JPS6033709Y2 - 単相同期発電機の保護装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、単相同期発電機の保護装置に関し、特に過負
荷電流等の原因により発電機の各巻線が過熱された場合
にこれらの絶縁物の劣化を生じないように保護する装置
に関するものである。

従来、単相同期発電機をエンジン等で駆動するエンジン
発電機は、第１図に示す如く、固定子に主発電巻線１及
び補助発電巻線２を巻回し、回転子に界磁巻線３を巻回
する。

上記補助発電巻線２は主発電巻線１と電気的に略９０°
位相差を有する位置に設けられている。

そして補助発電巻線２には全波整流器５が接続され、補
助発電巻線２に誘起された交流電圧を該全波整流器５で
整流して、この整流出力をスリップリング等の適当な手
段により界磁巻線３に供給するように構成されている。

いま回転子を小型エンジンな吉゛の原動機により回転す
れば、回転子鉄心に生じている残留磁気よりわずかな電
圧がまず主発電巻線１及び補助発電巻線２に発生する。

この補助発電巻線２に発生した電圧は、全波整流器５に
より整流される。

該全波整流器５には、回転子に巻回された界磁巻線３が
接続されているので、上記補助発電巻線２に発生した電
圧により、界磁巻線３に一定方向の電流が流れ、回転子
にはそれぞれの残留磁気による磁界に比較して強い磁界
が発生される。

そして該磁界により補助発電巻線２にはそれまでより大
きな電圧が誘起され、その結果回転子には一層強い磁界
が生ずる。

このような作用の繰り返しにより、回転子の回転が規定
回転に達すると、主発電巻線１には規定電圧が確立され
、負荷４に負荷電流を供給することができる。

しかしながらこの種の発電機において、過負荷状態で使
用した場合に１よ主発電巻線１に過負荷電流が流れて該
主発電巻線１を過熱し、その結果巻線の温度上昇をもた
らして許容値を越え、該主発電巻線の絶縁破壊や焼損な
どの致命的な損傷をもたらすに至る。

このような現象は、調速機の不備などによりエンジンの
回転数が規定値を越え、発電機を過回転状態で使用した
ときにも、主発電巻線１における発生電圧が規定値より
も大きくなるので、上記の場合と同様な損傷をもたらす
ことになる。

本考案は、このような問題点を解決することを目的とす
るものであって、固定子と、該固定子に巻回された主発
電巻線及び補助発電巻線と、該補助発電巻線に接続たれ
た整流器と、回転子と、該回転子に巻回され上記整流器
の出力側に接続された界磁巻線と、上記主発電巻線の温
度を検出するように配置され上記補助発電巻線と上記界
磁巻線との間の電気回路に接続された熱応動リレーとを
具備腰上記主発電巻線に過電流が流れて過熱状態にある
ことを上記熱応動リレーで検出して上記界磁巻線への界
磁電流を遮断するように構成した単相同期発電機の保護
装置を提供するものである。

以下本考案の一実施例を、第２図について説明する。

図中、第１図と同一符号のものは同一部分を示し、６は
、例えばバイメタル式スイッチの如き熱応動リレーであ
る。

該熱応動リレー６は、補助発電巻線２と全波整流器５と
の間に電気的接続されており、通常その接点は閉成して
いる。

また熱応動リレー６は、主発電巻線１の過熱状態を検出
して応動するものであるから、主発電巻線１の内部に配
置してもよいし、該主発電巻線１に近い位置の固定子ス
ロット内に配置することもできる。

熱応動リレー６は、通常状態においてその接点を閉じて
いるので、第２図に示す発電機の動作は、第１図の場合
と全く同様である。

したがって負荷４が生常であったり、原動機による発電
機の回転が過回転状態でない場合には、主発電巻線１か
ら負荷４に流れる電流は過大にならないので、熱応動リ
レー６は動作せず、その接点を閉成してままである。

しかしながら何等かの事情により、例えば過回転状態で
使用して出力電圧が上昇したり、或いは負荷４が変化し
て過負荷状態になれば、主発電巻線１に過電流が流れる
。

この過電流状態がある時間続けば主発電巻線１は過熱状
態になり、その周辺の固定子の温度を上昇する。

この主発電巻線１の温度がある値に達すれば、主発電巻
線１の内部もしくは周囲の固定子スロット内に設置され
ている熱応動リレー６は動作してその接点を開放する。

したがって補助発電巻線２と全波整流器５との間の電気
回路が開放状態になり、界磁巻線３への励磁電流を流れ
なくなり、界磁が非常に弱くなる。

その結果主発電巻線１に発生される電圧は低下腰負荷電
流が減少するので、過電流状態は解消し、主発電巻線１
や他の部分に絶縁劣化を生じたり、焼損するような事故
を未然に防止できる。

しかも、本考案では熱応動リレー６は、電気的に補助発
電巻線２の回路に挿入されているので、小電流用のもの
でよく、小形の素子のものを使用できる。

そのため熱応動リレー６を主発電巻線１内に配置するこ
とも、また固定子スロットに配置することも簡単にでき
る。

熱応動リレー６を配置する場所としては、主発電巻線１
内や固定子スロット内に限定されるものではなく、主発
電巻線１に発生した熱が短時間に伝達される場所が適当
でなる。

また熱応動リレー６としてはバイメタル式、水銀式等種
種のものが考えられるが、熱応動リレーの設置場所や発
電機の使用状態等に応じて適当な特性のものを選択使用
できる。

またバイメタル式のものを使用した場合、リセット式の
ものを使用すると復帰時間が短時間でよい。

以上の如く、本考案によれば、補助発電巻線２の小電流
回路に熱応動リレーの接点を接続してので小形の素子の
熱応動リレーを用いることができ、その結果、主発電巻
線１の温度上昇を効率よく検出することが可能なように
、例えば主発電巻線１内成るいは固定子スロット内に配
置することができるので、上記主発電巻線１に過大電流
が流れて過熱状態にあることを極めて有効に検出して界
磁電流を遮断し、発電機の出力電圧を抑制し、主発電巻
線の電流を減少するように作用する。

したがって過大の発電電流が流れることにもとづく主発
電巻線１の過熱を防止するので、主発電巻線１その他の
絶縁劣化や焼損等の不測の事故の発生を未然に防止でき
る。

このようにして本考案によれば極めて簡単な手段により
、経済的に、確実に単相同期発電機を保護することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の単相同期発電機を示し、第２図は本考案
に係る単相同期発電機の保護装置を示す。 図中１は主発電巻線、２は補助発電巻線、３は界磁巻線
、 ４は負荷、 ５は全波整流器、 ６は熱応 動リレーである。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）固定子と、該固定子に巻回された主発電巻線及び
   補助発電巻線と、該補助発電巻線に接続された整流器と
   、回転子と、該回転子に巻回され上記整流器の出力側に
   接続された界磁巻線と、上記主発電巻線の温度を検出す
   るように配置され上記補助発電巻線と上記界磁巻線との
   間の電気回路に接続された熱応動リレーとを具備し、上
   記主発電巻線に過電流が流れて過熱状態にあることを上
   記熱応動リレーで検出して上記界磁巻線への界磁電流を
   遮断するように構成したことを特徴とする単相同期発電
   機の保護装置。
2. （２）熱応動リレーとしてバイメタル式リレーを使用し
   、該熱応動リレーを主発電巻線内または固定子スロット
   内に配置したことを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第（１）項記載の単相同期発電機の保護装置。