分解ガスは、500yの硫黄を加
熱溶融させ、170℃に保持した硫黄洗浄槽の底部から
溶融硫黄中に噴出させて分解ガスに同伴された硫黄蒸気
の凝縮、洗浄を行ない、次いで平均分子量400のポリ
エチレングリコール(以下、PEGと略称)200mt
が170℃に保持されているPEG洗浄槽4槽に順次通
して分解ガスをPEGで洗浄し、分解ガスの精製を行な
つた。
なお使用後の回収PEG中には、0.018モルの硫酸
アンモニウムおよび0.079グラム原子の硫黄が溶解
しているのが認められた。〔第4工程〕 第4槽目のPEG洗浄槽を通過した精製分解ガス(遊離
硫黄含有量0.0002グラム原子)は、前記硫酸アン
モニウムの熱分解によつて生成したアンモニア0.28
1モルを水500m1に吸収させて得られた希アンモニ
ア水を吸収液として使用した4本の吸収塔に順次通して
、精製分解ガスを希アンモニア水に吸収させ、亜硫酸ア
ンモニウムおよび酸性硫酸アンモニウムの水溶液を得た
得られた亜硫酸アンモニウムおよび酸性亜硫酸アンモニ
ウムの水溶液を分析した結果、亜硫酸アンモニウムが0
.175モル、酸性亜硫酸アンモニウムが0.349モ
ルおよびチオ硫酸アンモニウムが0.0004モル認め
られ、遊離硫黄は認められなかつた。
比較例1 第1工程を実施しなかつたほかは、すなわち50vの硫
酸アンモニウムを直接400℃で溶融硫黄中で熱分解し
たほかは、実施例1と同様の条件で第4工程までを実施
し、亜硫酸アンモニウムおよび酸性亜硫酸アンモニウム
の水溶液を得た。
なお第1■程を実施しなかつたため、第4工程の吸収液
としては水500m1を使用した。また使用後の回収P
EG中には、0.034モルの硫酸アンモニウムおよび
0.087グラム原子の硫黄が溶解しているのが認めら
れた。得られた亜硫酸アンモニウムおよび酸性亜硫酸ア
ンモニウムの水溶液を分析した結果、亜硫酸アンモニウ
ムが0.162モル、酸性亜硫酸アンモニウムが0.3
33モルおよびチオ硫酸アンモニウムが0.0051モ
ル認められ、遊離硫黄は認められなかつた。
この結果から硫酸アンモニウムを直接一段で熱分解した
場合は、生成する分解ガス中のNH3/SO2(モル比
)が大きくなるため、前記チオ硫酸アンモニウムの生成
量が実施例1ど比較して1酷以上にも増加している。ま
た回収PEG中の硫酸アンモニウムおよび硫黄も増加し
ていた。比較例2 第3工程におけるPEGでの洗浄を実施しなかつたほか
は、実施例1と同様の条件で第1〜第4工程を実施し、
50yの硫酸アンモニウムから亜硫酸アンモニウムおよ
び酸性亜硫酸アンモニウムの水溶液を得た。
前記水溶液を分析した結果、亜硫酸アンモニウムが0.
108モル、酸性亜硫酸アンモニウムが0.439モル
およびチオ硫酸アンモニウムが0.040モル認められ
、さらに遊離硫黄が0.030グラム原子認められた。
比較例1の場合よりも一段とチオ硫酸ア″ンモニウムの
生成量が増加し、さらに遊離硫黄までも認められた。比
較例3 第3工程における溶融硫黄およびPEGでの洗浄にかえ
て、分解ガスに同伴した硫黄蒸気を冷却によつて除去す
るために分解ガスを170℃に保持したコンデンサーに
通し、次いで第4工程を実施したほかは、実施例1と同
様の条件で、第1、第2および第4工程を実施し、50
Vの硫酸アンモニウムから亜硫酸アンモニウムおよび酸
性亜硫酸アlンモニウムの水溶液を得た。
前記水溶液を分析した結果、亜硫酸アンモニウムが0.
032モル、酸性亜硫酸アンモニウムが0.511モル
、チオ硫酸アンモニウムが0.080モルおよび遊離硫
黄が0.080グラム原子認められ、比較例1門および
2よりもさらにチオ硫酸アンモニウムおよび遊離硫黄が
増加した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 硫酸アンモニウムを250℃以上の温度で、得られ
    る組成物中の硫黄原子と窒素原子との原子比(N/S)
    が1〜1.5になるまで熱分解して、酸性硫酸アンモニ
    ウムを含有する組成物およびアンモニアを含有する組成
    物およびアンモニアを生成させる第1工程、第1工程で
    生成させた酸性硫酸アンモニウムを含有する組成物を2
    50〜440℃の温度で溶融硫黄中で熱分解して二酸化
    硫黄とアンモニアとのモル比(NH_3/SO_2)が
    1以下で、かつ二酸化硫黄と水とのモル比(H_2O/
    SO_2)が0.67以上の組成の分解ガスを生成させ
    る第2工程、第2工程で生成させた分解ガスを、130
    〜250℃の温度で溶融硫黄で洗浄し、次いで130〜
    250℃の温度のポリエチレングリコールで洗浄して分
    解ガスを得る第3工程、および第3工程で得られた精製
    分解ガスを水またはアンモニア水溶液に吸収させて亜硫
    酸アンモニウムおよび酸性亜硫酸アンモニウムの水溶液
    を生成させる第4工程、よりなることを特徴とする高純
    度亜硫酸アンモニウムおよび酸性亜硫酸アンモニウム水
    溶液の製法。
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