JPS6021139B2 - ヨノン,イロンまたはそれらのn−型誘導体の製造方法 - Google Patents

ヨノン,イロンまたはそれらのn−型誘導体の製造方法

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JPS6021139B2
JPS6021139B2 JP6011377A JP6011377A JPS6021139B2 JP S6021139 B2 JPS6021139 B2 JP S6021139B2 JP 6011377 A JP6011377 A JP 6011377A JP 6011377 A JP6011377 A JP 6011377A JP S6021139 B2 JPS6021139 B2 JP S6021139B2
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芳司 藤田
通裕 石黒
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はョノン、ィロンまたはそれらのn−型誘導体の
新規な製造方法に関する。
従来ョノンまたはィロンは何らかの方法で調製したプソ
ィドョノンまたはプソィドィロンを比較的多量の酸性閉
環剤を用いて環化する方法によって製造されている。
本発明はかかるプソィド体を経由せずにョノンおよびィ
ロンを製造する方法、さらにョノンおよびィロンのn−
型誘導体を選択的に製造する方法を提供するもので、本
発明によれば下記一般式(ロ)で表わされるプロパルギ
ル型アルコールを100〜40000の温度で熱転位さ
せることによって下記一般式(1)で表わされる化合物
が製造される。
上記式(1)および(ロ)においてRIは例えばメチル
、エチル、nープロピル、イソプロピル、nーブチル、
ィソブチル、ィソアミル等の炭素数1〜5の低級アルキ
ル基、R2は水素原子もしくはメチル基であり、式(1
)における点線はこれによって指示された位置のいずれ
か一方に二重結合が存在することを表わす。すなわち本
発明により製造される化合物は、RIがメチル基、R2
が水素原子の場合はョノン、RIおよびR2がともにメ
チル基の場合はィ。ン、R2が水素原子またはメチル基
でRIが炭素数2以上の低級アルキル基の場合はョノン
またはィロンのn−型誘導体である。本発明の第一の特
徴は、式(ロ)のプロパルギル型アルコールを加熱する
だけで一挙に対応する式(1)の化合物が得られること
であり、第二の特徴はョノン、ィロンのアルキル置換誘
導体としてn−型のみが選択的に生成することである。
一般的に述べれば、ブロパルギル型アルコールを加熱し
て構造異性体である不飽和ケトンに転位させる反応自体
はオキシ・コープ(0桝一Cope)転位反応として公
知である〔J.Am.Chem.S。
C‐,86,5017,5019(1964),匡止昼
Z,1150(1965)、同90,6141(196
8),92,2404(1970)〕。しかしながら本
発明における式(0)のプロパルギル型アルコールが上
記転位反応に付されたことはなく、またこれにより環状
テルベンケトンが得られることは知られていない。本発
明はョノン類およびィロン類の製造を目的として式(ロ
)のプロパルギル型アルコールに対してオキシ・コープ
転位反応を応用し、これにより叙上の特徴を示したもの
であるが、かかる本発明の方法を従来のョノン類および
ィロン類の製法と比較すると、次の如き特異な優位性が
認められる。a 高濃度の硫酸、リン酸の如き錫酸また
は他のルイス酸等の酸性開環剤を全く使用しないので、
酸による反応装置の腐蝕がなく、廃液処理も容易である
b 市場で入手可能なメチルョノンは単一化合物ではな
くn−型とiso−型の混合物であるが、本発明で得ら
れるメチルョノン、その他のアルキル置換ョノソおよび
ァルキル置換ィロンはn一型のみである。
本発明において出発物質として用いられる式(0)のプ
ロパルギル型アルコールの例を以下に列挙するが、化合
物名において「トリメチルシクロヘキセニル」は2′,
4′,4′−トリメチルー2′−シクロヘキセソー1′
−イルを、「テトラメチルシクロヘキセニル」はZ,4
′,4,5′ーテトラメチルー2′ーシクロヘキセン一
1′−ィルを意味する。
なお式(0)のプロパルギル型アルコールには不斉炭素
原子に基づく異性体が存在するが、本発明はかかる異性
体を特定するものでなく、また該異性体は等しく本発明
で用いることができる。■ 3一(トリメチルシクロヘ
キセニル)一1−ブチンー3ーオール■ 3−(トリメ
チルシクロヘキセニル)−1−ペンチン−3ーオール■
3−(トリメチルシクロヘキセニル)一1ーヘキシン
−3−オール■ 3−(トリメチルシクロヘキセニル)
−1ーヘプチン−3ーオール■ 3−(トリメチルシク
ロヘキセニル)−4ーメチルー1−ペンチン−3ーオー
ル■ 3−(トリメチルシクロヘキセニル)−5−メチ
ル−1ーヘキシンー3ーオール■ 3一(テトラメチル
シクロヘキセニル)一1−ブチンー3ーオール本発明に
よる転位生成物が広い用途を有しているという意味にお
いて、上記■,■および■のプロパルギル型アルコール
が特に重要である。
式(0)のプロパルギル型アルコールの転位反応は液相
もしくは気相で行なうことができる。100〜400q
oの範囲の反応温度が使用されるが、反応速度および選
択率の面から、液相反応については130〜300qo
とくに150〜2500○、気相反応については滞留時
間によって異なるが、250〜40000の範囲が好ま
しい。
反応は窒素、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下で行なう
のが望ましい。液相での反応において溶媒の使用は必須
ではないが、転位反応条件下で安定かつ反応に関与しな
いか、あるいは選択率を向上させるものは使用してもよ
い。本発明により得られる式(1)の転位反応生成物例
えばョノン、メチルョノン、ィロンは香料として、およ
び医薬品製造中間体、農薬製造中間体などとして有用で
ある。本発明において出発物質として用いられる式(0
)の新規なプロパルギル型アルコールは下記の工程によ
り製造することができる。
すなわち【1’下記一般式(W)〔式(W)中R2は水
素原子もしくはメチル基、点線はこれによって指示され
た位置の一方に二重結合が存在することを表わす〕で表
わされるトリメチルまたはテトラメチルシクロヘキセン
〔以下(メチル)シクロゲラニオレンと略称することが
ある〕をルイス酸蝕煤の存在下、下記一般式(V)〔式
(V)中RIは式(1)におけると同じ意味でありXは
ハロゲン原子または基であり、R3はRIと同一もしく
は異なる低級アルキル基である〕で表わされる酸ハラィ
ドもしくは酸無水物と反応させて、アシル化反応生成物
である下記一般式(m)〔式(m)中RIおよびR2は
式(1)におけると同じ意味である〕で表わされる不飽
和ケトンを得る工程、および■ 式(m)の不飽和ケト
ンをヱチニル化して式(D)のプロパルギル型アルコー
ルを得る工程。
シクロオレフィン化合物に対するルイス酸蝕煤存在下で
のアシル化反応は公知である〔例えばJChem.So
c.,C.,2215(19磯)、Tetrahedr
onじtt.,3607(1971),Tetrahe
dron24,1385(1968)〕。
式(V)の酸ハラィドもしくは酸無水物を用いる(メチ
ル)シクロゲラニオレン(W)のアシル化反応は公知の
方法で行なうことができ、ルイス酸としてはたとえば塩
化亜鉛、塩化アルミニウム、四塩化錫、三弗化ホウ素、
ポリリン酸等が好ましく使用される。式(V)の酸ハラ
ィドまたは酸無水物は、式(1)の化合物の所望の構造
を与えるものが選択されねばならないが、それらの例は
塩化アセチル、臭化アセチル、塩化プロピオニル、臭化
プロピオニル、塩化ブチリル、臭化ブチリル、塩化ィソ
ブチリル、青草酸クロラィド、無水酢酸、無水プロビオ
ン酸、無水酪酸、無水ィソ酪酸、無水青草酸である。(
メチル)シクロゲラニオレンは一般に、式(W)中点線
で指示された二重結合の位置に関する異性体の混合物と
して入手され、これらは必要ならば分離可能であるが、
該二重結合の位置によってアシル化反応自体は影響され
ないので、混合物のまま使用するのが有利である。
反応は一般に(メチル)シクロゲラニオレン(W)の1
モルあたり1〜2モルの酸ハラィドもしくは酸無水物を
用い、(メチル)シクロゲラニオレン(W)の1モルあ
たり1.5モルまでのルイス酸触媒の存在下で行なわれ
る。反応温度は使用する触媒に応じてそれぞれ適宜決定
されるべきであるが、たとえば塩化亜鉛、四塩化錫、三
弗化ホウ素では−3000〜十100qo、好ましくは
0〜30q○であり、ポリリン酸では50〜15000
である。触媒として上記の如き金属塩化物を用いてアシ
ル化反応を行なう場合は、通常反応終了後の均一な反応
液を水中に注ぎ、溶剤抽出によって反応生成物を分離す
る操作が必要となるが、ポリリン酸を触媒とする場合は
反応液が二層に分れるため、反応生成物の分離が容易で
ある。アシル化反応生成物は式(m)の不飽和ケトンの
ほかに、二重結合に関する異性体である下記式(皿′)
で表わされる不飽和ケトンを含む。
生成する式(m)と(町′)の不飽和ケトンの比率は、
(メチル)シクロゲラニオレン(W)の前記異性体の比
率によっては影響されず、主として使用するルイス酸触
媒の種類によって影響される。たとえば塩化亜鉛を触媒
として用いる場合は通常90%以上の割合で式(m)の
不飽和ケトンが得られるが、ポリリン酸の場合は式(m
′)の不飽和ケトンが主生成物となる。後述のェチニル
化反応によって式(m′)の不飽和ケトンから誘導され
るべき下記式(U′)のプロパルギル型アルコ−−′レ
は、本発明による熱転位反応により式(1)のョノン、
ィロンまたはそれらのn−型誘導体を与えない。
式(m)と式(囚′)の不飽和ケトンは蒸留により分離
可能であるが、上記の事実に鑑み、ァシル化反応は式(
m)の不飽和ケトンを可及的高収率で生成させる条件で
行なうのが望ましい。式(m)の不飽和ケトンのェチニ
ル化反応は、ケトン類のェチニル化によりプロパルギル
アルコール構造をもつ化合物の製法としてそれ自体公知
の方法によって行なうことができる。とくに、テトラヒ
ドロフランの如き適当なエーテル溶媒中、その場で生成
されてもよいェチニルグリニャール試薬例えばェチニル
マグネシウムハラィドを不飽和ケトンに反応させる方法
が、反応操作の簡便さ、反応の高選択性等の点で好まし
く採用される。たとえば式(m)の不飽和ケトンに対し
て当量ないし1.3音当量のェチニルマグネシウムハラ
ィドを用いると、75%以上の収率で目的とする式(ロ
)のプロパルギル型アルコールを製造することができる
。式(m)の不飽和ケトン中に存在してもよい式(m′
)の不飽和ケトンから生成する式(ロ′)のプロパルギ
ル型アルコールは、目的とする式(ロ)のプロパルギル
型アルコールから蒸留等の分離技術により除去すること
ができるが、式(ロ)と式(0′)の混合プロパルギル
型アルコールを本発明による熱転位反応に付したのち、
生成する式(1)のケトンから未反応の式(0′)のア
ルコールを分離することもできる。
次に本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例 1m 不飽和ケトン(m)の製造 400羽のニつ口フラスコにシクロゲラニオレン24.
8夕(0.2モル)、無水酢酸24.4夕(0.24モ
ル)および無水塩化亜鉛32.6夕(0。
24モル)をとり、室温で1虫時間擬拝した。
反応終了後褐色の反応液を氷水中に注ぎ、エーテルで抽
出した。抽出液を10%炭酸ナトリウム水溶液で中和し
、さらに数回水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した
。回転式ェバポレータで抽出液からエーテルを除いたの
ち減圧蒸留して、生成不飽和ケトンを沸点60〜62℃
/0.13〜0.15柳日夕の留分とて30.2タ得た
。該ケトンは式(m)および(m′)においてRIがメ
チル基、R2が水素原子であり、(m)/(m′)の比
が94ノ6の混合物であった。主成分の不飽和ケトン〔
(2′,4,4′ートリメチルー2′−シクロヘキセン
一1′−イル)ーメチルケトン〕は次のように同定され
た。核磁気共鳴スペクトル(6冊CI4) 5.29(IH,bs),2.86(IH,t)、2.
01(母日,s),1.51(3日,s),0.93(
祖,s),0.88(狙,s)■ プロパルギル型アル
コール(0)の製造500の‘の三つ口フラスコ中、あ
らかじめ調製した0.12モルのエチニルマグネシウム
ブロマイドを含む200叫のテトラヒドロフラン溶液に
、上記不飽和ケトン混合物16.6夕(0.1モル)を
室温で滴下し、その後さらに50〜60ごCで1時間蝿
拝した。
反応液を氷水と混合し、該混合物に希硫酸を加えて白濁
を除いたのちエーテルで抽出した。ェーナル相を数回水
洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エーテル相か
らエーテルを減圧下に蟹去し、さらに真空蒸留して主と
して式(0)においてRIがメチル基、R2が水素原子
であるプロパルギル型アルコール〔3一(2,4′,4
′−トリメチルー2ーシクロヘキセン−1′−イル)−
1ーブチン−3−オール〕からなる留分(沸点71〜7
4qo/0.35〜0.巡側日の15.秒を得た。上記
プロパルギル型アルコールの赤外線吸収スペクトル(I
R)および核磁気共鳴スペクトル(NMR)における特
徴的ピークを以下に示す。
IR(伽‐1)3440(〇H)、3300(C…CH
)NMR(6横CI4)5‐14,5‐10(IH,e
ach戊)【3} ョノン(1)の製造 N−メチルピロリドン40机【に溶解した15夕の前記
プロパルギル型アルコールを、100叫の三つ口フラス
コ中窒素雰囲気下に180午0±5℃に2加時間加熱し
て転位反応を行なった。
反応混合物を多量の水に注いでエーテルで抽出し、エー
テル相を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。エーテル
を減圧留去したのちの残分を蒸留し、沸点124〜12
8℃/11〜13脚日夕の留分9.6夕を得た。該蟹分
はガスクロマトグラフイ一分析(PEG2■M、カラム
温度170oo)よれば、Qーョノンと8ーョノンの2
:3混合物であった。実施例 2〜6 無水酢酸0.24モルの代りに式 で表わされる表1に示す酸無 水物0.24モルを用いる以外は実施例1を繰り返し、
得られた式(m)および(m′)の混合不飽和ケトン(
R2が水素原子で表1に示すRIを有する)実施例1と
同様にしてェチニル化し、生成した式(D)のブロパル
ギル型アルコール(R2が水素原子で、表1に示すRI
を有する)を4倍容量のNーメチルピロリドン中で実施
例1と同様にして転位反応し、式(1)のn−型ョノン
誘導体(R2が水素原子で表1に示すRIを有する)を
得た。
結果をまとめて表1に示す。表1 実施例 7 10夕の3−(2′,4′,4′ートリメチルー2′ー
シクロヘキセンー1′−イル)一1ープチン−3−オー
ルを、その3倍容量の表2に示す溶媒中窒素雰囲気下で
加熱転位反応させ、ョノンを得た。
結果を表2に示す。表2実施例 8 シクロゲラニオレン0.2モルの代りにメチルシクロゲ
ラニオレン〔式(W)においてR2=CH3〕0.2モ
ルを用いて実施例1のmおよび■と同様にして反応を行
ない、収率75%で式(0)のプロパルギル型アルコー
ル(R1,R2=CH3)すなわち3一(2′,4′,
4′,5′ーテトラメチルー2′−シクロへキセンー1
′ーイル)−1ーブチンー3ーオールを得た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式(II) ▲数式、化学式、表等があります▼ で表わされるプロパルギル型アルコールを100〜40
    0℃の温度で転位させることを特徴とする一般式(I)
    ▲数式、化学式、表等があります▼ で表わされるヨノン、イロンまたはそれらのn−型誘導
    体の製造方法〔上記式(I)および(II)においてR^
    1は低級アルキル基、R^2は水素原子もしくはメチル
    基であり、式(I)における点線はこれによつて指示さ
    れた位置のいずれか一方に二重結合が存在することを表
    わす〕。 2 一般式(II)で表わされるプロパルギル型アルコー
    ルが、下記一般式(III)▲数式、化学式、表等があり
    ます▼ 〔式(III)中R^1およびR^2は式(I)および(I
    I)における意味である〕で表わされる不飽和ケトンを
    エチニル化することにより製造されたものである特許請
    求の範囲第1項記載のヨノン、イロンまたはそれらのn
    −型誘導体の製造方法。
JP6011377A 1977-05-23 1977-05-23 ヨノン,イロンまたはそれらのn−型誘導体の製造方法 Expired JPS6021139B2 (ja)

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IT23674/78A IT1096308B (it) 1977-05-23 1978-05-22 Procedimento per la produzione di iononi ed ironi
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US05/908,818 US4215230A (en) 1977-05-23 1978-05-23 Production of ionones and irones by thermal rearrangement of propargylic alcohols

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