JPS6030785Y2 - スライド蓋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はスライド蓋に関する。

一般に鍵盤楽器は不使用時の鍵盤保護のため蓋が取り付
けられている。

従来この蓋は開き蓋が大部分であったが、近年電子オル
ガンのように鍵盤部を上下二段に配置し、また種々の音
色を自由に選択し、適宜混ぜ合わせられる操作スイッチ
等を配設しているため、前記鍵盤を含む操作領域の奥行
が広くなることからスライド蓋が使用されているものも
ある。

このスライド蓋は前方へ導出されて鍵盤部上部を覆うと
共にこの鍵盤部の後方に形成した格納部に格納されるも
ので、短手方向端部を互に回動自在に連結した長辺板状
の複数の蓋単片で構成されている。

この場合、各蓋単片は外観を美麗にするために、その表
面を電子オルガン本体の外枠を構成する木材と同質の木
目等を印刷した塩化ビルシート等で覆うようにしている
。

しかしながら、従来のスライド蓋では上述述のごとく、
装飾シートは前記各蓋単片の表面のみに形成されている
ため、前記スライド蓋が曲面を有するガイド部上に到る
導出状態では、各蓋単片は若干の偏位角を有して各蓋単
片の短方端側面部つまり前記装飾シートが形成されてい
ない部分が露呈することになる。

したがって蓋単片の構成材料たとえばアルミニウム等の
生地が現われることになり美観上好ましくない状態にな
る。

しかもアルミニウム等の材質は表面模様にむらが生じや
すいのでこのような欠点は顕著に現われる。

また製造上においても、装飾シートは各蓋単片の表面の
みに形成しなければならないことから装飾シートの寸法
精度が厳しく要求され煩雑さを免れ得なかった。

したがってこの考案の目的は二のような欠点を除去した
もので、さらに外観を美麗にし、かつ装飾シートの寸法
誤差を許容できるスライド蓋を提供するものである。

すなわちこの考案は、短手方向端部を互に回動自在に連
結した長手板状の複数の蓋単片で構成されているスライ
ド蓋において、前記蓋単片の表面および少なくとも観測
者が認識できる短手方向端側面に装飾シートを形成した
ものである。

以下この考案の一実施例を図面を参照して詳細に説明す
る。

第１図ないし第３図はこの考案のスライド蓋の一実施例
を示す説明図である。

まず第１図は鍵盤楽器、特にスライド蓋を有する電子オ
ルガン本体１の一部破断外観図を示し、それぞれ段状に
配設された操作スイッチ配置板２、上鍵盤３および下鍵
盤４で構成される鍵盤部があり、この鍵盤部は親板５お
よび６等で支持されている。

そして譜両立て７が取り付けられた屋根板８は、前記操
作スイッチ配置板２の上部に配置され、この屋根板８は
前記親板５および６に固設されている。

そして電子オルガン本体１内部の後方部にはスライド蓋
格納部（図示せず）が取り付けられ、ここから導出しか
つ前記鍵盤部を覆うことができるスライド蓋９が設けら
れている。

なお電子オルガン本体１の前面下部にはペダル鍵盤１０
およびエクスプレッションペダル１１が取り付けられて
いる。

前記スライド蓋９は第２図の要部斜視図で示すようにた
とえばアルミニウム等からなる長辺板状の複数の蓋単片
９ ａ、 ９ ｂｙ ９ ｃ・・・で構成されてお
り、これら蓋単片９ａ、 ９ｂｔ ９Ｃ・・・の裏面
で長方辺近傍にはそれぞれ突条９ａ（図示せず）と９ａ
“。

９’ｂと９″ｂ、９’ｃと９“Ｃ（図示せず）が一体に
形成されている。

そしてこれら突条の下面にはそれぞれ９“ａと９’ｂと
９’ｃとをそれぞれ蝶番１０′および１１′で連結し、
各蓋単片９ａ、９ｂ、９ｃ・・・はその短手方向端部に
おいて回動自在になるようにしている。

なお、前記蓋単片９ａ。９ ｂ ｔ ９ ｃ・・・の
各短手方向端側面１２″ａ、 １２’ｂ、１２″ｂ、
１２’ｃは互いに対向し合っている他の蓋単板の恵方端
側面と近接でき、かつ蓋単片が回動したときに互いに接
触しないように曲面状に形成されている。

そして前記各蓋単片９ａ、９ｂ、９ｃの表面はもちろん
のことその短手方向端側面１２″ａ、１２’ｂ、１２“
ｂ、１２’ｃにも延在するようにたとえば木目模様の装
飾シート１３が形成されている。

またこのようにして連結されている各蓋単片９ａ、９ｂ
、９ｃ・・・の長手方向両端部には端ばめ１４ａｖ
１４ｂｙ １４ｃがたとえばビス１５等で前記突条９
ａ／／ 、 ９ ／ ｂ。

９“ｂ、９’ｃ・・・にじめつけることにより固定され
ているとともに、両脇の端ばめの底部には第３図の断面
図で示すようにフェルト１６が接着されている。

このようにスライド蓋９の各蓋単片の短手方向端側面に
まで装飾シートを延在させて形成しておけば、たとえ前
記スライド蓋が曲面を有するガイド部上に至る導出状態
で、各蓋単片が若干の偏位角を有し、各蓋単片の短手方
向端側面が露呈しても、蓋単片の構成材料であるアルミ
ニウム等の生地が現われるようなことはなくなる。

したがってより外観を美麗にすることができる。

また、同じ装飾シートをそのまま表面から短手方向端側
面に延在して一体的に形成して蓋単片に被着するので被
着作業も簡単になる。

また露呈する各蓋単片の短手方向端側面はほぼその上部
側面であることから、下部側面に至るまで装飾シートを
延在せておけば、装飾シートの寸法誤差が若干異なって
いても、外観上識別されることがない。

したがって従来のように装飾シートの寸法精度を厳しく
要求する必要がない。

この実施例へは装飾シートの模様として木目模様のもの
を用いているが、これに限らず他の模様であってもよい
ことはもちろんである。

この考案は実施例で述べたスライド蓋のみに適用できる
ものでなく、一般に短手方向端部を互に回動自在に連結
した長方板状の複数の蓋単片で構成されているスライド
着金てに応用できるものである。

またこの実施例では装飾シートを各蓋単片の短手方向端
側面に延在せたものであるるが、観測者が認識できる一
側面側のみに延在させてもよいことはもちろんである。

なお、この考案によるスライド蓋は一例として電子オル
ガンに利用されているものを掲げたものであるが、これ
に限定されるものではなくサイドボード等に利用されて
いるスライド蓋にも応用できるものである。

以上述べたようにこの考案によるスライド蓋によれば装
飾シートが蓋単片のスライド方向に面する短手方向端側
面に形成されるので外観がより美麗になり、かつ、装飾
シートは蓋単片の表面から延在されて短手方向端側面ま
で形成されるので、装飾シートの寸法誤差を許容するこ
とができるとともに作業性も向上し、コスト低減もはか
れる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図はこの考案のスライド蓋の一実施例
を示す説明図である。 １・・・・・・電子オルガン本体、２・・・・・・操作
スイッチ配置板、３・・・・・・上鍵盤、４・・・・・
・下鍵盤、５，６・・・・・・親板、７・・・・・・譜
両立て、訃・・・・・屋根板、９・・・・・・スライド
蓋、９ａ、 ９ｂ、 ９ｃ・・・・・・蓋単片、９ａ
“、９’ｂ、９“ｂ、 ９’ｃ・・・・・・突条、１
０・・・・・・ぺダル鍵盤、１１・・・・・・エクスプ
レッションペダル、１０’、 １１’−−−−−−蝶
番、１２″ａ、１２’ｂ、１２″ｂ、１２’ｃ・・・・
・・短手方向端側面、１３・・・・・・装飾シート、 １４ａ。 １４ｂ。 １４ｃ・・・・・・端ばめ、 ５・・・・・・ビス、 ６・・・・・・フェルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長方板状の複数の蓋単片を短手方向端部において互に回
   動自在に連結し、曲面を有するガイド部に沿って移動す
   るように構成されたスライド蓋において、前記蓋単片に
   表面から短手方向端側面まで延在させて装飾シートを被
   着したことを特徴とするスライド蓋。