JPS6032848Y2 - 蒸発器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は冷凍機、ヒートポンプ等における冷媒液の蒸発
器に関するものである。

従来、液循環式蒸発器は第１図に示す如く低圧受液器ａ
の冷却液をポンプｂにより蒸発器管Ｃ内に圧送し、蒸発
器管Ｃ内で発生した蒸気の気泡ｄをポンプｂによる強制
流れによって管面より離脱させることによって満液式よ
りも冷媒液側の熱伝熱抵抗を小さくすることができるよ
うにしたものが知られている。

しかし、この構造であると管面から完全に蒸気の気泡ｄ
を離脱させることは困難であり、熱伝熱抵抗が大きくな
って伝熱効率が悪くなってしまうとの不具合を有する。

本考案は上記の事情に鑑みなされたものであり、その目
的は蒸発管内の気泡を上部のガス室に排出させて管面に
気泡が付着しないようにして熱伝熱抵抗を小さくし伝熱
効率を向上できるようにした蒸発器を提供することであ
る。

以下第２図、第３図を参照して本考案の実施例を説明す
る。

蒸発器本体１は、筒状の胴板２の上下を鏡板３と底板４
とで閉塞するとともに、胴板２の上下両端側内部に上下
一対の管板５，５を設けて上部のガス室６と下部の低圧
受液器７と中間室８とを形威した構造となっている。

前記上下一対の管板５，５間に亘って複数の蒸発管９が
取付けられて上部室６と低圧受液室７とを連通している
と共に、各蒸発管９には中間室８内においてバーチジョ
ンプレート１０が上下間隔を有して複数設けてあり、中
間室８には入口１１と出口１２とが設けられて食塩水・
アルコール等のブライン又は水等の被冷却液が流通する
ようにしである。

前記蒸発管９は第３図に示す如く、外筒１３と内筒１４
とを傘状のフィン１５を介して環状通路１６を形成する
ように連結した構造であり、内筒１４の上端部は外筒１
３の上端部よりも上方に突出していると共に、内筒１４
にはガス孔１７が、フィン１５には液孔１８がそれぞれ
形威しである。

しかして、低圧受液室７内の冷媒液はポンプ１９によっ
て散布孔２０より上部のガス室６内つまり上部管板５′
上に散布される。

この液は蒸発管９の中に導ひかれ重力によって下方に落
下するが、蒸発管９は２重管構造となっているので次の
ようになる。

つまり、散布された液は内筒１４が外筒１３より上方に
突出しているから内筒１４に直接式ることなく環状通路
１６内へ流通し、フィン１５に沿つて外筒１３の内面１
３ａに押しやられ液孔１８を介して内面１３ａに沿って
流下される。

この時外筒１３の外側に設けた被冷却液によって加熱さ
れ一部が蒸発されてガス化し、このガスはガス孔１７を
通って内管１４内に流入し内筒１４内を通って上部のガ
ス室６へ導びかれる。

この際蒸発しきれなかった液は更に流下し次段に設けら
れたフィン１５によって前述と同じ現象が繰り返される
ために外筒１３の内面１３ａ（つまり蒸発管９の被冷却
液と接触する管面）は常に液によって浸されガス、つま
り空気の気泡が付着しない。

したがって、熱伝熱抵抗は従来のものに比較して非常に
小さくなるので伝熱効率が良くなる。

また、フィン１５は外筒１３の管面１３ａと内筒１４の
外面１４ａとに圧着しているために蒸発管９（外筒１３
）からの熱流は接触抵抗が小さいためフィン１５から内
筒１４まで導びかれ、結局伝熱面ば外筒１３ａばかりで
なくフィン１５の面、内筒１４の表面でも形成されて伝
熱面積が増大する。

これによっても伝熱効率が良くなるので、前述の点と相
俟って蒸発器を小形化できる。

本考案は以上の様になり、蒸発管９の管面に気泡が付着
しないようにして熱伝熱抵抗を小さくし、伝熱効率を良
くできるので小型コンパクトにできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の説明図、第２図は本考案の実施例を示
す全体図、第３図は要部拡大断面図である。 ９は蒸発管、１３は外筒、１４は内筒、１７はガス孔、
１８は液孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蒸発管９内に冷媒液があって管外の被冷却液によって冷
   媒液が蒸発させられるようにした蒸発器において、前蓋
   蒸発管９を、外筒１３と内筒１４とを傘状のフィン１５
   を介して環状の通路１６を形威するように連結した構造
   とし、該フィン１５に液孔１８を、内筒１４にはガス孔
   １７をそれぞれ形威したことを特徴とする蒸発器。