JPS6037973Y2 - 移動式コンクリ−トプラント - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、移動することのできるコンクリートプラント
に関するものである。

近時、セメント技術が急速に向上し極めて早期に熟成固
化するセメント、例えばジェットセメント（登録商標、
小野田セメント株式会社、住友セメント株式会社製）が
開発され、従来の定置式バッチャ−プラントにあっては
道路の交通事情などとも関連してその作業範囲が極度に
縮小され、せっかく開発されたセメントの利用価値を半
減している。

また、従来の定置式バッチャ−プラントをそのまま車輛
に搭載して移動式にすることが提案されているけれども
セメント、骨材、水などの各貯槽を具備するため極めて
大型となり、路上走行自体の制限を受ける結果を生じ、
余り実用的でない欠点を持っている。

そこで本考案は、これら欠点を除去することを目的とす
るものであって、車軸に搭載するベースフレーム上には
、混合装置を主体に設け、その混合装置に対するセメン
ト、骨材、水などの供給装置を配設することにより、セ
メント、骨材、水などの貯槽更には計量装置をベースフ
レーム上に設けることなく別途に考慮することができ、
プラント全体を小型化し、これを搭載した車軸の移動を
交通制限を受けることなく自由に行うことを可能にし、
その作業範囲を拡大することのできる移動式コンクリー
トプラントを提供するものである。

また、本考案の他の目的とするところは、混合装置を主
体としたプラントを移動するよう構成することにより、
現場において混練作業を行うことができるのであって、
早期に熟成固化するセメントなどの品質を損うことなく
直ちに打設することのできる移動式コンクリートプラン
トを提供スるものである。

更に、本考案の他の目的とするところは、骨材セメント
供給用のクレーンを設けたことにより、セメント並びに
骨材を１バッチ単位に予じめ計量し袋詰め、或は容器に
収納して供給することができるので、その取扱いが極め
て容易となり、現場における作業時間を短縮することの
できる移動式コンクリートプラントを提供するものであ
る。

更にまた、本考案の他の目的とするところは、混合装置
を主体としたプラントを配設するベースフレームにジヤ
ツキと共に脚を格納自在に設けることにより、脚の格納
、伸長を容易にし、移送中は脚を格納し得て邪魔となら
ず、且つ作業中は脚を伸長し得て移動車輛よりプラント
を自立させることができると共に、移動車輛を骨材の運
搬など他の目的にも効果的に利用することのできる移動
式コンクリートプラントを提供するものである。

即ち本考案は、車輛の荷台に搭載することのできるベー
スフレームを設け、このベースフレームの上に混合装置
とその駆動装置を配設すると共に、混合装置に対する混
練用水の計量供給装置、混和剤の計量供給装置並びに計
量された骨材セメント供給用クレーンを配設し、ベース
フレームの四隅にはジヤツキと共に伸縮する脚を折畳ア
ームによって側方に向は開閉自在に設けたことを特徴と
する移動式コンクリートプラントの構造を要旨とするも
のである。

次に本考案を図示実施例に従って説明すれば、１はベー
スフレームであって、トラックなどの車輌の荷台に搭載
できるよう構成されている。

２は混合装置であって、従来バッチャ−プラントに利用
されている各種ミキサーを採用し得るものであり、ベー
スフレーム１のほぼ中央に設置されている。

３はセメント、骨材の受シユートであって、セメント、
骨材を混合装置２に供給するためのものであり、混合装
置２の上部に開口している。

４は水、混和剤留ホッパーであって、混練用水、混和剤
を混合装置２に供給するためのものであり、留め装置を
具備しない単なる受シユートとして構成してもよく、混
合装置２の上部に設けられている。

５はコンクリートシュートであって、混合装置２によっ
て混練されたコンクリートを排出するためのものである
。

６は駆動装置であって、混合装置２を始め各装置を駆動
するものであり、ベースフレーム１の一側に配設されて
いる。

この駆動装置６としては作業環境、保全の容易さなどの
点より油圧式駆動装置を採用するのが好ましいが、他の
装置をも利用し得る。

７はオイルタンクであって、油圧式駆動装置６が使用す
るオイルを貯蔵するものである。

８は水の計量供給装置であって、ポンプ８ａと流量計８
ｂとによって構成され水タンク９の水を計量しながら水
、混和剤留ホッパー４に供給するものである。

１０は混和剤の計量供給装置であって、水の計量供給装
置８と同様にポンプと流量計とによって構成され混和剤
タンク１１の混和剤を計量しながら、混和剤留ホッパー
４に供給するものである。

これら水、混和剤の計量供給装置８，１０における計量
装置としては前述の流量計による流量計量の外、重量計
量、容量計量の手段を採用することもできる。

なお、水タンク９、混和剤タンク１１は予備的なものと
して、タンク車など他のタンクより主として供給するよ
う構成するのが好ましく、水タンク９、混和剤タンク１
１の一方、或は双方を搭載しない場合もある。

また水タンク９、混和剤タンク１１に対する水、或は混
和剤の供給に格別のポンプを設けることなく各計量供給
装置８，１０のポンプを利用して行なうこともできる。

その計量供給装置における配管の一例を第３図に従って
説明する。

水計量供給装置８におけるポンプ８ａの吸水側に外部水
タンクＡに直結する主吸水管８ｃをコック８ｄを設けて
配設すると共に、ポンプ８ａの排水側に水、混和剤留ホ
ッパー４に連通開口する供給管８ｅを設け、供給管８ｅ
に流量計８ｂとコック８ｆとが配設されている。

８ｇは接手であって、主吸水管８ｃを外部水タンクＡに
連結するためのものである。

８ｈは余水管であって、ポンプ８ａにより吸上げられた
余水をコック８１を介して主吸水管８ｃまたはタンク供
給管８ｋに戻すためのものである。

８１は補助吸水管であって、コック８ｊを設けて水タン
ク９と主吸水管８ｃとを連結している。

先づ外部水タンクＡより給水する場合にあっては、主吸
水管８ｃを外部タンクＡに連結し、そのコック８ｄを開
放すると共に供給管８ｅのコック８ｆを開き、且つ補助
吸水管８１のコックと余水管８ｈに通ずるコック８ｍを
閉じてポンプ８ａを始動させれば、外部水タンクＡの水
は主吸水管８Ｃを介してポンプ８ａに吸上げられ流量計
８ｂによりその流量を計量されながら供給管８ｅを介し
て水、混和剤留ホッパー４に必要量宛供給されるのであ
る。

また、装置された水タンク９により給水する場合にあっ
ては、前述の場合に開放していた主吸水管８ｃにおける
コック８ｄ、余水管８ｈのコック８ｍを閉じると共に補
助吸水管８１のコック８ｊを開きポンプ８ａを始動させ
れば、水タンク９の水は補助吸水管８１１主吸水管８ｃ
を介してポンプ８ａに吸上げられ流量計８ｂによりその
流量を計量されながら供給管８ｅを介して水、混和剤ホ
ッパー４に必要８宛供給されるのであり、計量完了と共
にコック８ｆが閉じられ同時にコック８ｍが開かれてポ
ンプ８ａにより扱い揚げられた水はコック８ｍ及びコッ
ク８１を介して主吸水管８ｃに戻される。

更に装置された水タンク９に給水する場合には、主吸水
管８Ｃのコック８ｄと、余水管８ｈのコック８ｍを開き
、更にタンク給水管８ｋに通ずるコック８１を開くと共
に補助吸水管８１のコック８ｊと供給管８ｅのコック８
ｆを閉じてポンプ８ａを始動させれば外部水タンクＡの
水は主吸水管８ｅ、余水管８ｈ、タンク給水管８ｋを通
って水タンク９に給水することができるのである。

次に、１２はクレーンからなる計量された骨材、セメン
トの供給装置であって、運搬車輛により搬送されてくる
１バッチ単位に計量されたセメント、骨材を受シユート
３に供給するためのものである。

骨材セメント供給用クレーン１２は、その供給時間が短
時間で完了することができると共に、他の適宜な作業を
行うことのできる便利さを有する。

また、脚１３は、支持部１４を介して伸縮自在に設けら
れている。

即ち、図に例示したように、支持部１４にはピン１５を
嵌挿する支持穴を設けると共に、脚１３側にも支持部１
４に設けた支持穴と対応する掛止穴を上下に位置をずら
して複数個設けることによって、脚１３の上側に位置す
る掛止穴を支持部１４の支持穴に対向させ、これらにピ
ン１５を貫通掛止すれば、脚１３は支持部１４に対して
伸長された状態に支持され、他方、脚１３の下側に位置
する掛止穴を支持部１４の支持穴に対向させ、これらに
ピン１５を貫通掛止すれば、脚１３は支持部１４に対し
て短縮された状態に支持されるのである。

さらには、脚１３の下側部に油圧操作によって伸縮する
伸縮調節装置、あるいは螺杆の巻き戻し、巻き込みによ
る伸縮調節装置を設けて脚１３の長さを伸縮するように
してもよい。

１６は折畳アームであって、脚１３をブースフレーム１
側に折畳むためのものであり、先端部に脚１３を支持す
る支持部１４を固定すると共に基部は軸１７によってベ
ースフレーム１に支持し回動開閉できるように構成され
ている。

１８はその掛止部であって、ベースフレーム１に設けら
れ折畳アーム１６を展開した時に折畳アーム１６を掛止
するものである。

１９はジヤツキであって、ベースフレーム１に設けられ
ている。

このジヤツキ１９は脚１３を展開するために必要なもの
であり、脚１３と同様にベースフレーム１の四隅部に設
けられ、これらジヤツキ１９を押し下げることによりベ
ースフレーム１を車輌の荷台より持ち上げて脚１３の展
開を容易にする。

２０はベランダであり、作業用の足場を構成し、着脱自
在とすることもある。

２１はトラックなど適宜な車輛である。

本考案移動プラントは、叙上のように構成されており、
車輛２１に搭載し工事現場に移動した後、ジヤツキ１９
を押し下げてベースフレーム１を車輌２１の荷台より持
ち上げ、格納されている脚１３を支持した各折畳アーム
１６をベースフレーム１の両側に展開すると共に脚１３
の支持部１４に対する掛止位置を換えて脚１３を伸長し
大地に支持させる。

このようにして移動プラントをその脚１３によって自立
させ、ジヤツキ１９を旧に戻してその先端を車輛２１の
荷台上から引き上げれば車輛２１は容易に離脱すること
ができるのである。

そこで、骨材セメント供給用のクレーン１２を作動し、
別に移送されてきた既に計量されているセメントと骨材
とを受シユート３に投入して混合装置２に供給する。

他方、水計量供給装置８、混和剤計量供給装置１０によ
り水、混和剤を計量しながら水、混和剤留ホッパー４を
介して混合装置２に供給し、駆動装置６により混合装置
２を始動して骨材、セメントと共に混練する。

このようにして混練されたコンクリートはコンクリート
シュート５より打設車などに供給され直ちに打設される
のである。

このように本考案による時は、プラントをトラックなど
の車輛により適宜移動させることができるのであって、
その作業範囲を大幅に拡大することができると共に、現
場において混練作業を行うものであるから、早期に熟成
固化するセメントであっても、その品質を損うことなく
効果的に利用できる実益を有するものである。

また本考案の移動コンクリートプラントによる時には、
バッチャ−プラントに必要な骨材の貯蔵槽、並びにその
計量装置を切離し、混合装置を主体とした装置にしであ
るので全体を小型化することができ、これをトラックな
どの移動車輛に搭載して自由に移動させることができる
効果を有する。

また、本考案による時には、必要とするセメント、骨材
を１バッチ単位に予じめ計量しておくことができるので
現場における作業を容易にすることができる実益をも有
するのである。

更に本考案による時には、移動プラントを支持する脚を
格納自在としであるので、車輛に搭載して移送する場合
は邪魔とならないよう格納することができると共に、こ
の脚を展開して移動プラントを自立させることもできる
効果を有する。

更に本考案による時には、移動プラントを適宜自立させ
ることができるので、移動プラントを自立させた後には
、その移動車輛を分離することが可能となり、移動車輛
を骨材運搬などの他の目的に利用できる効果を有すると
共に、この移動車輛の分離に伴う空間を利用して混合装
置により混練されたコンクリートを打設車などに容易に
供給することのできる実益をも有するのである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案移動コンクリートプラントの一実施例を示す
ものであって、第１図は平面図、第２図は側面図、第３
図は水計量供給装置における配管状態を示す線図である
。 図中の符号を説明すれば次に通りである。 １はベースフレーム、２は混合装置、３は受シユート、
４は水、混和剤留ホッパー、５はコンクリートシュート
、６は駆動装置、７はオイルタンク、８は水計量供給装
置、９は水タンク、１０は混和剤計量供給装置、１１は
混和剤タンク、１２は骨材セメント供給用クレーン、１
３は脚、１４は脚の支持部、１５はピン、１６は折畳ア
ーム、１７は軸、１８はは掛止部、１９はジヤツキ、２
０はベランダ、２１は車輛。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車輛の荷台に搭載することのできるベースフレームを設
   け、このベースフレームの上に混合装置とその駆動装置
   を配設すると共に、混合装置に対する混練用水の計量供
   給装置、混和剤の計量供給装置、並びに計量された骨材
   セメント供給用クレーンを配設し、ベースフレームの四
   隅にはジヤツキと共に伸縮する脚を折畳アームによって
   側方に向は開閉自在に設けたことを特徴とする移動式コ
   ンクリートプラント。